アベノミクス 「危ない経済実験(毎日新聞社説)」の 下 2016年12月 その1 私たちの国はどこへ行こうとしているのか?

経済財政諮問会議
(2016.12.04 「安倍1強」と言われる政治状況が国会審議の形骸化に拍車をかけている。本稿更新することにしました。  この国はどこへ行こうとしているのか?

株安は中国市場など反映、年金運用は収益超維持=安倍首相20160108

アベノミックスに関する読み物を3本ご紹介します。


税収 前年割れ 法人税が減少 アベノミクス失速鮮明
毎日新聞2016年12月2日 東京朝刊


 2016年度の国の一般会計税収が、法人税収の減少を主因に、7年ぶりに前年度実績(56兆2854億円)を下回る見通しとなった。安倍晋三政権は、税収増を追い風に経済政策「アベノミクス」を推進してきたが、税収減はその転換点となりそうだ。【横山三加子】

 安倍政権が発足した12年度に43兆円台だった税収は、日銀による大規模金融緩和で進んだ円安・株高で企業業績が改善したことや、14年4月の消費税率8%への引き上げなどで15年度には56・3兆円まで増加した。安倍政権は、税収が当初見積もりから上振れした分を補正予算の財源に活用。「アベノミクスの果実」とアピールし、歳出拡大を続けてきた。

 だが、年明け以降に進んだ円高で、自動車など輸出企業を中心に企業業績は頭打ちとなった。足元では、次期米大統領に就任するドナルド・トランプ氏の政策への期待感から円安・ドル高となっているが、「先行きがどうなるかは分からない」(市場関係者)状況。来年度以降、税収の回復が見込めなければ、政策見直しを迫られる可能性もある。

 一方、税収の減少は、政府が掲げる財政健全化目標の達成にも影響を与えかねない。政府は、政策経費をどの程度税収でまかなえているかを示す「基礎的財政収支」(プライマリーバランス=PB)を20年度に黒字化することを目指している。消費税率10%への引き上げ延期ですでに目標達成が危ぶまれているが、今回の税収減で黒字化は一層遠のく恐れがある。また、今年度途中での赤字国債の追加発行に加え、17年度予算で新規国債発行額を増やせば、財政状況はさらに悪化する。

 安倍政権は「経済成長なくして財政再建なし」と掲げ、経済成長によって税収を増やすことに主眼を置いてきたが、財政健全化への取り組みが改めて問われそうだ。



社説 OPECの減産 原油高は歓迎できない
毎日新聞2016年12月3日 東京朝刊

 中東の産油国などから成る石油輸出国機構(OPEC)が、原油の減産計画に合意した。世界的なだぶつきを是正し、低迷が続く原油価格を引き上げる狙いがある。

 9月の臨時総会で減産の大枠は固まっていたが、国別の削減量が決まっていなかった。欧米からの経済制裁中に市場シェアを落としたイランが、例外的に増産を認めるよう求め対立したが、最大の産油国、サウジアラビアが合意を優先し譲歩した。

 OPECは、ロシアなど非加盟の主要産油国も協調し減産することを想定しているという。

 合意を受けて原油先物相場が急騰したが、大幅な上昇の持続は疑わしい。減産合意が額面通り守られてこなかった過去がOPECにはあるからだ。順守を監視する体制を設けるというものの、抜け駆けの増産をどこまで阻止できるか未知数である。ロシアによる協調減産を疑問視する専門家も少なくない。

 仮にOPEC加盟国やロシアなどが減産を徹底したとしても、効果を打ち消しかねないのが米国を中心に台頭したシェールオイルの存在だ。米国は今やサウジアラビアと並ぶ主要産油国だが、その生産の約半分をシェールオイルが占める。

 生産しているのは多数の民間事業者であり、価格が上昇に転じそうになると、生産量を増やす。OPECや非OPEC加盟国が減産した分をシェールオイル業者が増産で埋めてしまう可能性が高い。実際、トランプ次期大統領はシェールオイルの生産を後押ししようとしている。

 そうなると、日本は困るのか。

 実はエネルギー輸入国の消費者にとっては、価格が産油国の思惑通りに管理されない方がありがたいと言える。

 特に賃金がなかなか増えない状況下にあって、原油の減産でガソリンや灯油、電気料金などがどんどん値上がりすれば、日本の消費者は大きな打撃を受ける。トランプ氏が米大統領選挙に勝利して以来、円安が進行している。輸入物価高をもたらす円安と原油高が重なれば、日本の消費者は二重の負担増に見舞われる。

 日銀は「年率2%」という目標を掲げて物価上昇を目指しているが、経済の拡大と賃金の上昇の結果起こる物価上昇と違い、こうした輸入品の値上がりは、生活を圧迫するばかりだ。

 長期に及ぶ原油価格の極端な低迷は、国家の収入をエネルギーに依存する中東諸国などの政情を不安定化させる危険があり、注意していく必要はある。ただ、エネルギー価格の上昇は、日本の消費者にとって見返りなき増税に等しい。原油高につながる減産は、決して歓迎できるものではないのである。



金言 失業と社会の安定=西川恵
毎日新聞2016年12月2日 東京朝刊


 同じ先進国でも欧米と比べ日本社会にはある種の安定感、落ち着きがある。最近、フランスから来た友人も「経済的に低迷していると言われるが、欧州の殺伐とした雰囲気と比べ日本の社会はなぜこんなに落ち着いているんだ」と言った。

 理由は幾つかあるだろうが、失業率の低さは間違いなくその一つだろう。

 厚生労働省の発表によると10月の有効求人倍率は1・40倍の高率で、前月に比べ0・02ポイント上昇した。求職者1人当たり1・40人の求人があるわけで、仕事を探している人よりも企業が求める人数が多い。

 総務省発表の同月の完全失業率は3・0%。完全失業者数は197万人と、1995年2月の198万人以来、21年8カ月ぶりに200万人を下回った。

 多くの教科で同級生の後塵(こうじん)を拝している生徒が、ただ一つ得意科目でなんとか名誉を保っている。これがいまの日本だ。巨額の財政赤字と長期債務、低迷する成長と、経済指標では先進国の中で劣等生だが、唯一、失業率だけは一貫していい。私がパリ特派員だった二十数年前も、欧州各国が10%近い失業率に苦しんでいる中で、日本は2%台だった。「高度成長に続く日本の奇跡」と言われていた。

 21世紀に入って日本も一時5%台になったが、一貫して先進国では最低の失業率を維持している。最近の数字で比べると、日本3・0%、米国5・0%、英国4・8%、ドイツ4・1%、フランス9・7%、イタリア11・7%。

 働き口がないのは人心を荒れさせる。人を自暴自棄にさせ、投げやりな気持ちにさせる。欧州では若年層の失業率が平均失業率の2倍に上る国が少なくない。デモや抗議行動が時に商店襲撃などに発展するのを見ると、雇用の保障がいかに公共心や公共性の保持の面でも大事か分かる。

 ただ日本の低失業率は手放しで喜べない。その中身を見れば、労働人口の減少と裏腹の関係にある。また雇用調整助成金によって中小企業に余剰人員を抱えさせ、解雇を抑えている面もある。いうなら低失業率も財政赤字が支えている。非正規雇用の存在も見落とせない。雇用の質を考えた時、単に失業率が低ければいいとはならないからだ。

 日本社会のある種の安定は過去の成長遺産を食いつぶしながら何とか維持されているとも言える。経済を成長させ、財政を健全化し、財政余力を高めなければ早晩、行き詰まるだろう。低失業率の数字にあぐらをかいてはおれないのである。(客員編集委員)






2016.12.01
読み物を1本 ご紹介します


倉重篤郎のサンデー時評

トランプ以後の世界 金子勝慶應義塾大教授、悪夢の予言 アベノミクスは「戦時経済」に移行する!
2016年11月24日 Texts by サンデー毎日


 トランプ以後、日本経済はどうなるのか。アベノミクスの弊害は庶民の暮らしをいかに直撃するのか。金融恐慌、リーマンショック……過去、経済危機を何度も言い当ててきた慶應大教授・金子勝氏(64)が、悪夢が現実となる時代を「予言」する―――。
(一部敬称略)

▼欧米では2大政党制が崩壊、極右が台頭

▼日銀は債務超過、不動産バブル崩壊

 トランプショックの余韻が残る中、トランプ米次期大統領で世界がどう変わるのか。それが日本の政治経済、とりわけアベノミクスに何をもたらすのかについて、金子勝慶應大教授に聞いた。

 なぜ、金子氏か。理由は二つある。一つは、金子氏が自任するその「悪魔の予言者」ぶりからである。別に金子氏に尻尾(しっぽ)と角が生えているわけではない。時代の節目に氏が見立てた経済悲観シナリオがこれまで何回も的中してきた、という実績に基づくものだ。

 北海道拓殖銀行、山一證券破綻に代表される1990年代後半の金融恐慌的状況について、不良債権処理の失敗から早々とそれを言い当て、2008年のリーマン・ショックでも、それに至る米国の住宅バブル崩壊段階から警鐘を鳴らしていた人物だ。今回のインタビューでもその悪魔ぶりをいかんなく発揮していただいた。

 もう一つは、金子氏には半年前(5月1日号)にもこの欄でインタビュー、アベノミクスについては、日本を取り戻すどころか売り渡す政策であること、異次元金融緩和という麻薬的政策が日本経済に本来備わっていた行き過ぎを抑える制御機能をマヒさせたこと、結果、日本を後戻りのできない長期衰退に導くであろう、との見通しを語ってもらった。

 その内容に読者からの反響が多かったこともあり、その後10人の識者からアベノミクスの限界と問題点について聞くシリーズものを連載し、『日本の死に至る病 アベノミクスの罪と罰』という本も出版した。現在の局面は、トランプ下のアベノミクスを再度斬っていただく時期だと考えた。


 まずは、トランプ勝利をどう見ましたか?

「グローバリゼーションの帰結として、新秩序が生まれるのではなく、むしろ欧米の2大政党制の溶解が始まった、との印象だ」

 2大政党制の溶解?

「米民主党は、基本的にニューディール連合で自動車、鉄などの労組、つまり製造業利害を代弁してきたが、クリントンの2期目で変質した。ゴールドマン・サックスのルービンを財務長官に迎え入れたことに象徴される一連の金融規制緩和と、ゴア副大統領の情報スーパーハイウェイ構想によって、金融、情報帝国として米国を再興、それがグローバリゼーションの流れを加速した。

 ヒラリーはそのウォール街・新産業エリートの代弁者で、サンダースのような旧来型地盤を代表するリベラルな再分配要求派との間で分裂した」

「米共和党も小さな政府と自由貿易という本来の主張ができなくなった。トランプはプアホワイト(貧しい白人)の支持をバックにむしろ米民主党の基盤に食い込み、大きな政府や保護主義を訴えた。グローバリズムの結果、国民各層の諸利害が分裂し、2大政党が過去のようにそれをうまく統合できなくなっている」

世界中で強いナショナリズムの動き
 英国のEU離脱の時と似ていると?

「あの時も英保守党の7割は離脱賛成の一方で、首相を含め首脳陣は離脱反対だった。地域密着の陣笠(じんがさ)議員が賛成、ロンドンのトップエリートは反対との構図だ。英国でも2大政党が民意の吸収、統合に失敗していた」

「つまり、ウォール街でもロンドンでも、金融エリートとそれにつながった政治家は、社会の末端で何が起きているか、グローバル化の進展で格差と分断がどこまで深刻に進んでいるか、わかっていなかった、ということだ。EU離脱? トランプ当選? そんな馬鹿な投票するわけない、とたかをくくっていた」

 EU離脱もトランプ現象もグローバリズムが生みの親だと。とすれば、その先に何が見通せるか。

「危険なのは、グローバリズムに対する反対が単純なポピュリズムやナショナリズムに昇華され、激しい移民排斥になることだろう。トランプ勝利とEU離脱をきっかけに、欧州でも次々に極右政党が台頭してくる可能性が高い。オランダ自由党、デンマーク国民党、仏国民戦線とすでにその兆候が出ている」

 その世界の潮流は安倍晋三政権にはどう波及する?

「安倍右寄り政治に対するブレーキが利かなくなってくる。安倍さんが、歴史認識問題で中韓を材料に煽(あお)りたてる古いタイプのナショナリズムに踏み込み切れなかったのは、安倍さんの自制心というより米国の牽制(けんせい)によるものだった。それがなくなると、トランプと変な意味で共鳴し、強いナショナリスティックな動きに出てくる可能性もある」

 どんな形で跳ね返る?

「後ほど述べるが、20年の東京五輪前に世界的な経済危機が発生する可能性がある。日本はアベノミクスですべての経済政策を使い果たしているので、ナショナリズムで対処するしかない。例えば、五輪の成功と安全なる開催を金科玉条にして、IS、テロリズム対策で共謀罪を成立させようとか、憲法に緊急事態条項を盛り込もう、といった動きに出る。経済危機の実態を隠し、五輪ナショナリズム的な方向に国民意識を持っていこうとする可能性がある。それが一番リアルなシナリオと思う」

 そこでアベノミクスについて聞きたい。半年前に比べて、何がどう変わったのか。

「量的緩和によるカネのばらまきが止まらず、ますますパンとサーカスの時代となっている。日銀は異端審問所と化し異論を排除、手術しなければいけないのにモルヒネを打ちまくっている状態だ。家での安楽死を選ぶ路線に入っている」

 9月にはその日銀が総括的検証を発表した。

「アベノミクスの破綻が明らかになったのに、黒田(東彦(はるひこ)総裁)さんは居座り、誰も責任を追及しない。問題はマイナス金利の弊害が出ながらも、失敗を認めないために、量的緩和約80兆円もズルズル続けざるを得ないことだ。悪いシナリオがいくつか起こりうる」

五輪前に世界経済危機が発生
 例えば?

「第一に、マイナス金利の弊害で日銀が債務超過に陥る可能性がある。マイナス金利ということは、満期時より高い価格で国債を取引することだから、売る政府側には都合がいいが、買い取る日銀側からすると償却のたびに損失が出る。その損失がすでに10兆円弱というから、日銀の自己資本(7・2兆円)、引当金(2・7兆円)に対しほぼ見合う状態となっている。短期債ほどマイナス金利の幅が大きく、ここ2、3年で満期がやってくる。債務超過状態に陥った日銀が発行する日銀券とは一体何なんだという問題に直面する」

「お金(日銀券)には、単なる交換手段ではなく債務証書の機能がある。それを裏書きするのは政府と日銀への信用だ。それが崩れると、ロシアのルーブル危機(1998年)のようになり、通貨が紙くずと化す。潜在的にはそういう危険な領域に入るということだ」

 まさに悪夢のシナリオ。

「第二に、不動産バブルの崩壊だ。過剰なお金が不動産融資に異常に傾き、2015年には10兆6000億円と26年ぶり(バブル末期以来)の水準に達した。問題は、すでにそのピークアウトが始まったことで、成約率が落ち、販売在庫もたまり始めている。東京・世田谷でもマンションの売れ残りが出ているという。18年ごろにはクラッシュとは言わないが、調整局面に入るのではないか。五輪まではもたない、と思う」

 1980年代後半の資産バブルの崩壊を思い出す。

「企業にまで波及する深刻なバブル崩壊とは違う。潤沢な内部留保があるからだ。ただ、体力のない地方銀行はきつい。マイナス金利に追い込まれたうえ、国債もダメ、という窮状に不動産バブル崩壊の追い打ちでガクンとくる。地銀合併の嵐で地方は苦しくなる」

「カネが回らなくなり地方はさらに衰退する。すでに13・5%という空き家率がさらに上昇する。空き家は壊すと固定資産税が上がるので放置され、持ち主はそこに住んでいないので行政も手が打てない。これがボディーブローとなり地域や国土を荒廃させていく」

 それにしても、なぜ2018年なのか。五輪まではもつというのが大方の予測だが。

「金融資本主義の時代となり、景気循環の波がバブルの生成、崩壊の循環と重なってきている。1980年代後半が不動産バブル、90年代末がIT・株バブル、2008年がリーマン・ショックと、8年、10年周期の循環になっている。18年は世界の動きとも連動する。英国がEU離脱をソフトランディングさせる年であり、欧州で再び金融危機が再燃しかねない時期でもある」

 五輪前に世界経済危機が発生する可能性があると?

「最悪のケースは、EU離脱ドミノが起きた場合だ。ドイツ銀行が過去最大の赤字を計上(15年12月期決算で68億ユーロ)、巨額なデリバティブ(金融派生商品)残高を抱えている。英国では住宅バブルが再崩壊する危険性がある。イタリアでも銀行融資の約17%が不良債権化している。英のEU離脱がもたつく間に欧州金融危機が一気に進むだろう」


ルビコン川を渡ってしまったアベノミクス
 悪夢シナリオで最も怖い話を聞く。日本国債の信認はいつまでもつと考える?

「厳しい。すでに日銀が403兆円分も買い占めている。ETF(上場投資信託)の保有額も10兆円を超えた。株式市場も国債市場もマヒ状態だ。国民の個人金融資産が約1700兆円あるから大丈夫という議論は説得力がなくなっている。その金融資産を貯(た)め込んだ生保や銀行が、トランプになって金利が上昇したため外国債を買い、マイナス金利の日本国債を買わなくなったからだ。要は、日銀という中央銀行が債務超過状態になっても国債を買い続けられるかどうか。それにすべてかかっている。異様な事態だ」

 日銀が買わなくなった途端に国債は暴落、金利が急騰する。そうなると、日本経済は事実上メルトダウン、予算も組めなくなる。

「だから日銀は買い続けなければならない。だけど、債務超過でいつまで買い続けることができるのか。運試し、度胸試しという世界に来年から入っていく」

 安倍さんはまだ道半ばだと言っている。であるならばまだ引き返せるのでは?

「アベノミクス開始2年後の14年にはそのチャンスがあった。異次元緩和を2年続けたが目標に届きませんでした、と言って引き返すことも可能だった。だが、安倍さんは道半ばだとして追加緩和する道を選んだ。ルビコン川を渡ってしまったのだと思う。そこで反省なんかしていたら、政権の本来の目的である改憲への道が閉ざされるからだ。安倍さんにとって経済政策はその隠れ蓑(みの)にすぎない。もう引き返せないし、今さら失敗したとも言えない」

「ある時点で、ヘリコプターマネーではないが、日銀が市場を通さず国債を直接引き受けてしまおう、ということになるのではないか。つまり、欧州金融危機や不動産バブル崩壊が重なり不況になると、必ず新手の景気対策が求められる。だが、すでに金融は量的質的緩和が全開状況であり、財政出動にも限界が来ており、他に手段がなくなる」

 となると、国債の直接引き受けしかなくなる。市場の規律を受けずにいくらでも国債を発行し財政資金を調達できる禁じ手だ。

「ある意味、戦時経済化の様相ともいえる。もちろん、最初からそれを目指していたとは思わないが、安倍さんの中にそういうことに対する抵抗感がないのも確かだと思う。戦時統制経済でもない限り、中央銀行がどんどん政府の国債を引き受けて政府が支出を増やしていくことはできない。戦争の反省を忘れ、財政法を変えることになる」

 財政法5条は日銀の国債直接引き受けを禁じている。中央銀行が国債引き受けで政府への資金供与を始めると、財政節度を失わせ、ひいては悪性のインフレーションを引き起こす、というのが日銀ホームページ上の公式見解。だが、実際には、際限のない戦費調達にその打ち出の小槌(こづち)を使って無謀な戦争に突入した戦前の日本の反省からくるものだ。

 日本経済の戦時経済化については、この連載で大塚耕平参院議員も懸念を示していた(10月2日号)。氏はアベノミクスと戦前の高橋是清財政を比較し、安全保障環境の類似点、つまり、日中間に軍事的緊張関係があることに着目していた。

 ルビコン川を越え、戦時経済化するアベノミクス。そして、EU離脱、トランプ氏勝利に代表されるグローバリズムの変質、ナショナリズム化の趨勢(すうせい)。これらが合体した時に何が起きるのか。我々は今、悪魔ならぬ悪夢のような予言にふさわしい歴史の大きな節目に立っているのかもしれない。

くらしげ・あつろう
 1953年、東京生まれ。78年東京大教育学部卒、毎日新聞入社、水戸、青森支局、整理、政治、経済部。2004年政治部長、11年論説委員長、13年専門編集委員

かねこ・まさる
 1952年生まれ。慶應大経済学部教授。経済学者。著書に『セーフティーネットの政治経済学』、『粉飾国家』、『資本主義の克服』ほか多数

(以上 サンデー毎日2016年12月4日号から)




平成28年11月25日 第19回経済財政諮問会議

(1)最近の金融・経済情勢について
(2)経済・財政一体改革 -社会保障改革、地方行財政-
(3)平成29年度予算編成の基本方針について

平成28年11月25日 会議資料
平成28年11月25日 大臣記者会見要旨
平成28年11月25日 議事要旨(PDF形式:324KB)




平成28年11月8日 第18回経済財政諮問会議

(1)金融政策、物価等に関する集中審議
(2)経済・財政一体改革 -社会資本整備等-


平成28年11月8日 会議資料
平成28年11月8日 大臣記者会見要旨
平成28年11月8日 議事要旨





2016.11.03
経済財政諮問会議



腑臓を抉られた一文でした。


林中無策  本質=倉本聰
毎日新聞 2016年11月2日 東京朝刊

 世界地図を見れば歴然と分かる。ロシア、中国、アメリカ合衆国が、広さで言えば圧倒的に大きい。日本はどう見ても小国である。その小国がいつのまにか世界に発言力を持つ国になってしまった。その豊饒(ほうじょう)さに世界各国が一目置いているからである。しかし。だからといって経済重視、金銭一辺倒のこの風潮がこの国を支配してしまっていることに、僕は時折寒気を感じる。

 オリンピック誘致、巨額の予算、豊洲の問題。肝心要の東北復興や原発後処理、老化社会、目の前にぶら下がった喫緊の課題が山積みだというのに、利権の臭いをまきちらしながら国も国民もしゃかりきになって経済発展の方だけを向いている。そうやって手元の財布だけを考えているうちに、ヒトが生きるための最優先の問題、空気と水という最重要の課題すら忘れてパリ協定に乗り遅れてしまった。

 情けなさを通り越して悲しくなる。日本人の思考は完全にずれてしまったのか。

 なぜ日本という小さな島国が、ここまで世界から着目される、いわば大国の仲間入りができたのか。経済だけのおかげではあるまい。それより百数十年前初めて開国した日本という国が、鎖国時代に培ってきた思いもかけないその技術力・精神性に世界がアッと驚いた、そのことが一番大きな要因であると思う。だが今この国はその真の価値をどんどん放棄しているかに見える。この国は根源を見ることを忘れている。

 ボブ・ディランがノーベル文学賞をとったことに、我々は頭を殴られた気がした。文学と言えば小説のことといつのまにか思い込んでいたことに、である。思えば言霊をもって人の心を打つ俳句も詩歌も一片の警句も、全てを称して文学だったのだ。

 我々は根源を見なければならない。

 海の森なのか宮城の沼なのか。レガシーを作るのか仮設ですますのか。そんなことより我々は今、カヌーを漕(こ)ぐ水の水質の良(よ)し悪(あ)しから論を始めるべきではないのか。




平成28年10月21日 第17回経済財政諮問会議 

(1)GDP統計を軸とした経済統計の改善に向けて
(2)経済・財政一体改革 -社会保障改革-

平成28年10月21日 会議資料
平成28年10月21日 大臣記者会見要旨
平成28年10月21日 議事要旨



平成28年10月14日 第16回経済財政諮問会議

(1)経済社会・科学技術イノベーションの創造に向けた制度改革
(2)メリハリを効かせた歳出改革の推進

平成28年10月14日 会議資料
平成28年10月14日 大臣記者会見要旨
平成28年10月14日 議事要旨



平成28年9月30日 第15回経済財政諮問会議

(1)金融政策、物価等に関する集中審議
(2)働き方改革とマクロ経済
(3)2030年の経済構造を展望した改革について

平成28年9月30日 会議資料
平成28年9月30日 大臣記者会見要旨
平成28年9月30日 議事要旨





2016.10.04
経済財政諮問会議


前回の更新で保留にしていた 原子力政策に関する読み物 5本 ご紹介します
2016.10.04 風知草 の 記事 トモダチのために を追加しました。 

次回の更新は 日銀の「政策検証」に関するアベノミクスについて 行います。
 

風知草
トモダチのために=山田孝男
毎日新聞 2016年10月3日 東京朝刊

 安倍晋三首相(62)に小泉純一郎元首相(74)が話しかけている。

 「週刊文春」9月29日号の写真ページ。

 9月15日、東京・青山葬儀所。加藤紘一・元自民党幹事長の葬儀を終えた去り際、車を待つ間、師弟は90秒、並び立った。

 「文春」に出ていない音声をお伝えする。

 小泉「原発、なんでゼロにしないんだよ」

 安倍(微笑、黙礼)

 小泉「原発ゼロのほうが安上がりなんだよ。こんな簡単なことが、どうしてわかんねえかな。ぜーんぶウソだぞ、経産省が言ってんの。原発推進論者が言ってんの、みーんなウソ。だまされんなよ」

 安倍(苦笑、再拝。低頭のまま公用車へ)

     ◇

 小泉はいま、「トモダチ作戦被害者支援基金」に全力を注いでいる。

 東日本大震災の直後、福島沖へ急派され、救援活動にあたった米空母「ロナルド・レーガン」と随伴艦の兵士400人超が体調不良を訴え、白血病などで死者も出ているという。

 空母艦隊は2011年3月13日から17日にかけ、断続的に放射性プルーム(放射性物質を含む煙霧)の中で活動を続けた。

 帰国後、脳腫瘍や甲状腺がんを発症する兵士が続出した。東京電力と日米両国政府は、低レベルの被ばくは認めたが、発病との因果関係は認めない。

 若くして除隊し、保険がなく、医療費も払えぬ元兵士らの窮状を知った小泉が渡米し、直接、事情を聴いたのが今年5月。

 9月1日、元兵士らが東電などを訴え、日米の裁判管轄権を争う訴訟の口頭弁論が、カリフォルニアの高裁で開かれた。

 この時、<日本政府の助言者>が東電の代理人を支持し、「被ばくは米軍の責任」と述べたという。その傍聴記(「週刊金曜日」9月9日号)を読んだ小泉がたちまち反応した。

 「恥ずかしいよ。日本のための救援活動だったんだろ? アメリカの裁判官もあきれたって」

     ◇

 7月5日、小泉は、細川護熙元首相(78)、城南信用金庫(東京)の吉原毅相談役(61)らと募金開始の記者会見に臨んだ。

 自ら経団連に掛け合ったが、「東電が会員企業なので」と拒まれた。

 だが、援軍が現れた。建築家、安藤忠雄(75)。こう言った。「小泉さん、大阪へ来て講演してくれませんか。私が1000人集めます。会費1人1万円で1000万円になる」

 8月、講演に赴くと1300人詰めかけた。東京でも来月16日、安藤方式の小泉講演会をやる。仕掛け人は中小企業経営者団体のトップ。それとは別に、太陽光発電の会社の社長が1000万円くれた。

 それやこれやで5000万円。来春までに1億円集めたいという。

     ◇

 被ばくと発病の関係は微妙である。「発がんの可能性はあるが、急死するかは疑問」と専門家。

 先月7日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見した小泉に「科学的な根拠を示さず、放射線被害を言うのは無責任では」という質問が飛んだ。

 小泉はこう答えた。

 「私はもう政府の人間じゃない、民間人だ。現に苦しんでいる人がいる。支援するのが私の常識だ」

 批評ではなく、募金。批判ではなく、奉仕。原発政策を守るために「被ばくは米軍の責任」と言い放つ感覚の否定。元首相の常識を私は支持する。(敬称略)




風知草
「廃炉」の深層=山田孝男
毎日新聞 2016年9月26日 東京朝刊


 高速増殖原型炉「もんじゅ」は<カネ食い虫の役立たず>である。

 その「もんじゅ」の廃炉が事実上、決まった。合理的選択、歴史的決断と言いたいところだが、よく見ると微妙だ。浮いた資金が別の高速炉計画へ回るしくみになっている。

    ◇

 「もんじゅ」は、過去20年来、トラブル続きで、ほとんど動かぬまま1・2兆円を空費し、維持するだけで毎年200億円かかる問題施設である。

 浪費がまかり通った理由は明快だ。使用済み燃料を加工利用する核燃料サイクル政策にとって死活的なステップだから。

 なくしてしまえば、青森県の再処理工場でつくった加工燃料の持って行き場に困る。それでは各地の原発から使用済み燃料を青森に持ち込めない。

 核燃サイクル政策は「もんじゅ」はきっとうまくいくという共同幻想の上に成り立っていた。

 流れが変わったのは昨年11月。政府の原子力規制委員会が、「もんじゅ」の運営主体「日本原子力研究開発機構」の無能にあきれ果て、所管する文部科学相にこう勧告した。

 (1)半年をめどに、新しい運営主体を示せ

 (2)具体的に示せない場合は「もんじゅ」のあり方を抜本的に見直せ

 文科省は有識者に検討を依頼したが、具体的な答えは出なかった。

 勧告から10カ月経た先週21日、原子力関係閣僚会議が開かれ、「廃炉を含め抜本的見直しを行」い、「本年中に方針を決定する」と申し合わせた。

 「もんじゅ」を本気で動かすなら、耐震補強などで今後10年間に6000億円かかるという。廃炉ならそれが浮く。年200億円の維持費も浮く。

 他方、廃炉でも、今後30年間で3000億円かかるそうだ。通常の原発の廃炉なら最高850億円程度だが、「もんじゅ」は管理の難しいナトリウムを冷却材に用いており、設備も大きいからという。高速炉の廃炉は未知の領域だけに研究費もかさむ。

 しかも−−

 閣僚会議の確認事項の最初にこう書いてある。

 「……核燃料サイクルを推進するとともに、高速炉の研究開発に取り組むとの方針を堅持する」

 「もんじゅ」という悪夢から覚め、我に返る間もなく次の夢を追う−−。それが、閣僚会議の決定の本質だと言えよう。

    ◇

 問題は、次も悪夢かどうか−−である。

 世界を見渡せば、仏露中印が高速炉開発を続け、米英独は撤退した。撤退の理由は技術的困難と高コストだ。それで「時代は高速炉だ」と割り切れるか。

 仏露中印は商業化をめざしているが、成否判明は10年以上先。足元の事情も国によって違う。

 ロシアは戦略核兵器解体に伴うプルトニウムの再利用に関心がある。フランスは1998年、故障続きの高速炉を断念。2006年に新計画を発表し、復帰した経緯がある。

 グローバルな原発企業の利害に絡み、国同士の関係も複雑化した。各国内部にも異論がある。

 結局、国ごとに、安全保障も含めて社会的要請を議論し、技術、コストを評価するしかない。

 原子力関係閣僚会議は約20分間。首相と、会議の主要メンバーである外相は米国出張中だった。「もんじゅ廃炉」は各省間の調整で決まった。決定の深層がよく見えないのは、地方自治体だけではない。




土記
「もんじゅ廃炉」の魔法=青野由利

毎日新聞 2016年9月24日 東京朝刊

 <do−ki>

 審議会の傍聴に行くと、ぼそぼそと話す声が聞き取りにくくて困ることがある。明瞭にしゃべってくれる人がいると、それだけで肩を持ちたくなるほどだ。

 文部科学省が5月まで開催した「もんじゅ」検討会で声が大きかったのは当時の馳浩文科相、次いで有馬朗人座長。声の小さい委員もいたし、結論は中途半端でいただけなかったが、それでも「公開」での議論には意味があった。

 ところがこの後、もんじゅの議論は水面下に潜ってしまう。臆測が飛び交う中、原子力関係閣僚会議でいきなり結論が示された。しかも、その中身は矛盾に満ちたものだ。

 まず、「もんじゅ廃炉」を暗示しつつ、「高速炉の実証炉開発をめざす」と言っている点。「実験炉→原型炉→実証炉→実用炉」のシナリオは以前から現実味に欠けていたが、3・11で実証炉から先は全く不透明になった。なのに、原型炉「もんじゅ」を見限ったとたん、なぜ一段上の実証炉が息を吹き返すのか。

 政府が代わりに持ち出したフランスの高速炉実証炉「アストリッド」とて、まだ計画段階。できるかどうかもわからず、日本とはタイプも違う。これに参画したからといって、国内に実証炉が造れるとは限らない。高速炉サイクルに必要な専用の再処理工場や燃料加工工場も白紙だ。

 核のゴミの減容や、半減期短縮も強調しているが、これも高速炉サイクルが遠い未来に実現すると仮定した場合。「もんじゅの夢」同様、あてにならない。

 他にもいろいろあるが、なによりサイクルの要の高速増殖炉開発が頓挫したのだから、再処理も含めサイクルそのものを見直す以外にないはず。これまで通りの再処理維持は、核兵器にもなるプルトニウムを大量に持つ日本の国際的信用に関わる。にもかかわらず、「もんじゅをやめ、経済産業省を司令塔として高速炉開発」と言ったとたん、さまざまな問題がさっと解決し、核燃サイクルに光がさすかのよう。まるで魔法だ。

 それにしても、どういう議論を経て、こうなったのか。閣僚会議後の記者会見では、「この場で答えるのは不適当」と担当官僚が述べる場面が何回かあった。会見の場で説明できないことに、国民の納得が得られるだろうか。

 3・11があぶり出した重要な教訓は原子力政策の意思決定の不透明さだった。「もんじゅ廃炉」は透明なプロセスで原子力政策を見直すチャンスのはず。ぜひ堂々と大きな声で国民に伝わる議論をしてほしい。(専門編集委員)




社説 もんじゅ廃炉 サイクルの破綻認めよ
毎日新聞 2016年9月23日 東京朝刊

 日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、政府の原子力関係閣僚会議は、廃炉を前提に抜本的に見直すことを決めた。関係自治体と協議の上、年内に最終決定する。

 もんじゅには1兆円を超す国費が投入されたが、相次ぐ事故や不祥事で、この20年間余り、ほとんど稼働していない。再稼働には数千億円規模の追加投資が必要だという。それでも、成果が見通せない施設である。廃炉は当然だ。これまで決断を先送りしてきた政府の責任も、厳しく問われなければならない。

決断遅れた政府に責任
 原発の使用済み核燃料を再処理し、抽出したプルトニウムをウランと混ぜた混合酸化物(MOX)燃料に加工して、原発で再び燃やす。これが核燃料サイクルで、日本は国策としてきた。消費した以上のプルトニウムを生み出す高速増殖炉は、使用済み核燃料の再処理工場とともに、サイクルの中核施設となる。

 閣僚会議の決定で首をひねらざるを得ないのは、もんじゅを廃炉にするにもかかわらず、核燃料サイクル政策や高速炉の研究開発は維持する方針を示していることだ。

 核燃料サイクルの実現には、技術面や経済性、安全保障の観点からいくつもの課題がある。青森県六ケ所村に建設中の再処理工場も、トラブルなどで完成時期の延期を繰り返してきた。そこで目くらましとして中核施設のもんじゅを廃炉にし、破綻しているサイクル政策の延命を図るのが本当の狙いではないのか。

 政府は、核燃料サイクルで取り出したプルトニウムは準国産エネルギーで、エネルギー安全保障に資するという。だが、サイクルを維持することは、エネルギー政策で原発に依存し続けることを意味する。

 東京電力福島第1原発事故の教訓の一つが、地震国日本で原発に依存するリスクは高いということだ。いずれ、やめる必要がある。政府はもんじゅ廃炉を機に、核燃料サイクル政策の幕引きに踏み切るべきだ。

 もんじゅは、原子炉の熱を取り出す冷却材に、空気や水に触れると燃える性質を持つ液体ナトリウムを使う。水を冷却材に使う通常の原発に比べ、高度な技術が必要だ。1995年12月にナトリウム漏れ事故を起こして停止して以来、ほとんど稼働していない。維持管理費だけで年間約200億円かかっている。

 多数の機器点検漏れなど安全管理上の不備が相次ぎ、原子力規制委員会は昨年11月、所管の文部科学省に運営主体の変更を勧告していた。

 文科省は、電力会社など民間の協力を得て新法人をつくる案を模索した。しかし、電力自由化で競争環境が厳しさを増す中、電力会社に運営主体となる選択肢はなかった。

 再稼働には、規制委の新規制基準にも合格しなければならない。政府の試算では、耐震補強工事などで約5800億円が必要となる。追加費用の多額さも、廃炉論を加速した。

 もんじゅ廃炉後の焦点は、再処理で抽出したプルトニウムをどのように消費するかだ。英仏に委託した使用済み核燃料の再処理などで、日本は既に国内外で約48トンの余剰プルトニウムを抱える。テロや核兵器への転用の懸念を解消するため、政府は「余剰プルトニウムは持たない」と国際社会に繰り返し訴えてきた。

安全保障上の懸念も
 電力会社でつくる電気事業連合会はMOX燃料を通常の原発で使う計画を立て、全国で16~18基の原発に導入する予定だったが、福島第1原発事故の影響で崩れた。国内で稼働中の原発でMOX燃料を使っているのは、現時点で四国電力伊方原発3号機(愛媛県)だけだ。プルトニウムの消費は進んでいない。

 政府は、フランスが建設予定の新型高速炉計画「ASTRID(アストリッド)」での共同研究などにより、高速炉の研究開発に引き続き取り組むという。だが、ASTRIDが順調に進む保証はない。

 そもそも、福島第1原発事故後に政府の原子力委員会が実施した核燃料サイクル政策の評価によれば、経済面からは、使用済み核燃料を再処理するより、直接処分する方が有利との結果が出ている。

 非核保有国の日本が再処理できるのは、88年に発効した日米原子力協定で認められているからだ。協定は2年後に改定時期を迎える。11月の米大統領選で選ばれる新政権がどう対応するかは分からない。

 国内の政治家や外交当局には、将来の核保有を選択肢として残しておくべきだという意見もあるが、日本が核保有を選択すれば、世界から孤立する。現実的議論ではない。

 核燃料サイクルを見直す上で、最大の課題は、関連施設を受け入れてきた地元への対応だろう。

 もんじゅの関係自治体は、存続を要望している。再処理工場が立地する青森県は、核燃料サイクルを前提に、工場への使用済み核燃料受け入れを了承してきた。サイクル断念となれば、青森県は核のごみ捨て場になりかねない。電力会社も容易には使用済み燃料を引き取れない。

 政府は、核燃料サイクルの継続にこだわるよりも、こうした問題の解決策にこそ知恵を絞るべきだ。





クローズアップ2016
もんじゅ廃炉へ 巨額負担、政府見切る
毎日新聞 2016年9月21日 東京朝刊

核燃料サイクルイメージ図

 1995年の発送電開始以来、トラブルや不祥事によってほとんど運転実績を上げることができなかった高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)に対し、政府は廃炉を軸に検討を始めた。21日に原子力関係閣僚会議を開き、廃炉に向けた具体的な方策を年内に取りまとめることになった。しかし、プルトニウムやウランを取り出して再利用する国の核燃料サイクル政策の柱に位置付けられており、サイクル政策への影響は避けられない見通しとなった。【岡田英、阿部周一、大久保渉】

文科省の存続策不発
 「文部科学省側は『(もんじゅを)やめたら困る、困る』というだけで対応がないんだ。これまで何してたんだ」。もんじゅの存廃を巡る政府の調整が大詰めを迎えた今月半ば、文科省があくまでも存続に固執して調整作業が困難を極めたことに政府関係者はいらだちを隠さなかった。

 始まりは、原子力規制委員会が昨年11月、文科省に対して行った運営主体変更の勧告だった。文科省は存続を前提に、新組織のあり方を検討。有識者検討会を設置し回答期限の今年5月に報告書をまとめたが、具体的な組織の特定に至らず、要件を挙げるにとどまった。報告書を基に文科省はもんじゅの運転管理部門を分離して、電力会社など民間の協力を得て新たな法人を作る案を模索。しかし、民間は難色を示していた。

 「そんな案、通るはずもない」。規制委からの回答期限である半年が過ぎても見通しを示せない文科省の構想に、エネルギー政策を担う経済産業省の幹部は冷ややかだった。文科省の有識者検討会が報告書をまとめて以降、経産省内では廃炉論が勢いを増し始めた。

 その背景を、同省の幹部は「もんじゅが存続すれば、核燃サイクル政策全体への批判に波及する恐れがある。そうなれば、我々の仕事である高速炉開発や原発再稼働にも悪影響を及ぼす」と説明する。政府の核燃料サイクル政策の中核を担うもんじゅは、高速増殖炉の実用化に向けた試験を行う「原型炉」で文科省が管轄するが、「実証炉」を経て商用化に向けた高速炉の技術確立は経産省が担うことになっている。

 廃炉論を支える大きな柱の一つは、存続に伴う膨大なコストだ。政府関係者によれば、もんじゅを再稼働させるには、東京電力福島第1原発事故を踏まえた規制基準に適合させる必要があり、耐震補強など大幅な改修工事が必須。燃料を製造する茨城県東海村の工場も同様に改修が必要で、再稼働には10年はかかり、追加支出額は約5800億円かかるという。

 文科省はこうしたコストをかけても存続させる理由を「もんじゅの運転で得るデータは次の実証炉を造るのに活用でき、核燃料サイクルが今後も途切れないようにするため必要」(幹部)と主張。これに対し、経産省は「存続にかかるコストは、次の実証炉を造れるくらいの額。もんじゅの設計は古く、多額の国費を使ってまで続ける必要性はない」(幹部)と納得しなかった。

 内閣官房が中心となって調整を進めたが、両省の主張は長らく平行線をたどった。しかし、文科省が打開策を示せない中、「デッドライン」の目安となった臨時国会(今月26日開会)が間近に迫った。

 政府には「もんじゅに関して野党に追及されないよう、召集前に政府答弁のラインを固めたい」(政権幹部)という思惑もあり、経産省出向者が事務方の中心になっている官邸が文科省を押し切る形で、廃炉に向けた検討にかじを切ることになった。

核燃サイクル、好転見通せず
 政府はもんじゅを廃炉にした場合でも、ウランとプルトニウムを再利用する核燃料サイクル政策の旗は降ろさない方針だ。もんじゅの1世代前の実験炉「常陽」(茨城県大洗町)を活用したり、フランスが建設予定の新型高速炉計画「ASTRID(アストリッド)」で共同研究をしたりすることで、国内での実証炉やその先の実用炉実現を引き続き目指す考えだが、長年行き詰まった「サイクル」が好転する見通しは立っていない。

 2010年6月に閣議決定したエネルギー基本計画は、もんじゅの研究成果を踏まえ、25年までに、次の段階の「実証炉」、50年までに最終段階である「実用炉」を稼働させる計画だった。

 しかし、東京電力福島第1原発事故を受け白紙状態に。政府は経済産業省を中心に目標時期などを見直す方針だが、大幅な遅れは避けられない。さらに「ASTRID」などで代替することに対しては、政府内に「海外頼みでは技術の確立は困難」との声もある。

 もんじゅを要とする「高速増殖炉サイクル」の実現が遠のくと、核燃料サイクルの主軸は「プルサーマル発電」になる。原発の使用済み燃料から取り出したプルトニウムをウランと混ぜたMOX燃料を通常の原発で使うが、その進展も見通せない。

 電力会社で作る電気事業連合会は全国で16〜18基で導入する計画を掲げていたが、原発事故の影響で、現在運転しているのは四国電力伊方3号機(愛媛県伊方町)の1基のみ。MOX燃料だけで運転できる大間原発(青森県)も、運転開始は計画より2年遅い24年度の見通しで、余剰プルトニウムの消費が国際的な課題になる。

 それでも政府がサイクル堅持を強調する背景の一つに、日本の再処理を容認している「日米原子力協定」がある。18年7月に改定時期を迎え、現時点では自動更新される予定だが、主な「使い道」だったもんじゅが廃炉扱いになり、プルサーマル計画が進まなければ、自動更新について米国から「待った」をかけられる懸念もある。

 日本が国内外に抱える余剰プルトニウムは47・9トン。11月の大統領選で選ばれる新政権の対応は不明だ。「もんじゅの廃炉は核燃料サイクルとは別だ」。経産省幹部は、もんじゅをサイクルから切り離す姿勢を強調する。


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核のゴミを 新たに発生させてはならない という観点からは 原子力発電を行わない という決断を伴う政策しかない。
もうすでに 太陽光発電をはじめとする自然エネルギー電源は その成熟の時を 待っている状態だ と見える。

2016.10.04 風知草 の 記事 トモダチのために を追加。 








2016.09.19 更新 分

アベノミクスに関する読み物を 1本 ご紹介。


社説 日銀の「検証」 誤りを認めることから
毎日新聞 2016年9月18日 東京朝刊

日銀が近く、異次元金融緩和策に対する自己検証の結果を公表する。金融市場では、早くもこれを受けた日銀の「次の手」に関心が集まっているようだ。

 だが、まずは政策の誤りを率直に認めることからである。どこが間違っていたのか、なぜ間違ったのかがあいまいなまま次の手を打っても、間違いを重ねることになるだろう。

 日銀が黒田東彦新総裁の下で、異例の大規模金融緩和策を導入したのは2013年4月だった。「2年程度で物価上昇率2%を達成する」と達成期限を宣言し、大量の国債などを金融機関から買って市場に巨額の資金を供給した。

 もうすぐ3年半だ。しかし、消費者物価指数の伸び率(7月)は2%に迫るどころか、マイナス0・5%だ。一時、円安進行で大企業の収益が大幅に改善されたが、期待された投資も賃上げも伴っていない。

 今年2月には、マイナス金利政策が導入された。市場金利は一段と低下したが、企業はすでに潤沢な資金を抱えており、投資のための新たな借り入れを刺激する力は限られた。

 他方、資金を運用する側へのしわ寄せは深刻化するばかりだ。1000万円を10年、メガバンクの定期預金に預けても、税引き後の利子収入は年800円に過ぎない。低リスクながら、利回りが銀行預金より良いということで人気を集めた投資信託の一種、MMF(マネー・マネジメント・ファンド)は、運用難から24年の歴史を閉じることになった。

 生命保険各社は、貯蓄性の高い商品の取り扱いを相次ぎ停止している。一方、銀行の間では、限定的とはいえ手数料の引き上げで、マイナス金利政策によるコスト増を補おうとする動きも出始めている。

 企業が将来社員に支払う年金や退職金に備えて積み立てておかねばならない必要資金も、金利低下により膨らむ一方だ。

 日銀の黒田総裁は、今後、政策金利のマイナス幅をさらに拡大する可能性をにじませているが、それが国民全体の利益になるだろうか。

 運用難にあえぐ金融機関に配慮し、期間の長い国債の利回りが高くなるような対策を取るとの観測もある。だがそのような手のこんだことをしてまでマイナス幅を拡大する意味があるのか、疑問だ。

 日銀が市場に供給する資金の量を倍増させれば、デフレが終わり、経済もよくなる。給料も上がる--。その約束を果たせなかったことに対する説明責任が問われている。

 アベノミクスの看板政策だった量的緩和だ。失敗を認めることなく、戦略転換の方便として「検証」を利用するようなことは許されない。



陛下の生前退位 に 関連しての 読み物 1本 ご紹介。


牧太郎の青い空白い雲 /584 日本会議と戦う!?「度胸の天皇陛下」がついに決意された
2016年8月23日 Texts by サンデー毎日

 畏れ多いことながら“ある事件”以来、「今上天皇は度胸で誰にも負けない!」と思うようになった。

「ある事件」とは……2004年の園遊会の席上、東京都教育委員を務める棋士の米長邦雄さんが「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」と話した時のことだ。

 これを聞いた天皇は(いつもと同じように和やかではあったが)、「やはり、強制になるということではないことが望ましい」と述べられた。米長さんは「もちろん、そう、本当に素晴らしいお言葉をいただき、ありがとうございました」と答えるしかなかった。

 天皇が国旗・国歌問題に言及するとは意外だった。宮内庁次長は園遊会後、発言の趣旨を確認したとした上で「陛下の趣旨は自発的に掲げる、あるいは歌うということが好ましいと言われたのだと思います」と説明した。しかし、「日の丸・君が代」を巡っては長い間、教育現場で対立が続いていた。とすれば、この天皇発言は「政治」に踏み込んだ、と見なされても仕方ない。それを十分認識されていながら天皇はサラリと「国旗観・国歌観」を披露された。

 畏れ多いことだが「天皇は度胸がある!」と舌を巻いた。

    ×  ×  ×

 ビデオメッセージ「生前退位のお気持ち」を聞いた時、多くの人が「第2の人間宣言」と思ったのではないか。昭和天皇は1946年1月1日の詔書で「天皇の神格」を否定された。天皇を現人神(あらひとがみ)とし、それを根拠に日本民族が他民族より優越すると説く観念を否定する!と宣言した。「人間天皇」である。今回のメッセージは「個人として」「常に国民と共にある自覚」「残される家族」―との文言が並ぶ。私的な側面、換言すれば「個人」の思いを前面に出された。だから「第2の人間宣言」と見る向きも多い。

 しかし、それだけではない。天皇は(政治家も、学者も、国民も避けて通って来た)「象徴天皇とは」に言及された。これはびっくりするほど「度胸ある論陣」だった。

    ×  ×  ×

「その地域を愛し、その共同体を地道に支える市井(しせい)の人々のあることを私に認識させ、私がこの認識をもって、天皇として大切な、国民を思い、国民のために祈るという務めを、人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは、幸せなことでした」

「日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も、私は天皇の象徴的行為として、大切なものと感じて来ました」

「象徴天皇」とは「国民に寄り添うこと」である。全身全霊で「日本国憲法」に従い、国民を守ってきたという自負。天皇は「護憲の立場」を度胸よく明確にされた。

    ×  ×  ×

 ところが、世の中は「天皇の護憲意思」と逆の方向に動いている。

 2012年4月に発表された「自民党憲法草案」は第1条に「天皇は、日本国の元首」と明記。現行憲法第99条には「天皇又は摂政」は憲法尊重擁護の義務を負う旨の言葉はあるが、自民党憲法草案第102条は「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と書いてある。「天皇又は摂政」の文字はない。憲法が国民を守るのではなく、国民が憲法に従う。天皇は違和感を持たれたのでは……。先の大戦への反省の上、現憲法が大事にする「国民主権・平和主義・基本的人権の尊重」の柱がいつの間にか消えている。

    ×  ×  ×

 与党が参院選で圧勝した3日後、憲法改正論議が始まろうとした矢先の7月13日、「天皇に生前退位の意向がある」とNHKニュースが報じた。このタイミングに「天皇の度胸」を感じる。

 天皇の「本当の狙い」を推測することをお許し願いたい。天皇は国民に対して「天皇は元首ではない。国民に寄り添う象徴である!」と明言された。

 安倍首相は困惑した。「国民に向けご発言されたことを重く受け止める」と1分にも満たない原稿を棒読みすると、記者団の前からそそくさと去って行ってしまった。この素っ気ない対応の裏には、このメッセージが安倍内閣に対するものと、政権を支える「日本会議」への「お諫(いさ)め」であることを知っているからではないか。

 大日本帝国憲法を復活させ天皇を元首にしたい日本会議からすれば、生前退位は絶対に認められないはずだ。“万世一系の天皇”という神話的な「地位」から、加齢などを理由に退職できる「職位」になってしまうからだ。

 天皇と日本会議の緊張関係。我々は時が経(た)つと、天皇の「お気持ち」が日本会議への「お諫め」であったことに気づくはずだ。

牧太郎 まき・たろう
 1944年生まれ。毎日新聞に入社後、社会部、政治部を経て『サンデー毎日』編集長に。宇野宗佑首相の女性醜聞やオウム真理教問題を取り上げる。現在、毎日新聞客員編集委員。ブログに「二代目・日本魁新聞社」がある

(サンデー毎日2016年9月4日号から)





憲法改定に関して の 読み物 1本  ご紹介。


特集ワイド 動き出す憲法審査会 今こそ足を止め考える時
毎日新聞 2016年9月13日 東京夕刊


 今秋、憲法改正への号砲が鳴ろうとしている。26日に召集される臨時国会以降、改憲を視野に入れた憲法審査会の審議が見込まれるからだ。7月の参院選で改憲に前向きとされる勢力が3分の2を超え、国会発議が可能な状況になった。だが、その前に、いや今こそ、立ち止まって考えるべきことがあるのではないか。【江畑佳明】

 まず、衆参で改憲の発議ができる環境が整った時の安倍晋三首相の発言を振り返ってみたい。7月11日、参院選投開票日の翌日。「与党勝利」の結果を受け、自民党総裁として記者会見した安倍首相は引き締まった表情でこう語った。「憲法審査会で、どの条文をどう変えるべきかを議論すべきだ」

 安倍首相は改憲に前向きなだけに、改憲についての政党間の温度差はあるとはいえ、国会での議論は今後活発化しそうだ。だが、国民的な議論が盛り上がっているとは言い難いのではないか。

 「現時点で改憲は必要ないし、具体的に条文を議論する段階とは考えていません」と、安倍首相の発言に反論するのは、学習院大教授(憲法学)の青井未帆さんだ。その理由をこう説明する。

 「憲法は、社会に安定をもたらす法秩序の要として、めったなことでは変えないと位置付けられているのが、大前提の考え方です。だから改憲の方向性が決まっていない今は『なぜ憲法を変えなければならないのか』『改憲の必要はない』といった議論がまず行われるのが筋。条文の検討はずっと後のことです」

 安倍首相のこれまでの言動からは「憲法を変えたい」という意思は伝わってくる。しかし、国民にとって重要なのは、改憲がどうしても今必要だという具体的な根拠のはずだ。
許されない「理由なき改憲」
 一方の自民党は2012年4月に憲法改正草案を発表した。その解説本では、改憲の必要性について「日本国の主権が制限された中で制定された憲法には、国民の自由な意思が反映されていない」と主張し、従来の「米国の押し付け憲法論」を展開する。だが「なぜ今必要なのか?」という問いの回答には、ほど遠いと思えてしまう。

 そんな疑問を口にすると、青井さんもうなずいた。「改憲を目指す人々の本音は『占領下で押し付けられた憲法は嫌だ。とにかく変えたい』という願望ありきでは。それは『理由なき改憲』と呼ぶべきものです」

 「理由なき改憲」--。それが実現していいはずがない。だが、永田町からは「お試し改憲」といった、軽い言葉が聞こえてくる。その第1弾として与党を中心に検討されているのが、大災害などの緊急時に衆院議員の任期を延長する案だ。自民党の谷垣禎一幹事長(当時)は4月の記者会見で、「一番まず考えるべきところはそこではないか」と、議論の俎上(そじょう)に載せる優先順位が高いという考えを明らかにしている。

 だが、青井さんは「不要」と一蹴する。「『必要』と主張する人たちは、『衆院議員の任期満了と大災害が重なったらどうする』などと非常にまれなケースをあげつらっているだけ。憲法が定める参院の緊急集会をベースに、常識的で柔軟な対応をすればいいだけの話です」と語る。万一の場合も現行憲法で対応できる、というのだ。

 政治評論家の森田実さんも「現行憲法で対応できない課題は、戦争以外には見当たりません」と、「理由なき改憲」に反対する。「基本的人権の尊重といった普遍的な価値を前提とする今の憲法に大きな不備はない。国民生活の向上のために必要な課題が生じれば、淡々と法整備を進めればいい」と訴える。

 森田さんは今、国会議員に問いたいことがある。それは「議員としての見識と覚悟を持ち改憲に手を付けようとしているのか」という点だ。

 森田さんが語る。「国会議員は国民の代表である以上、与党議員であっても『首相や大臣のその言動はおかしい』と内閣をチェックするのが当然です。なのに、今の自民党は、首相の独走を許容するという全く異常な事態に陥っている。民意に耳を澄ますのではなく、公認や役職を与える権限を握る首相に『右向け右』の議員ばかり。その状態で、国民のための活発な議論や適切な判断ができるとは考えにくい」

 そのような自民党議員が改憲議論を進める原動力になりそうなものは何か。森田さんは「強い力を持った安倍首相への恐怖心がある」と見る。

「国のかたち」を変質させる
 そもそも憲法は、大臣や国会議員らに憲法順守義務を課している。それにもかかわらず、安倍首相は、9条の解釈改憲で国民の反対が強かった安全保障関連法を成立させたり、昨秋は要件を満たした野党の要求を退けて臨時国会を召集しなかったりするなど、「憲法軽視」の姿勢が批判されている。だが、そのような行動を国民も許している、という側面はないだろうか。

 東京大教授(哲学)の高橋哲哉さんは「立憲主義では、国民は権力者に対し『この憲法を守れ』という命令をしている。ですが、これは放っておいても自動的に実現するものではない。権力は常に縛られることを嫌いますから。だから国民は、『権力者に憲法を守らせる力』を身に着けないといけない」。首相らが「憲法軽視」の言動をとれば、それは国民の力が弱い、ということなのだ。

 ただ、そのような国民の力は簡単に得られるものではない、とも言う。「国民は、政治に関心を持って権力者の動きを常に監視せねばなりません。憲法がどれだけ重要なものか、一人一人が理解を深めていくことも重要。憲法を軽視する権力者の誘導があっても流されないような見識が、国民に求められるのです」と、高橋さんは強調する。

 また、こんなアイデアも披露した。「米国大統領みたいに、日本の首相も就任時に『憲法を守って職務遂行をする』と宣誓するように定めてはどうでしょうか」。憲法は国民から権力者への命令である、と改めて確認するというわけだ。

 前出の青井さんは「憲法を変える行為がそもそもどんな意味を持つのか、議員も国民も考えてほしい」と力説する。具体的な改憲論議の前に立ち止まり、憲法への理解を深める必要がありそうだ。

 「多くの国民は『9条を変えなければ問題ない』と思っているかもしれません。しかし最高法規である憲法が変われば、その影響は法体系全体に及ぶ。法体系が影響を受ければ、人権を保障する法律が影響を受ける場合もあります。実際、自民党の改憲草案は個人よりも国家や家族を重視する内容なので、仮にそのまま成立すれば自由の意味が変容するかもしれません」

 憲法の条文が変われば、国民の権利や自由、家族の姿さえ変わりかねないのだ。それは、国のかたちが変質することにほかならない。改憲の重みを認識すべき段階に私たちは来ている。






2016.08.20
経済財政諮問会議

アベノミクスに関する  読み物を2本ご紹介します。

1本目
日銀の金融政策は明らかに限界に来ている
2016年8月19日平野英治 / メットライフ生命副会長・元日銀理事

 すったもんだの末、7月29日の金融政策決定会合において日銀は、上場投資信託(ETF)の買い入れ額の増額を決めた。一方、それ以外の資産買い入れ方針および政策金利は、不変とした。市場には、マイナス金利の拡大を含む大胆な追加緩和策を期待する声も根強くあったことから、株式市場や為替市場は一時大きく動揺したが、とりあえずは小康を取り戻しつつある。金融政策に関する市場の関心は、今や9月下旬に開催される次回の決定会合に移っているようだ。

 日銀は今回の決定と同時に公表した「展望リポート」において、物価見通しの下振れに触れた。にもかかわらず、マイナス金利の拡大を避けたところに、日銀の迷いが見て取れる。筆者はかつて、マイナス金利の導入に過剰反応する論調に疑問を投げかけたことがあった。しかし、マイナス金利の導入をきっかけとして、少しでも金利の高い長期債に対する購入意欲が高まり、その結果20年債や30年債の金利が急激に低下したことは、正直予想をはるかに超えるものであった。

年金、保険、退職金といった制度が動揺している

 銀行にしてみれば、現実問題として預金金利をマイナスにできない以上、運用利回りの低下は利ざやの縮小を招き、収益を圧迫する。それ以上に注目すべきは、年金や保険、退職給付金会計といった20年以上の長期運用を前提にした制度の枠組み自体が、根底から揺さぶられている事実である。年金、保険、退職金は、我々の老後の生活を支える重要な社会基盤だ。安心を与えるはずのこうした制度の動揺は、人々の心理にマイナスの影響を及ぼさざるを得ない。

 一方、マイナス金利の効果として日銀が期待したものは、何であったろうか。長短金利の一段の低下が、企業や家計の支出活動の活発化につながれば一番良いのだが、残念ながら事態はそのように動いているとは思えない。超緩和的な金融情勢は長期間にわたり続いており、さらなる金利低下が、支出活動へ影響を与えたとしても、その程度は限界的と考えるべきだろう。

 資産市場を通じた効果はどうか。マイナス金利が企業や家計のリスクを取る活動を促し、外貨資産や株式あるいは不動産といったリスク資産への投資が活発化することも、日銀が期待する政策浸透チャネルであったはずだ。しかし、経済の先行きに不透明感が色濃く漂い、市場が不安定な動きを続けている現状では、投資家はリスクを回避する傾向を強める。国債金利が一段低下したからといって資金が直ちにリスク資産に向かうわけではない。

金融政策だけでは経済は活性化しない

 確かに黒田東彦総裁就任以降の日銀の政策は、円安を演出し、株式等のリスク資産を押し上げ、世の中の気分を明るくする意味で、予想以上の大きな効果があった。しかし、この先も、同様の効果が持続する保証はまったくないし、そもそも金融政策だけで経済が活性化するものでもない。

 日銀の金融政策は、明らかに限界に来ているし、このことは、多くの識者が指摘するところでもある。それにもかかわらず、いわゆる「ヘリコプターマネー」を含む「追加緩和」をめぐって奇抜な臆測が飛び交っている。これは、実質的には緩和余地がないにもかかわらず、「物価目標の可及的速やかな実現のために金融緩和のアクセルを踏み続ける」ことを現在の政策の枠組みが要求しているからではないか。つまり政策の枠組みが実態にそぐわないことに、問題の原因があるのではないだろうか。

 このような認識があるからこそ、日銀は9月下旬に行われる次回の金融政策決定会合において、これまでの金融政策の総括的な検証を行うとしたのであろう。経緯はともあれ、日銀が、ここで一歩立ち止まって、自らの政策を見つめなおすことには大きな意味がある。そもそもアベノミクスの原点は、「デフレからの脱却」には、金融政策、財政政策、構造改革の合わせ技こそが重要であるという認識にあったはずだ。この点をわきまえた、建設的かつ常識的な判断をぜひとも求めたい。




2本目
記者の目 アベノミクスと経済対策 構造改革に本腰を=小倉祥徳(東京経済部)
毎日新聞2016年8月18日 東京朝刊

 政府が新たな経済対策を決めた。事業規模は28兆円と2008年のリーマン・ショック以降で3番目の大きさだ。日銀も追加金融緩和で足並みをそろえた。安倍晋三首相は「政策を総動員してデフレからの脱出速度を最大限に引き上げる」と強調した。

 6月に消費税増税の延期を表明してから「アベノミクスのエンジンを最大にふかす」と唱えてきた首相としては当然の対応なのだろう。だが、納得いかない。アベノミクスは三本の矢のうち財政出動と金融緩和に頼ってきたが、景気は本格回復していない。これを繰り返すのか。「ふかす」のなら、ほぼ手つかずの構造改革に取り組むべきだが、本気度は感じられない。

 「景気が底割れする状況ではないが、首相が参院選前から対策を言い続けてきたから仕方がない」。政権の中枢に近い経済官庁幹部は、経済対策を取材していた私に苦笑して打ち明けた。景気は回復していないが、危機に直面しているわけではない。現時点で大型対策を組む必要があるのか、という疑問だ。

 首相は「英国の欧州連合(EU)離脱など世界経済がさまざまなリスクに直面している」と説明してきた。英国民投票でEU離脱派が勝利した直後こそ世界的な株安に見舞われたが、市場の混乱はほぼ収束した。対策を打つ必要性は薄れたはずだ。だが、参院選勝利で勢いづいた自民党から歳出拡大圧力が強まり、首相も大型対策で応えた。

未来への投資、効果に疑問

 さらに疑問なのは対策の効果だ。首相は「未来への投資を加速する」と強調した。しかし、整備新幹線や道路の建設など旧来型の公共事業も多い。第2次安倍内閣が12年末に発足してから、政府は毎年度、公共事業などを柱とした補正予算を編成してきた。だが、景気押し上げは一時的だった。今回も、単なるカンフル剤に終わりかねない。

 しかも対策の規模を確保するため、建設国債を3兆円追加発行して財源不足を賄う。国と地方の借金残高は既に1000兆円を超す。対策の効果が乏しければ、借金を積み上げるだけだ。将来世代にツケを回すことになり、「未来への投資」とは言えまい。

 金融政策も手詰まり感が強い。黒田東彦日銀総裁が実施してきた大規模緩和は「バズーカ砲」と呼ばれ、円安で企業業績が改善するなどアベノミクスの柱になってきた。だが、国債を大量に買い込み、限界が指摘される。日銀が決めた追加緩和は小出しで、市場に評価されなかった。

 アベノミクス第三の矢の成長戦略はどうか。日本経済の実力を示す潜在成長率は0%台で、底上げには構造改革が欠かせない。今年4~6月期の国内総生産(GDP)は個人消費と設備投資が振るわなかった。その背景には国民の将来不安や人口減少がある。少子化対策は構造改革の柱になるが、「保育園落ちた」のブログが注目されるなど政権の取り組みは不十分だった。

「1億総活躍」見えぬ財源

 経済対策には、首相が掲げる「1億総活躍社会」実現に向けた施策も盛り込まれた。保育士の待遇を改善し、保育所の整備を加速する。方向性は間違っていないが、改革の本気度を感じないのだ。

 関連施策は17年度予算案に盛り込まれる。財源として、政権が「アベノミクスの成果」と位置づける税収の上ぶれを充てる案が浮上しているが、税収は景気に左右されやすい。税収が少なくなれば、さらに借金を重ねるのだろうか。

 本来は、消費税という安定財源を確保し、腰を据えて取り組むべき課題のはずだ。増税を延期したなら、無駄な歳出を徹底的に見直して財源をひねり出すべきだが、公共事業などの拡大圧力は根強い。

 本気度を疑う理由はもう一つある。経済対策には、同一労働同一賃金の実現や長時間労働の是正を目指す「働き方改革」も盛り込んだ。内閣改造で担当相も新設した。働きやすい職場になれば、子育てとの両立も進むだろう。

 だが、長時間労働は前から政権の課題となっていた。政府は14年、賃金を労働時間ではなく成果に応じて払う制度を導入する方針を決めたが、「長時間労働が続けば残業代ゼロ」と批判された。それからほとんど改善されず、関連法案も継続審議のままだ。労働時間は基本的に労使の問題だが、政権は是正に指導力を十分発揮しなかった。

 アベノミクスが始まってから3年半あまり。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「参院選で強い政権基盤を得た今こそ正面から改革を進めるべきだ」と指摘する。

 首相は「道半ば」と説明するが、金融・財政政策に頼り続けるのか、構造改革に本腰を入れるのか。進むべき道は明らかだろう。





核先制不使用に関する読み物を1本ご紹介します。


社説 核の先制不使用 理念の後押しが必要だ
毎日新聞2016年8月20日 東京朝刊


 米国のオバマ大統領が核兵器の「先制不使用」宣言を検討しているという。相手が核攻撃をしてこない限り核兵器を使わない政策で、実現すれば米核政策の大転換になる。

 核の先制不使用は偶発的な核戦争のリスクを回避できる利点がある。米国が先制核攻撃はしないと宣言すれば米国の意図を誤解して核戦争が起きる可能性は大幅に小さくなる。

 川口順子元外相とエバンズ元豪外相らアジア各国の元閣僚や学者ら40人が連名で「アジア太平洋の米国の同盟国が先制不使用を支持するよう求める」とする共同声明を発表し、日本に支持するよう促した。

 両氏を共同議長とする核軍縮の国際委員会は2009年の報告書で、核廃絶実現までの経過措置として「すべての核保有国が核の先制不使用を宣言すべきだ」と提案している。核の先制不使用は国際的な世論だ。

 一方で、核戦力を強化する中露や核開発を進める北朝鮮など日本は核の脅威にさらされている。日本は米国の「核の傘」を自国を守る安全保障の大きな柱にしてきた。

 米紙ワシントン・ポストによると、核の先制不使用について、安倍晋三首相は北朝鮮への抑止力が低下すると米側に懸念を伝えたという。

 米国がただちに核の先制不使用を宣言した場合、米国の「核の傘」が弱まらないかと懸念を抱くのはもっともだ。反対論は同盟国の韓国や英仏などに加え、オバマ政権の主要閣僚からも出ているという。

 しかし、唯一の被爆国として「非核三原則」を堅持する日本が、核廃絶に向けた新たな動きにブレーキをかけるだけでいいのか。問題は、「核なき世界」を掲げるオバマ氏の構想と、核の脅威に対する抑止力を維持するという現実に、どう折り合いをつけるかだ。

 中国はすでに核の先制不使用を宣言しており、ロシアも旧ソ連時代は宣言していた。米国が主導する形で米英仏中露の国連安保理常任理事国がそろって核の先制不使用に合意することが最善ではないか。それを後押しするのが日本の役割だ。

 仮に米中が合意して宣言しても日本の安全が守られるか疑問が残るが、核保有5カ国が足並みをそろえれば核戦争のリスクは格段に下がる。実現すれば北朝鮮への圧力ともなろう。

 オバマ政権は10年に核戦略を見直し、核兵器の役割を低減させる一方、圧倒的な通常戦力の構築で抑止力を維持する方針を示した。

 安倍首相はオバマ氏と訪問した広島での演説で「核なき世界」への責任を誓った。「核兵器依存」からの脱却を試みるオバマ氏とともに核の先制不使用につながる環境整備に力を尽くすべきだ。



平成28年8月8日 第14回経済財政諮問会議

(1)金融政策、物価等に関する集中講義
(2)新内閣に期待する今後の取組について

平成28年8月8日 第14回経済財政諮問会議 会議資料
平成28年8月8日 第14回経済財政諮問会議 大臣記者会見要旨
平成28年8月8日 第14回経済財政諮問会議 議事要旨





2016.08.16
経済財政諮問会議
米紙報道はこうだ。

安倍首相 核先制不使用、米司令官に反対伝える 米紙報道
毎日新聞2016年8月16日 10時48分(最終更新 8月16日 11時22分)

 【ワシントン会川晴之】米ワシントン・ポスト紙は15日、オバマ政権が導入の是非を検討している核兵器の先制不使用政策について、安倍晋三首相がハリス米太平洋軍司令官に「北朝鮮に対する抑止力が弱体化する」として、反対の意向を伝えたと報じた。同紙は日本のほか、韓国や英仏など欧州の同盟国も強い懸念を示していると伝えている。

 「核兵器のない世界」の実現を訴えるオバマ政権は、任期満了まで残り5カ月となる中、新たな核政策を打ち出すため、国内外で意見調整をしている。米メディアによると、核実験全面禁止や核兵器予算削減など複数の政策案を検討中とされる。核兵器を先制攻撃に使わないと宣言する「先制不使用」もその一つだが、ケリー国務長官ら複数の閣僚が反対していると報道されている。同盟国も反対や懸念を示していることが明らかになり、導入が難しくなる可能性がある。

 同紙は複数の米政府高官の話として、ハリス氏と会談した際、安倍首相は米国が「先制不使用」政策を採用すれば、今年1月に4度目の核実験を実施するなど核兵器開発を強行する北朝鮮に対する核抑止力に影響が出ると反対の考えを述べたという。同紙は、二人の会談の日時は触れていないが、外務省発表によると、ハリス氏は7月26日午後、首相官邸で安倍首相と約25分間会談し、北朝鮮情勢をはじめとする地域情勢などについて意見交換している。

 日本政府は、日本の安全保障の根幹は日米安保条約であり、核抑止力を含む拡大抑止力(核の傘)に依存しているとの考えを米国に重ねて伝えている。先制不使用政策が導入されれば、「核の傘」にほころびが出ると懸念する声がある。

 2010年には当時の民主党政権が、米国が配備している核トマホーク(巡航)ミサイルの退役を検討していることについて、日本に対する拡大抑止に影響が出るのかどうかを問う書簡を、岡田克也外相がクリントン米国務長官(いずれも当時)などに対して送ったと公表している。核軍縮を目指す核専門家からは「核兵器の廃絶を目指す日本が、皮肉なことにオバマ政権が掲げる『核兵器のない世界』の実現を阻んでいる」という指摘も出ている。

 【ことば】核兵器の先制不使用

 核保有国が、他国から核攻撃を受ける前に先に核兵器を使わないこと。核兵器の役割を他国からの核攻撃脅威を抑止することに限定する。核兵器を使用するハードルが高くなり、核軍縮への理念的な一歩と見なされる。すべての国が対象だが、核保有国同士の約束の側面が強い。核拡散防止条約(NPT)で核兵器保有が認められている米、露、英、仏、中国の5カ国の中では現在、中国のみが先制不使用を宣言している。



終戦の日の読み物を1本 ご紹介します。

社説 終戦記念日 歴史に学ぶ力を蓄える
毎日新聞 2016年8月15日 東京朝刊

 私たちはどういう道をたどって今ここに立っているのか。日本赤十字の従軍看護婦の話から始めたい。

 野村田鶴子さんはフィリピン・バギオの第74兵站(へいたん)病院で働いていた。そこが米軍の猛攻撃を受けたのは1945年1月23日だ。屋根に大きな赤十字の標識があったにもかかわらず、米軍は容赦なく爆撃した。

 彼女は「白衣の看護衣を血で染めた若い看護婦達がいた。自分達と同じ赤十字の看護婦が、しかも年頃も同じ若い看護婦が、息もたえだえになっている。骨の髄まで氷るような思いだった」と衝撃をつづっている(「紅(くれない)染めし」77年刊)。

年々減り続ける体験者

 バギオが大空襲を受けた後、日本軍が8キロ離れた鉱山の坑道内に設けた臨時病院もむごかった。

 「下半身ギプスをしている患者が足の指の間が焼けるように痛いという。見ると油虫にかじられ、白い骨が見えていた。カンテラで照らしてみると、足を切断された患者の傷の中にも油虫が食い込んでいた」(同書掲載の清水直子さんの手記)

 37年に始まる日中戦争から終戦までに、日赤は延べ3万3000人の救護看護婦を戦地や病院船に派遣した。兵士と同様に、赤い「戦時召集状」で強制的に送り出され、殉職者は約1100人に上っている。

 その記録の数々は、戦争の愚かさや非人道性を伝えて余りある。

 日赤青森支部の花田ミキさんは、中国山西省の陸軍病院に勤務していた当時、憲兵の目を盗んで日記をつけていた。こんな記述がある。

 「風呂敷包み一つの私物をもって幼な児のように輸送されてくる人たちの、お母さんたちの心情のせめて万分の一でも我が心にそなわれ、我が手よ、母の手となれと願う」

 かつて日赤看護学校の出身者には「卒業後満十二年間戦時又ハ天災ニ際シ本社又ハ其所管地方部ノ召集ニ応シ救護ニ従事スヘキモノトス」という義務が課せられていた。

 このため、従軍看護婦には10代後半から20代の若い女性が数多く含まれている。結婚したてで乳飲み子と生き別れた母親も少なくなかった。

 戦後71年。終戦時に20歳だった人も91歳になる。殺し合いの最前線で命を守るという、究極の矛盾を体験した生存者の数は急速に少なくなっている。花田さんも2006年8月に91歳で亡くなった。

 政府は1998年から2013年にかけて、元従軍看護婦の人たちへの顕彰事業を実施した。申請に基づき約6600人に「その御労苦に対し衷心より敬意を表し慰労します」という首相名の書状が贈られた。ただ、窓口の総務省も日赤も現在の生存者数は把握していない。

 辛酸を極めた当事者の声が年々か細くなっていくからこそ、過去を知り、語り継いでいく必要がある。

 一人一人の人間は弱く、目の前の状況に流されがちだ。中国や北朝鮮の露骨な軍事力強化を見せつけられると、勇ましい声に引きずられる。その時に私たちを支えるのは過去との対話を通した理性だろう。

 安倍晋三首相の戦後70年談話をめぐって論争がわき起こった昨年に比べ、歴史認識の議論は落ち着いてきたように見える。だが、安倍談話は当面の摩擦を避けることに力点が置かれ、近現代史について国民の共通認識を形成したとは言い難い。


現実と理想の懸け橋を

 A級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社を主要閣僚が参拝すれば、再び歴史が強い政治性を帯びる。靖国問題の根底には戦争責任を裁いた東京裁判観の分裂があるからだ。

 300万人を超す戦争犠牲者への追悼はどうあるべきか。政治家はこの困難な課題を克服する勇気と信念を持ち続けなければならない。

 戦後70年から71年にかけて特筆すべき出来事に、オバマ米大統領の広島訪問(今年5月27日)がある。

 1960年代に広島を訪れた米国の社会学者は、中学生から「平和の象徴」として千羽鶴を贈られ、「何とナイーブな」と驚いたという。米国の信奉する核抑止理論と、折り鶴がかけ離れていたからだろう。

 しかし、オバマ氏は4羽の鶴を折り、それを展示した原爆資料館の来館者は昨年より4割増えた。冷徹な国際政治と広島の祈りとの間の、ささやかだが意味のある懸け橋だ。

 政治には、高度なリアリズムが求められる。同時に、政治が理想への情熱に突き動かされる営みでなければ、人類は前に進めない。

 20世紀の2度にわたる大戦に打ちのめされ、安定と共存を求めたはずの国際社会で、再び国家のエゴが強まりつつある。米国のトランプ現象や英国の欧州連合離脱の背後に、排他的な「自国第一主義」が見て取れる。国連安全保障理事会による国際平和の理想も揺らいで久しい。

 今はリオデジャネイロ五輪の真っ最中だ。開会式では五輪旗を掲げた「難民選手団」にひときわ大きな拍手が送られた。ただし、難民選手団を結成する必要がなくなってこそ、五輪は真に平和の祭典になる。

 71年続く日本の平和は至高の財産だ。これが80年、90年と続くようにするには、やはり努力がいる。歴史に学ぶ力を蓄えること。きょうはその大切さを確認する日である





2016.08..07


アベノミクスの読み物を 1本ご紹介。

アベノミクス批判 明治学院大教授・稲葉振一郎氏=社会倫理学
毎日新聞 2016年7月30日 東京朝刊


 今月10日投開票の参院選では、与党が「アベノミクスの評価」を争点に掲げた。野党は改憲を争点にしつつ、「アベノミクスの失敗」を叫んだ。
結果、野党共闘の一定の成果は出たものの、「改憲勢力」が3分の2議席を得た。与党の「改憲隠し」を批判する声も多いが、アベノミクスを有権者が一定以上は評価しているとも改めて示された。
元々アベノミクスは、金融緩和や財政出動といった西欧などでは左派的とされる政策が軸だ。経済学の著作が複数あり、民主党(当時)に政策提言をした知識人グループ「リベラル懇話会」メンバーでもある稲葉振一郎・明治学院大教授(社会倫理学)に、アベノミクス批判の問題点などを聞いた。

成果行き渡らせ次へ
 稲葉さんは、アベノミクスの三本の矢の1本目、金融緩和による景気浮揚で完全雇用を実現し、順調な経済成長を目指すという路線を特に評価する。
金融緩和は、エコノミストらからは「ハイパーインフレが起こる」「国債が暴落する」などと批判も多かったが、ポール・クルーグマンら、米国のリベラルな経済学者が支持してきた。
結果として、今は「円安で一息つけた産業があり、株高にもなった。これが確実に、投資や雇用の改善へ結びついています」。

 民主党政権時代に5%台だった失業率は3%台に下がった。今年6月の有効求人倍率は1・37倍。バブル末期並みの高水準だ。
よくある批判は、「実態は非正規労働者が増えただけ」というもの。
実は、増えた非正規は65歳以上の再雇用が多い。生産年齢(15歳以上65歳未満)人口中では、正社員率が高くなった。
確かに地域ごとの差は大きいので、「都市の比較的豊かではない若年層が一番、アベノミクスの恩恵を感じているかもしれません」。

 他の論者の発言を付け足せば、
「『非正規が増えただけ』という批判は、失業状態から非正規労働者になれた人には『自分たちが職を得たのが気に入らないのか』と捉えられる危険性がある」(松尾匡・立命館大教授)。

 とはいえ、地方経済は疲弊したままだし、貧困層の生活実感も悪いままでは?
 「端的に言えば、政策の優先順位の問題です。(金融緩和の背景にある)ケインズ主義的な考え方では、まず日本総体で見た場合の完全雇用を実現した上でこそ、格差や地方の課題に取り組めます

 第二の矢の財政出動を社会政策などに振り向けるべきだといった議論なら成り立つが、
格差など市場経済の副作用を全体として克服すべきだという批判は、論理的には社会主義にしか行き着かないし、社会主義経済は失敗が実証済みです」。

 他方、政権の掲げたインフレ目標2%は達成できていない。穏やかなインフレ状態で物価と共に所得も上がるのが、一般的な経済成長だ。
消費税の8%への増税や国際情勢が民間金融関係者の将来予測に響いた。当局にできるのは、より大胆な緩和だけですから、どうしようもない面もあります」。
消費増税に関しては、政権が参院選前にさらなる増税、つまり財政健全化を先送りした点にも批判がくすぶった。
この批判は、短期と長期の問題をごっちゃにしている」。
年金や医療の長期的な見通しを考えれば、増税も重要な選択肢だ。
ただ、今の問題は短期的な不況です。増税は、短期の状況が改善して過度なインフレに警戒が必要になってからでいい

 この間はおおむね、与党が積極財政と成長のアクセルを踏み、どちらかと言えば野党が緊縮と財政規律優先のブレーキをかけたがる構図だったように見える。
与党は偶然の結果でしょうが、野党は構造的な原因がありそうです。推測ですが、民主党政権の経験が大きい気がします

 民主党政権は、鳩山由紀夫政権で財務相だった菅直人氏が次の首相、菅政権の野田佳彦財務相がその次の首相に。
主要な政治家に明確なプランがなく、財政規律を重視する財務省の発想に取り込まれた面もありそうです

 さらに気になるのは、「政権から遠ざかったからか、野党の発想が各種団体と似てきたように見える」こと。農協だろうが福祉団体だろうが「各種団体は、経済のパイ全体を広げるという発想を持ちにくい。まずは、現状の枠内で自分たちに使われる行政の予算を最大限に確保する責任がありますから」。
そして、「パイ全体の拡大は後回しになりがち。注意が向くのは、せめて現状の枠を今後も小さくしないこと」。
この発想でマクロを見れば、成長より財政規律優先になるわけだ。

 他方「アベノミクスの積極財政が偶然の結果である以上、与党が今後も同じ路線を続けられるかどうかは、わかりません」。
現状でも消費増税で積極財政にブレーキをかけたことや、第二の矢の財政出動が低所得者層の生活保障や社会福祉などにはなかなか回らないなど問題点はいくらでもある。
「アベノミクスの足りない面を補い、完全雇用と経済成長の成果をより公平に社会全体に行き渡らすべきです。そこに野党が掲げるべき経済政策があると思います



参院選の結果について 読み物を1本 ご紹介します。


記者の目 2016参院選 民進党の今後=小山由宇(政治部)
毎日新聞 2016年7月28日 東京朝刊


次世代への責任、語れ
 10日に投開票された参院選で、与党におおさか維新の会などを加えた「改憲勢力」が憲法改正の国会発議に必要な3分の2を獲得した。安倍晋三首相は「アベノミクスを前に進めるかどうか」を問う選挙と位置づけ、当面の信任と、任期中の憲法改正に向けた土台を手に入れた形だ。ただ、事前の世論調査でアベノミクスへの不満は高まっていた。私は参院選の分析を担当したが、民意とねじれた投票結果は、野党が経済政策で有効な対案を示せなかった帰結と言わざるを得ない。

 6月22日の公示直前の毎日新聞の全国世論調査(6月18~19日)で、アベノミクスを「見直すべきだ」は61%と、「さらに進めるべきだ」の23%を上回った。首相が景気回復の「腰折れ」を避けるとして表明した消費増税の再延期に対しても、「社会保障の充実が難しくなったと思う」との懸念が53%に上った。

 金融緩和を柱とするアベノミクスは3年半を迎えた。首相は選挙戦で「着実に前進している」と訴えたが、家計の可処分所得は低迷し、実感は乏しい。旧民主党政権が唱えた「分厚い中間層」を支える議論が必要だったはずだ。

個々の政策で対案明示必要
 私たちは開票直後、全国1741市区町村の「住民平均所得額」に着目して自民党の得票率(比例代表)を分析した。第2次安倍政権の発足後に平均所得額の減少が大きかった100自治体は農村部が多く、アベノミクスの恩恵が文字通り薄い地域だが、自民党の平均得票率は39%で、2013年参院選(38%)、14年衆院選(35%)をいずれも上回った。民進党などの「アベノミクスは行き詰まった」(岡田克也代表)との批判は浸透していなかった。

 その一方、地方の改選数1の1人区で、野党統一候補は自民候補に対して「11勝21敗」と一定の存在感を示した。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の是非が問われた山形選挙区では、統一候補の舟山康江氏の得票は選挙協力を行った民進、共産、社民、生活の4党の比例票を71%も上回った。TPPに限らず、個々の政策で明確な対立軸を示せば、政権への「疑問票」を集めて与党と互角の戦いができることを示した結果ではないだろうか。

 選挙戦で気になったのは、自民党が「成長と分配の好循環」を掲げたのに対し、民進党も「分配と成長の両立」を打ち出し、経済成長が共通点になったことだ。成長の果実を配分するという首相に対し、岡田氏は「公共事業や防衛費の配分を変えて成長につなげる」と語ったが、有権者には成長と分配の「どちらが先か」の議論にしか映らなかったのではないか。

 安倍政権は景気回復への有権者の期待を基礎にして、アベノミクス、地方創生、1億総活躍社会と次々に政策テーマを打ち出すことで支持率を下支えしてきた。民進党議員は選挙期間中の私の取材に対し、「経済成長を訴えないと票につながらない」と迷いを語った。だが、それでは安倍政権と同じ土俵に乗っていることになり、国民の実感や要求から離れてはいないか。

原点に立ち返り財政再建訴えを
 国政選挙4連敗という厳しい現実を前に、民進党に求められるのは大胆に新境地を切り開き、対立軸を打ち出すことだ。私はキーワードとなるのは「次世代への責任」ではないかと考える。有権者が求めるのは経済成長の方策よりも、人口減少社会の中で、持続可能な財政や社会保障をどう構築するかという重いテーマだと思うからだ。

 法政大の水野和夫教授は注目を集めた「資本主義の終焉(しゅうえん)と歴史の危機」(14年3月、集英社新書)で「経済成長を目的とする経済政策は、危機の濃度をさらに高めることにしか寄与しない」と記した。経済学者には異論もあるだろうが、民進党はもともと、成長最優先の経済政策ではなかったはずだ。

 毎日新聞の全候補者アンケートでは、自民党の76%が成長による税収増で財政再建に対応すると答え、民進党は53%が歳出削減を挙げた。両党とも増税は数%どまり。民進党はかつての民主党政権時代に歳出削減の限界を知ったのではなかったか。

 次世代を意識してアベノミクスへの対立軸を打ち立てようとすれば、おのずと地道な結論にたどり着くはずだ。自民、公明、旧民主による「税と社会保障の一体改革」の3党合意は、少なくとも未来を見据えていた。民進党は原点に立ち返り、野心的なアベノミクスに対抗するのでなく、増税も視野に入れた財政再建と、家計に安心感をもたらす社会保障の充実を両立できる将来像を描いてほしい。



平成28年7月26日 第13回経済財政諮問会議


(1)中長期試算について
(2)「平成29年度予算の全体像」及び平成29年度概算要求基準について
(3)「経済財政諮問会議の今後の課題・取組」について


平成28年7月26日 会議資料
平成28年7月26日 大臣記者会見要旨
平成28年7月26日 議事要旨


平成28年7月13日 第12回経済財政諮問会議

(1)最低賃金について
(2)今後の経済財政運営と経済財政諮問会議の取組について
(3)来年度予算の全体像について

平成28年7月13日 会議資料 
平成28年7月13日 大臣記者会見要旨
平成28年7月13日 議事要旨


平成28年6月28日 第11回経済財政諮問会議

(1)最近の金融・経済情勢について

平成28年6月28日 会議資料 
平成28年6月28日 大臣記者会見要旨
平成28年6月28日 議事要旨





2016.07.08
経済財政諮問会議

7月10日投票の参院選 に関する読み物を 2本 ご紹介します。

牧太郎の青い空白い雲 /578 巨泉の遺言「選挙民をナメてる安倍に一泡吹かせる!」
2016年7月7日 Texts by サンデー毎日

 新聞の片隅にちょこんと載った記事が、本当は大ニュース!ということがある。

「20代の独身男女のうち、結婚したい人の割合が3年前と比べて男性で約28ポイント、女性で約23ポイントと大幅に減少した」

 という小さな記事だ。本来ならば、一面トップでもおかしくない記事ではないか。

 明治安田生活福祉研究所という小さな組織の調査結果なので、小さな扱いなのか? あるいは、権力が「圧力」をかけて地味な扱いにさせているのか?

 記事によると、調査は今年3月、恋愛と結婚をテーマに全国の20~40代の男女を対象にインターネットで実施。約3600人が答えている。

 20代では「できるだけ早く結婚したい」「いずれ結婚したい」という回答が、男性で3年前の67・1%から38・7%に激減している。女性は82・2%から59・0%になっている。男性は3人に2人が結婚を諦めている。

 独身でいる理由は、男性は「家族を養うほどの収入がない」が最も多い。女性は「結婚したいと思える相手がいない」。

 これは、男性の経済力に直結している。

 20~30代の未婚女性の半数以上が結婚相手に「年収400万円以上」を望んでいるのに、実際にこの収入がある20代男性は15・2%しかいない。

 要するに、この3年間に若者は「貧乏で結婚できない」と諦めているのだ。

 結婚できなければ、少子化対策も意味がないじゃないか?

    ×  ×  ×

 参院選の投票まで1週間をきった。

 自民圧勝を予測するメディアも多い。それはそれでよい。当たるも八卦(はつけ)、である。問題は参院選がフェアに行われているか?である。正直に言えば、アンフェアである。与党と一部メディアは参院選の争点を隠している。

 憲法改正が最大の争点なのに、なぜか隠す。

 前回、このコラムで書いたのだが舛添騒動、その後に起こった英国のEU離脱の陰に、安全保障、武器輸出……日本の武器が他国の人間を殺すかもしれない、という差し迫った問題を隠している。

 そして、「若者が抱える諸問題」も安倍さんは隠している。

 貧しくて結婚できない!

 それを解消するには「派遣労働の禁止」以外にない。 派遣に就く若者は年々増え、長年働いても給料は増えない。年金も掛けられない。戦前の“女工哀史”に似ている状態だ。

 であれば、選挙の争点の一つは「派遣労働」のはずだが、これを隠しているのだ。

「2018年問題」をご存じだろうか?

 この頃(英国のEU離脱もあって)、リーマン・ショック級の就職氷河期が再来するだろう。大学を卒業しても「仕事」がない!という深刻な問題が存在するのに……安倍さんはアベノミクスが成功した!と嘘(うそ)を言い続ける。


    ×  ×  ×

 話が変わる。

 がんで闘病中のタレント、大橋巨泉さん(日大一高の先輩)が5月下旬から集中治療室に入っているらしい。体重は43キロ以下に激減し、歩けないらしい。

 6月27日発売の『週刊現代』のコラム「今週の遺言」で、彼は「何時(いつ)まで生きられるかわからない」と書き、計930回にわたって続けてきたコラムを終了した。後輩の当方、残念でならない。

 その巨泉さんの「最後の遺言」は……

「一つだけは書いておきたい。安倍晋三の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい」

 巨泉先輩だけでなく、「まっとうな日本人」は安倍晋三のドス黒い野望に気がついているはずなのだが?

 さて、参院選の結果は一体どうなるのだろう。



毎日新聞夕刊にコラム「大きな声では言えないが…」を連載中(大阪本社版を除く)

 ■人物略歴

まき・たろう
 1944年生まれ。毎日新聞に入社後、社会部、政治部を経て『サンデー毎日』編集長に。宇野宗佑首相の女性醜聞やオウム真理教問題を取り上げる。現在、毎日新聞客員編集委員。ブログに「二代目・日本魁新聞社」がある

(サンデー毎日2016年7月17日号から)



永田町の目 (5)有馬晴海さん「自公」対「野党4党プラス市民」 対等の選挙戦になってきた
2016年7月8日 毎日新聞デジタル報道センター


どうなる参院選5日連続ロングインタビュー
 投開票日(10日)が目前に迫る中、最後にお届けするロングインタビュー企画「永田町の目」は、2006年の自民党総裁選に向けて「ポスト小泉(純一郎元首相)」候補とみられた4人を巧みに表現した造語「麻垣康三」の名付け親で、与野党を問わず幅広い人脈を誇る政治評論家の有馬晴海さん(58)。「選挙は本来、国民に厳しい政策を問うべきです。『消費税を上げないから評価して』とは選挙のあるべき姿ではない」と指弾する。さて、有権者の判断はいかに――。【聞き手・錦織祐一/デジタル報道センター】

有馬晴海さん「自公」対「野党4党プラス市民」 対等の選挙戦になってきた20160708
「18歳選挙権」導入を受け、「自分たちの生活を政治に反映させれば、政治は間違いなく良くなる」と語る有馬晴海さん=内林克行撮影

「消費税上げない」はインチキ
――今回の参院選のポイントは。

 基本的には参院選は政権の「中間試験」です。ただ、私は、安倍晋三首相が衆院選との「ダブル選」をやると思っていました。安倍さんが憲法改正を目指していますので、参院での改憲勢力の割合を増やすためにも衆院選とのセットでやった方が得だ、という狙いと、国民に憲法改正を問うためには参院だけでは不足ではないか、と。衆院選も含めて、解散すべきではないか――と考えていました。

 ――さらに安倍首相は消費増税の再延期を表明しました。

 私は、政治は国民のためにあると思っています。選挙は国民に耳を傾けるということです。本来であれば、消費税を上げると決まっていたわけですから、それを前提に皆さんにお伺いしたいという選挙をすべきだと思っていました。「増税しないから評価して」では、本来の選挙のあるべき姿ではない気がする。国民に、むしろ「厳しい」と思われることをお願いしてでも、国民がそれを支持してくれることで自分たちの政策をやっていくと。それが、そもそも3年半前に(旧民主党政権と)消費税を上げると決めておいて、それを1年半前に「見送らせてください」と訴えて1回選挙(14年衆院選)をやって、「次は上げますから」と表明した。「上げます」と言った選挙をやっておきながら、今度は「上げません」と言うのは、選挙の体をなしていないと思います。

 ――安倍首相は今回も「アベノミクス」を前面に掲げています。

 国民から見れば、経済政策も含めてこの(安倍政権の)3年半がいいと思うか思わないか、前の選挙(衆院選)から言うと1年半がいいかどうか、という評価だととらえるべきです。ただし、中身は、安倍さんの考えは「これによって憲法を改正できる体制をつくる」ことで、そのために「消費税を上げない」というのはインチキではないか。選挙で有利になるために消費増税を延ばす。けれど、本当にやりたいのは数をそろえての憲法改正ではないでしょうか。

 それはただの臆測だけではありません。安倍さん自身が1年半前の選挙の時は、安保も含めて憲法にはそう大きくは触れていなかった。その前は「憲法改正」「軍(国防軍)を作る」と言っているが、選挙直前になったらそれを封印して「経済政策をやります」「アクセルをふかす」とやったのに、結果的にはその後の国会で安保法制を強引に通した。

 そして今度も、安保法制をやってから「解釈で憲法を曲げてはいけないのでないか」「立憲政治をやる」「憲法にきちんと明記した形でやっていきます」と5月までは言っていたのに、どうも選挙でいい方向ではないな、という世論調査が出たことから、憲法ということを一切口にせず、主要7カ国(G7)首脳会議でも「経済」と言い、しかも「経済は上向きです」「雇用は上向いています」「株価も上がりました」と言いながら、「危機の前夜です」って。これは何を言いたいんですか?と。

 ――確かに矛盾のように感じます。

 結局、とりあえず国民の皆さんに消費増税を延ばすために「経済の危機だ」と言い、でも「アベノミクス全体はうまくいっている」と言い、そのつど都合のいい話をしていますが、何をやりたいかといえば、結局は数をそろえての憲法改正です。選挙に勝つための口上として、ある時は「世界の経済が危ういから巻き込まれないためには消費増税を先送りした方がいい」という都合のいい話です。国民がそれをもって評価をするのは難しいと思いますね。

 ――憲法改正は争点から隠れています。

 公示前日の6月21日、山本太郎(生活の党共同代表)さんも言っていましたが、前回選挙(衆院選)も公約の二百何十番目に「安保法制」を書き、今回も二百何十番目に「憲法改正の3分の2を取る」と記した。保険の約定の文言のような、ちっちゃい字です(笑い)。

 3年半前に安倍さんが復活した時には「国防軍の設置」と「経済」と言っていたけれど、結局、国民は「経済」でしかついてこないって分かった。(第1次安倍内閣の)9年前にそれで失敗したんです。その反省があるので「『憲法』と言うとまずい」とね。

 それが「1強多弱」と言われて、いい気になったのか、「国民の皆さんに堂々と憲法改正を訴えます」と言っていたら、やっぱり今年5月になったら国民が敏感に反応し始めたら一切封印するという。お坊ちゃんのままごとですよね。「『憲法改正』って何で言わないんだ」と言われたら「いや、それもありますよ。でも今皆さんに必要なのはアベノミクスにアクセルをふかすかどうかじゃないですか」と、そっちへ持っていく。「3分の2(を目指すのでは)」と指摘されたら、「勝手なことを言わないでくださいよ」と怒鳴り散らすんですよね。

「3分の2阻止」で共闘
――今回、野党4党が共闘しています。

 旧民主党政権の3年3カ月の政権担当能力のなさで、安倍さんが引き継いで、自民党というよりは安倍さんの「1強多弱」という状況が続いて、なんでも言い放題だった。ここにきて「経済はうまくいっている」「世界経済はひどい」と迷走していることに、国民の(厳しい)評価が少し出てきた。さらに野党4党の共闘で、市民の「憲法改正反対」の受け皿ができるのなら「自民党ではない選択肢をもう一度考えてもいいな」という二者択一の雰囲気になった。「自公」対「野党4党+市民」。安倍さん(の考え方)にはあまり市民の意見が乗っていないのでは。

 ――野党は「3分の2阻止」を前面に掲げています。

 今回、民進党のリーフレットは「3分の2(をとらせない)」って表紙に大きく書きました。そのために共産党も、他党も協力することになった。野党4党プラス市民、と。この市民の力というのが大きくて、恐らく今、対等に選挙戦に入ったっていう感じです。

 共産党の小池(晃・書記局長)さんに聞きました。党が違うのに、自分たちの主張を封印して、全面的に民進党に協力するというのは政治としてどうなんですか、と。

 「今回の選挙は70年に1度の、日本の憲法というものを変えるか変えないかの大事業だ。そのために私たちが協力をして『やらないほうがいい』という一点だけで、一緒にやっていくことを決めた。どんなに(元立候補予定者が)『私は出たい』『公認してもらったじゃないか』と言い張っても、党の権限で全ての候補者を降ろして、民進党に協力する」と。

 でも私が「(それでも出馬して)我々は、って言いたい気持ちはないですか」と聞いたら、「いや、民進党が『いい』って言うならいいけど。民進党が『共産党の候補者は嫌だ』と言うんだから……しょうがないじゃないですか、我々が折れるしか」と説明していました。香川だけが一応、共産党の候補なんですが、けんもほろろで。やっぱりダメなんです。共産党に他の党が乗るのはやっぱり無理なんです。だから共産党はあまり見えない形で票を出してあげるということに徹していかないと。共産党が「一緒にやってるんですよ」と言うと、安倍さんが「あなたたち『一緒になる』って言ったよね」と。「そんなこと言ってないだろ」と岡田(克也・民進党代表)さんが怒ってましたが。

自民、改憲目指し「何でもかんでも」票
 ――そもそも自民党の「選挙」とは。
元々、自民党は業界団体、簡単に言えば農協も含めた基盤産業、基幹産業に支えられて政治をやってきた。逆に言えば、自民党の政策によって基幹産業が発展するということでやってきました。ですから自民党の政調会長が「大臣2人分」と言われたり。今も自民党税調がすごく権力を持っているのは、その業界の税によってその業界が発展したり衰退したり、という要素も作っていけたからです。

 ただ、民主党という政党ができて、自民党の業界ではなく一般の人が応援する「国民が主役」という形で出てきて。だんだん自民党も補助金の批判をするようになりました。民主党が主張した「コンクリートから人へ」は、逆に言うと、自民党は「コンクリート」を打ち出すことで業界団体を味方につけてきた。業界団体が必ずしも得ではないと。例えば、公共事業を出せないから建設業とは距離を置かなければいけないとか、今は農協がむしろ農民の足かせになってるので解体していかなければならないとかですね。

 時代背景もあると思うんですよ。インターネット社会になったり……公共事業は山を壊し谷を埋め、コンクリートで塗り潰しているわけですから。さらに「これ以上、公共事業が必要なのか」という国民の思いもあるので、国民への迎合を始めたところがあると思います。

 そうは言っても、選挙になった時には、やはり仕事に直結した方がうまみがあるんじゃないかというのは捨て切れないところがあって、中途半端な選挙になってきたと思います。公明党の票が入ってきて、そして6年前はタレントをたくさん立てて、票をどうにかしよう、と考えて。結果的にタレント票が伸び悩んだので、3年前は一切タレントを立てない、と。実は民主党もそうだったんですが。

 ――今回は、特に比例代表で業界団体への回帰が強まったと指摘されています。

 憲法改正をどうしても成し遂げるためには参院の議席を増やさなければいけない、ということで、業界団体も欲しい、一般の人の票も欲しい、そしてタレントのホワーンとした票も欲しい、何でもかんでも受け付けることで、うまくやろうとしているんです。

 全国比例だった三原じゅん子さんを(神奈川県)選挙区に回すことによって、全国比例では違う人が票を取れるようにタレント票を空けておくとか、そこに今井絵理子さんを持ってくるとか、うまくやろうと首尾よく考えられているんですが、果たしてうまくいくかどうか。国民が政治を勉強しながらどう考えて投票するのか、という知恵比べのところがあります。

 さらに言えば、自民党はタレント票も欲しい、農業も「切り捨てなきゃいけない」と思いながら、そうとは言えないので、(離党していた)野中(広務・元幹事長)さんを(復党する形で)引っ張り込むとかね。でも改革をする意識を皆に見せないと一般の票はこないということで、河野太郎さんを大臣(規制改革担当相)にして、例えば文化庁を地方(京都)に移転させるとかいう考えも持っていかなければならない。

 つまり、言葉は悪いですが、最大公約数的に自民党に得になるようなものを集めていって、選挙をやりたい、と。ただし、憲法改正は、安倍さんがどこか捨て切れない一番重要な課題です。今回選挙では隠そうとしているとは言いながら、これまでは事あるごとに「次の参院選はとにかく3分の2を取って憲法改正に向かうんだ」と言葉の端々に言っていたわけですから、(有権者は)うすうす、安倍さんがどう思っているかは分かっている。

 その上で、自民党は組織も欲しい、タレント票も欲しい、そして一般の人たちの票も欲しいと。「民進党が共産党と組んでるから、そんな党には入れない方がいいよ」と言って自分たちに一般国民の目を向けさせる、と。とにかくあらゆるものを(使って)自分たちに目を向けさせて投票してほしい、というのが自民党なんですね。

 何となく国民の皆さんも、昔のように「補助金をくれるから票を入れよう」ではなく、ネット時代でいろんな意見を(参照できるし)、皆がいろんなところで述べる機会があるから、そういうのを見ながら国民も勉強した上で投票に向かうといいですね。

 どうも世論調査を見ていると、「案外、国民は賢いな」という結果が浮かび上がっており、そういう選挙結果になるのではないかと、私は見ています。

合区は「土地柄の格差」無視
――今回、鳥取と島根など初めて都道府県を超えた合区で実施されます。

 最少人口県に1議席を与えて、それに1票の重みをどう考えるのか。2倍までいいのか、2にはしないのか。となった時には、東京は人口が20倍ぐらいあるから20人ぐらいになるかもしれません。だけど、その方が僕はいいと思います。

 もちろん合区で、自分の県に候補者もいないというのはおかしいという考え方もありますよね。1票の格差以上に「土地柄の格差」「県民格差」も一つの考え方だと思いますから。人間は平等だという精神で1票の重みが同じと考えるのであれば、人口が最少とされた県に一つを与えるというような方法を考えないと。「議員を減らせばいい」とかそういうことではなくて「この地域に、分かる人を1人ぐらいは置いておこう」としないと。

 県単位でまず一つ置く、ということは、愛郷心がこの国にある以上ね。やっぱり隣の県の人には分からないでしょ。「学校が同じだからアイツを応援したいよ」っていう気持ちは普通に人間社会の中にあるわけで。それを否定して「1票の格差なんだから仕方がないだろ。少ないヤツは黙っとけ」ではね……。高知が1人で、東京が十数人というぐらいの範囲なら、議員数をむしろ増やしてでも、給料減らしてでもやった方がいい、と僕は思いますよ。

 よく「議員を減らして給料増やせ」と主張する人がいるけどそうか?って。もっと言うと、議員数を増やしてボランティアでやってもらってもいいと思います、極端に言うとね。でも、ボランティアだと(資金力のある有権者らと)癒着する可能性もあるからね。だから舛添(要一・前東京都知事)さんにも(庶民感覚からすれば)法外な報酬をあげていたわけですけど。

「18歳選挙権」若者へのメッセージ
 ――今回の参院選で「18歳選挙権」が導入されます。若き有権者にメッセージを。

 僕も18歳のころはノンポリで政治なんかよく分からなかったが、僕は「新聞の1面を子供に語れるオヤジになりたい」とは思っていました。子供がテレビを見て「お父さん、これなあに?」って言った時に、「ああ、安倍が憲法改正をやろうとしてんだな」と言う。お茶の間に、家族のだんらんに政治(の話題)があった方がいいな、と。

 小沢(一郎・生活の党共同代表)さんが僕(の造語)をパクったんだけど、「政治は生活、経済はお金」だと。みんな、金もうけは「嫌らしい」と言うけど、学校に行くためにも授業料払うためにアルバイトをする。結局お金は必要でしょう。だから、生きていくために、生活をするためにお金がいるんです。

 あなたたちが、例えば奨学金をもらうにしても、将来年金をもらうにしても、誰か(政治家)が決めているんだけど、その「誰か」という中に自分たちの意見、生活も入ってるんだということをちょっとだけ考えてほしい。

 ――生活の中に政治がある、と。

 お祝いに「俺一人、一升瓶に水入れても分からないな」と思ったら、皆が一升瓶に水を入れていって、全員が一升瓶に水を入れたのが分かっちゃったという話があります。それと一緒で、「俺の1票なんか」って言うけど、イチロー選手と一緒で、今日の1本が200本につながっているのであって、あなたの1票がなければ、みんなが「俺の1票なんか」と言えば、ゼロにしかならない。

 入れれば、その人が当選するかどうか楽しみ。当選したら「いや俺の入れた人がこの間さあ」と、自分との因果があると、その政治家をウオッチングしやすい。入れた人がとんでもない自分の意見と違うような話をしたり、「許せない」というたぐいのことがあったりすれば、今度は違う人に入れていく。それを繰り返すことによって、政治って良くなる。間違いなく。

政治は権利――身の回りの課題を反映させるために
 ――今はいろんな人が情報発信できますし。
この間、新聞の投稿にありました。「保育園落ちた日本死ね!!!」というブログがあって、それを山尾(志桜里・民進党政調会長)さんが言った。それを聞いた安倍さんが「知らない」と言ったけど、その後で安倍さんは50万人の待機児童の受け皿を作れと命令している。まだやってないけど。まあ、安倍さんは言うだけだからね。

 でも、少なくともそうやって自分たちの身の回りが結果的に政治に反映されている。問題は、お金が余っているわけじゃない。だから「あなたの言うことを何でもやります」ということではないけれども、「あなた方の考え方を、できればあなた方が満足してもらえる形でやりましょう」と。

 だから、年金は「少ない」って言うかもしれないけど、働けない年寄りになった時に、年金を幾らかでももらえればありがたいことではある。満額戻ってこないかもしれない、これから少子高齢化でね。だけど、じゃあ、あなたが給料をもらってその分を老後のために取っておけますか? 取っておけないから公的機関でやっている。

 もっと言うと、場合によっては障害者になることがある。国は障害に対しての援助をしてくれるが、自分のお金は限りがあるし、民間の保険はまた別に保険に入らなくちゃいけない。やっぱり公的なものは最低限のことを保障しようと努めている。

 もちろん、全ての人を難病認定できないとか、いろいろ課題はあります。でもそれは人間社会に永遠に課題というのはある。でも、そういう課題に直面した時に、これまで先輩が経験した苦いことを国が何とかしようとやってきたことも事実です。国民皆保険だとかも、年金に漏れがあるといっても一応年金で(最低限の生活ができている)……だって年寄りの年金に群がって生きている、スネかじりのバカ息子がいるでしょう。そうやって生きられるいい国なわけですから。

 政治は「関係ない」なんて思わないで、きっと、自分たちも関わらなければいけないという「権利」と思っていかなければいけません。

 ――同感です。

 菅(直人・元首相)さんが影響を受けた市川房枝が言いました。女性に投票権がない時に、普通選挙を与えられた。その時に言ったのが「権利の上に眠るな」。権利があるって「ありがたい」と思わないと。世界には、民主主義でもない、投票もできないという国もある。「そんな国めったにないだろう」って、そうかもしれないけど、でも「保育園落ちた」(の匿名ブログ)によって、国が(保育園待機児童を抱える)そうした人たちの票も欲しがって変わろうとするんですから。

 今、有権者は約1億660万人。1億660万人が政治に関わって、あとの2000万人の子供たちのために、我々が持っている知識の中で国の選択をしていくのは大事です。しかも政権交代も起こったわけだし、今回の選挙だって、市民の声が野党に反映されているんじゃないかな。


ありま・はるみ 長崎県佐世保市出身。立教大経済学部卒。リクルート社員、国会議員秘書を経て1996年から政治評論家として独立。新聞、テレビなどの政治コメンテーターとしてもおなじみ。政治勉強会「隗始(かいし)塾」を主宰し「国民に分かりやすい政治」を実践している。著書に「政治家の禊(みそぎ)」「永田町のNewパワーランキング100」「有馬理論」など。





2016.06.24 
経済財政諮問会議



参院選に関する 読み物を1本ご紹介します。


 これまでとは違う=政治部長・末次省三
毎日新聞2016年6月23日 東京朝刊


 参院選は「政権選択の選挙」ではない。このため、衆院選に比べて軽くみられがちな傾向にあり、それが時に有権者の「冒険」を誘発してきた。

 「政権交代までは望んでいないが、政権党にお灸(きゅう)をすえたい」。こうした投票意識が衆参両院の多数派が異なる「ねじれ」を生んだことなどから、参院選は衆院選よりもむしろ政局を左右する選挙と位置づけられてきた。

 衆院選の時期はほとんど、時の首相が「解散権」を行使して決める。これに対し、参院選は3年ごとに半数ずつが改選されることが確定しており、時期は政権与党の思惑や都合に左右されない。つまり、参院選は衆院選よりも「首相の恣意(しい)が働かない任意の民意」が示される。

 参院選を語る場合、従前ならばここまでで済んだと思う。だが、今回は明らかに違う。ただの参院選ではない。より重要性が増している。「憲法改正」という戦後日本で長きにわたって封印されてきた政治テーマが、具体性を持つ初の機会となるからだ。

 最大の焦点は、与野党の勝ち負けではない。すでに衆院で憲法改正の発議に必要な3分の2以上の議席を確保している改憲勢力が、参院でも3分の2に届くのかどうかだ。

 毎日新聞が今月18、19両日に実施した世論調査では、参院選で最も重視する争点として「憲法改正」を挙げた人は10%で、「年金・医療」24%、「子育て支援」13%に続く3位にとどまったが、選挙結果は個別政策を超える大きな動きをもたらす可能性がある。

 安倍晋三首相の言う「決めるのは国民投票」はその通りで、3分の2以上による発議はあくまで前段にすぎない。ただ、3分の2以上が現実となれば、(改憲の)土壌が整うことは間違いない。しかも、憲法改正を宿願としている安倍首相の下でのことだ。

 ある意味、今回の参院選は政権選択より重い審判となる。「国のかたち」をじっくり考える機会にしなければならない。





本稿更新中に
 英国民投票で EU離脱へ の号外が出た。

英国民投票 EU離脱へ…過半数確実、BBC報道
毎日新聞2016年6月24日 12時44分(最終更新 6月24日 13時06分)

 英BBC放送によると、23日に行われた欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国の国民投票で、離脱支持が過半数に達することが確実になった。

<円急騰>一時99円台…2年7カ月ぶり
<日経平均>一時1000円超下落 


ここで  「EU離脱」に関する読み物を1本ご紹介します。

英国 「EU離脱」ならこうなる! 世界の未来が変わる 運命の6・23国民投票は「離脱派」が日に日に優勢
2016年6月21日 Texts by サンデー毎日

 英国は6月23日、欧州連合(EU)から離脱するかどうかを問う国民投票を実施。現地では「離脱派」が優勢と伝えられる。「EU離脱が決まれば世界経済は大混乱する」との見方が広がり、急激な円高と株安が日本に襲いかかった。離脱論は今後、尾を引きそうだ。

 今、世界で最もホットなキーワードは「ブレグジット」だろう。「ブリテン(英国)」と「イグジット(脱出、転じてEU離脱)」の合成語で、4年前に懸念されたギリシャのユーロ圏離脱、つまり「グレグジット」をもじっている。今回の国民投票は「離脱」「残留」の二者択一形式で英国民に判断を委ねるものだ。「離脱」が過半数を占めれば、英国はEUと離脱に向けた交渉と手続きを始め、早ければ2年後に実現する。

 なぜ国民投票に踏み切るのか。2013年1月に実施を決めたキャメロン首相は当時、その理由を演説で次のように説明した。

「国はそれぞれ異なり、違う選択をするものだ。全てを統合できない。例えば、もしEU本部が英国の議会や医師の意向に反して英国医師の勤務時間を決め、『EUの決定に従うことは欧州単一市場とEUに加盟する国の義務だ』というなら、そんな主張は間違っている」

 そもそも英国がEUに加盟したのは、関税を撤廃した「欧州単一市場」に参加して経済を活性化するためだった。しかし、現実のEUは違った。「多くの英国人には受け入れがたい水準の政治統合に向かっている」と首相は指摘した。EU本部の肥大化した官僚組織が「無駄な規制」を乱発し、ギリシャなど財政危機に陥った国の救済に加盟国は財政支出を強いられ、「英国民のいらだちは高まっている」。EUが英国の改革要求に取り組む猶予を与えた後、「英国民に判断を任せるべきだ」として国民投票を打ち出したのだ。

 それから3年半。キャメロン首相は「残留すべし」と主張するが、世論調査では離脱・残留の両派は拮抗(きつこう)。6月に入ると「離脱派優勢」が伝えられ、波紋は瞬時に世界に広まった。英ポンドとユーロはドルに対して値下がりする一方、円は16日に一時103円台に達するほど急激な円高が進んだ。株価は主要市場で軒並み下げ、とりわけ日経平均株価は直近高値の8日から17日にかけて7%超も急落した。値下がり率が4%台の英国や1・5%の米国に比べて影響が大きい。

 金融市場や世界経済に与える影響は後で触れるとして、まずは英国人が「ブレグジット」をどう見るか、東京在住のジャーナリストに聞いた。ロイター東京支局のティム・ケリー記者と保守系紙『デイリー・テレグラフ』のダニエール・デメトリオ特派員は共に「残留派」。2人とも「離脱派が支持を広げる主因は移民問題」という見方だ。先の演説で首相は「我々の島国意識は、英仏海峡をせき止められない以上、変えられない」と述べたが、移民問題には触れなかった。

 ケリー氏は帰国中の5月、70代の知人女性から「近所に引っ越してきたルーマニア人一家がいかに迷惑か」を聞かされたばかり。知人女性は当然、離脱派だ。

EU圏内で英国人は「外国人」に
 EU加盟国民は原則として、在留許可や労働ビザを得ることなく他の加盟国に自由に滞在できる。英国で人口急増中の移民は、04年と07年にEUに加盟した旧ソ連ブロックの東欧諸国出身者が多い。英国家統計局によると、英国に在留する東欧EU諸国の国民は、04年の14万人から14年の157万人へと11倍に急増。中でもポーランド人は7万人から85万人へと12倍になり、英国の在留外国人トップに躍り出た。在英ルーマニア人も18倍増の18万人に上る。

「ルーマニア人など東欧出身者は犯罪に手を染め、貧しく、うるさいから迷惑だ」という偏見が労働者階級を中心に広がり、「そんな移民流入を食い止めるにはEU離脱しかない」という結論になるのだという。ケリー氏は中部の工業都市マンチェスターで労働者階級の家庭に生まれ、父親はアイルランド移民。自身は「移民はよく働くし、優れた文化をもたらすなど社会にとってプラスの方が大きい」という見方だが、労働者階級が反対する背景は想像できるという。

「1970年代の幼少期、南アジアからの移民が近所に続々と住むようになり、人種差別を目の当たりにしました。中流階級からは『お前たちは差別主義者だ』と罵(ののし)られましたが、彼らは移民と接することが少なく、実態を知らなかったと思う。暴力や犯罪はすさまじいものがありました」(ケリー氏)

 発行部数が最大の大衆紙『サン』は離脱を支持する社論を打ち出し、「EUに残留すれば移民問題は悪化、雇用は悪化、賃金は悪化、そして我々の生活も悪化する」と、雇用市場で移民と競合する労働者階級の声を代弁する(6月13日付電子版)。シリアなどイスラム圏からヨーロッパに大量流入する難民も、離脱派を勢いづかせる一因だろう。

 高まる反移民感情を背景に、キャメロン首相は「在英4年未満のEU出身者は公営住宅に入居できなくする」「子が英国外にいるEU出身者は児童手当を受給できなくする」といった内容の改革案をEUに要求したが、2月の合意にはわずかしか盛り込まれなかった。

 投票日まで1週間に迫った6月16日には、移民や難民の受け入れに積極的な主張をしていた下院議員が殺害された。容疑者は議員を襲った際、極右団体の名称と同じ「英国第一」と叫んでいたという。

 最新の世論調査では離脱派のリードが広がっている。デメトリオ氏は「ブレグジットは甚大な悪影響を及ぼす」と懸念する。

「メディアは“不確実”という言葉を多用していますが、すでに不動産取引は凍りつき、ポンドやユーロ、それにヨーロッパ中の株価は急落し、経済がまひしかかっている。離脱派が勝てば、今の状況は氷山の一角にすぎなかったと振り返ることになるでしょう」

 上の地図と表の通り、英国は国境検査を撤廃するシェンゲン協定に参加せず、共通通貨ユーロも非導入。もともとEU加盟国中の統合水準は最低ランクだ。それでも、前述の通り、域内貿易には関税がかからず、自由に域内の他国に住んで働ける。離脱すれば域内輸出に関税が設けられ、EU圏に住む英国人は外国人として在留許可を得るなどの手続きが必要になる。

“安倍予言”が当たってしまう!?
「英国の産業や経済を支えるために必要な貿易協定を締結し直すには何年もかかります。留学生や海外就業者はもちろん、企業がロンドンから撤退し、景気が悪化することで生じる失業者を考えると、国民のかなりの部分が打撃を受けてしまう」(デメトリオ氏)

 外資系運用会社の幹部によれば、「英国の景気は離脱が決まってからすぐに、中央銀行が利下げしなければならないほど悪化する」という見方は金融関係者の間では「ほぼコンセンサス」だという。

 さらに他の加盟国でEUかユーロ圏からの離脱が騒がれ始めると危ない。金融アナリストの久保田博幸氏はこう懸念する。

「頭が痛いのはギリシャ。ユーロ圏離脱が再燃する恐れがあり、そうなるとユーロ自体が崩壊しかねません。安倍首相が伊勢志摩サミットで言った『リーマン・ショック前と似た状況』が実現してしまう」

 信州大の真壁昭夫教授も「“安倍予言”が当たってしまうかも」と恐れる。

「離脱が決まるとユーロは売り込まれ、『EUの仕組みが維持できるのか』と疑念が一気に高まる。そもそも経済力に大きな差がある諸国が同一通貨を使うという欠陥が露(あら)わになり、最終的にEUの瓦解(がかい)に向かう恐れも……」(真壁氏)

 一昨年、英北部スコットランドで分離独立を問う住民投票があった。ブレグジットが決まれば再投票に向かう。そんな見通しから、6月26日に総選挙を迎えるスペインでは、カタルーニャ地方などの分離独立機運が一段と高まるのではと緊張が走っている。

 無論、日本にとっても対岸の火事ではない。前出の久保田氏は「離脱が決まればすぐに1ドル=100円を割り込むと市場関係者は皆、言っている」と話す。輸出企業の想定為替レートは105~115円が多い。105円を想定する自動車大手にとっては数百億円の減益要因だ。「当然、株価は暴落するでしょう」

 混迷を深めるヨーロッパから目が離せない。

(本誌・谷道健太)

(以上 サンデー毎日2016年7月3日号から) 


以下 経済財政諮問会議の議事要旨等のアップです。

平成28年6月2日、安倍総理は、総理大臣官邸で平成28年第10回経済財政諮問会議・第28回産業競争力会議合同会議を開催され、安倍総理は議論を踏まえ、以下の様に発言しています。

「本日こうして、『骨太方針2016』と『日本再興戦略2016』をまとめさせていただきましたことを、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 伊勢志摩サミットで世界のリーダーたちと共有した認識は、新興国や途上国の経済が落ち込んでおり、世界経済が大きなリスクに直面しているということであります。こうした認識の下、新たな危機に陥ることを回避するため、適宜に全ての政策対応を行うことで合意し、首脳宣言に明記されたわけであります。
 議長国として、率先して世界経済の成長に貢献をしていくために、構造改革の加速、あるいは財政出動などあらゆる政策を総動員していかなければならないわけであります。
 アベノミクスを力一杯加速させるため、総合的かつ大胆な経済対策をこの秋に講じることとしたいと思います。加えて、内需を腰折れさせかねない消費税率の10%への引上げは、2019年10月まで30か月延期すべきと判断をしました。
 しかし私は、財政再建の旗は降ろしません。『経済再生なくして財政健全化なし』との基本方針に変わりはなく、2020年度の財政健全化目標をしっかりと堅持をしていく考えであります。経済財政諮問会議においては、デフレ脱却、経済再生への取組を更に加速しながら歳出、歳入両面の改革を強力に進めていただきたいと思います。
 同時に『一億総活躍社会』の実現に向けて、経済成長の隘路の根本にある人口減少、少子高齢化といった構造的問題に真正面から取り組み、アベノミクスの成果も活用しながら国民一人一人の希望を実現していく考えであります。
 成長戦略の第二ステージとして、潜在需要を掘り起こし、官民共同で有望成長市場を創出していきます。先手で規制・制度を改革をしていく。いわば、今まで必要に駆られてやるということではなく、先を読んで先手で決定を、改革をしていくことが求められていると、このように思います。そして、新たな時代を勝ち抜ける人材を育成していきます。新たな司令塔となる『第四次産業革命官民会議』を中心に、第四次産業革命を優先していく考えであります。
 こうして生まれた成長と分配の好循環を全国津々浦々まで波及させ、戦後最大のGDP600兆円を目指してまいります。このため、骨太方針と成長戦略というアベノミクスのエンジンを最大限ふかさなければならないわけであります。今後、石原大臣には、関係大臣とも協力して、具体化に取り組んでいただきたいと思います。
 また、本日提案された、諮問会議と総合科学技術・イノベーション会議の下に設置する専門調査会は、我が国が直面する重要課題に対して経済財政政策と科学技術政策の司令塔が連携して解決を図る新たな取組であります。そして、石原大臣と島尻大臣は、お互いに力を合わせて議論を深めていただきたいと思います。
 今般の取りまとめに当たりまして、議員各位には多大な御尽力をいただいたことを改めて感謝申し上げたいと思います。そして、アベノミクスを最大限加速をさせ、私達がお約束をしている目標を達成できるように全力を尽くしていきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。」


平成28年5月11日 第8回経済財政諮問会議

(1)金融政策、物価等に関する集中審議
(2)経済・財政一体改革について
(3)骨太方針に向けて

平成28年5月11日 第8回経済財政諮問会議 会議資料
平成28年5月11日 第8回経済財政諮問会議 大臣記者会見要旨
平成28年5月11日 第8回経済財政諮問会議 議事要旨


平成28年5月18日 第9回経済財政諮問会議

(1)骨太方針に向けて

平成28年5月18日 第9回経済財政諮問会議 会議資料
平成28年5月18日 第9回経済財政諮問会議 大臣記者会見要旨
平成28年5月18日 第9回経済財政諮問会議 議事要旨


平成28年6月2日 第10回経済財政諮問会議・第28回産業競争力会議

(1)「経済財政運営と改革の基本方針2016」(案)について
(2)「日本再興戦略2016」(案)について

平成28年6月2日 第10回経済財政諮問会議・第28回産業競争力会議 会議資料
平成28年6月2日 第10回経済財政諮問会議・第28回産業競争力会議 大臣記者会見要旨
平成28年6月2日 第10回経済財政諮問会議・第28回産業競争力会議 議事要旨

(1)「経済財政運営と改革の基本方針2016」と(2)「日本再興戦略2016」の両案は 当日 閣議決定された。





経済財政諮問会議
歴史的な オバマ大統領の広島演説 および 安部首相の広島所感


東洋経済オンライン所収の記事のご紹介です。

オバマ大統領「広島演説」は一大叙事詩だった 魂をゆさぶる、神がかり的なコミュ力 岡本 純子 :コミュニケーションストラテジスト

米国の現職大統領として初めて広島を訪問したオバマ大統領。被爆者を抱きしめる姿や力強く情緒的なスピーチに心を震わせた人も多かったのではないか。

日本だけでなく、世界中が注目したまさに歴史的な出来事だったわけだが、その意義や重みを人々の心に強く印象付ける一因となったのが、オバマ大統領の圧倒的なコミュ力である。

もともと、スピーチの巧さでは高い評判を持つ天才的雄弁家であるが、そのカリスマぶりは今回の訪問でも遺憾なく発揮された。ケネディ、レーガン、クリントンなど歴代の米大統領の中には優れたスピーカーも多くいたが、オバマ大統領はもはや「神の領域」と言っていい。魂をゆさぶる「神がかり」的なコミュ力の秘密は何か。そして、今回の広島訪問の真の意図は何だったのか。彼の「言葉」と「ふるまい」から読み解いていこう。

スピーチを書いたのは「文学青年」

「71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変した。閃光と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示された」

まさに、舞台のオープニングシーンのような鮮やかな情景描写から始まるオバマ大統領のスピーチは、技術的・経済的発展を成し遂げながらも、戦争という愚行を止められない人類の「絶望的運命」を文学的な言葉と巧みなレトリックでつづった一大叙事詩だった。

人類はその歴史が始まった時から暴力的な衝突を始め、その後も絶え間なく戦争を繰り返してきたことに触れながら、「この空に立ち上ったキノコ雲の映像を見た時、私たちは人間の中核に矛盾があることを非常にくっきりとした形で思い起こした」と、自ら破滅を招く人間の不合理を憂うのである。

平家物語のようなもの悲しさと不条理観。しかし、ストーリーはここでは終わらない。

「私たちは、この街の中心に立ち、勇気を奮い起こして爆弾が投下された瞬間を想像する。私たちは、目の当たりにしたものに混乱した子どもたちの恐怖に思いを馳せる。私たちは、声なき叫び声に耳を傾ける」。この悲しい記憶こそが人類の道徳的な想像力をかき立て、希望をもたらす選択を将来にわたって続けようという意志につながるのだ、と説いたのだ。

だからこそ「核兵器廃絶」という理想を追い求め、広島を「核戦争の夜明けではなく、私たちの道義的な目覚めの地としなければならない」とスピーチを結んだ。

まさに、壮大な「絶望と希望」のストーリー。このスピーチを書いたのは、38歳のベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)と言われている。オバマ大統領の側近中の側近だ。もともとはニューヨーク大学の修士課程に在籍し、作家を目指す「文学青年」だった。その彼を政治の世界に駆り立てたのは2001年のあの出来事だった。

スピーチの最中に大統領の脳裏によぎったもの

「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」は、5月初旬にこのベン・ローズの大特集記事を組んだ。そこにはあの9月11日、マンハッタンの対岸から旅客機が超高層ビルに体当たりするのを自らの目で見た経験が語られている。「その日、すべてが変わった」。ショックと恐怖の経験は彼の価値観を根底から覆した。

オバマ大統領の広島スピーチに出てくる言葉の端々ににじみ出る人間の蛮行、愚行に対する憤り、絶望感は、眼前で何千人もの命が失われるシーンを目撃したローズ氏の原体験に紐づくものでもあるのだろう。この演説の中に、「どの偉大な宗教も、愛や平和、正義への道を約束するにもかかわらず、信仰こそ殺人許可証であると主張する信者たちから免れられない」といきなり宗教批判のような文言が出てきたことに違和感を覚えたが、これは、まさに9.11とその後のテロを指していると考えると合点がいく。

そして、あのスピーチを読み上げるオバマ大統領の悲痛さの裏には、アメリカが体験した9.11というある種の「敗戦」の悲劇を重ね合わせる心情が少なからずあったのではないか。そんな想像も働く。

同マガジンによれば、「優れた物語の語り手」であるローズ氏は「大統領のために考えるのではなく、大統領が何を考えているのか」がわかるのだという。「どこから僕が始まり、どこでオバマが終わるのか、わからない」とまで言う一心同体の存在にまでなったスピーチライターはまさにオバマ大統領の懐刀。ホワイトハウス随一のインフルエンサーとしてツィッターなどで情報を発信し、記者たちのオピニオンにも大きな影響を与える存在だ。

そんな彼が、ウェブジャーナリズムのプラットフォームとして知られる「Medium」に自ら、広島訪問の意図をこうつづっている。「(アメリカが)核兵器を使った決断について触れるのではなく、我々共通の未来に対し、前向きなビジョンを示し、戦争という、とんでもなく、また破壊的な行為が人類にもたらす犠牲にスポットライトをあてる」。さらに、「核兵器を使用した唯一の国として、核兵器の根絶による平和と安全な世界の実現を推し進める特別な責任がある」ことを示し、「終戦時には想像もしえなかった深く強固な同盟関係を象徴する訪問である」と明言している。

ガーディアン紙によれば、このスピーチはローズ氏が起草し、関係省庁などがチェックをした上で、さらにローズ氏が推敲し、オバマ氏が最終的に手を入れたものだという。その証拠に、読み上げた原稿の上には彼の手書きのメモがたくさん書き込まれていたそうだ。自らの原体験も踏まえ、強い思いがあふれ出るスピーチを紡ぎ出すスピーチライターと、その原稿を自分のものにし、情感をこめて語ることができる話し手。この最強のコンビネーションが生み出した歴史的演説だったのである。


さらなる超絶コミュニケーション技

筆者はアメリカに在住していた時期がある。そのときにオバマ氏のお茶目でチャーミングな側面をたっぷり見てきたため、まごうことなきオバマファンなのだが、今回、さらに新たな超絶コミュニケーションテクニックに気づかされ、感服することがあった。

まずこのビデオを見ていただきたい。これは広島スピーチのほんの数時間前、岩国基地で行ったオバマ氏のスピーチだ。

原爆ドーム前のスピーチの厳粛さと打って変わった明るさ、陽気さ、面白さだ。ジョークを交え、とにかく楽しく、聴衆からも笑いが絶えない。

以前、東京オリンピック招致のプレゼンコーチ役だったマーティン・ニューマン氏にインタビューした際に、プレゼンの要諦は「どのようなムードを作るか」であると教えられた。つまり、スピーチやプレゼン、あらゆるコミュニケーションにおいて、最初に考えなければいけないのは、「What mood do you want to create?」(どのようなムードを作っていきたいか)ということで、会場をどのような空気で包みたいか? 聴衆にどのような印象を持ってもらいたいか?をコントロールできる人こそが超一流のプレゼンターである、というわけだ。そういう意味で、このオバマ氏の「場」の作り方はまさに天才的だ。

これはまさに、三枚目を演じたかと思えば、次の場面では悲劇のヒーローに転じる「役者」のようなものだ。そう、オバマは天才的役者なのである。といっても、わざとらしく、自分でない他人の役を演じる、のではない。一流の役者はその役に「なり切る」ことができる。

ストイックなまでの役作りで知られるアメリカの俳優ブラッドリー・クーパーのブロードウェイの舞台を見に行ったことがある。「まさに乗り移ったような演技」にすっかり、魅了されたのだが、あるラジオ番組で「けいこをひたすら重ねていると、何かが空から降りてきて、自分にとり付く」と話していた。被爆者と自然に抱き合い、握手をするあの姿も、計算されたものではない心の底から湧き出る思いだったからこそ、心動かされたのだ。まさに、イタコ、いや、ありとあらゆる自分の分身(アバター)に化身できる。これがオバマ氏の真骨頂である。

翻って、日本人のプレゼンが面白くないのは「話している」か「読んでいる」からである。オバマ氏を目指すのはハードルが高すぎるとしても、グローバル競争に勝ち抜くため、日本の掲げる平和や環境保護のメッセージを世界に伝えていくためにも、国を挙げて、抜本的にコミュ力アップに取り組むべきだ。人の心、国そして世界を動かすのは結局のところコミュ力なのだから




みなさん、こんにちは!ここに来ることができ、とてもうれしく思います。今回の日本訪問で、我々は、日米両国の素晴らしい同盟関係を再確認しています。ですので、皆さんに感謝を伝えたく、ここに立ち寄りたいと思っていました。兵士の皆さん、家族の皆さん、ありがとうございます。皆さんは、日米同盟の中核を担っています。感謝いたします。

「ウォーターボーイ」ことブシェー大佐、ガルザ最上級曹長、ありがとうございます。大勢の人たちがいますね。下士官、上級下士官、将校、一般兵士、国防省の文民職員。家族の皆さん、声を聞かせてください!

黄川田外務大臣政務官、福田市長、国会議員の方々、園田海将補、自衛隊員の皆さん、この場にお越しいただいた日本の友人の方々に、感謝申し上げます。素晴らしい、岩国市民の方々にも、お礼申し上げます。母国を遠く離れて使命を果たしている米国兵士への皆さんからの温かい歓迎は、わが国にとって、非常に大きな意味を持ちます。皆を代表してお礼を申し上げます。ありがとう。

なるべく手短に話をしたいと思います。というのも、できる限り多くの皆さんと握手をしたいからです。先に注意しておきますが、自撮りはご遠慮ください。そうすると、一日中ここにいなければならなくなるからです。

しかし、まずなによりも、米国大統領として、米軍兵士の皆さんの最高司令官であることは、この上ない名誉であることを、申し上げたいと思います。皆さんは米国民を守り、世界中で平和と安全を促進しています。「戦没者追悼の日」の週末を皆さんと迎える機会をうれしく思います。なぜなら、この日は、危険と犠牲が皆さんの仕事の一部であることを思い出させ、自由のために命を捧げた人々を決して忘れず、敬意を払わなければならないことを、再認識させてくれるからです。

大統領として私は、米国が再びアジア・太平洋地域で主導的な役割を果たせるよう、取り組んできました。なぜなら、この地域は、我々が共有する安全保障と繁栄にとって不可欠だからです。そのためには、安全保障での協力が必要です。貿易協定、人々の間で築かれる関係が必要です。そして、優秀な、日本の自衛隊員と協力して、米軍兵士が域内で実施する、誇りある奉仕活動が必要となります。

ご存知のように、今日の午後、私は広島を訪れます。これは、第二次世界大戦で命を落とした、全ての人々を追悼する機会であり、核兵器をもはや必要としない世界の平和と安全を求める決意を確認する機会でもあります。広島訪問は、最も痛ましい亀裂でさえも埋め、かつて敵同士にあった日米がパートナーとなるだけでなく、最も緊密な友人となり、最も強固な同盟国となることが可能だということを示す証左となります。

日米同盟の強さは、ここ岩国で端的に示されています。岩国基地は、両国の信頼、協力および友好関係を示す好例です。米国海兵隊は、自衛隊と力を合わせ、平和を守り、域内のパートナーと連携し、人道支援および災害救援を行っています。皆さんは、フィリピンとタイを襲った洪水やバングラデシュに壊滅的な被害をもたらしたサイクロンの対応にあたりました。2011年の東日本大震災では、救助・救援活動で、極めて重要な役割を果たしました。日米は共に、域内で、数え切れない数の人命を救ったのです。このことは、我々の大きな誇りです。

ここでの皆さんの奉仕は、自由、民主主義、人権、法の支配といった、今日、日米両国が共有する価値観に根ざしています。その結果、日米同盟は両国だけの安全保障にとって不可欠となっただけでなく、域内および世界において、欠くことのできない安定の源であり、繁栄の土台となっています。皆さんは、我々の生活の質を支える礎なのです。

160527-D-XT155-004 テッサ・スノー大尉
最後に、日米同盟の本質を如実に語る、素晴らしいエピソードをひとつご紹介します。テッサ・スノー大尉=写真右、米国防省サイトより=はどこにいますか? この場にいるはずですが、あっ! いましたね。スノー大尉は、オスプレイのパイロットで、先月の熊本地震の際、自身の飛行隊を率い、被災者へ人道支援を行い、物資を届ける任務を遂行しました。ある日本人一家は自宅の倒壊を恐れ、何日も屋外で過ごすことを余儀なくされました。皆さんの取り組みにより、その一家をはじめとする多くの被災者が、食料や水など必要な物資を受け取ることができたのです。

さて、その一家ですが、6月に女の子が生まれる予定です。テッサの任務のおかげで助かったことを知り、生まれてくる子どもに、テッサにちなんだ名前をつけると決めたそうです。家族は、誠実さ、勇気、責任感、進んで他人を助けようとする気持ち、といったテッサと同じような素養を備えた大人に育ってほしいと願っているそうです。

これらは、海兵隊の基本的価値観ではないでしょうか? 幾世代にもわたって、米軍兵士を特徴づけてきた素養であり、日米両国が持つ最も優れたものの象徴でもあります。皆さんの奉仕によって、人間の尊厳と自由に対する日米が共有する決意は、この地域および全世界で、存続していき、この地域は繁栄していくでしょう。そして、我々はどこに行っても、希望を広め続けていくでしょう。私は皆さんを誇りに思います。日本側に感謝いたします。米軍をこの上なく誇りに思います。

皆さんと皆さんの家族に神のご加護がありますように。そして米国に神のご加護がありますように。皆さん、ありがとうございました。

動画は、YouTubeのホワイトハウス公式チャンネル、写真は国防省サイトより。


こんな苦言報道があります。古くて新しい指摘ですが-ーーー

オバマ米大統領 広島訪問 「行動なければ美辞麗句」 ノーベル平和賞の国際反核団体が苦言
毎日新聞2016年5月31日 大阪朝刊


 オバマ米大統領が広島市を訪問したことに対し、核兵器廃絶を目指す医師らでつくる国際組織「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW、本部・米マサチューセッツ州)=1985年にノーベル平和賞受賞=は毎日新聞にメッセージを寄せた。

 「被爆者と面会したあなたの決断は評価する」とした上で「核兵器を二度と使わないと確約しなかったことに深く失望した」と述べ、オバマ氏の広島での演説に強い不満を示した。

 さらに、「核兵器の脅威を取り除くには核廃絶しかないことを知りながら、あなたはいまだに行動していない」などと批判。多くの非核保有国が核兵器禁止の条約作りに動いている一方、米国が議論を棄権していることも指摘し、「核兵器禁止条約を邪魔するような動きを全てやめ、核兵器の永続化につながる1兆ドルの投資計画を断念する時、あなたの『核兵器なき世界』の約束は初めて意味を持つ。それまでは空っぽの美辞麗句にすぎない」とした。【平川哲也、鵜塚健】






経済財政諮問会議

社説を1本ご紹介します。不安不満表明です。

毎日新聞 2016年4月28日 社説 地震国と原発 常に用心深くありたい

 いつ、どこで、大きな地震が起きてもおかしくない。しかも、それを予測することはできない。熊本地震が突きつける地震大国・日本の現実である。

 続けて起きた震度7、拡大する震源域に、鹿児島県で稼働中の九州電力川内原発の安全性に不安を感じた人も多いだろう。大分から海を隔てた四国電力伊方原発についても懸念の声が上がっている。

 しかし、地震のリスクを抱えているのはこの地域だけではない。それにもかかわらず政府は「原発回帰」を進めようとしている。日本は原発と共存できるのか。改めて考えるきっかけとすべきではないだろうか。


予測不能の現実認識を
 今回の地震では14日夜に熊本地方の日奈久断層帯を震源とするマグニチュード(M)6・5の地震で震度7を記録、16日未明にはその北側の布田川断層帯を震源とするM7・3の地震で再び震度7の揺れを観測した。その後、地震活動は阿蘇地方や北東方向に広がり、熊本県から大分県まで広い範囲で大きな揺れが続いてきた。

 今後、活動は収まるのか、さらなる拡大もありうるのか。阿蘇山への影響はないのか。確実なことはわからない。現在の地震学や火山学の限界だ。

 原子力規制委員会は18日に臨時会合を開き川内原発を停止させないと決めている。地震の揺れの原発への影響は加速度(単位はガル)で評価されるが、今回、同原発で観測した最大の加速度は8・6ガル。再稼働の際の審査では最大620ガルにも耐えうると判断されている。布田川・日奈久断層帯で最大M8・1の地震が起きた場合でも150ガルにとどまるというのが審査時の評価だ。

 確かに、これだけを考えれば問題はなさそうに思える。しかし、それはあくまで、地震が想定の範囲に収まった場合だけだ。

 今回、気象庁や専門家は「内陸型でM6・5級の地震の後にさらに大きな地震が起きた前例がない」「離れた3カ所で同時に地震活動が起きたケースは思い浮かばない」といった言葉を繰り返している。政府の地震調査委員会は布田川断層帯の長さが想定より長かったとの見解も示している。

 日本全国にわかっているだけで2000の活断層がある。今回は既知の活断層で地震が起きているが、2000年の鳥取県西部地震や08年の岩手・宮城内陸地震のように未知の活断層でM7を超える地震が起きたケースはある。北陸電力志賀原発など原子炉直下に活断層が存在する可能性が指摘されている原発では、安全側に立った判断が必要だ。内陸型だけではない。プレート境界で起きた5年前の東北地方太平洋沖地震も専門家の予測を大きく超えた。こうしたことを考え合わせれば、すべての地震が電力会社や規制委の想定に収まるとは考えられない。

 地震に限らず、規制委の基準をクリアしたからといって原発の安全が確保されたわけではない。そのこと自体は規制委自身も認めているが、より現実的な可能性として考えておかなくてはならない。そのためには事故を想定した備えが不可欠だが、対応は万全とは思えない。

安全神話に戻らずに
 今回の地震では、橋の落下や土砂崩れ、道路の陥没など、交通網の寸断があちこちで起きた。新幹線の脱線も現実のものとなった。こうした状況を見るにつけ、災害と原発事故が同時に起きた場合に住民避難が計画通りに進められるのか、懸念が拭えない。事故収拾のための支援にも支障が出るだろう。

 余震が続けば事故対応そのものも妨げられる。九電は川内原発で当初予定していた免震重要棟の新設を撤回しているが、地震に対する油断がないか、再考してもらいたい。

 旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故から26日でちょうど30年になった。当時日本は、旧ソ連の特殊事情で起きた事故であり、日本で原発事故は起きないと考え、対策を怠った。それから25年たって起きた福島第1原発の過酷事故は、日本の安全対策の不備を浮き彫りにした。

 その福島の事故から5年。政府は再稼働を進める姿勢を示し、運転40年で廃炉にする新ルールの例外中の例外だったはずの老朽原発の再稼働も事実上認めた。「福島のような事故はもう起きない」という安全神話の再来を懸念する。なしくずしの「原発回帰」は認められない。

 チェルノブイリの事故は30年たっても収束からほど遠い。事故当時、放射性物質を閉じ込めるために建てられたコンクリート製の「石棺」は老朽化が著しく、新シェルターの建設が進められている。福島でも、いまなお古里に戻れず避難先で生活する人々が10万人近くに上る。40年、50年続く廃炉の見通しも立っていない。被ばくの影響への不安も人々を苦しめる。

 たとえ起きる確率は低くても、未来を奪う原発事故は他の事故とは性格が違う。原発テロなど新しいリスクも国際的に注目されている。地震国として、原発の過酷事故を体験した国として、用心深さを忘れてはならない。



平成28年4月25日 第7回経済財政諮問会議

(1)600兆円経済の実現に向けて
(2)経済・財政一体改革について

平成28年4月25日 第7回経済財政諮問会議 会議資料
平成28年4月25日 第7回経済財政諮問会議 大臣記者会見要旨
平成28年4月25日 第7回経済財政諮問会議 議事要旨



平成28年4月18日 第6回経済財政諮問会議

(1)現下の世界経済情勢と国際協調について
(2)骨太方針に向けて(少子化対策・女性活躍、アベノミクスの成果の活用)

平成28年4月18日 第6回経済財政諮問会議 会議資料
平成28年4月18日 第6回経済財政諮問会議 大臣記者会見要旨
平成28年4月18日 第6回経済財政諮問会議 議事要旨






経済財政諮問会議
平成28年4月4日 第5回経済財政諮問会議

(1)600兆円経済の実現に向けて
(2)経済・財政一体改革について

平成28年4月4日 第5回経済財政諮問会議 会議資料 
平成28年4月4日 第5回経済財政諮問会議 大臣記者会見要旨
平成28年4月4日 第5回経済財政諮問会議 議事要旨


民間議員による提言の抜粋は以下の通り

<結婚・出産・子育て支援など>

・第2子、第3子への支援の拡充

・待機児童の解消に向けた受け皿拡大

・子育て世帯に空き家を低家賃で提供

・介護職員の待遇改善

・負担減のため働く時間を抑える「130万円の壁」の克服

・同一労働同一賃金を実現する法令整備

・長時間労働の抑制と有給休暇取得の促進

<個人消費喚起>

・最低賃金の早期1000円実現

・子育て支援バウチャー(クーポン)

・プレミアム付き商品券・旅行券発行

・地方乗り入れの格安航空会社やクルーズ船の発着拡大

<新たな経済財政システム構築>

・国や地方の歳出改革の成果を地域の子育て支援拡大などに還元

・行政手続きの質・効率を2割引き上げ




平成28年3月24日 第4回経済財政諮問会議

(1)最近の経済情勢について
(2)統計の改善について

平成28年3月24日 第4回経済財政諮問会議 会議資料 
平成28年3月24日 第4回経済財政諮問会議 大臣記者会見要旨
平成28年3月24日 第4回経済財政諮問会議 議事要旨


以下 署名記事ではなく ネットでの噂話を ご紹介します。


■15年度6兆円も吹っ飛び…GPIFが姑息な「年金大損隠し」

 年度末を迎えた31日の日経平均株価は、5年ぶりに前年度末を下回った。安倍政権の屋台骨を支えてきた「アベノミクス」の破綻は明らかで、株価維持のために“利用”されてきた年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2015年度の運用実績は「大損」が確実だ。そうしたら、GPIFにうさんくさい動き。31日、運用実績の公表日を例年より3週間近く遅い「7月29日」と発表した。参院選の“争点隠し”が目的なのは明らかだ。

 民進党が31日開いた、年金積立金の運用損益の見通しに関する勉強会。国対委員長代理の山井和則衆院議員事務所が日経平均株価をもとに運用見通しを試算した。それによると、15年3月末に1万9207円(終値)だった株価は、31日は1万6759円で、約2450円(12.7%)も下落した。国内債券や外国株式・債権などの運用実績は含んでいないものの、過去の状況から見て、15年度は約6.3兆円の損失が出ている可能性があるという。
「勉強会で、出席議員から運用見通しや損失額を問われた厚労省の担当者は『申し上げるのは難しい』『(市場予測をもとにした)アクティブ運用もしている』などとモゴモゴ言っていましたが、GPIFの運用手法は国内外の株式・債券とも、7~8割が市場の動き通りに運用するパッシブ運用だから、アクティブ運用分はほとんど影響がない。つまり、運用実績はほぼ山井事務所の試算通りの数字になるでしょう」(民進党議員)

 民進党が問題視しているのは、損失額だけじゃない。安倍政権が14年10月に国内外の株式比率を24%から50%に倍増させたため、損失が膨らんだ――という点だ。

「長妻昭代表代行の過去の質問主意書によると、運用比率の見直し前後で損失額は3倍増になることが分かっている。仮に比率を見直さなければ、15年度の損失額は2~3兆円に抑えられていた可能性があるのです」(経済ジャーナリスト)

■参院選への“悪影響”回避の思惑

 あらためて振り返ると、運用比率の見直しに至った経緯もデタラメだった。14年1月にダボス会議に出席した安倍首相が突然、「GPIFについては、そのポートフォリオの見直しを始め、フォワードルッキングな改革を行います」なんてブチ上げたのが始まり。要するにアベノミクスの株高を“演出”するために国民の虎の子の年金資産が使われた揚げ句、結局は「大損」「大失敗」が決定的となったのだ。
 それが分かって、慌てて運用実績の公表日を7月末に遅らせたのだから許せない。ここ数年の運用実績の公表日は6月30日~7月上旬。14年度も7月10日だったのに、今回は7月29日だ。GPIFは公表日を遅らせる理由について、「準備時間を要する」なんて言い訳している。
「参院選は7月中旬までに行われる公算が高い。例年通り、運用実績を7月初めに公表すれば安倍政権は選挙期間中、野党から『アベノミクス大失敗』による年金損失を攻められることになる。それを避けるため、あえて公表日を遅らせたのでしょう」(前出の民進党議員)

 GPIFが年金資産をバクチ相場につぎ込んだ経緯も結果もデタラメ。
こんな政権は早く引きずり降ろさないと、老後資産はあっという間になくなる。



■安倍首相は17年4月に消費税を10%にすると表明しているが…

安倍氏は、消費税大増税は実施すると言っていますが、誰もそれを信用していないという政治状況に陥っています。
「公明党は同日選に慎重姿勢を崩していないが、首相判断には従う考えを示した。」
 結局、公明党にとっては安倍自民党にはくっついていくだけの存在でしかなく、理念もなければ憲法観などどうでもいいということです。
 理念が「一致していない」という意味ではありません。与党でいられれば公明党にとってはどうでもいいのです。以前、自民党が下野したときに、「連立与党」はあっても「連立野党」という言葉はないなどと言っていた公明党が思い出されます。

来年4月の10%への増税は、いわば安倍氏の前回衆議院選挙での公約です。

 前回は、何故か「延期」を口実に安倍氏は衆議院を解散しました。そのときの公約が次こそは増税を実施するというものでした。
 それが今になって再び増税延期というカードが用意されているというのが不可思議です。

 経済的状況が増税に堪えられない、というのであれば、それはイコール、アベノミクスの失敗を意味します。

 中国経済の失速などを言い訳にしてはいけません。最初から、単なる大企業向けの税金の垂れ流しだけの政策で、一時的に株価が上がったような状況を作っただけ、その手法も使えなくなりました。

 安倍氏の人格からすれば、失敗を失敗と認めるような人ではありませんし、最初から国民欺しのための経済手法でしたから、アベノミクスの失敗など織り込み済みです。

 安倍氏による消費税大増税の延期は、庶民のためを思ってではありません。

 アベノミクスが破綻したのです。

 大企業を潤わせれば、自然と庶民まで利益が行き渡るんだという屁理屈のもとで、大規模な公共事業のためのバラ巻きをやり、法人税を減税するという最悪の大企業優遇政治を展開したのです。

 そればかりか選挙対策のためのバラ巻きまでやろうというのです。

 しかし、財政再建のために消費税大増税など全く必要はありません。

 恩恵を受けた大企業に利益を吐き出させることこそ重要です。

 福祉のために消費税大増税なんて全く必要がありません。

 消費税大増税は、庶民を苦しめるだけの税制です。福祉の財政負担が~というのは理由になっていません。庶民から大増税をして福祉などというのは、自分のしっぽを食べているようなものでしかなく、これで福祉が成り立つわけがないではありませんか。

 アベノミクスの恩恵を受けているかどうか、よくよく考えてみましょう。
 消費税大増税延期は、安倍氏が自分の経済政策の失敗を失敗と認めず、選挙のエサに使うという二重の意味で許しがたい行為です。
 同日選挙にした方が自民党にとって有利というだけの党利党略で行うというものであり、最初からそこに政策論争はありません。


■結局、アベノミクスは「危険な賭け」と言えると思えます。

勝てば、景気回復、負ければ財政の崩壊。

しかし、日本の財政は既に回復不可能な状態ですから、
遅かれ早かれ、財政の崩壊は訪れます。
これを防ぐには増税しかありませんが、経済は失速するので やはり失敗する見通し です。

では どうするのか 

金融政策は一時しのぎでしかなく、本当に景気回復するのならば、

「所得が上がる」⇒「消費が増える」⇒「物価が上がる」⇒「企業が儲かる」

の順番でインフレに向わせるべきだという考えの人も、実はたくさんいました。

「金融政策」より先に「成長戦略」をすべきだという意見は政府の中にもあったし、今回の海外の批判もそこに集中しています。成長戦略とは、将来性のある産業を政府が支援して雇用を創出し、競争力のある産業社会を作ることです。

そのためには、既存の生産性の低い企業などを補助金で延命させる方向に重点が置かれている今の政策を変えないといけません。しかし、利権も絡んで戦後70年の間に出来上がってしまった政治と官僚と企業の構造的な問題がそれを阻んでいます。

「構造改革」なしには、日本の財政再建も景気回復も難しい状況です。 これは最早 困窮と苦難の覚悟の一択しかないです。

覚悟を なめたら いかんぜよ!  といったところ。





経済財政諮問会議
平成28年3月11日 第3回経済財政諮問会議

(1)最近の経済情勢について
(2)「成長と分配の好循環」の拡大に向けた分配面の強化について

平成28年3月11日 第3回経済財政諮問会議 会議資料 
平成28年3月11日 第3回経済財政諮問会議 大臣記者会見要旨
平成28年3月11日 第3回経済財政諮問会議 議事要旨

以下は 議事要旨にある 民間議員の提言です。


(高橋議員)  待機児童の多い都道府県は大都市と沖縄である。重点的な取組が重要だと思う。
保育士の抜本的な待遇改善が重要である。給与面の待遇改善を早急に実施し、70万人と言われる潜在保育士にアプローチして人材不足を解消するなど、国がリードして保育サービスの量的拡大を集中的に実施すべき。

介護士の待遇改善も大きな課題である。介護職員の給与は、全産業と比べて数万円程度低く、アベノミクスの成果を活用し、更なる待遇改善に取り組むべき。


(伊藤議員)  待機児童と介護難民について、ぜひ申し上げたい。1人の個人として色々な人と話してみると、この問題は日本全国に広がっており、かなり深刻であるという印象を非常に強く受ける。これは政権として、しっかり取り組んでいただかなければいけないと思うのだが、その際のキーワードは2つある。一つは、迅速、すぐにやるということと、もう一つは、継続性である。いわゆる1回やって終わりというものではないので、今、榊原議員もおっしゃったことだが、安定的な財源を継続的にできるような仕掛け、それこそアベノミクスの成果を活かすということだと思うが、今後こういうことを更に議論させていただければと思う。

笛吹けど踊らず を 感じ取ったのか 遅きに失した と 感じたのか 安倍首相は

 (安倍議長) 待機児童については、さらに具体的な対応を進めていきたい。 と 応じたのだが----。

「保育園落ちた日本死ね!!!」 の悲鳴から半月のことです。



経済財政諮問会議

平成28年2月18日 第2回経済財政諮問会議

(1)金融政策、物価等に関する集中審議
(2)「成長と分配の好循環」に向けた潜在需要の顕在化について

平成28年2月18日 第2回経済財政諮問会議 会議資料
平成28年2月18日 第2回経済財政諮問会議 大臣記者会見要旨
平成28年2月18日 第2回経済財政諮問会議 議事要旨


読み物を1本ご紹介します。

しあわせのトンボ
忘れないために生きる=近藤勝重

毎日新聞2016年3月3日 東京夕刊

 自分に正直に生きたい。よく聞く言葉だが、ぼく自身はとてもそんなことは言えない。正直に生きたらどうなっていたかと思うと、ぞっとする。しかし何のために生きているのか、と自問して、生きるために生きようと思った時期がある。50すぎ、がんを患って以後のことだ。

 当時「サンデー毎日」の編集長だったが、続行したいという思いもかなわず、何くその気概があったのだろう、1年後、みんなと夕刊編集部をスタートさせ、新聞と雑誌の中間を行くデーリーマガジンを目指した。

 今は客員編集委員としてコラムなどを書いているが、そんな自分が年をとってなお、何のために生きているのかと問うて、案外すっと答えが出たのには驚いた。

 忘れてはならないことを忘れないためにも生きよう。

 ある種、義務めいた答えが浮かんだわけだ。何より忘れてならないのは、この国が戦争で信じられないほど多くの犠牲者を出し、あやまちを二度と繰り返すまいと新憲法で「戦争の放棄」を誓ったことである。ぼくらは当たり前の誓いと思って戦後を生きてきたが、現政権はその隙(すき)を突くかのように集団的自衛権の行使ができる、すなわち戦争の可能な安保関連法を成立させた。そこまでやるかの思いと同時に、自分らが護憲のために、さして何もしてこなかったという自責の念にかられたのも確かだった。

 忘れてはならないと思うことで大切なもう一つは、核である。村上春樹氏は「3・11」の原発事故から3カ月後、スペインのカタルーニャ国際賞の受賞スピーチで、我々日本人は歴史上唯一、核爆弾を投下された経験を持つ国民なのに、いつしか核への拒否感をまひさせ、地震の多い狭い日本が、世界で3番目に原子炉の多い国になっていたと現状を憂い、日本人は核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった、と述べている。同感だ。氏が核発電所と呼ぶ原発は次々と再稼働し、あろうことか、本来、40年で廃炉に向かうべきものまで動き出そうとしている。

 人間は忘れるから生きていけるんだ、という人がいる。そうかもしれない。ただし、それがこの国どころか、地球に人が住めるかどうかに関わる問題だとしたら、決して忘れてはならないだろう。(客員編集委員)




経済財政諮問会議
平成28年1月21日 第1回経済財政諮問会議 

(1)経済財政諮問会議の今後の検討課題について
(2)「成長と分配の好循環」の基本的考え方と供給サイド強化について

平成28年1月21日 第1回経済財政諮問会議 会議資料
平成28年1月21日 第1回経済財政諮問会議 大臣記者会見要旨
平成28年1月21日 第1回経済財政諮問会議 議事要旨

甘利大臣の置き土産 

経済財政諮問会議の今後の検討課題について
平成 28 年 1 月 21 日
甘利経済財政政策担当大臣

アベノミクス第二ステージの課題は、成長と分配の好循環を実現することで、アベノミクスの成果をより実感できるようにするとともに、「一億総活躍社会」を構築することである。
こうした観点から、2016 年前半の諮問会議においては、
(ⅰ)「600 兆円経済」の実現に向けて、
①賃金・所得の向上を引き出すサプライサイドの強化、
②賃金・所得の向上や多様な潜在ニーズを顕在化させること等を通じた消費等の喚起、
③成長と分配をつなぐ経済財政システムの構築、を中心に議論を進める。

(ⅱ)また、2017 年 4 月からの消費税率再引上げを円滑に行える環境を作り出すことが重要であり、日本経済の地力・底力を強化する取組とともに、住宅、耐久消費財を中心とする駆け込み需要と消費税率引上げ後の反動減の平準化のための施策等に
ついて議論を深めていく。

(ⅲ)さらに、経済・財政再生計画を着実に推進する観点から、平成 29 年度予算編成等に向けて開始すべき取組、ワイズ・スペンディングの仕組みの強化等について議論する

次に
マイナス金利についての傾聴すべき論考を1本 紹介します。

経済観測 マイナス金利は経済を活性化させるか=東短リサーチ・チーフエコノミスト、加藤出
 毎日新聞 2016年1月15日 東京朝刊

 もし銀行の預金金利がマイナスになったら、あなたはどうするだろうか? マイナス金利の場合、預金者は銀行に利息を取られることになる。

 ユーロ圏、スイス、デンマーク、スウェーデンの中央銀行はマイナス金利政策を導入している。それら中銀が金融機関から預かったお金にマイナス金利を適用する政策だ(通貨安誘導が主目的)。

 金融機関が顧客の口座をマイナス金利にするか否かは個々の判断に委ねられている。企業や機関投資家の預金は欧州では大半がマイナス金利となった。このため、デンマークでは多くの企業が国に税金を多めにさっさと納め、後で還付請求している。銀行預金と違い目減りしないからだ。

 しかし、個人の預金をマイナス金利にするケースは極めて例外的だ。銀行経営者は口をそろえて「預金者の反乱が怖い」と語る。先月発表された世界15カ国でのアンケート結果によると、マイナス金利になったら預金の大部分を現金で引き出すと答えた人は33%に及んだ。

 世界的に著名な経済学者の中からは、現金退蔵を抑えるために、(1)紙幣番号の末尾0~9のひとつを中銀が定期的に発表して、該当紙幣は無価値になったと宣言する(2)現金を全廃し電子マネーに移行する--との考えが聞こえる。そして預金金利をマイナスに下げれば消費は活発化するという。そうだろうか? 前述の調査では、マイナス金利になったら消費を増やす人は10%、逆に預金を増やす人は11%(米国は14%)いた。

 自分の貯蓄が目減りすると聞いたら、不安を感じて趣味嗜好(しこう)の支出を削減する人が増えても不思議はない。特に日本は高齢化が進んでいるので、マイナス金利で預金者にむち打つようなことをしても経済刺激効果は限られるだろう。

さらに 読み物を1本ご紹介します。

クローズアップ2016 政権、ほころびの芽
毎日新聞2016年2月4日 東京朝刊

 安倍晋三首相は2016年度予算案の実質審議が始まった3日の衆院予算委員会で、甘利明前経済再生担当相の金銭問題について「個別の事案は甘利氏が説明した」と幕引きを図ったが、民主党は後任の石原伸晃経済再生担当相の資質も併せた「2本柱」(幹部)で対決姿勢を強めた。与党ペースが当面崩れる気配はないが、石原氏が担う環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の審議も控えており、ほころびの芽もちらついている。【野原大輔、高橋克哉】

 ◆甘利氏、金銭授受問題

野党、追及緩めず

 野党トップバッターの民主党の岡田克也代表は、辞任した甘利氏の金銭授受問題から切り出した。「甘利氏はTPP交渉の担当者で大きな権限を持っていた。(政策への影響を)きちんと検証すべきだ」と述べ、幕引きを図る政府・与党の姿勢を批判した。首相はこれに対し、「交渉でどの品目に影響を与えたか具体的に述べないと、無責任な中傷だ。交渉を汚すようなことを言うのはやめてもらいたい」と色をなして反論し、甘利氏の調査を待つ姿勢を崩さなかった。

 甘利氏辞任後の毎日新聞の全国世論調査(1月30~31日)で、内閣支持率は51%と昨年12月より8ポイント上昇した。早期辞任が一定の評価を受けたとみられるが、民主党幹部は「一時的に『気の毒だ』と受け止められただけ。『悪いことをしていた』となれば一気に逆張りになる」と強気だ。与党ペースを前に攻め手を欠いていただけに、「反転攻勢の好機だ」との考えを変えていない。

 この日の審議では、民主の大西健介氏が甘利氏の参考人招致を要求したが、与党が応じる見通しはない。民主党はこのため「口利き」疑惑を焦点に、甘利氏の元秘書が接触した都市再生機構(UR)と所管する国土交通省に追及を拡大した。大西氏は、URが開示した甘利事務所との面談記録を踏まえ、「甘利事務所が業者の(補償額の上乗せ)要求に加勢したのではないか」と追及。UR側は「増額を求められたことはない」(上西郁夫理事長)と口利きを否定したが、大西氏は面会記録の黒塗りの部分が多いとして「説明責任を果たしていない」と迫った。

 ただ、民主党の追及は報道頼みの面が否めない。大西氏はあっせん利得処罰法の厳格化も主張したが、首相は「国会で各党各会派が議論していくもの」と述べたのみ。「甘利事務所の問題」として沈静化を図る政権の姿勢を崩せるかどうかは今後次第だ。

 ◆石原経済再生相の答弁

首相が補足説明

 民主党は一方、甘利氏の後任の石原氏の適格性に照準を合わせた。「失言が多い」とされ、閣内からも担当分野が「あんまり得意じゃないかもしれない」(麻生太郎副総理)との声が上がっているためだ。

 「税収が増えることが上ぶれ。上ぶれによって底上げができる」。民主の玉木雄一郎氏に「アベノミクスによる税収の上ぶれと経済の底上げの違い」の質問を受けた石原氏の答弁のあいまいさに、与党席も一瞬静まりかえった。

 社会保障費をカットせずに軽減税率の不足する財源を確保するため、政府内では「底上げ」の活用が検討されている。たまらず首相は「当初予算より増えた税収が上ぶれだ。底上げとは、景気回復局面で製造拠点が国内回帰して雇用や税収が増える。これを身についた実力として評価することを検討する必要もあるのだろう」と発言。単年度の税収の増減ではなく、アベノミクスによる構造的な経済の体質強化を指すことを補足説明する場面もみられた。

 政府・与党は石原氏が経過を把握していないTPPについて、林幹雄経済産業相や森山裕農相が答弁を分担することも検討している。首相も「交渉については担当相の石原氏が答弁するが、農業分野は農相が詳しい。大きな決断については私自身が答弁することもある」と理解を求めた。

 ただ、この日の審議でもTPPの合意内容について石原氏に質問が集中した。自民党国対幹部は終了後、「頭に入れた知識を全部しゃべろうとしている。落ち着くべきだ」と発言。今後の予算審議の懸念材料となるのは間違いなさそうだ。

 ◆首相、9条改正に言及

自民内に温度差

 「7割の憲法学者が(自衛隊に)憲法違反の疑いを持っている状況をなくすべきではないかという考え方もある」。首相は予算委で憲法改正に関する質問にこう答え、かつては「自衛隊違憲論」の根拠となった9条2項(戦力不保持)の改正に言及した。持ち出したのは自民党の稲田朋美政調会長。「現実に合わない9条2項をこのままにしておくことこそが立憲主義を空洞化させる」と述べ、首相の見解を求めた。

 首相はさらに「占領時代に作られた憲法で、時代にそぐわなくなったものもある」と踏み込んだ。憲法改正に関する発言は年明けから続いており、与党内では「大義を掲げることで衆参同日選や年内の衆院解散の可能性を探る狙いだ」との見方がもっぱらだ。

 自民党内では、大災害に備えた「緊急事態条項」の新設から着手すべきだとの声が強い。14年の衆院憲法審査会で自民、民主、公明、日本維新の会(当時)など各党が議論の出発点とすることに合意しており、実現性が高いとの見方からだ。首相周辺によると、首相も緊急事態条項からの改憲に前向きで、在任期間中の実現を目指している。

 ただ、憲法改正を党是とする自民党で、改憲は長年「9条改正」と同義語だった。党内保守派では、高い支持率も追い風に「正面から9条改正を議論すべきだ」との意見が強まっている。稲田氏が9条見解をただしたのも、保守派の声を代弁する意図からだ。

 参院選前に9条改正論が前面に出ることには与党内にも異論がある。公明党幹部は首相と稲田氏の討論に「野党に攻撃材料を与えているようなものだ」と不快感を隠さなかった。首相も改正項目の絞り込みは「国会や国民的な議論と理解の深まり」を待つ考えを示したが、9条論議が過熱すれば、与野党横断の憲法改正よりも「安倍改憲」の是非に焦点が当たり、参院選の逆風になりかねない。

 民主党の岡田克也代表は記者団に「(9条改正で)限定のない集団的自衛権の行使が首相の目指しているものだと思っている」と述べ憲法論争を迫る考えを示した。維新の党の石関貴史国対委員長は「世論調査を受けて調子づいて、本音が出てきた」と語った。

なにか 安部内閣が蹴躓いたら 更新します。

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経済財政諮問会議
[東京 8日 ロイター] - 安倍晋三首相は8日午後の衆議院予算委員会で、年初来の株安に関して、中国市場や中東情勢、北朝鮮の核実験を反映した短期的な結果だと指摘。短期的なものをみて、日本経済の実体に当てはめるのは間違いだとの認識を示した。年金運用についても、今回の株下落をもってしても安倍政権下で収益超を維持しているとした。

山井和則委員(民維ク)の質問に答えた。

年初来の株価下落により、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の年金運用で約4兆円の運用損が出る可能性があるとの山井氏の指摘に対し、安倍首相は「短期的な変動に対し答弁することは意味がない。年金積立金は国内外の債権と株式の組み合わせて運用しており、日経平均株価がそのまま収益に反映されるものではない。しかも、年金運用はある程度の長期的な視点をもってみるべきであり、このマイナスをもってしても安倍政権下では33兆円の累積収益となっている」と反論した。

また、年金運用において、GPIFがギリシャ国債など低格付け債でも運用されているとの指摘について、塩崎恭久厚生労働相は「昨年11月時点で、GPIFはギリシャ国債での運用していないとしている」と答弁した。


年明けから4日続落…市場で囁かれる不気味なジンクス
2016年1月8日 10時26分 日刊ゲンダイ

 7日の東京株式市場は、前日の米株式市場でダウ平均が250ドル以上も大幅反落したことなどを受け平均株価が大幅続落、約3カ月ぶりに心理的節目の1万8000円を割り込んだ。

 北朝鮮の核実験で地政学的リスクが強まっており、上海株式市場も急落、またもサーキットブレーカーが発動する事態となり、売りに拍車をかけた。大引けは前日比423円98銭安の1万7767円34銭。

 582円安で始まった4日の大発会から4日続落となり、市場はもう真っ青だ。それでなくても、市場には不気味なジンクスがある。

 大発会に株価が急落した年は、年間を通して株価が下がることが多く、2008年の大発会も616円安と大幅下落でスタート。その後も軟調な相場が続き、秋口のリーマン・ショックで大暴落した。

 バブルがはじけた90年も大発会は202円安、翌日も438円安と続落し、そのまま上がらず、バブル崩壊。

 ちなみに、08年の年間騰落率は39.7%、90年も38.4%と4割近く下落。大発会に301円安となった98年も7.5%下がっている。この“ジンクス”に従えば、今年の株価は最悪で1万1000円台まで暴落する計算だ。

「GPIFは現在、国内株式で30兆円近く運用している。国民の年金資金が10兆円以上吹き飛ぶわけです」(大手証券会社関係者)

 大発会に株価が大きく動いた年は騰落率の振れ幅が大きくなる傾向もある。92年は817円高だったが、年間では28.9%、02年も328円高が21.1%下落となった。


解説:年金運用損7.8兆円 株投資増リスク顕在化
毎日新聞 2015年12月01日 東京朝刊

 国民年金と厚生年金の積立金運用が、9月までの3カ月に8兆円近くの赤字となった。安倍政権の意向に沿って株式への投資比率を高めた結果で、懸念されていたリスクが現実となった。年金給付に直接は影響しないが、政府は国民の不安解消に努めるべきだ。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が説明するように、130兆円を超える積立金は短期的に運用するわけではない。株価の変動にとらわれず、長い目で見守る必要がある。リーマン・ショックに見舞われた2008年度には約9兆3000億円の赤字を記録したものの、翌09年度の1年間で大半を取り戻した。今回も10月以降、株式市場は回復基調にある。

 金利が低い国内債券にばかり頼るのではなく、将来の年金給付水準を確保するために高い運用益が見込める株式への投資を増やす--。この考えも一理ある。だが、現状のGPIFは理事長1人に権限が集中し、巨額の資金を運用するにはもろい体制だ。

 塩崎恭久厚生労働相は資産構成割合の変更と併せ、複数の理事による合議制などGPIFの組織改革を「車の両輪」と位置付けたが、政府内に意見対立があり、たなざらしにされている。老後に備えた国民の資産を運用するには、どのような体制がふさわしいのか。政府はさまざまなリスクを減らす仕組みについて検討すべきだ。

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平成27年12月24日 第22回経済財政諮問会議
(1)経済・財政再生アクション・プログラムについて(取りまとめ)
(2)TPP協定の経済効果分析について
(3)平成28年度の経済財政運営について
(4)経済財政諮問会議の今後の検討課題について

平成27年12月24日 第22回経済財政諮問会議 会議資料
平成27年12月24日 第22回経済財政諮問会議 議事要旨



平成27年12月7日 第21回経済財政諮問会議 
(1)優良事例の創出・全国展開(健康増進・予防サービス/公共サービスイノベーション)ついて
(2)経済・財政再生アクション・プログラム(原案)について

平成27年12月7日 第21回経済財政諮問会議 会議資料
平成27年12月7日 第21回経済財政諮問会議 議事要旨





経済財政諮問会議
(更新 2015.12.14  第17回・第18回経済財政諮問会議(第18回は 第1回経済財政諮問会議・産業競争力会議課題別会合合同会議を併催し「TPP政策大綱の柱立てについて」議論した)の会議資料及び議事要旨をアップしました。併せて 予算編成を睨んで第19回・第20回経済財政諮問会議も開催されましたので、これもアップしました。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保関連法案により、現実のものとなった。 私たちは、参院選で 安倍政権の軌道修正を果したい と思う )


昭和史家 保阪正康さん のインタビューを1本 ご紹介します。

特集ワイド:この国はどこへ行こうとしているのか 「平和」の名の下に ノンフィクション作家・保阪正康さん
毎日新聞 2015年09月30日 東京夕刊

作家の保阪正康さん=内藤絵美撮影20150930_size6
作家の保阪正康さん=内藤絵美撮影

 ◇孤立、ニヒリズム避けよ

 昭和史を研究している保阪正康さんに会ったら尋ねたいことがあった。「なぜ長年の禁をとうとう破ったのですか」と。

 長い間、「自分の役目は歴史の検証。政治的主義主張はあえて掲げない」と自らに課してきた人だ。「右」や「左」のいずれの言説にも単純になびくような書き手になるものか、という志を曲げたことはなかった。

 それなのになぜ今、安倍晋三政権が成立させた安全保障関連法に対し、旗幟(きし)を鮮明にするのだろうか。

 東京都内の喫茶ルームで、あいさつもそこそこに質問した私に、保阪さんの答えは明快だった。「安保関連法案を黙って見過ごしたら、僕はこれまで何のために昭和史を検証してきたのか、と思いましてね」

 静かな語り口とは裏腹に、黒縁の眼鏡の奥で両眼が鋭く光る。「安倍政権は歴史をねじ曲げ、時の内閣の一存で憲法を骨抜きにし、戦後70年かけて先達が築き上げてきたものをむちゃくちゃにしようとしている。これだけは許してはいけない」

 保阪さんは2006年、安倍氏が首相に就任する前に記した「美しい国へ」を読み、「美しい」という形容詞にぞっとしたという。「形容詞を使う政治家に強い嫌悪と恐怖を感じるんです。形容詞は人を動かし、ある種の暴力へと人を追い立てるから。形容詞や美辞麗句を多用するのは、ヒトラーらが用いたファシストの手法です」。安倍首相もそうなのではと、思わずにいられなかった。

 安保関連法を巡る国会論戦が、保阪さんの予感を確信に変えた。「安倍首相が、野党議員に向かって『早く質問しろよ!』とヤジを飛ばしたのを見て、1938年の国家総動員法の審議中、陸軍幕僚が議員の抗議を『黙れ!』と一喝したのを思い出しました。安倍内閣は、元最高裁長官が法案の違憲性を指摘しても歯牙にもかけない。安倍首相は内閣、つまり行政に、司法や立法を従属させようとしている。これをファシズムと言わずして、何と言うのですか」

 太平洋戦争を戦った将兵たちを含む延べ4000人を取材してきた現代史研究の第一人者の目には「安倍首相が軍服を着ている」ように映るのだ。

 歴史修正主義の台頭も見逃せない。「彼らは初めから旗を立てる。『日本は侵略などしていない』『太平洋戦争は聖戦だった』というように。そして都合の良い史料だけを引っ張ってきて『史実』だと言い、学者やジャーナリストが史料を基に論争を重ね作り上げてきた歴史認識を『自虐史観』と切り捨てる」

 保阪さんは語気を強めた。「歴史修正主義は世界中に見られるが、それが権力と一体化したのは日本だけ。歴史修正主義は今や安倍首相や閣僚の中にまで深く入り込んでいる。実に怖いことです」

 怖い、という言葉に私までぞくりとした。出版社や両親にまで取材をやめるよう圧力がかけられてもひるまず、数々の歴史ノンフィクションや評伝をものしてきた人が、「怖い」と心情を吐露するのである。

 最近、保阪さんは米国メディアの記者からこんな話を聞かされた。「米国では若者がイラクやアフガニスタンで戦死し、国民のえん戦気分が高まっている。そんな時『僕も手伝います!』と日本が手を挙げた。当然米国は日本に過大な期待を抱いてますよ」

 保阪さんは「米国を期待させておいて、いざとなったら『後方支援しかできない』と言えるのか。安保関連法での最初の犠牲者は自衛隊の、しかも若い隊員から出るのではないか」と嘆いた後、再びその言葉を口にした。「本当に怖いことです……」

 「『平和憲法を守れ』と叫べば済む時代はもう終わった」とも語る。

 「日本国憲法は『平和憲法』ではなく『非軍事憲法』。ところが戦後、これを『平和憲法』と称したために、すでに『平和』を手に入れたことになってしまい、人々はただ『守れ』と叫ぶしかできなくなってしまった」と護憲派の限界を指摘する。

 だが、希望は失っていない。保阪さんは、安保関連法に反対する国会前の「デモ」を見て、組織動員ではない自発的な参加者の姿に心を打たれた。「民主主義が終わったのなら、また始めればいい」とスピーチした若者がいたと聞いて、深く共感した。「今回の安保関連法の議論を経て、国民はかえってシビリアン(市民)として強くなった。その点では、安倍首相に感謝しないといけない」とすら言う。

 「元々、私たちの民主主義は、制度化した中での安穏としたものだった。今回の安保関連法でその『日常』が壊される、と感じたから、民主主義を始めよう、という声が生まれた。これは民主主義の『再生』ではなく--」。ここで身を乗り出し、言葉に力を込めた。「新生です、民主主義を新しく生み出すのです」

 安保関連法が成立した時代を生きる処方箋について聞いた。歴史から学ぶという言葉を予想していたが、答えは意外なものだった。「できるだけ共同体に属そう」というのである。

 「家族や共同生活者を持つこと。組織に属すること。愛着を感じる共同体を持つこと。つまり孤立するな、ということです。孤立すると人は自分を安易に国家と結びつけ、国がちょっと批判されるだけで自分が攻撃されたかのようにムキになる。孤立すると人は世界が見えなくなる。歴史修正主義の台頭の背景には人々の孤立があるのではないか」

 2年前、保阪さんは最愛の妻を病で亡くした。「でも僕には娘がいて、昭和史の勉強会の仲間ら共同体がある。そこで主観と客観を照らし合わすことができ、考えに安定感が生まれる。しかし非正規雇用の増加を背景に孤立する人が増えれば、時代は危うくなっていくだろう」

 処方箋はもう一つある。それは「ニヒリズムに陥らないこと」。永井荷風の「断腸亭日乗」を例に挙げ、「理知派、理性派といわれた永井は太平洋戦争が始まった朝にも、好きにやれ、俺は知らん、という姿勢で日記をつづった。最初読んだ時は『インテリの姿だな』と受け止めたのだけど……」。

 しかし、安保関連法の議論の中で「断腸亭日乗」を読み直すと、違う見え方がしたという。「結局、永井はニヒリズムに陥っていたのではないか。国が戦争に向かおうと俺の知ったことじゃない、と。昭和史に学ぶことのできる私たちは気づくべきです。もうニヒリズムが許される時代ではない。僕らはニヒリズムに陥ってはいけない。それが最低限の志です」

 孤立するな、ニヒリズムに陥るな--。昭和史の教訓を知る歴史家からの、安保関連法時代を生きる者へのメッセージだ。【小国綾子】

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 ■人物略歴

 ◇ほさか・まさやす

 1939年、札幌市生まれ。ノンフィクション作家。2004年、個人誌「昭和史講座」など一連の昭和史研究で菊池寛賞。「あの戦争は何だったのか」「安倍首相の『歴史観』を問う」「風来記 わが昭和史」など著書多数。

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平成27年第20回経済財政諮問会議 平成27年11月27日
(1)平成28年度予算編成の基本方針について
(2)「600兆円経済の実現」に向けて
(3)経済・財政一体改革各論(地方行財政等)

第20回経済財政諮問会議 平成27年11月27日 会議資料
第20回経済財政諮問会議 平成27年11月27日 議事要旨


平成27年第19回経済財政諮問会議 平成27年11月24日
(1) 平成28年度予算編成の基本方針(案)について
(2) 希望を生み出す強い経済に向けて2
(3) 経済・財政一体改革各論(社会保障、社会資本整備)

第19回経済財政諮問会議 平成27年11月24日 会議資料
第19回経済財政諮問会議 平成27年11月24日 議事要旨


平成27年第18回経済財政諮問会議/経済財政諮問会議・産業競争力会議課題別会合 合同会議 平成27年11月11日
(1) 平成28年度予算編成の基本方針(骨子)について
(2) 希望を生み出す強い経済に向けて1
(3) TPP政策大綱の柱立てについて【経済財政諮問会議・産業競争力会議課題別会合 合同会議】

第18回経済財政諮問会議 平成27年11月11日 会議資料
第18回経済財政諮問会議 平成27年11月11日 議事要旨


第17回経済財政諮問会議 平成27年11月4日
(1) 金融政策、物価等に関する集中審議(第4回)
(2) アベノミクス第二ステージに向けて2
(3) 経済・財政一体改革各論(文教・科学技術、IT・BPR)

第17回経済財政諮問会議 平成27年11月04日 会議資料
第17回経済財政諮問会議 平成27年11月04日 議事要旨





経済財政諮問会議
(更新 2015.11.14  第17回・第18回経済財政諮問会議(第18回は 第1回経済財政諮問会議・産業競争力会議課題別会合合同会議を併催し「TPP政策大綱の柱立てについて」議論した)が開催されました。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保法案により、現実のものとなった。もはや世論は安倍政権に与しない。
 私たちは 参院選で 民意の発現として アベノミクスの緩やかな終焉を選択する に違いない。 )

安倍首相に 戦争法案を成立させた事が失敗の始まりであった と 認識させるには 参院選で自民党を過半数割れの状態に追い込むことです。難しいことではありますが、不可能ではありません。
ただし 安保法案賛成議員に対する落選運動の推進 と 野党統一候補の擁立 が 強力なリーダーシップを発揮する運動体のリーダーの元で実現すれば の 話です。



経済財政諮問会議:「3%賃上げ」提示 最低賃金増額も 民間議員
毎日新聞 2015年11月12日 東京朝刊

 政府は11日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、安倍首相が掲げる「名目国内総生産(GDP)600兆円」達成に向け、民間議員が、政府の名目成長率目標に見合った3%の賃上げや最低賃金引き上げを目指すべきだとする緊急対策案を提示した。経団連の榊原定征会長は会議後、報道陣に「経済の好循環には、適切な賃上げが必要」と述べ、政府の要請に協力する姿勢を示した。

 安倍首相は「政府は来年の賃上げや最低賃金引き上げの環境整備を進めていく。企業は歩調を合わせて設備投資や賃上げにつなげてほしい」と要請。支援策として2016年度に予定されている法人実効税率(31・33%)の引き下げ幅を広げて、早期に20%台にする方針を表明した。

 最低賃金引き上げの提案は、時給方式になった02年度以来最大の上げ幅(全国平均18円)だった今年度を上回る引き上げを求めたものだ。先進国の最低賃金がおおむね1000円を超えるのに対し、日本は東京でも907円にとどまっている。5日の「官民対話」の席上でも、安倍首相は経済界の代表に3年連続になる賃上げを求めていた。

 また、民間議員は女性の就労促進策として、税や社会保険、配偶者手当のあり方を早急に見直すべきだと提案した。特に、パートで働く主婦の年収が130万円を超えると健康保険や年金の保険料負担が発生して手取りが減る「130万円の壁」の負担軽減策を求めた。甘利明経済財政担当相は会議後の会見で「時給を上げてもパートタイマーは130万円の壁でやめる傾向がある。何とかする必要がある」と発言。月末にまとめる「1億総活躍プラン」に対応策を盛り込む方針を示した。【横田恵美】


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経済財政諮問会議:GDP600兆円、具体策 TPP活用・女性雇用促進
毎日新聞 2015年11月05日 東京朝刊

GDP600兆円達成の具体策20151105
GDP600兆円具体策 拡大写真

 政府は4日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、民間議員が「名目国内総生産(GDP)600兆円」達成に向けた積み上げ策を提示した。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を活用したインフラ輸出の増加や賃金の引き上げ、女性の雇用促進などでGDP(2014年度で491兆円)を約110兆円上積みし、20年度ごろに600兆円を達成すると説明。安倍首相は「緊急に実施すべき対応策を11月中にとりまとめてほしい」と指示した。

 伊藤元重東大教授ら民間議員の提案によると、約110兆円のうち60兆円強は経済の実力を示す「潜在成長率」を現状の1%弱から2%程度に引き上げることで達成。残り50兆円弱は、物価や賃金の上昇などでGDPを底上げするとした。特に賃上げについては、消費拡大に向けて政府の名目成長率目標並みの3%の伸びが必要と強調した。

 潜在成長率の引き上げで、期待しているのがTPPだ。投資ルールの共通化などで新興国の「参入障壁」が緩和され、発電所などのインフラ輸出が10年の10兆円から30兆円規模に膨らむとはじいた。また、法人実効税率の引き下げや規制緩和で設備投資を10兆円上積みさせると説明。宿泊施設などの拡充により、訪日外国人の消費を14年の2兆円から7兆~10兆円に伸ばすとした。人口減対策で、女性や高齢者の雇用を500万人分増やすことなども盛り込んだ。

 ただ、600兆円の実現には名目で平均3%以上の成長継続が必要だが、91年度(4・9%)以降達成していない。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「600兆円は浮世離れした数字。今回出た個々の目標数字も実現への道筋が不明だ」と指摘した。【横田恵美】


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安倍政権の「新三本の矢」は年金不安を取り除けるか=平野英治 / メットライフ生命副会長・元日銀理事
2015年11月2日

 日本経済の再生に向けて、安倍総理は新たな三本の矢を打ち出した。その内容は、国内総生産(GDP)600兆円の達成を目標とした強い経済、下落する出生率を反転させるための子育て支援の拡充、そして高齢者を対象とする新たな社会保障プログラムの提供である。

 「第三の矢」として社会保障を選んだ点に、総理の世論に対する配慮がうかがえる。最近の世論調査によれば、国民は景気以上に、社会保障こそ日本が直面する最も重大な課題だと考えている。10月7日の内閣改造において、総理は出生率アップと高齢者及び育児への支援強化を担わせるべく、1億総活躍担当相に加藤勝信前官房副長官を任命した。

 もっとも世論調査の結果は、介護など急を要する分野における財政支出拡大への期待もさることながら、社会保障制度の持続性そのものに対する深刻な不安を示している。


若者に広がる年金制度への不信

 そもそも日本の医療制度および年金制度は世界の理想とするところであった。何世代にもわたる長寿と社会的安定は、疑いなく日本の優れた社会保障制度の所産である。その一方、政治的な困難から、高齢化を中心とする人口構成の変化に対する制度変更を怠ってきたがゆえに、手厚い社会保障制度が、国家財政に過剰な負担をかけることになった。すでに社会保障費は政府支出の中で最大の費目であり、2015年度の国家予算の半分以上を占めている(利払費を除く)。

 団塊の世代が退職期を迎え、年金生活者となりつつある。2020年までに日本人の3人に1人が65歳以上となるため、社会保障制度に対してより一層の負担がかかることが予測されている。

 年金制度の分野ではすでに危機の兆候が表れ始めている。日本の老年人口指数(生産年齢人口に対する65歳以上の人口の割合)の高さはすでに世界でもトップレベルにあるが、2030年には同指数が5割、すなわち労働者2人で高齢者1人を支えなければならない事態に達する見込みである。制度のほころびは、経済協力開発機構(OECD)平均の54%に対して35%と低い年金代替率(退職前の所得に対する年金給付額の割合)にも見て取ることができる。

 国民は、とっくの昔に問題に気づいている。特に深刻なのは、若年層において社会保障制度に対する信頼が失われつつあることだ。国民年金の支給対象となっている20代の若者のうち、保険料を納付しているのはわずか50%に過ぎない上に、87%が制度への不信を表明している。また各種調査によれば、日本人は他の国々と比較して、退職を楽しみにしている人の割合が低いことがうかがえる。

十分といえない非課税の貯蓄スキーム

 人々が今後も安心して老後を迎えられるようにするためには、どのようにすればよいのだろうか。まずは、社会保障制度自体の信頼を回復させる必要がある。それには保険料と給付のバランスの回復を図る以外にない。さらに退職後の生活に備えた自助努力を促すため、税制上その他のインセンティブを整備することによって、若い世代がより早い時期から退職に備えた長期投資を行うよう促していくのも有効であろう。


 非課税貯蓄スキームである少額投資非課税制度(NISA)の導入は、こうした考え方に沿ったひとつの試みであるが、いかんせん、その規模において十分とはいえまい。日本における確定拠出型年金の資産総額は約9兆円と、従来型の確定給付型年金の約59兆円に比して依然かなり低水準にとどまっているが、この制度の更なる活用を促すことも、有力な選択肢だ。

 例えば、従業員の年金への備えを支援するために、確定拠出型年金で加入者が上乗せできる「マッチング拠出額」の上限を引き上げるなど、税制上の優遇措置やさらなる柔軟性を提供すれば、人々が退職後に生じる収入のギャップを穴埋めできやすくなる。その一方で、企業にとっては優れた人材を採用する上でのインセンティブを手に入れられる。

退職後の生活は自分で準備することが求められる

 より根本的な点として、早いうちから退職後の人生設計を行う意識の向上を促す教育を奨励することも重要だ。その第一歩として、金融リテラシーの促進に向けた国家戦略の策定・実行を目的とする、米国の金融リテラシー・教育委員会(FLEC)のような組織を設立するのも一案であろう。

 繰り返しになるが、人々が将来的にも安心して老後を迎えられるようにするには、社会保障制度の再整備とともに、一人ひとりが自らの退職後の生活を、自らの責任において計画的に準備することが求められる。課題は、誰の目にもはっきりしている。正しい政策を実行するのに、遅すぎるということはない、と信じたい


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日銀:物価2%達成、半年先送り 「16年度後半ごろ」
毎日新聞 2015年10月31日 東京朝刊

日銀経済物価見通し 20151031
日銀経済物価見通し 

 日銀は30日の金融政策決定会合で、物価上昇率を2%にする目標の達成時期について、これまでの「2016年度前半ごろ」から「16年度後半ごろ」に半年先送りした。原油価格の低迷が長引いていることや、新興国の経済減速などを踏まえた判断。一方、日銀は「景気や物価の基調は維持されている」として、大規模な金融緩和を現状のまま維持することを賛成多数で決め、追加緩和を見送った。

 日銀は安倍政権発足直後の13年1月、2%の物価目標を打ち出した。同年3月に就任した黒田東彦(はるひこ)総裁は当初、「2年程度」での達成を目指すとしたが、大きく後ずれする見通しだ。

 政府・日銀は同日、当面の日本経済の見通しと政策運営の考え方を示す「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を公表。15年度、16年度の経済成長率と物価上昇率の見通しを7月時点の判断からそれぞれ下方修正した。経済成長率は15年度を0・5ポイント引き下げて1・2%に、16年度を0・1ポイント引き下げて1・4%とした。物価上昇率は15年度を0・6ポイント引き下げて0・1%に、16年度を0・5ポイント引き下げて1・4%に下方修正した。物価見通しの引き下げは、17年度末の原油価格の見通しを、これまでの「1バレル=70ドル程度」から「60ドル台前半」に引き下げたことが影響している。

 物価目標の達成時期を巡っては、4月の展望リポートでも、それまでの「15年度を中心とする期間」から「16年度前半ごろ」に先送りしていた。黒田総裁は記者会見で「一番大きな要因は原油価格(の下振れ)だった。原油価格の要因を除くと物価は上昇しており、物価の基調は着実に改善している」と述べ、現時点で追加緩和の必要はないとの認識を強調した。

 日本経済は、今夏以降に輸出や生産が弱含み、7~9月期の国内総生産(GDP)が2期連続のマイナス成長となる可能性がある。ただ、最近は持ち直しの兆しもあるため、展望リポートは「景気は緩やかな回復を続けている」との判断は維持した。【中井正裕】


第17回・第18回経済財政諮問会議の会議資料と議事要旨は 次回更新時に アップします。


アベノミクス「第2ステージ」に関し 気の利いた提言が 1つありました。


経済観測:GDP600兆円と最低賃金革命=経営共創基盤CEO・冨山和彦
毎日新聞 2015年10月02日 東京朝刊

 アベノミクス「第2ステージ」の1本目の矢として、生産性革命を通じて2020年までに国内総生産(GDP)600兆円を目指すという方向性が打ち出された。今の日本の潜在成長力では難しいとの批判があるが、日本経済の長期停滞の真因は生産性、すなわち潜在成長力の伸び率が先進国の中でも最低レベルで停滞したことにある。逆に言えば、停滞した分だけ、伸びしろは十分にある。

 日本は1990年前後、1人当たりのGDP(1人当たりの生産性にほぼ等しい)で世界トップクラスだったが、今や世界27位(アジアで4位)だ。高齢化率で我が国とほぼ同様のドイツのGDPは、2000年代初頭に日本の半分ぐらいだったが、10年余りで日本の約8割の規模まで成長した。人口要因で説明するのは難しく、やはりドイツが大構造改革を断行し、1人当たりの生産性を大幅に向上させた結果である。

 少子高齢化による生産年齢人口の減少で生じた人手不足。これは出生率が2倍を超える状況が長年続かない限り解消されない。だから生産性向上は必要であり、失業が増えるリスクもほとんどない。

 そこで政策的に直接的に介入でき、かつ低所得層の賃金上昇に幅広く貢献できるのは、最低賃金を革命的に上げることだ。具体的には先進国相場の1時間あたり10ドル、1ドル100円換算で1000円(現行の約800円対比で25%増)に引き上げる。人手不足の時代、つぶれる中小企業が出ても、働き手は生産性と賃金がより高い企業へ移動するだけである。最低賃金の劇的な引き上げは、税金を使わずに賃金上昇と消費回復の好循環を全国津々浦々で生み出すトリガーになりうるのだ。これは机上の観念論ではない。地域の中小企業の再生現場に関わってきた実感である。


ここで
安倍政権を 緩やかな崩壊へと誘う コラムを 3本 ご紹介します。 

シールズ:「来夏の参院選、野党の統一候補出れば応援」
毎日新聞 2015年10月28日 20時11分

 ◇外国特派員協会で記者会見
 安全保障関連法に反対する大学生らの団体「SEALDs(シールズ)」のメンバー4人が28日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し「来夏の参院選に野党の統一候補が出るなら応援する。野党は政策や立場の違いを超えて選挙協力をしてほしい」と訴えた。

 統一候補が出た場合、街頭や決起集会での応援演説など、個々の候補ごとに具体的な方法を検討するという。応援に当たり、安保法反対運動に取り組む学者や母親の団体との連携も模索するとしている。

 筑波大3年の本間信和さん(20)は「日本の政治の根幹である立憲主義と民主主義を守るために野党は協力してほしい。市民も観客席から野党を罵倒するだけでなく、どうしたら選挙協力が実現できるか、という問いを引き受けることが必要だ」と話した。

 低迷する投票率を上げるため、大学や駅など人が集まる場所を中心に投票所を増やすことも提言。筑波大大学院生の諏訪原健さん(22)は「民主主義をバージョンアップさせるため、支持政党や政治信条を超えて取り組める課題だ」と述べた。

 一方、参院選後をめどにシールズを解散する考えも表明。上智大4年の芝田万奈さん(22)は「(もともと)緊急アクションとして立ち上がった。解散後、個人でやりたい人がいればまた集まればいい」と説明した。(共同)


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熱血!与良政談:「落選運動」に注目しよう=与良正男
毎日新聞 2015年09月30日 東京夕刊

 予想通り、安倍晋三首相は安全保障関連法が成立した直後から「次は経済、経済」と強調し始めた。来夏の参院選まで時間はある。それまでに多くの国民が安保関連法を忘れてくれると考えているに違いない。

 「忘れない」ための次の一手だと思う。最近、「落選運動」という言葉を聞くようになった。例えば今回、国会周辺を中心に反対デモをリードした学生団体「SEALDs(シールズ)」だ。成立で終わりではない。次は選挙……。中心メンバーの奥田愛基さんらは「賛成議員を落選させよう」と訴え始めている。

 具体化はこれからだが、「落選運動」は公職選挙法で「当選を得させないための活動」と定義されて認められているように、有権者の意思表示の一つの方法である。

 2000年の韓国総選挙を思い出す人もいるはずだ。市民団体が「不正腐敗に関係した政治家」などをリストアップして公表。当選させない運動を繰り広げ、対象者86人のうち59人が落選した選挙だ。だが日本でもこれに刺激されていくつかの団体が試みたものの浸透はしなかった。

 今回はどうか。こうした運動の大きな武器となるネット選挙運動も解禁された。展開次第では選挙に影響を与え、日本の政治風土そのものを大きく変える可能性があると思う。

 ただし、選挙戦に際し、「○○を当選させよう」ではなく、「××を落とそう」としか言えないのは、「○○」に当たる政党、つまり受け皿が見つからないからでもある。

 政党や組織を超えた運動で共感を得た「SEALDs」のメンバーの間には、政党側が「一緒に戦おう」とすり寄ってくることを迷惑がっている空気もある。それがジレンマでもある。

 彼らだけではない。安保関連法に反対する有権者の思いをどう集約し、選挙結果に反映させるのか。本来受け皿となるべき野党も大きな課題を突きつけられているのだと思う。

 そんな中、来夏の参院選に向けて共産党が「安保関連法廃止」を旗印にした野党間の選挙協力などを民主党に提案したのは、彼らの動きを受けたものだと私は見ている。若者たちの行動は既に現実の政治を動かし始めているということだ。

 気の早い話だが、参院選のキーワードは「18歳投票」と「落選運動」だと思っている。(専門編集委員)


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発言:強い野党を作るには 吉田徹・北海道大教授
毎日新聞 2015年10月15日 東京朝刊

 安保関連法案が参院で可決された9月19日未明、国会前のデモ参加者の「憲法守れ」のコールは、議場内の野党の声と共鳴した。ただし反対の世論が盛り上がっても、その声を衆参両院の議席に転換できるだけの力を野党が持たなければ、代議制民主主義における民意は完成しない。

 2009年の政権交代は、民主党と社民党が候補者調整を行い、共産党が候補者数を抑制して事実上共闘した結果だった。だが12年、民主党が非自民ブロックの形成に失敗したこともあり総選挙で乱立した非自民勢力は票を奪い合い、自民が得票数を減らす中で、共倒れを経験した。

 12年衆院選で民主党、未来の党、維新の会の小選挙区総得票数は、09年の自民党のそれとほぼ同数だった。昨年の衆院選でも共産党を除き、複数の野党が候補者を立てたのは約60選挙区に上ったが、候補者が一本化されていれば政権交代も可能との試算すらあった。

 つまり、2大政党間の政権交代を念頭に置いた小選挙区主体のロジックに沿わなければ、1強支配は崩れない。民主と維新の合併案、共産党の「国民連合政府」構想、統一名簿を作成する小沢一郎氏の「日本版オリーブの木」案など、野党共闘のアイデアが相次ぐゆえんだ。

 もっとも、政権交代のみを使命とした野党勢の合併や取引は、民主党政権が経験したように、内部分裂と政策的迷走を招く原因になる。野合や駆け引きを超えて、多様性と統一を両立させる「強い野党」をどう作るのか--。政策、理念、人にまたがる三つの方法がある。

 ひとつは、共通の政策基盤の形成だ。民主党と維新の党ならば、最低限の生活を保障するベーシックインカムや人的資本投資といった政策で合意が可能となるだろう。すでに「同一労働同一賃金法案」の共同提出という実績もある。

 次は、政治理念のバージョンアップだ。自由な個人による活力ある競争社会の実現には、それを可能にする人的投資とセーフティーネットが必要になってくる。スウェーデンの改革がそうであったように、社会民主主義と新自由主義の極は接近していく。すなわち「大きいVS小さい政府」の対立ではなく、「賢い政府」をいかに作るかが鍵となる。

 第三には、複数の野党間で行う公開予備選の実施だ。野党の各代表が自らの掲げる政策についての公開討論を行い、最終的に一般有権者の投票で統一の首相候補者を選出、総選挙に臨むのだ。野党ブロック内での公開予備選は、フランスやイタリアなどですでに定着している。非党員が投票権を持つ党首選も、実質的に複数政党の連合体だった新進党で実施されたことがある。

 党派に関係なく、政権与党の方針や政策が行き詰まった時に、信頼に足る異なる選択肢を用意しておくためにも、民主政治において野党は不可欠な存在だ。民意という名のバトンは、街頭から野党へと託されつつある。「選挙に行こう」--法案が可決された後に発せられたコールが耳に届いたのであれば、野党の選択肢は多くないはずだ。


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 ■人物略歴

 ◇よしだ・とおる

 専攻は欧州比較政治。著書に「二大政党制批判論」、編著に「野党とは何か」など。


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経済財政諮問会議
(更新 2015.10.28  第16回経済財政諮問会議が開催されました。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保法案により、現実のものとなった。もはや世論は安倍政権に与しない。
 私たちは 近未来に 政治状況の大きな揺り戻しを経て、 民意の発現として アベノミクスの緩やかな終焉を選択することだろう。)

社説:新三本の矢 従来策の総括はどこへ
毎日新聞 2015年09月30日 02時30分

 これまでの「三本の矢」が行き詰まり、目先を変えようとしているのではないか。

 安倍晋三首相が「アベノミクスの第2ステージ」と宣言し、新しい三本の矢を示した。「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」だ。

 目標として、国内総生産(GDP)を600兆円に拡大▽希望出生率1.8の実現▽介護離職者ゼロ--を掲げた。

 従来の矢のような政策手段ではなく、見栄えのするスローガンを並べたに過ぎない。裏付けに乏しく、実現への道筋が見えない。

 2014年度の名目GDPは490兆円だった。内閣府は、名目3%の成長が続けば、20年度には594兆円に達すると試算している。

 だが、名目成長率が3%を超えたのは1991年度が最後だ。今年4~6月期の成長率(年率換算)も名目は0.2%、実質はマイナス1.2%と低迷した。

 目標達成のハードルは極めて高い。しかし、首相は、景気底上げの具体策には踏み込まなかった。

 出生率も14年は1.42にとどまり、1.8に上げるのは至難の業だ。

 首相は幼児教育の無償化拡大に言及した。自民党が昨年の衆院選で公約したが、財源のめどが立たず、15年度は見送られたものだ。首相も財源確保の手立てを説明していない。

 家族の介護で仕事を辞める介護離職は年10万人程度に上る。働き盛りの世代が多く、対策は急務だ。

 首相は介護施設の整備を表明したが、事業者の倒産が相次いでいる。今春の介護報酬引き下げが要因の一つとされ、対応がちぐはぐだ。

 そもそもアベノミクスを次の段階に進めるのなら、従来の政策の総括が必要だ。課題を洗い出さなければ、効果的な戦略も打てないはずだ。

 最初の三本の矢は「大胆な金融緩和」「機動的な財政出動」「成長戦略」だ。このうち一定の効果を発揮したのは、円安で大企業の収益を押し上げた金融緩和ぐらいだ。

 だが、円安は食料品などの値上げももたらした。大企業の業績が好調でも全体の賃金はそれほど上がらず、消費は振るわない。成長戦略も多くが不発だ。株価も急落している。

 首相は「デフレ脱却は目の前」と成果ばかり強調したが、アベノミクスが目指してきた「経済の好循環」は見えていない。

 安全保障関連法の成立強行で政権は世論の反発を招いた。来夏の参院選をにらみ、国民の関心が高い経済や社会保障に重点的に取り組む姿勢をアピールしている。だが、政策の検証を欠いた総花的なフレーズを示されても、国民は戸惑うだけだ。


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安倍内閣は平成27年10月7日 以下の 基本方針を閣議決定しています。

基本方針
平成27年10月7日

 政権発足から1000日余り。「三本の矢」の経済政策、戦後以来の大改革に、ひたすらに邁進してきた。その結果、雇用は増え、給料は上がり、もはやデフレではないという状況を創ることができている。

 日本は、ようやく新しい朝を迎えることができた。

 今、始めなければならない。「一億総活躍」という旗を高く掲げ、内閣が一丸となって、長年の懸案であった少子高齢化といった構造的課題に真正面から立ち向かい、新たな国づくりを力強くスタートさせるべき時が来た。

 未来をしっかりと見据えながら、「誰もが将来に夢や希望を持って頑張れる日本」、「世界の中心で輝く日本」、そして「誇りある日本」を取り戻し、私たちの子や孫の世代に引き渡す。その強い決意のもと、内閣の総力を挙げて、以下の施策を推し進める。


1.復興の加速化
 まず何よりも、「閣僚全員が復興大臣である」との意識を共有し、省庁の縦割りを厳に排し、現場主義を徹底することにより、被災者の心に寄り添いながら、東日本大震災からの復興、そして福島の再生を、更に加速していく。

2.「一億総活躍」社会の実現
 少子高齢化の流れに歯止めをかけ、50年後も人口一億人を維持するとともに、高齢者も若者も、女性も男性も、難病や障害を抱える人も、誰もが、今よりももう一歩前へ、踏み出すことができる社会を創る。
 「一億総活躍」の社会を実現するため、明確な目標を掲げ、以下の「新・三本の矢」を放つ。すべての閣僚が、その持ち場において、全力を尽くし、従来の発想にとらわれない、大胆かつ効果的な施策を立案し、実施する。

(1)希望を生み出す強い経済
 強い経済なくして、明日の「希望」を生み出すことはできない。今後も「経済最優先」で政権運営にあたる。
 「戦後最大のGDP600兆円」の実現を目指す。
 これまでの「三本の矢」の経済政策を一層強化し、雇用の改善や賃金アップによる「経済の好循環」を継続する。
 北は北海道から、南は沖縄まで、「目に見える地方創生」を本格的に進める。近年、全国各地で自然災害により甚大な被害が発生したことを教訓に、引き続き危機管理対応に万全を期すとともに、事前防災のための国土強靭化を推進する。
 高齢者も若者も、女性も男性も、難病や障害を抱える人も、誰もが活躍できる社会を目指し、女性が輝く社会の実現、多様な働き方改革などに取り組む。

(2)夢を紡ぐ子育て支援
 子どもたちには無限の可能性が眠っている。誰もが、努力次第で、大きな「夢」を紡ぐことができる社会を創り上げる。
 「希望出生率1.8」の実現を目指す。
 あらゆる面で子育てに優しい社会へと改革を進めるとともに、誰もが結婚や出産の希望を叶えることができるような社会を創る。複線的な教育制度へと改革するとともに、家庭の経済事情に左右されることなく誰もが希望する教育を受けられるよう、子どもたちの個性を伸ばす教育再生を進める。

  (3)安心につながる社会保障
 高齢者の皆さんのみならず、現役世代の「安心」も確保する社会保障を構築するため、社会保障制度の改革・充実を進める。
 「介護離職ゼロ」の実現を目指す。
 介護施設の整備や、介護人材の育成を大胆に進め、仕事と介護が両立できる社会づくりを加速する。
 予防に重点化した医療制度改革、企業による健康投資の促進などに加え、意欲あふれる高齢者の皆さんへの多様な就労機 を提供することにより、「生涯現役社会」を構築する。年金を含めた所得全体の底上げを図り、高齢者世帯の自立を支援する。



3.世界の中心で輝く日本
 自由、民主主義、人権、法の支配などの基本的価値を共有する国々と手を携え、「地球儀を俯瞰する外交」を一層強力に推進する。強固な日米同盟を基軸に、安全保障体制を盤石なものとし、いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしは守り抜く。国家安全保障戦略のもと、「積極的平和主義」の旗を掲げて、世界の平和と繁栄に、これまで以上に貢献していく。
 在日米軍再編にあたり、普天間飛行場の固定化は絶対にあってはならない。抑止力の維持を図るとともに、沖縄の基地負担の軽減を、目に見える形で実現するため、本土における努力を十二分に行うべく、政府を挙げて取り組む。

 最後に、各府省の公務員諸君には、大いに期待している。「一億総活躍」社会の実現、新たな国づくりには、諸君の斬新な発想力と大胆な行動力が不可欠である。行政のプロとしての誇りを胸に、その持てる力を存分に発揮してほしい。常に、国民の目線を忘れることなく、その心に寄り添いながら、政策立案に当たっては積極的に提案し、現場にあっては果敢に行動してもらいたい。

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社説:改造内閣発足 「1億総活躍」への疑問
毎日新聞 2015年10月08日 02時32分

 第3次安倍改造内閣が発足した。10閣僚が交代したものの、主要閣僚や自民党首脳部は軒並み留任した。

 政権の骨格を維持しつつ経済重視への局面転換を図った布陣だが、安全保障関連法の成立強行を過去の問題と片付けるわけにはいかない。これまでの政権運営のひずみを総点検すべきだ。

 改造後の記者会見で、安倍晋三首相は「輝かしい未来への新しい挑戦」を掲げ、「経済最優先で、政策を一層強化する」と強調した。

 経済政策を重視することに異存はない。だが、来夏に参院選を控え、首相のことさらの対応には、さきの国会で強まったタカ派イメージの修正が主眼との印象をぬぐえない。

 これまでも首相は参院選、衆院選で経済政策を争点に掲げながら、選挙後の国会では特定秘密保護法や安全保障関連法の決着を急ぐパターンを繰り返してきた。

 さきの国会で、安倍政権は安保関連法を国民理解を置き去りにしたまま成立させた。本来、首相は率先してその空白を埋めるよう努めるべきだ。与党には環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の大筋合意への対応などを理由に、秋の臨時国会の見送り論が浮上している。国会を早期に召集し、きちんと必要な説明に応じねばならない。

 改造人事の目玉として新設した「1億総活躍」担当相が機能するかどうかも疑問がある。首相は腹心の加藤勝信官房副長官を起用し、官庁の縦割り排除を掲げ、成長重視のシンボルとしたい考えのようだ。

 だが、「1億総活躍社会」のスローガンの下、加藤氏が実際にどんな政策の領域を対象とし、何に取り組むかははっきりしていない。

 強い経済、子育て支援、社会保障の「新三本の矢」を首相は打ち出した。名目国内総生産(GDP)600兆円を達成するとの目標の実現性を疑問視する声は強い。

 日銀の金融緩和と積極財政でも成長目標は達成できておらず、もともとの「三本の矢」の戦略が揺らいでいる。限界を来したアベノミクスの点検抜きで、あいまいなスローガンを先走らせてはなるまい。

 自民党総裁に再選された首相は、長期政権を視野に参院選乗り切りを目指す。悲願とする憲法改正については国民的議論への期待を改めて強調した。自らの政権で改憲を図るのであれば、テーマ設定を含め、構想を国民に説明していくべきだろう。

 米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる国と沖縄県の対立など、安倍政権がこれまでの路線を見直し、取り組むべき課題は多いはずだ。さまざまな問題を覆い隠すための経済重視であってはならない。


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安倍改造内閣:アベノミクス正念場 TPP対策が急務
毎日新聞 2015年10月08日 00時43分(最終更新 10月08日 08時52分)

 「経済最優先」を掲げて7日に発足した第3次安倍改造内閣。デフレ脱却と財政再建の両立や、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の大筋合意を受けた農業の競争力向上など、経済分野で引き続き多くの課題を抱える。アベノミクスが正念場を迎える中、経済閣僚の手腕が問われる。

 ◇農業強化

 農林水産業を巡っては、TPP交渉の大筋合意を受けて、今後の国内対策が最大の注目点となる。初入閣した森山裕農相は早速、生産者の理解を得ながら農業を成長軌道に乗せるという難題に向かい合うことになる。

 森山農相は自民党のTPP対策委員長を務め、米アトランタでの閣僚会合の際も、現地で政府と情報交換を進めた。党内では農林族重鎮として知られ、JAグループなど業界団体の信頼も厚い。

 TPPではコメや牛・豚肉、乳製品などで輸入枠の拡大や関税引き下げが決まった。海外の安い農産物が増えることも予想され、業界からは保護強化の声が強まるのは必至だ。森山農相は就任後の記者会見で「影響を精査の上、意欲のある農林業者が希望を持って経営に取り組めるようにする。一番影響があるのはコメだが(生産者に)迷惑をかけることはないと思う」と述べた。

 日本の農業は後継者不足や国内需要縮小など構造的な課題も抱える。業界の意向を踏まえながら長期的な農業強化策をどう進めるか。今が日本の農業の分岐点とも言え、難しいかじ取りを迫られそうだ。【松倉佑輔】

 ◇財政再建

 「(財政健全化の指標である)基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の赤字をゼロまで持っていくことを今からやらなければいけない」。麻生太郎財務相は7日の記者会見で、2020年度までの財政健全化計画の達成に改めて意欲を示した。

 健全化計画は来年度が初年度。まずは年末にかけて編成する来年度予算案で計画を着実に前進させることが課題だ。各省庁からの概算要求総額は過去最大の102兆円台に上り、財務省は15年度当初予算並みの96兆円台を目指して査定作業を進めている。しかし、来年夏の参院選を控え、与党から歳出圧力が高まるのは必至だ。TPP交渉の大筋合意を受け、さっそく大規模な農業対策を求める声も出ており、麻生氏が参院選対策と財政健全化の両立に苦慮する場面も出てきそうだ。

 また、健全化計画は17年4月の消費税率10%への増税が前提だが、負担軽減策の与党協議は進んでいない。生活必需品の消費税率を低く抑える軽減税率の導入を主張している公明党は、財務省が提案した還付金制度案に強く反対しており、協議がまとまる見通しは立っていない。【朝日弘行】

 ◇エネルギー

 エネルギー政策では、原発再稼働や太陽光など再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の見直しなどが課題だ。

 経済産業省は今年7月、2030年度の総発電量に占める電源構成について、原発比率を20~22%とする方針を決めた。原子力規制委員会の規制基準をクリアすれば再稼働を進める方針で、林幹雄経産相は就任後の記者会見で「最終的に(責任は)政府にあると思う」と述べ、国民理解を得る努力を進める考えを示した。電源構成の実現には既存原発の再稼働では足りず、原則40年の運転期間の延長や新増設が必要となるが、世論の反発は強く難航必至だ。

 30年度の電源構成で再生エネ比率は22~24%と掲げられたが、現在は買い取り価格が高く設定された太陽光が新規参入全体の9割超まで集中。風力や地熱などとバランスの取れた普及を促すため、太陽光の買い取り量に上限を設ける案などを検討するが、規制を強化しすぎれば普及に急ブレーキがかかりかねず、難しい制度設計が求められる。【小倉祥徳、寺田剛】

 ◇インフラ輸出

 政府は成長戦略の一環としてインフラシステム輸出を掲げ、鉄道などの輸出を強化している。新興国などの需要を取り込み、2013年時点で16兆円の受注実績を30兆円(20年)まで増やす目標だ。

 しかし、インドネシアでの高速鉄道事業では9月、中国に敗れた。中国は今年3月に突然参加を表明。インドネシア政府の債務保証なしで事業費の大半を融資する破格の条件を示した。日本の鉄道は高い品質を誇るが、条件面で敗れた形だ。

 日本の高速鉄道はインドで事業調査を終えて正式合意を待つ段階。タイなどでも参画を目指す。しかし、中国が突然参画を表明する可能性もあり、品質面の強みをどこまで海外に浸透させられるかが課題だ。

 石井啓一国土交通相は記者会見で「それぞれの国の事情をよく踏まえ、(各国政府に)働きかけていきたい」と述べ、日本の強みをアピールしていく方針を示した。【山口知】

 ◇郵政民営化

 日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の郵政グループ3社は11月4日、東京証券取引所に上場。郵政民営化は大きな節目を迎えるが、当面、政府出資は続く。「市場で高く評価されるように企業価値を向上させることが重要」(高市早苗総務相)となるが、道のりは険しい。

 中核の金融サービスの事業強化は十分に進んではいない。自民党が提言したゆうちょ銀の預け入れ限度額引き上げは、民間銀行からの反対で実現の見通しは立っていない。郵便物流事業では今年2月、豪物流大手のトール・ホールディングスを約6200億円で買収することを決めたが、巨額投資に見合った収益を上げられるか、投資家の厳しい目にさらされる。【工藤昭久】


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新三本の矢:問われる具体策
毎日新聞 2015年10月08日 東京朝刊


新三本の矢:問われる具体策

 安倍晋三首相が打ち出した「新三本の矢」では、国内総生産(GDP)600兆円▽希望出生率1・8の実現▽介護離職ゼロ--の数値目標を掲げている。いずれも実現に向けた具体策は今後、検討することになるが、道筋は見えていない。

 ◆GDP600兆円

 ◇成長戦略、道筋描けず

 安倍政権は新三本の矢の1本目である「強い経済」について、旧三本の矢の「大胆な金融政策」「機動的な財政出動」「成長戦略」が「全部集約されている」(麻生太郎財務相)と説明している。2012年末の安倍政権発足後、日銀の大規模金融緩和と積極的な公共投資の効果で、企業業績は過去最高を記録、雇用も拡大した。日銀の黒田東彦総裁は7日の記者会見で「長きにわたって続いてきたデフレ心理は変わってきた」と指摘した。

 安倍政権は旧三本の矢を引き続き経済再生に生かす考えだ。内閣改造では経済・財政政策の2大司令塔である甘利明経済再生担当相と麻生財務相の留任を真っ先に決めた。しかし、旧三本の矢の限界もあらわになっている。政府と日銀は2%の物価上昇目標を掲げているが、原油価格の急落などで8月の物価上昇率は13年4月以来のマイナスに転落。政権の最重要課題であるデフレ脱却は果たせておらず、黒田総裁は「物価目標との関係で言えば道半ばだ」と認める。

 今年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は年率換算でマイナス1・2%に落ち込んだ。企業は増益分の一部を賃上げに回し始めているが、円安による食品などの値上がりや人口減少が響き、消費は鈍いまま。頼みの株高も中国経済の変調などで不安定な状況が続く。

 財政出動の限界も見えてきた。政府は6月、先進国で最悪水準の財政を立て直すため、財政健全化計画を決めた。国の借金の返済に充てる国債費や地方交付税を除く一般歳出の今後3年の伸びを1・6兆円に抑える目安を盛り込んでおり、これを守ろうとすれば大胆な財政出動は難しい。

 一方、アベノミクスの本丸だった成長戦略は、農家の自主性を高めるための農協改革や、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の大筋合意にはこぎ着けたが、労働規制改革や医療改革などのいわゆる岩盤規制では踏み込み不足を否めない。新三本の矢に盛り込んだ「20年ごろに名目GDP600兆円」はあくまで目標であり、達成に必要な名目3%以上、実質2%以上の高成長を実現する手段は今後の検討課題だ。経済界でも「あり得ない数値。政治的メッセージとしか思えない」(経済同友会の小林喜光代表幹事)と懐疑的な声が出ている。

 市場では、高成長の実現には「新規参入や起業を促す大胆な構造改革が必要」(アナリスト)との見方が多い。しかし、来年夏に控える参院選は組織票が勝敗を左右するだけに、既得権益に切り込む改革はハードルが高い。自民党内からは「当面は景気対策を盛り込んだ補正予算の編成などムチよりアメを優先するしかない」(閣僚経験者)と構造改革先送りを求める声も漏れる。【宮島寛、中井正裕】

 ◆出生率1.8

 ◇育児環境、改善厳しく

 「希望出生率」は、若い世代が希望通りに子どもを持った場合に想定される出生率で、首相は2020年代半ばに1・8とする目標を掲げる。

 14年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数に相当)は1・42だ。歴史人口学者の鬼頭宏・静岡県立大学長は「過去10年の出生率から試算すると、1・8が可能なのは37年。目標達成には国民の理解も含め相当の努力がなければ難しい」とみる。

 出生率低下の要因の一つは若者の未婚化だ。背景には非正規雇用の増加など雇用と収入の不安定化が指摘されている。子育て支援の観点から対策強化が必要だが、企業経営の動向とも密接に絡み、容易ではない。

 一方、今年4月に「子ども・子育て支援新制度」がスタート。保育所の待機児童解消に向け、消費税率10%への引き上げを前提に財源を確保し、保育所などの定員を大幅に増やしている。だが、待機児童数が5年ぶりに増加に転じるなど先行きは険しい。

 政府は保育士の手厚い配置などのためにさらに4000億円を投入する方針だが、実現の見通しは立っていない。加藤勝信1億総活躍担当相は7日の就任記者会見で「財源確保に最大限努力する」と述べるにとどめた。【細川貴代】

 ◆介護離職ゼロ

 ◇施設整備に費用の壁

 親などの介護で仕事を辞めざるを得ない「介護離職者」は年間10万人前後で推移しており、今後、大きな社会問題になりそうだ。首相は施設整備で対応する考えだが、多額の費用が必要で、ハードルは高い。

 介護に直面するのは企業の管理職の年代に当たる。政府の経済財政諮問会議では民間議員から離職者の増加による企業へのダメージを心配する声が上がっている。首相も先月24日の記者会見で「団塊ジュニアが大量離職すれば経済社会が成り立たなくなる」と強調。達成時期は2020年代初頭とし、団塊ジュニアの親である団塊世代が75歳以上となる25年の前に環境を整える意向だ。

 特別養護老人ホーム(特養)の入所待機者(要介護3以上)は13年度で約15万人で、厚生労働省の試算では、特養の定員は25年度までに20万人増える見込みだ。ただ、厚労省は在宅中心の介護に力点を置いており、施設の大幅増設には消極的。新たに大幅な財源投入がなければ整備計画の前倒しにとどまる見通しだ。

 首相は、25年度に約38万人不足すると推計される介護人材の育成にも取り組む考えだ。そのためには全産業平均より月10万円も低い介護職員の待遇改善が急務だ。

 首相は、介護離職ゼロや職員の待遇改善という形で介護対策が現役世代にも資するとの考えを示している。しかし、ある厚労省幹部は「税収の増加分で足りなければ他の社会保障費を削ることにもなりかねない」と懸念する。【阿部亮介】


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基本方針を受けて、第16回経済財政諮問会議 が 平成27年10月16日に開催された。アベノミクス第二ステージに向けて提言している。

第16回経済財政諮問会議 平成27年10月16日
(1)TPPについて
(2)アベノミクス第二ステージに向けて
(3)経済・財政一体改革の具体化・加速について

第16回経済財政諮問会議 平成27年10月16日 会議資料
第16回経済財政諮問会議 平成27年10月16日 議事要旨

民間議員の提言は以下。

アベノミクスの第二ステージに向けて
平成 27 年 10 月 16 日
伊藤 元重
榊原 定征
高橋 進
新浪 剛史

「強い経済」、「子育て支援」、「社会保障」を新三本の矢とするアベノミクス第二ステージにおいて、経済財政諮問会議は、引き続き、経済と財政、社会保障の相互依存関係を踏まえた基本戦略の司令塔として、改革を大胆に推進すべきである。
まずは、中国をはじめとする世界経済の先行きに不透明感が出てきている今こそ、日本経済を再びデフレには戻さないとの強い意思の下、これまでの三本の矢を強化することにより、民需主導の好循環を確立することが重要である。

また、「1億総活躍社会」は、すべての人々に活躍の機会を拓き、それぞれの能力を最大限に活かす社会である。日本社会が抱える少子高齢化という最大の構造問題に取り組むことにより、日本経済の供給サイドが強化されるだけでなく、潜在的な消費や投資を喚起するなど、需要面も含めた経済構造が強化される。人々の活躍を妨げている障壁をなくしていくとともに、単なる再分配ではなく、成長を伴うものとしていくために、官民双方が資源配分や所得分配を大胆に見直していくべきである。

1. 強い経済の実現に向けて
「1億総活躍社会」の実現に向け、その基礎となる民需の構造強化を官民一体となって進めるため、以下の課題を克服し、好循環の拡大・成長の加速を実現する。
景気が大きく下振れする恐れが生じた際には、再びデフレに戻さないよう、機動的に対応し、消費、設備投資を喚起すべき。

(1)全体として賃金・所得環境が改善している中で、依然デフレマインドが払拭されておらず、消費の改善テンポが遅い。
-好循環の拡大に向けて、来年の賃金及び最低賃金について、名目成長率等の経済動向を踏まえて、継続的な上昇を実現すべき。
-多様な働き方の実現を通じて、家計収入を押し上げるとともに、規制改革や公的サービスの産業化を通じて、健康長寿や介・子育てに関連する財・サービス等の潜在需要を顕在化し、消費拡大につなげるべき。

(2)過去最高水準の企業収益にもかかわらず、設備投資の動きが鈍い。
-IoT 化、ロボット化、人工知能化を通じた第4次産業革命を興し、省力化、省エネ化、環境対応を実現すべき。
-成長志向の法人税改革を早期に完了すべき。また、企業収益が確実に投資等へのキャッシュアウトに結び付く取組を推進すべき。
-中小企業の競争力強化と価格転嫁の円滑化の観点から、親企業と下請企業間で相互に WIN・WIN 関係を実現していく必要。
-活用されていない内部留保を、従業員の賃金や人的投資、将来利益の源泉となる投資、取引先を含めた経営力強化に振り向けて好循環拡大を図るべき。

(3)労働市場がタイトとなる中、「働きたい」若しくは「もっと働きたい」と希望する者が1千万人近く存在。就労の希望が実現しない背景には、特に、女性・若者・高齢者の労働参加を阻む制度・慣行が存在。
-働き方改革(女性等の就労継続・復職支援、正社員化への支援強化、子育てや介護のための不本意な離職の解消に向けた官民による取組、長時間労働の是正、配偶者控除・手当の見直し等)
-外国人材の積極的活用(ビザの緩和、留学生の国内就職支援等)

(4)意欲ある地方を支援する。
-消費を押し上げている訪日外客によるインバウンド需要や地方の特産品輸出をさらに拡大できるよう、関連するインフラ整備を含め、意欲ある地方を支援する。


2. 官民双方による資源配分等の見直し
「1億総活躍社会」の実現に向けては、人材・資金等の有効活用、政府の既存予算の見直しを通じた資源配分の一層の効率、官民双方の所得分配(賃金の引上げや人的投資の促進等)や世代内・世代間の所得再配分などの仕組みの見直しがカギとなる。
以下の取組を、経済・財政一体改革(財源確保の観点を含め)と並行して検討すべき。

(1)少子化対策の安定財源の確保
-まずは、社会保障の歳出効率化によって生じる財源やアベノミクスによる税・保険料の増収の一部を少子化対策に充てるべき。中期的には、高齢世代が若者世代、特に子育て世帯等に貢献する仕組みを検討すべき。

(2)介護離職者ゼロの実現
-介護離職は、生産活動の中核をなす世代の就業者やスキル等人的資本の喪失となり、日本経済にとって大きな打撃となる。
働き方改革(介護のための不本意な離職の解消、介護休業制度の拡充等)、多様な民間介護サービスの拡大、実効ある地域包括ケアシステムの確立、都市部を中心とする介護施設不足への対応など、多様な国民のニーズを踏まえた最も効率的な政策パッケージとなるよう、官民協力して対処すべき。

(3)公的サービスの産業化、民間資金の導入
-交通インフラ、上下水道等の分野に、PPP、コンセッション等多様な手法を通じて民間資金を導入すべき。
-社会保障や行政サービス等の分野及び関連サービスにおいて企業など民間の活躍を拡大すべき。



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読み物 を2本 以下に 掲載します。



危機の真相:TPPの戦略的正体 政治が経済振り回す怖さ=浜矩子
毎日新聞 2015年10月17日 東京朝刊


 TPP交渉が大筋合意にこぎつけた。

 TPPとはそもそも何か。「Trans-Pacific Partnership」の頭文字だが、日本のメディアでは呼び名が分かれる。本紙は英語に素直に対応して「環太平洋パートナーシップ協定」と表現している。他紙では「環太平洋経済連携協定」というのも見受ける。

 このテーマが日本で話題になり始めた2010年春先ごろは「環太平洋戦略的経済連携協定」という言い方が主流だった。それもそのはずである。なぜなら、あの当時、TPPはTPPではなかった。TPSEPだったのである。TPとPの間にはさまっているSEは「Strategic Economic」だ。したがって当時、「戦略的経済連携」という日本語が前面に出たのも当然だった。

 ところが、いつの間にか、TPSEPからSとEが消えた。そして無色透明なTPPという名称が定着することになった。一体どういうことか。筆者はこの間、随分あれこれと臆測を巡らしてきた。

 恐らくは、「戦略的」という言葉のキナ臭さに、誰かが気がついたのだろう。環太平洋という領域を焦点に、戦略的な連携を結んでいく。この思惑があまり早く、あまり前面に出るとまずい。

 実はそこに狙いがあるとしても、そこがクローズアップされるようになると、物議をかもす。だから、ひとまず戦略的ははずそう。ついでに、経済も引っ込めて、何ともフンワリした感じのTPPにしておこう。どうも、そんな知恵を働かした人々がどこかにいそうな気がする。

 ところが大筋合意の前後のタイミングともなると、状況が少々変わってきた。まず筆者の目を引いたのが、安倍晋三首相の発言だ。去る4月29日、米議会での演説の際のことである。首相はTPPに言及した。英語で行われた演説の流れに即していえば、次の通りだ。まず「TPPは単なる経済的利益をはるかに超える」もので「我々の安全保障に関わる」テーマだと明言した。続いて「長期的にみたその戦略的価値(strategic value)」は「驚嘆すべきもの(awesome)」だと言っている。

 このくだりの公式日本語訳は次のようになっている。「TPPには、単なる経済的利益を超えた、長期的な、安全保障上の大きな意義があることを、忘れてはなりません」。大意としては、これでまあいいだろう。だが、英語ではTPPのstrategic valueがawesomeだと言っているのである。この語感が、前記の翻訳では、どうもしっかり伝わらない。かなり、やんわりとぼかされている感がある。

 何しろawesomeという言い方がすごい。awesomeの語感はまさしく「すごい」だ。「驚嘆に値する」とか「驚異的」の意である。今的な若者用語としてのawesomeには「すっげー」とか「やばい!」あるいは「テンション上がる!」的な意味もある。この言葉をTPPの「戦略的価値」について使うことには「驚異」ならぬ「脅威」を感じてしまう。

 首相のawesome発言は、TPP合意が近づく中でのものだった。そして、合意なった直後には、次の新聞の見出しが筆者の目を引いた。「日米同盟 より強固に」(10月8日付日本経済新聞朝刊)。TPP合意を巡る識者インタビュー記事の一つに、この見出しがついていた。発言者は米国戦略国際問題研究所(CSIS)の政治経済部長、マシュー・グッドマン氏だ。

 この記事の中で、グッドマン氏はTPPについて次のように言っている。「日米同盟をより強固にする大きな戦略的な価値もある。米国がアジア太平洋に戦略の重点を移すリバランス(再均衡)政策にとって格好の材料となる」

 事がなるまでは本音を隠す。狙いが成就したところで正体を現す。TPPにはどうもこんなイメージがつきまとう。グッドマン氏の言葉が満を持しての本音吐露なら、首相のawesome発言は少々フライングだったわけだ。

 ここで思いが及ぶのが、今日の欧州連合(EU)の姿だ。欧州における経済統合の動きは、元をたどれば軍事同盟構想だった。「欧州防衛共同体」を形成する。そのことによって独仏間の武力衝突を恒久的に封印する。それがそもそもの発想だった。だが、これがあまりにも刺激的に過ぎたため、早い段階で目的が経済統合にすりかえられた。

 本当の狙いは政治的であり、外交安全保障上の意図に発している。だが、あまりあからさまに戦略的意図を前面に出すと、嫌がられる。だから、さしあたりは経済のオブラートに本音を隠す。これが欧州統合の歩みの舞台裏だ。

 EUの場合、目指すところが恒久平和だったから、その点は許せる。だが、それでも、政治の思惑で経済を振り回すと、結果は怖い。今のユーロ騒動がまさしくそれだ。

 いわんやTPPにおいては、その戦略性がどうawesomeなのか。そこが問題だ。そこが怖い。若者用法ではなく、従来の意味で、本当に「やばい」かもしれない。

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 ■人物略歴

 ◇はま・のりこ

 同志社大教授。

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昭和史のかたち:安倍首相の1億総活躍社会=保阪正康
毎日新聞 2015年10月10日 東京朝刊

 ◇過去の歪み 凝縮の表現

 安倍晋三首相の言語感覚はなかなかユニークである。

 9月30日に訪問先のジャマイカで随行記者団に、党内人事や新しい政策について説明したなかで、「1億総活躍社会」の実現を目ざすことを改めて語った。言わんとするところは、人口減で先細りする労働力を案じて、このままでは日本の未来は開かれない、そこで新たな経済政策や雇用の安定を図って、「1億総活躍社会」を実現させるということのようだ。

 この「1億」とは人口の概数を指して、いわば「国民全員が活躍できる社会」というのが本意なのだろう。活躍の意味も曖昧なら、それがどのような到達地点なのかといった具体的なイメージもない。例によって麗句を口にし、なにやら幻想をまき散らすというのが、この「1億総活躍社会」の意味ではないか。

 むしろあの日中戦争・太平洋戦争時に盛んに用いられた「進め一億 火の玉だ」とか「一億一心」などとイメージが重なり危なかしくて仕方がないというのが正直な感想である。つまり「一億」という語は、「聖戦完遂」とか「ファシズム体制」そのものを指しているというのが歴史的な用いられ方であった。

 たとえば「一億一心」というのは、国民が心をひとつにして聖戦完遂をとなる。国民精神総動員委員会の決定にもとづいて、1939(昭和14)年9月1日から、阿部信行内閣の下で毎月1日は「興亜奉公日」になった。これが官報でも告諭された。この奉公日は、次のように規定されている。

 「全国民ガ特ニ戦場ノ苦労ヲ想ヒ、自粛自省、的確ニ之ヲ実際生活ノ上ニ具現シ、一億一心、興亜ノ大業ヲ翼賛シ、以テ国力ノ増強ヲ図リ、強力日本ノ建設ニ邁進(まいしん)スルノ日」。「一億一心」を訴えるこの日は、ドイツがポーランドに進駐して第二次世界大戦が始まった日でもある。加えて日中戦争が泥沼化していて、日本は身から出たさびとはいえ、そこから抜けだせずに苦悩を続けていた。

 国民精神をひとつにして、戦争政策に全面的に協力せよというのが、興亜奉公日(それを一億一心社会といっていい)の狙いである。阿部内閣のこの奉公日の規定は、現在にも通じていて安保関連法が現実に施行になったら、そのまま通用するのではないかといいたくもなる。

 「1億」は太平洋戦争下ではもっとおどろおどろしい意味をもった。開戦翌年の42年には、大政翼賛会のスローガンとして前出の「進め一億 火の玉だ」という激しい言葉が採用され、主要な建物には、垂れ幕が掲げられた。作詞、作曲もされ、国民の士気を鼓舞する戦争歌としてことあるごとに歌われた。その冒頭は、「行くぞ行こうぞ がんとやるぞ 大和魂だてじゃない……」といった具合なのだが、戦況が悪化していくにつれ、これらの歌はヒステリックな歌い方で国民の士気を鼓舞したのである。

 安倍首相の用いている「1億総活躍社会」は、もとよりこの時代のファナティックな意味をこめているわけではないだろう。しかし過去のこの国の歪(ゆが)みが凝縮している「1億」などといった表現は慎むのが歴史的礼節であるならば、いささか無神経すぎるといった言い方をしてもいい。

 なにしろこの語は、状況が悪化していくと、「一億総玉砕」とか「一億総特攻」といった語にもつながっていく。いうまでもなくこのふたつの戦術を、第二次世界大戦下で国家の軍事システムとして採用した国はない。日本だけである。ふつう全滅というのはある部隊の3分の1を超える兵士の戦死の状態を指す。ところが日本は最後の1人までが死ぬことを全滅といい、全滅では大本営参謀たちの責任となるとばかりに「玉砕」という語に言い換えた。43年5月のアッツ島の玉砕からである。戦争末期には「一億総玉砕」の名のもとに国民全員に死が強要されつつあった。

 「一億総特攻」もまたそうであった。十死零生の作戦が、まずは学徒兵や少年飛行兵に、国家の非常時という名のもとに命じられている。

 「1億」という語には、恐るべき意味が数多くこめられている。戦後の歴代首相の演説や議会答弁で、この表現で自らの政策を語った例はほとんどないのではないか。国民の反発を買うと知っていたのであろう。戦後社会では、一評論家がテレビ時代を皮肉り、1億視聴者が思考をもたなくなるのではと案じた件が思いだされてくるだけだ。

 10月7日に発表された第3次安倍改造内閣では1億総活躍担当相が生まれた。さて「1億総活躍社会」とは、私たちに何にむけて、どのような活躍を要求するのだろうか。不気味な表現に慣れるわけにはいかないと覚悟すべきだろう。

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 ■人物略歴

 ◇ほさか・まさやす

 ノンフィクション作家。






経済財政諮問会議

( 更新 2015.10.12 第15回 経済財政諮問会議 平成27年9月11日議事要旨UP のついでに 短い読み物ですが、腑臓を抉るコラムを2本掲載することにしました。   )

憂楽帳:リストラ
毎日新聞 2015年10月01日 大阪夕刊

 とある会社を一人の青年が去った。自らの意志ではない。20代にして彼はリストラされてしまったのだ。

 職場で評判はよくなかった。仕事ののみ込みが悪く、「努力しない」「覚える気がない」と言われていた。しかも契約社員である。リストラのハードルは低い。

 会社の業績は好調だが、仕事の遅い者は早々に整理しておいた方が、企業間の競争をにらめば賢明なのだろう。契約社員や派遣労働者を雇い、いざという時にリストラする手法も、民間の常識といえる。だが、その常識が行き渡った社会が、そんなにいい世の中だろうか。

 青年はアパートに母親と暮らす。家計に数万円入れ、母親も働いていた。これから再就職できるのか。働けずに公の支援を求めるのか。今後の生活にはどんな社会的コストが要るのか。損得だけみても、いろんな方向から考えた方がいい。

 青年がいなくなった後、彼の荷物置き場から紙切れが出てきた。クシャクシャに丸められた紙には、先輩から教わった仕事の段取りを何回も何回も書きつけ、覚えようとしていた跡が残っていたという。【麻生幸次郎】


憂楽帳:孤立無業者
毎日新聞 2015年10月09日 大阪夕刊

 中年男性が右往左往している。ターミナル駅の昼下がり。道に迷ったか。声をかけると、おどおどしている。

 人と話すのが久しぶりで、滑らかに言葉が出てこないのだと。映画館に行こうとしていたので、道案内を申し出る。と、放さんぞという勢いで語り始めた。

 父子家庭で育ち、父の介護のために仕事を辞めて4年。今春、みとった。49歳。独身。一時求職活動はしたが、雇う会社はない。友人はいない。社会と関わるのが怖い。家に1人でいることが多い。

 「孤立無業者(スネップ)」。20~50代で仕事、結婚をしていない。2日以上1人でいるか、家族としか話していない。すなわち職に就けず、人間関係が貧しい孤立者。その数150万人以上とも。

 思いをため込んでいたようだ。気づけば、映画の時間は過ぎていた。別れ際の彼の一言は胸に重く響いた。「私、ホームレスか、孤立死ですかね」

 かける言葉もなかった。例えば、突然の解雇、自身の病気。今は普通に働いて暮らしている人でも、いつ彼と同じ状況に陥らないと誰がいえるだろう。人ごとと思ってはいけない。【相原洋】



 「孤立無業者(スネップ)」という言葉を 知りたくもなかったが 知悉してしまった。

 2015年10月7日 第3次安倍改造内閣 が  「1億総活躍社会」のスローガンの下 発足しました。 
経済指標の不穏な動きを内包して足下で発生している多々の疑義については 次回更新で多面的に取り上げる予定でいます。 






第15回経済財政諮問会議 平成27年9月11日
(1)好循環拡大・深化に向けて
(2)経済・財政一体改革の具体化に向けて
(3)子育て支援・少子化等について

第15回 経済財政諮問会議 平成27年9月11日 会議資料
第15回 経済財政諮問会議 平成27年9月11日議事要旨 



憲法が禁じると解されてきた集団的自衛権を認めるこの法案が、
憲法違反の疑いが濃いことは論を待ちません。
ほとんどの憲法学者や歴代の内閣法制局長官、ひいては元最高裁の長官までが
こぞって「違憲」と呼ぶこの法案を、与党が数の論理が強行可決することによって、
日本の立憲主義が蔑ろになることの日本の政治文化への影響がどれほど大きなものになるかは、
現時点では予想することすら難しいです。

日本が少なくとも戦後、これまで失ったことがない何か大きなものを失うことだけは間違いない。
それが何であるかは大きすぎてわからないといったところが、多くの人の正直な感覚なのだろうと思います。

この法案には合憲性以外にも問題が多い。法案が通った場合、違憲訴訟も提起されるでしょうが、そうしている間にも法律の運用が始まれば、問題点が噴出する可能性があります。

 合憲性に疑義があることに加え、この法案は

1. 武力行使の行使基準が政府の「総合的な判断」などという抽象的なものに委ねられることにより、行政権限が無限に拡大してしまう恐れがあること、
2. その一方で政府が主張する抑止など日本にとってメリットをもたらす効果が期待できないこと、
3. そのような問題を抱えた法律が実際に施行・運用された結果、中国やテロリストがどのような対抗措置に出てくるか、あるいは行政府の暴走を誰も止められなくなる可能性を含め、その影響を事前に想定することが困難なこと、

の3点が 重大な問題と云えるでしょう。

 つまり、憲法違反の危険を冒してまで無理やり法案を強行可決し、法律が成立したとしても、政府が喧伝するような効果は期待できず、その一方で、日本は数々の大きなリスクを抱えることになってしまう のでしょう。


熟考の因に 読み物を 2本用意しました。


特集ワイド:世界連鎖株安・どうなるアベノミクス エコノミスト対談 上野泰也氏/熊野英生氏
毎日新聞 2015年09月08日 東京夕刊


 世界の株式市場で混乱が続いている。発端は中国経済の減速懸念。8月下旬には世界連鎖株安が起こり、日経平均株価は、6カ月ぶりに1万8000円を割り込んだ。「株価連動内閣」と言われる安倍晋三内閣が進めるアベノミクスの行方はどうなるのか。みずほ証券の上野泰也・チーフマーケットエコノミストと、第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストに聞いた。【まとめ・堀山明子】

 ◇問題根深い中国経済 日本は移民で人口増を みずほ証券・チーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏

 ◇低迷「終わりの始まり」 実験的特区で民間活性化へ 第一生命経済研究所・首席エコノミスト、熊野英生氏


 --株価の乱高下が続く現状をどう分析していますか。

 上野氏 株価は1回リバウンドした後、二番底をつけにいく様相です。今回の世界連鎖株安の要因は二つ。一つは、中国経済はかなり悪いのではという不安心理が、8月中旬の人民元切り下げを機に広がった。もう一つは、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを機に株価が下がるのではという不安です。

 熊野氏 中国発の株安がきっかけになり、世界経済の楽観論がはげ落ちました。「中国経済が悪い」という話は2013年前後から経済誌などで指摘されていました。それでも、14年末から上海市場の株価が急上昇していたことで、景気は大丈夫だと錯覚していた。もう一つの楽観論は、中国政府が上手に景気を管理していけるという「新常態」論への信頼。6月に上海株が急落した当初は「中国政府が人為的にブレーキを踏んだためで下げ止まりは近い」と信じていた人も、8月中旬の人民元切り下げや天津の大規模爆発があって楽観論を疑うように変わりました。

 --株価が持ち直す見通しはありますか。

 上野氏 今回の株安は、08年のリーマン・ショック後、世界経済は、本当はまだ回復していない証しです。リーマン・ショック後の各国の景気浮揚策は財政出動や金融政策に依存している。自転車に例えると「補助輪を外したら倒れかねない」という状態です。中国は、大規模な財政出動で不動産バブルが膨らみ、それが崩壊したのが今回の景気悪化。その反省から中国政府は景気対策は小規模にしかやらないと逃げている。株価上昇も失敗、人民元切り下げも引っ込め、景気回復の手はない。問題の根は深い。

 熊野氏 中国の株安は導火線に過ぎません。次の局面には米国の利上げが控えている。世界経済の低迷はこれから長く続く「終わりの始まり」ではないか。

 --中国経済の失速が日本経済に与える影響は?

 上野氏 中国の低迷はアジア諸国などに波及するので、短期的には日本のアジア向け輸出は減速する。また、日本で「爆買い」をしてきた中国の富裕層の購買意欲が落ちているのは確かでしょう。

 熊野氏 不動産市場での爆買いが減ると、せっかく回復した都心の不動産市況に下押し圧力が生じます。

 --公的年金資産を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」の資金が、株式市場に投入されているので、株安の影響が懸念されます。

 上野氏 国内の経済成長とリンクする持続的な株高は期待できない。ただ、日本企業は海外収益比率が高いので、海外収益を足場にした株高局面はあるでしょう。そもそも年金資金の運用を株主体で進めるのか、それとも低金利だが安全な国債で運用するのか。国民が選択すべきです。

 熊野氏 国民が被るリスクへの説明は不十分。年金と社会保障の立て直しは一蓮托生(いちれんたくしょう)のはずなのに、アベノミクスではそれが切り離されて、運用収益で収支の穴埋めをしようとしている。

 --アベノミクスの三本の矢(金融緩和、財政出動、成長戦略)の効果はどうですか。

 上野氏 個人的な見解ですが、限界がそろそろ見えたのではないか。株価を上げ、円安を加速させることまではうまくいったが、円安が続いても輸出数量は増えていない。賃上げは、雇用者所得全体は増えても1人当たりの所得は上がっていない。景気回復の実感は高額所得者らに限られています。報道各社の世論調査によると国民の7、8割は景気回復の実感がありません。1年、2年待てば景気回復を実感する人が増えるのかというと、否定的ですね。経済政策は手詰まりに近いのでは。

 熊野氏 2本の矢は筋が悪いと思っていたが、3本目に成長戦略があるから賛成してきました。しかし、3本目の矢がいつまでたっても始まらない。映画ならラストシーンに近いのに、まだ動き出さない。政府は予算編成時、各省庁に「成長戦略のアイデアを」と促すが、それは短距離走のような発想。しかも民間に任せて活力を引き出す発想から遠ざかり、成長戦略が国家主導の計画経済みたいになってきたことは大問題でしょう。

 --20年の東京五輪と、その後の日本経済の展望は?

 熊野氏 中国経済が長期停滞に陥れば、五輪前後にアジアの需要を取り込んで日本が成長するシナリオも描けません。中長期的な成長戦略をどう描くか--それが重要な問題。長期衰退を脱する戦略がなく景気対策を続ければ、財政再建は遠のくばかりです。

 上野氏 東京都の人口は、20年にピークを迎えます。東京五輪は最後のお祭りでしょう。その後は、東京といえども下り坂。五輪関連の公共事業も、収益性があるものを造らないと維持管理費がかかり、お荷物になるだけ。17年には消費再増税も予定されています。17年度はゼロ成長かマイナス成長になるのでは。

 --見通しは暗いかもしれませんが、成長戦略での提案をお聞かせください。

 熊野氏 民間企業が技術革新を試す実験的な特区を山ほどつくる。観光特区や医療特区、何でもいい。例えば、東京都千代田区を「ドローン」や「セグウェイ」、人工知能の自動運転車を実験できる特区にする。ドローンで日用品を高齢者宅に届けて、「買い物難民」を防止するのも一案だ。残念なことに、官邸への落下事件を機にドローン規制が敷かれようとしています。規制緩和に時間がかかるのに、規制強化がこれほど早いとは信じられません。

 上野氏 人口減少、少子高齢化の流れを止めて人口を増やさなければ、社会保障のバランスの改善は難しい。そのためには移民を段階的に受け入れ、若い労働力、社会保険料を払う人を増やしていく必要があります。人口動態の変化を直視した抜本改革をしない限り、高齢者が「社会保障に頼って大丈夫だ」と安心して金を使える社会になりません。人口増加を最優先にした政策が、中長期的な経済成長の核になるべきです。

 熊野氏 高齢者があえて低賃金で働く構造を変えないといけません。月収が一定額を超えると、年金支給が停止される在職老齢年金のルールは、高齢者が高い賃金を目指さなくなる点で問題。年金制度が高齢者の能力発揮を阻害しないように見直すべきです。年金支給に発想の転換が必要です。

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 ■人物略歴

 ◇うえの・やすなり

 1963年生まれ。86年に会計検査院に入庁。88年に富士銀行(現みずほ銀行)に入行。2000年から現職。著書に「トップエコノミストが教える金融の授業」など。

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 ■人物略歴

 ◇くまの・ひでお

 1967年生まれ。90年に日本銀行に入行し、調査統計局、情報サービス局に勤務。2000年に第一生命経済研究所入社。11年から現職。著書に「本当はどうなの?日本経済」など。


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毎日21世紀フォーラムから:第144回例会 最近の政治・外交について思うこと
毎日新聞 2015年09月07日 大阪夕刊


河野洋平
毎日21世紀フォーラム第144回例会で講演する河野洋平・元衆院議長=大阪市北区で2015年8月27日、森園道子撮影

 ◇中韓突き放した安倍談話 9条こそ「積極的平和主義」 元衆院議長・河野洋平氏

 異業種交流組織「毎日21世紀フォーラム」第144回例会が8月27日、大阪市北区のリーガロイヤルホテルであり、元衆院議長の河野洋平氏が「最近の政治・外交について思うこと」と題し約240人を前に講演した。河野氏は戦後70年の安倍晋三首相談話を「日中、日韓の関係改善のきっかけにはならないと言わざるを得ない」と批判。安全保障関連法案などを巡る政権の姿勢に「国民が納得しているように思えない」と懸念を示し、安保法案については「違憲だと思う」と語った。【まとめ・篠田直哉、撮影・森園道子】

 ◇中国は関係改善意欲

 中国から大変多くの観光客が日本に来ています。週に多くの飛行機が日中間に飛んで、乗っているのはほとんど中国人。土産をたくさん買って帰り、「日本製品の品質は大変いい」と評価が定まっています。しかし、日中間の政治面はいまだ本格的にうまくいっていません。大事なのは日中、日韓の隣接する二つの国との関係。もっと本当に友人として手を握り合って進めていく必要があると思います。

 私はこのところ中国を訪問していて、中国側は日本に対して「関係を改善していこう」という気になっている、と感じます。4月に日本国際貿易促進協会の経済訪中団の団長として50人くらいで中国に行きました。この数年、毎年訪中すると副首相クラスとの会談でしたが、今年は李克強首相でした。ナンバー2が日本の経済訪中団と会談するのは初めてで、習近平体制の大変な扱いを感じました。5月に二階俊博自民党総務会長が3000人の訪中団を引率して行った人民大会堂では、習近平主席が出てきてスピーチをしました。これも極めて異例です。7月に元外務次官の谷内正太郎NSC(国家安全保障会議)局長が訪中した時は国務委員の楊潔〓氏のみならず、李首相らとも会談し厚遇されました。この三つのことは中国の対日メッセージであり、関係改善の意欲を強く感じました。

 問題はそれに対して日本側がどうだったか。日本政府はよい反応をしていません。むしろ逆で、例えば防衛白書が出た際は自民の部会でガス田開発や南シナ海の軍備増強を書き込めと注文がつきました。また、安全保障関連法案を巡る国会の論議では参院に入って、しきりに中国からの危機を言い出し、しかも名指しでかなり言う。これは中国側の感情を逆なでするやりとりです。いずれも、中国側から見れば、まったく自分たちの考えているのとは違うのだなと、日中間がよくなると思っていたのに裏切られたような感じになっています。

 こうした日本に対し中国外務省のスポークスマンは抑制の利いた反応をしています。しかし、中国国内では相当我慢をしています。いつまで我慢できるか。

 私は、もともと「首相談話は戦後70年談話としては出す必要がない」と言ってきました。しかし、もし出すとしたら関係改善のきっかけになればいいと思っていましたが、結果として改善のきっかけにならなかった、と残念ながら言わざるを得ません。

 ◇日露戦争をなぜ引用

 安倍談話について、旧知の中国側の人に受け止めを聞くと、「大変努力されて作られた文章でしょうね」と気配りをしながら、「われわれにとっては納得できないところが多いです」という答えが多い。軍国主義の侵略に対する誠意を持ったおわびとは受け取っていない。確かに「戦争しない」と言うけれど、主語がはっきりしない。「心からの気持ちか?」「引用が多い」と中国の人も感じています。被害国へのおわびという面では村山談話よりも後退していると思っています。

 談話でなぜ日露戦争を引用したのでしょう。日露戦争は後の戦争の引きがねだったのに、勇気づけた、という言葉遣いをしています。「大連や旅順で戦争をやって、中国に迷惑をかけた」といった、歴史に向き合って心のこもった談話にすれば中国側のメッセージともかみ合ったと思うのに、とても残念です。ずれたために秋の安倍訪中はなくなりました。もちろん、重要な国会審議の途中では訪中をやるべきではありませんが、中国側は喜んで受け入れる状況ではないでしょう。

 日韓関係でも手がかりを失いました。安倍談話は韓国について冷たく、ほとんど触れていません。極めて扱いが軽い。(韓国を)重視していないことが出てきてしまいました。韓国側は残念ではないでしょうか。日韓関係はお互いが手をさしのべることができたのに、惜しいチャンスを逃しました。日中、日韓の外交で難しい状況が続かざるを得ないでしょう。

 5月の二階訪中団の際の習近平スピーチはよく考えたあいさつだと思います。「日中関係をつないで進めていくのは民間の力だ。いっしょに進んでいかないと」と、強調していました。中国国内の厳しい対日批判をおさえて、中国側にはあのあいさつよりも厳しくやってはいけないという思いがあるのではないか。と、すれば、少なくともきっかけは失ったけれども、民間の経済協力は進めていかないといけない。そして最終的には政治家同士トップがきちっと手をつなげないといけない。日本も腰を据えて日中、日韓関係を改善に進めてもらいたい。

 安倍談話で一番問題だったのは「先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と言ったくだりです。確かにかなり多くの人が「いつまで謝るのか」と思っているだろうし、その思いは私も多少は持っています。しかし、そこは考えどころです。

 この点は議論が分かれるだろうし日本のナショナリストたちが「これだけは言いたい」というせりふであったかもしれない。わびるということはなかなかつらい。実際、「何回ごめんなさいというのか」、という気持ちが日本人の中でたまってきています。しかし、現実に家族を殺された中国の人にそれを言えるのかというと、そうはいかない。実際に何百万人もの人が死んでいるのは事実。やられた方は忘れない。世代が代わって、孫の世代になって、「もういい」、と言うのは被害者側が言うべきせりふ。加害者だった日本のリーダーがああいう言い方をしましたが、加害者の側が「これで終わり」と言ったのでは、どんな説明をつけても被害者側に理解されないでしょう。

 (安倍首相が)被爆地広島でのスピーチで非核三原則に触れなかったことで「三原則を変える気があるのでは」と疑われてしまう状況。それは残念であるし、今は国民から「この人に任せておけば大丈夫」という信頼を得ないで、疑われながら政治をやっているような状況です。どうも、秘密保護法をめぐる論議や武器輸出三原則の緩和などの過程をみても、私は国民が納得しているとは思えない。揚げ句の果てが安全保障関連法案であって、歯止めがあると言うけれど、かつての軍事同盟の復活のようなものであってはいけません。「積極的平和主義」の言葉の響きはいいですが、その実態は軍事同盟の強化ですか?

 私は憲法9条を堅持して非核三原則や武器輸出三原則で頑張ってきたことこそが積極的平和主義と思っているのです。ODA(政府開発援助)予算がひと頃の半分になる一方で防衛費がどんどん増え続けるのが健全な姿なのでしょうか。今の自民党の中で、このくらいのことを、もっと言ってくれる人があってもいいのじゃないかと思います。

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 ◆質疑

 ◇安保法案「はっきり違憲」

質問 安全保障関連法案について、合憲か、違憲か。どう考えますか。

河野氏 私は、はっきり違憲だと思います。今まで歴代の政権が集団的自衛権の行使は違憲と言ってきた。それを改憲の手続きもなしに、憲法9条の精神を変えてしまうのは、絶対認められません。現行憲法の肝である9条を民意も確かめず、閣議決定だけで変えるのは到底、合憲ではありません。

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 ■ことば

 ◇村山談話

 戦後50年を迎えた1995年8月15日に政府が閣議決定した村山富市首相(当時)の談話。自民・社会・さきがけ3党連立の村山政権は「戦後処理内閣」を自任し、談話で「遠くない過去の一時期、国策を誤り、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」と明記した。日本の植民地支配と侵略を「疑うべくもないこの歴史の事実」と記して責任を明確化した。歴史認識をめぐる閣僚らの発言が繰り返し招いた近隣諸国の不信感をぬぐい去り、ぎくしゃくした外交関係を立て直す狙いがあった。

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 ■人物略歴

 ◇こうの・ようへい

 1937年神奈川県生まれ。早稲田大学政経学部を卒業後、丸紅飯田に入社。67年衆議院初当選。92年内閣官房長官、93年自民党総裁、94年副総理兼外務大臣、99年外務大臣などを歴任。2003~09年まで日本憲政史上最長の期間にわたって衆議院議長を務めた。


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経済財政諮問会議

民意の具現化について考えさせられた1編のご紹介。暑い時期の消夏に最適! 逆に火を注ぐかも?


読書日記: 政治を必ず変える民意の熱気 = 社会学者・上野千鶴子
毎日新聞 2015年08月11日 東京夕刊

 *7月14日~8月10日

 ■異議あり!新国立競技場 2020年オリンピックを市民の手に(森まゆみ編・2014年)岩波書店・562円

 ■復刊 あたらしい憲法のはなし(童話屋編集部編・2001年)童話屋・309円

 ■ドキュメンタリー映画「首相官邸の前で」(小熊英二企画、製作、監督・2015年)


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 「みなさん、あたらしい憲法ができました。……このあたらしい憲法をこしらえるために、たくさんの人々が、たいへん苦心をなさいました。……ところでみなさんは、憲法というものはどんなものかごぞんじですか。じぶんの身にかゝわりのないことのようにおもっている人はないでしょうか。もしそうならば、それは大きなまちがいです。」

 この高らかな宣言は、1947年に文部省(当時)が発行した中学1年用の社会科の教科書『あたらしい憲法のはなし』の冒頭である。復刻版が童話屋から2001年に刊行され、14年に14刷20万部超と版を重ねている。この教科書で憲法を学んだ世代は、いま80代。あたらしい憲法ができたときの興奮とよろこびを覚えているだろう。この教科書は1952年4月以降、使われなくなった。占領期の「逆コース」と共に、朝鮮戦争が始まり、日本が「反共の砦(とりで)」となったからであろう。

 日本国憲法は誕生してまもなくから逆風にさらされてきた。55年に自由党と民主党が合同して結党した自由民主党の党是は、当初から「憲法改正」。その正統を受け継ぐと自任する安倍総理は、結党以来の宿願の達成が自分の歴史的使命だと感じているようだ。

 あたらしい憲法は欠陥だらけ、それならと早くから「憲法改正」を唱えるひとたちは、ほかにもいた。はやくも49年に、丸山真男、鵜飼信成、辻清明、磯田進、中村哲らをメンバーとする公法研究会が「憲法改正意見」を提出している。そこには、のっけから「前文」の「日本国民」という言葉を「日本人民」と改めるとある。また「その権力を国民の代表者がこれを行使し」とあるのを「その権力を人民が行使し」と改めるとする。というのも、「国民の代表者」とは「間接民主主義を意味している。しかるに……民主主義の根本原則……はあくまで直接民主主義をいみする」からである。第1章第1条の「天皇」を廃し、「人民主権を宣言する章を設ける」べきである、とラディカルである。この「憲法改正意見」は、83年刊の武相民権運動百年記念実行委員会編『続憲法を考える 五日市憲法百年と戦後憲法』に収録されている。「五日市憲法」といえば、歴史学者色川大吉さんが発見し、最近では皇后陛下がごらんになって高く評価された「民権(人民主権)憲法」である。立憲主義のもとでは、憲法遵守(じゅんしゅ)義務を持つのは天皇以下、内閣、国会議員、公務員等であるが、今や違憲内閣、違憲国会を持つ日本では、天皇と皇后が最大の憲法遵守者かもしれない。

 多数派の専制が既成事実として積み重ねようとした決定を、民意が押し戻した例がある。新国立競技場案の白紙撤回である。森まゆみさんたちが『異議あり!新国立競技場』のキャンペーンを始めた頃、正直に言うがわたしは言ってもムダ、としらけた気分でいた。だが、おかしい、ヘンだ、と声を上げつづけた人たちの熱意がついに政治を変えた。

 歴史社会学者の小熊英二さんが、ドキュメンタリー映画『首相官邸の前で』を製作した(9月から公開)。3・11以後の脱原発運動の記録を、さまざまな人たちのブログやyoutubeから集めて編集したという、手法においても画期的な集合的プロジェクト。「デモで社会は変わりますか?」という問いに、柄谷行人さんは「デモのできる社会に変わる」と答えた。今夏の国会前の熱気は、その延長線上にある。官邸前の脱原発デモは最大時で20万人に達した。国会を20万から30万の人々が囲めば、政治は必ず変わる。


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 ■人物略歴

 ◇うえの・ちづこ

 東京大名誉教授、認定NPO法人「ウィメンズアクションネットワーク」理事長。「おひとりさまの老後」など著書多数。




第14回経済財政諮問会議 平成27年7月23日
(1)平成28年度概算要求基準について
(2)その他

第14回経済財政諮問会議 平成27年7月23日 会議資料
第14回経済財政諮問会議 平成27年7月23日 議事要旨


第13回経済財政諮問会議 平成27年7月22日
(1)「予算の全体像」と平成27年度の経済動向について
(2)平成28年度概算要求基準について
(3)今後の経済財政諮問会議の取組について

第13回経済財政諮問会議 平成27年7月22日 会議資料
第13回経済財政諮問会議 平成27年7月22日 議事要旨


第12回経済財政諮問会議 平成27年7月16日
(1)金融政策、物価等に関する集中審議(第3回)
(2)「予算の全体像」について
(3)今後の経済財政諮問会議の取組について

第12回経済財政諮問会議 平成27年7月16日 会議資料
第12回経済財政諮問会議 平成27年7月16日 議事要旨


第11回経済財政諮問会議 第23回産業競争力会議 (合同会議) 平成27年6月30日
(1)「経済財政運営と改革の基本方針2015」(案)について
(2)『日本再興戦略』改訂2015」(案)について

第11回経済財政諮問会議 第23回産業競争力会議 (合同会議) 平成27年6月30日 会議資料
第11回経済財政諮問会議 第23回産業競争力会議(合同会議)平成27年6月30日 議事要旨


第13回および第14回の経済財政諮問会議議事要旨 については 公開次第 アップ。

ここで 注目すべき読み物 をひとつご紹介します。


時代の風:曲がり角のアベノミクス=京都大教授・中西寛
毎日新聞 2015年07月12日 東京朝刊

 ◇根拠なき楽観、信用失う 中西寛(ひろし)

 第2次安倍政権の経済政策、いわゆるアベノミクスが始まって2年余りが過ぎた。黒田東彦日銀総裁は2年前の就任時に2年程度でのインフレ率2%達成を目標に掲げ、先月末には経済財政に関する「骨太の方針」が決定されたことから、アベノミクスについての政策評価をしてもよい頃だろう。

 よく使われる「手術は成功したが、患者は死んだ」という言い回しになぞらえると、アベノミクスの現状は「手術は成功していないが、患者は元気になった」と表現できるのではないだろうか。景気に関する経済指標はおおむね改善し、良好なものが多い。日経平均株価は2万円台に乗り、為替も1ドル=120円台で安定している。企業の景況感に関する調査もゆるやかではあるが景気の拡大を示している。雇用状況は改善し、賃金も小規模ながら上昇している。

 しかしアベノミクスが当初掲げていた政策目標は、現状とかなりのずれを生じている。日銀の「異次元の金融緩和」はインフレ目標を提示して、人々のデフレ心理を打破し、インフレ期待を生じさせることを目標に掲げた。しかし昨年4月の消費税増税以降は消費が低迷し、インフレ率は上昇していない。更に「想定外」の原油価格の下落を理由に昨秋には日銀は追加緩和を行った。

 問題は二つある。一つは想定外とされた原油価格の下落は歴史的にみるとそれほど極端でなく、過去20年ほどの変動の範囲に収まっていることである。原油価格の下落が日本の物価にそれほど影響を与えるなら、原油価格上昇時にインフレになっていてもおかしくなかった。今回の下落が異次元の金融緩和の効果を打ち消すほどであったなら、金融緩和の効果はそもそも大きなものではないことを意味しうる。

 第二に、現在の良好な景気は物価の落ち着きの結果であるかもしれない点である。つまり、インフレ目標が実現していないことが堅調な消費につながっているのであり、インフレ率の上昇は消費低下から景気後退へと至る可能性があるということである。

 財政政策についても、今回の「骨太の方針」では基礎的財政収支(国債に関する収支を除いた収支)の2020年での黒字化を達成する目標を堅持するとしながら、その実現を数字によって裏付けていない。内閣府が行った試算では順調な経済成長が実現する経済再生シナリオの場合でも、9・4兆円の赤字が残ることが示されており、その分は支出削減によらなければならないのだが、具体的にどの費目の支出減が行われるかは示されていないのである。

 そもそも、前提となる「経済再生」シナリオが楽観的すぎるという批判も強い。確かに年2%以上の実質成長率が持続するシナリオは過去の実績からすると甘めだろう。しかしそれ以上に気になるのは、世界経済の見通しにほとんど言及がなく、良好に推移することを与件としている点である。先述のように原油価格の下落を理由に追加緩和を行ったことからしても、世界経済の変動を無視して経済見通しを立てていることは理解できない。

 実際、過去30年間は、繰り返し大きな金融ショックが生じてきたことに注意すべきである。ブラックマンデー、アジア通貨危機、リーマン・ショックなど約10年ごとに大きな金融ショックが生じてきた。今また、ギリシャ情勢や中国の株式市場の下落が生じている。今回の状況がどの程度の影響を持つかどうかは分からないが、世界が未曽有の金融緩和を行っている状況を踏まえれば、5年間のうちには一定規模の金融ショックが起きる可能性を見込んでおく方が無難だろう。

 もちろん日本経済に対するマイナス要因は金融ショックに限らない。安倍政権は日本を取り巻く安全保障環境の変化を理由として一連の安保法案を提出している。安倍晋三首相自身が、日本人の命と暮らしを守るためには、万一の場合に備えることの必要性を説いているのである。そうした「万一への備え」を説く立場と、財政に関する楽観シナリオとの間に整合性はあるのだろうか。

 明るい見通しを示して国民を励ますのは指導者の役割の一つだろう。しかし根拠薄弱な楽観論では、裸の王様として信用を失うことになりかねない。






経済財政諮問会議
(更新 2015.06.26  本年5月末更新以降、経済財政諮問会議は3本目の矢をめぐって、3回開催されました。安保論議を聞くにつけこの国はどこへ行こうとしているのか?との 強い疑念は、95日間の国会会期延長の仕儀から更に深まりました。ともすれば 喧しい安保論議の裏面に隠れがちのアベノミクス下の行財政のあゆみをフォローするのも、無意味ではないと思いました。 )

第10回経済財政諮問会議 平成27年6月22日
(1)骨太方針策定に向けて

第10回経済財政諮問会議平成27年6月22日 会議資料
第10回経済財政諮問会議平成27年6月22日 議事要旨



第9回経済財政諮問会議 平成27年6月10日
(1)東日本大震災からの復興
(2)経済再生と両立する財政健全化計画策定に向けて(社会資本整備2)
(3)経済再生と両立する財政健全化計画策定に向けて(社会保障2)
(4)骨太方針策定に向けて

第9回経済財政諮問会議平成27年6月10日 会議資料
第9回経済財政諮問会議 平成27年6月10日 議事要旨


第8回経済財政諮問会議 平成27年6月1日
(1)地方創生・女性活躍
(2)経済再生と両立する財政健全化計画策定に向けて(計画フレーム)
(3)経済再生と両立する財政健全化計画策定に向けて(地方財政・予算制度・歳入)

第8回経済財政諮問会議平成27年6月1日 会議資料
第8回経済財政諮問会議平成27年6月1日 議事要旨



詳細は上掲の会議資料リンクを参照願うとして、その新聞報道の要約を以下に便宜 掲載することとしました。


骨太の方針:歳出増3年1.6兆円に抑制 成長重視
毎日新聞 2015年06月23日 01時52分

 政府は22日、経済財政諮問会議と産業競争力会議(ともに議長・安倍晋三首相)を開き、経済財政運営の指針「骨太の方針」と成長戦略改訂版の素案を示した。骨太の素案では、2020年度までの財政健全化計画として、健全化の指標である国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の赤字を18年度に国内総生産(GDP)比1%程度に縮小する中間目標に加え、社会保障費など一般歳出の伸びを今後3年で1.6兆円に抑える歳出抑制の「目安」も記した。計画は高い経済成長の持続が前提だが、新たな成長戦略は成長を底上げするための大胆な改革は盛り込まれず、財政健全化の実効性が課題となる。


 安倍首相は諮問会議で、「財政に対する国の信認を確保するため、20年度の財政健全化目標を堅持する。そのための計画だ」と財政再建への意欲を強調した。

 政府は20年度に、国と地方が政策に使うお金を新たな借金に頼らずに賄えるかを示すPBを黒字化する目標を掲げている。しかし内閣府の試算では、名目3%、実質2%程度の高成長が続いても、20年度に9.4兆円(GDP比1.6%)の赤字が残る。

 このため、計画では9.4兆円の赤字解消に向け、GDP比の赤字を15年度の3.3%から18年度に1%程度へ縮小する中間目標を設定。18年度までを「集中改革期間」と位置づけ、医療費の抑制などで成果を上げた自治体への優遇策などを進める。18年度に計画の進捗(しんちょく)状況を点検し、必要に応じて追加措置をとる。

 自民党の一部や財務省が求めていた歳出額の目標については、安倍政権が15年度予算までの3年で一般歳出の伸びを1.6兆円、うち社会保障費の伸びを1.5兆円に抑制した実績を踏まえ、歳出抑制の目安として「その基調を18年度まで継続する」とした。ただ、歳出総額の目標は設定せず、経済・物価動向に応じて柔軟に財政出動を行う方針も明記。成長戦略によって「新たな歳入増を実現」する方針も掲げ、全体として成長頼みの色合いが濃くなった。

 成長戦略「日本再興戦略」の改訂版の素案は、人口減少が進む中で成長力を底上げするため、人材育成の強化や女性、高齢者の活躍推進、情報技術(IT)の活用を柱に据えた。実践的な職業訓練を行う「新たな高等教育機関」を創設したり、保育園に入れない待機児童を解消するため、国家戦略特区で保育士試験を年2回に増やしたりする。国民一人一人に番号を割り振るマイナンバーの利用範囲を将来的にクレジットカードなどへ拡大することも掲げた。【横田恵美】


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骨太の方針:素案 歳出抑制、骨抜き懸念 与党内対立、「幅がある」目安に
毎日新聞 2015年06月23日 東京朝刊


 経済財政運営の指針「骨太の方針」素案は、歳出の伸びを向こう3年で計1・6兆円に抑える方針を、歳出抑制の「目安」として盛り込んだ。歳出削減の具体的な目標値を設けるかで、甘利明経済再生担当相と自民党の稲田朋美政調会長が綱引きを演じた結果、目標より「幅がある」(内閣府幹部)表現で落ち着いた。

 「双方の顔が立つ落としどころだ」。稲田氏が委員長を務める党財政再建特命委員会の幹部は22日、ほっとした表情を浮かべた。

 甘利氏と稲田氏は当初、消費税率10%への再増税を先送りする中、財政に対する市場の信認をつなぎ留めつつ、予算編成の自由度を維持する方策を探り合う考えを共有していた。しかし、財政再建論議が本格化した5月以降、両者の認識の違いが表面化。甘利氏が所管する経済財政諮問会議が、税収増を通じた財政再建の姿勢を鮮明にすると、稲田氏は「(経済成長頼みの)雨ごい」に例えて痛烈に批判した。ある党幹部は「甘利氏は来年の参院選も見据え、痛みの先送りに腐心した。稲田氏は、その場しのぎの政策が頓挫すれば、首相の足を引っ張りかねないと懸念した」と解説する。

 対立の構図が明確になる中、財務省が稲田氏に近づいた。安倍政権が最近3年間で、社会保障費の伸びを1・5兆円(消費増税に対応した社会保障の充実分を除く)に抑え、政策経費全体でも1・6兆円の伸びにとどめた実績を、歳出削減の「目標」に使う案を提案。実績を強調することで、痛みの感覚を薄められる。特命委は、歳出額目標の設定を求めた財政再建の提言に、この考えを取り込んだ。

 しかし、これには甘利氏が反発。稲田氏が16日に首相に提言を提出した際は同席を拒否した。

 ギリギリの調整を続けた結果、数字は盛り込む代わりに、「目安」とすることで妥協が成立。経済・物価次第で弾力的に対応することも明記し、高成長が実現したり、物価が上昇したりすれば、目安を超えた歳出増に道を残す内容とした。

 ただ、「目安」をどう位置づけるかで、政府・与党内には認識の差がある。財政当局は歳出抑制の仕掛けとする構えだが、甘利氏は22日の記者会見で、1・6兆円は目標でないとの認識を示し、「(素案は)私の主張そのものだ」と強調した。自民党からは、骨太素案の社会保障改革に対し、「検討だけして採用しなければ良い」(厚生労働相経験者)との本音も漏れ、「目安」が骨抜きになる懸念も出ている。【宮島寛、中島和哉】

 ◇痛み伴う改革は先送り

 骨太方針の素案には、一定の歳出削減策も盛り込まれたが、公共部門への民間企業の参入を促して効率化を図るといった制度改革が柱。高所得者の年金削減など“痛み”を伴う社会保障改革は切り込み不足だった。

 素案は、一律の歳出削減を押しつけるのではなく、歳出を抑えた自治体などが有利になる仕組みを重視。社会保障費を抑制した自治体の地方交付税を優遇するほか、上下水道や予防医療など公共部門への民間企業参入も進めるとした。しかし、こうした制度改革でどれだけ歳出を削減できるかは明示していない。

 医療費の削減に向け、安価な後発医薬品(ジェネリック)のシェアを2018~20年度の早期に80%以上にする目標は掲げたが、その他の具体策は乏しい。

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は、75歳以上の医療費の窓口負担割合を1割から2割に引き上げることや、高所得者の基礎年金の減額などを提言していたが、こうした痛みを伴う改革は「検討する」との表現にとどめ、具体的な数値目標や導入時期への言及は避けた。

 みずほ総合研究所の風間春香主任エコノミストの試算によると、検討されている社会保障分野の歳出抑制策がすべて実行されたとしても、歳出削減効果は5兆~6兆円。しかし、内閣府の試算では、名目3%、実質2%の高い経済成長が続いても、財政健全化の指標である基礎的財政収支(PB)は20年度に9・4兆円の赤字が残る。

 PBの黒字化には一段の税収増が必要だが、試算の前提となる高成長の持続にすら「実現困難」(アナリスト)との見方が大勢だ。歳出抑制も、過去には国民の不満を恐れて断念した改革が多い。歳出改革の実効性や高成長の実現といった課題への抜本的な対処は、中間目標を検証する18年度に先送りされた形だ。【柳原美砂子】

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 ◇「骨太の方針2015」素案のポイント

<日本経済>

・デフレ脱却と財政健全化は大きく前進

<重点課題>

・規制改革、農林水産業の成長産業化、TPP早期妥結、IT・ロボットによる産業構造の改革などの推進

・女性活躍、教育再生などを通じた人材育成の強化

・2020年東京五輪・パラリンピックに向けた取り組み

・意欲のある地域への助成などを通じた地方創生、官民が連携し防災と地域活性化を両立する公共事業の推進

<経済・財政再生計画(仮称)>

・「経済再生なくして財政健全化なし」を基本方針とし、20年度の基礎的財政収支(PB)黒字化を実現

・18年度のPB赤字のGDP比は1%程度を目安とする。一般歳出の総額は直近3年間の実質的な増加分1.6兆円程度を目安に基調を継続

・社会保障費の伸びを高齢化に伴う自然増の水準(直近3年間で1.5兆円程度)に収める


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日本再興戦略:成長戦略を改訂・要旨
毎日新聞 2015年06月22日 22時58分

 政府は22日、成長戦略「日本再興戦略」改訂版と経済財政運営の指針「骨太の方針」の素案を提示した。

成長戦略素案の要旨は次の通り。

 ▽民間投資を促すため、政府と民間の目指す方向性を共有する「官民対話」を開始し企業の大胆な経営判断を後押し。

 ▽中高年の転職や出向を受け入れる企業への助成制度を創設。女性活躍推進へ支援拡充。非正規労働者の「正社員転換・雇用管理改善プロジェクト」(仮称)を策定。

 ▽男性の育児参加へ配偶者の出産直後の休暇取得率を2020年に80%に。13~17年度を通じて約40万人分の保育の受け皿を整備。

 ▽情報通信業に従事する外国人を20年に6万人へ倍増。

 ▽解雇無効の判決が出た場合に職場復帰でなく金銭で決着する「解決金制度」は有識者らで議論し、結論を得る。

 ▽サイバー犯罪対策を強化し政府の監視対象に独立行政法人や特殊法人を追加。企業の取り組みの第三者評価を促進。

 ▽400床以上の病院の電子カルテ普及率を20年度までに90%へ。

 ▽マイナンバー制度で17年度以降、個人番号カードをキャッシュカードやクレジットカードとして利用できるよう検討。18年をめどに自分の特定健診データを電子情報で把握可能にする。診療情報を収集し利活用。

 ▽外国人患者の受け入れに熱心な医療機関を「日本国際病院」(仮称)として海外に発信。

 ▽ロボット技術の開発を促進。

 ▽訪日外国人旅行者を早期に2000万人とし日本での消費額を年4兆円に。40万人の雇用創出。

 ▽地方の免税店を20年に約3倍の2万店に。質の高い地場のサービス・商品を選定しブランドマークを付与。

 ▽20年までに鉄道・バスのIC乗車券を全都道府県で導入する。

 ▽農林水産物・食品輸出額を20年に1兆円へ伸ばす目標達成時期の前倒しを目指す。

 ▽耕作放棄地の課税強化を本年度に検討。

 ▽国際空港近くの卸売市場で輸出手続きが1カ所でできる仕組みを導入しモデル地区に。

 ▽飼料用米は25年度に生産性を2倍に向上。

 ▽セルフ式の水素ステーションが可能になるよう規制を緩和。

 ▽再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度は見直しを検討。

 ▽安全が確認された原発は再稼働を進める。電力・ガスシステム改革で料金を最大限抑制。





経済財政諮問会議
(更新 2015.05.30  本年2月末更新以降、経済財政諮問会議は3本目の矢をめぐって、5回開催されました。この国はどこへ行こうとしているのか?との 強い疑念から、 安保法制の国会審議の最中、ここで、我が国のアベノミクス下の行財政のあゆみをフォローしておきたいと思いました。 )

第7回経済財政諮問会議平成27年5月26日
(1)経済再生と両立する財政健全化計画策定に向けて(文教・科学技術)
(2)経済再生と両立する財政健全化計画策定に向けて(社会保障)
(3)経済再生の実現に向けて

第7回経済財政諮問会議平成27年5月26日 会議資料
第7回経済財政諮問会議平成27年5月26日 議事要旨



第6回経済財政諮問会議平成27年5月19日
(1)経済再生と両立する財政健全化計画の策定に向けた論点整理・各論
(2)経済再生と両立する財政健全化計画策定に向けて(社会資本整備)
(3)国土形成計画について

第6回経済財政諮問会議平成27年5月19日 会議資料
第6回経済財政諮問会議平成27年5月19日 議事要旨



第5回経済財政諮問会議平成27年5月12日
(1)金融政策、物価等に関する集中審議(第2回)
(2)経済再生と両立する財政健全化計画の策定に向けた論点整理・総論

第5回経済財政諮問会議平成27年5月12日 会議資料
第5回経済財政諮問会議平成27年5月12日 議事要旨


第4回経済財政諮問会議平成27年4月16日
(1)経済の好循環実現(賃金・雇用)に向けて
(2)経済再生・財政健全化に向けたインセンティブ改革等について

第4回経済財政諮問会議平成27年4月16日 会議資料
第4回経済財政諮問会議平成27年4月16日 議事要旨


第3回経済財政諮問会議 平成27年3月11日
(1)3年目の経済好循環の拡大に向けて
(2)対日直接投資の動向について

第3回経済財政諮問会議 平成27年3月11日 会議資料
第3回経済財政諮問会議 平成27年3月11日 議事要旨




以下に 安保法制国会審議前の 平成27年5月14日 安倍内閣総理大臣記者会見の詳報を 紹介します。

【安倍総理冒頭発言】

 70年前、私たち日本人は一つの誓いを立てました。もう二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。この不戦の誓いを将来にわたって守り続けていく。そして、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この決意の下、本日、日本と世界の平和と安全を確かなものとするための平和安全法制を閣議決定いたしました。
 もはや一国のみで、どの国も自国の安全を守ることはできない時代であります。この2年、アルジェリア、シリア、そしてチュニジアで日本人がテロの犠牲となりました。北朝鮮の数百発もの弾道ミサイルは日本の大半を射程に入れています。そのミサイルに搭載できる核兵器の開発も深刻さを増しています。我が国に近づいてくる国籍不明の航空機に対する自衛隊機の緊急発進、いわゆるスクランブルの回数は、10年前と比べて実に7倍に増えています。これが現実です。そして、私たちはこの厳しい現実から目を背けることはできません。
 ですから、私は、近隣諸国との対話を通じた外交努力を重視しています。総理就任以来、地球儀を俯瞰する視点で積極的な外交を展開してまいりました。いかなる紛争も、武力や威嚇ではなく国際法に基づいて平和的に解決すべきである。この原則を私は国際社会で繰り返し主張し、多くの国々から賛同を得てきました。外交を通じて平和を守る。今後も積極的な平和外交を展開してまいります。
 同時に、万が一への備えも怠ってはなりません。そのため、我が国の安全保障の基軸である日米同盟の強化に努めてまいりました。先般のアメリカ訪問によって日米のきずなはかつてないほどに強くなっています。日本が攻撃を受ければ、米軍は日本を防衛するために力を尽くしてくれます。そして、安保条約の義務を全うするため、日本近海で適時適切に警戒監視の任務に当たっています。
 私たちのためその任務に当たる米軍が攻撃を受けても、私たちは日本自身への攻撃がなければ何もできない、何もしない。これがこれまでの日本の立場でありました。本当にこれでよいのでしょうか。
 日本近海において米軍が攻撃される、そういった状況では、私たちにも危険が及びかねない。人ごとではなく、まさに私たち自身の危機であります。私たちの命や平和な暮らしが明白な危険にさらされている。そして、その危機を排除するために他に適当な手段がない。なおかつ必要最小限の範囲を超えてはならない。この3つの要件による厳格な歯止めを法律案の中にしっかりと定めました。さらに、国会の承認が必要となることは言うまでもありません。極めて限定的に集団的自衛権を行使できることといたしました。
 それでもなお、アメリカの戦争に巻き込まれるのではないか。漠然とした不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。その不安をお持ちの方にここではっきりと申し上げます。そのようなことは絶対にあり得ません。新たな日米合意の中にもはっきりと書き込んでいます。日本が武力を行使するのは日本国民を守るため。これは日本とアメリカの共通認識であります。
 もし日本が危険にさらされたときには、日米同盟は完全に機能する。そのことを世界に発信することによって、抑止力は更に高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていくと考えます。
 ですから、戦争法案などといった無責任なレッテル貼りは全くの誤りであります。あくまで日本人の命と平和な暮らしを守るため、そのためにあらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行うのが今回の法案です。
 海外派兵が一般に許されないという従来からの原則も変わりません。自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、今後とも決してない。そのことも明確にしておきたいと思います。
 他方、海外において、自衛隊は原油輸送の大動脈、ペルシャ湾の機雷掃海を皮切りに、これまで20年以上にわたり国際協力活動に従事してきました。今も灼熱のアフリカにあって、独立したばかりの南スーダンを応援しています。そこでは日本がかつて復興を支援したカンボジアが共にPKOに参加しています。
 病院を運営するカンボジア隊の隊長が現地の自衛隊員にこう語ってくれたそうであります。国連PKOでの日本の活躍は、母国カンボジアの人々の記憶に今も鮮明に残っている。この病院も本当は誰よりも日本人に使ってほしい。私たちは日本人のためならば24時間いつでも診療する用意がある。
 これまでの自衛隊の活動は間違いなく世界の平和に貢献しています。そして、大いに感謝されています。延べ5万人を超える隊員たちの献身的な努力に私は心から敬意を表したいと思います。
 そして、こうした素晴らしい実績と経験の上に、今回PKO協力法を改正し、新たに国際平和支援法を整備することといたしました。これにより、国際貢献の幅を一層広げてまいります。我が国の平和と安全に資する活動を行う、米軍を始めとする外国の軍隊を後方支援するための法改正も行います。しかし、いずれの活動においても武力の行使は決して行いません。そのことを明確に申し上げます。
 これらは、いずれも集団的自衛権とは関係のない活動であります。あくまでも紛争予防、人道復興支援、燃料や食料の補給など、我が国が得意とする分野で国際社会と手を携えてまいります。
 我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態にとどまることなく、日本は積極的平和主義の旗を高く掲げ、世界の平和と安定にこれまで以上に貢献していく決意であります。
 戦後日本は、平和国家としての道を真っすぐに歩んでまいりました。世界でも高く評価されている。これまでの歩みに私たちは胸を張るべきです。しかし、それは、平和、平和とただ言葉を唱えるだけで実現したものではありません。自衛隊の創設、日米安保条約の改定、国際平和協力活動への参加、時代の変化に対応して、平和への願いを行動へと移してきた先人たちの努力の結果であると、私はそう確信しています。
 行動を起こせば批判が伴います。安保条約を改定したときにも、また、PKO協力法を制定したときにも、必ずと言っていいほど、戦争に巻き込まれるといった批判が噴出しました。
 しかし、そうした批判が全く的外れなものであったことは、これまでの歴史が証明しています。私たちは、先の大戦の深い反省とともに、70年もの間、不戦の誓いをひたすらに守ってきました。そして、これからも私たち日本人の誰一人として戦争など望んでいない。そのことに疑いの余地はありません。
 私たちは、自信を持つべきです。時代の変化から目を背け、立ち止まるのはやめましょう。子供たちに平和な日本を引き継ぐため、自信を持って前に進もうではありませんか。日本と世界の平和のために、私はその先頭に立って、国民の皆様と共に新たな時代を切り拓いていく覚悟であります。
 私からは、以上であります。


【質疑応答】
(内閣広報官)
 それでは、皆様からの御質問をお受けいたします。
 質問をされたい方は、挙手をお願いいたします。私が指名いたしますので、所属とお名前を明らかにされた上で質問をお願いいたします。
 初めに、幹事社からいただきます。どうぞ。

(記者)
 幹事社の朝日新聞の円満と申します。
 御質問させていただきます。
 閣議決定された安全保障関連法案ですけれども、報道各社の世論調査では、賛否が分かれて、慎重論は根強くあると思います。
 また、野党からは、集団的自衛権の行使をすることについての反対に加えて、先の訪米で総理が議会で演説された「夏までに実現する」という表明についても、反発の声が出ております。
 総理はこうした声にどうお答えしていく考えでしょうか。例えば今後の国会審議で法案の修正の選択肢はあるのでしょうか。

(安倍総理)
 先ほど申し上げましたように、国民の命と平和な暮らしを守ることは、政府の最も重要な責務であります。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、国民の命と平和な暮らしを守るために、あらゆる事態を想定し、切れ目のない備えを行う平和安全法制の整備は不可欠である、そう確信しています。
 例えば、海外で紛争が発生しそこから逃れようとする日本人を、同盟国であり能力を有する米国が救助し我が国へ移送しようとしているとき、日本近海で攻撃を受けるかもしれない。このような場合でも、日本自身が攻撃を受けていなければ、救出することはできません。この船を守ることはできないわけでありまして、国民の命と平和な暮らしを守り抜く上で、十分な法制となっていないのが現状であります。
 当然、先ほど申し上げましたように、国民の命と幸せな暮らしを守る、それが最も重要な責務である以上、その責務をしっかりと果していくために、この法改正は必要である。
 もちろんそんなことが起こらなければいいわけでありますが、そうしたときに備えをしていく。これは私たちの大きな責任だろうと思います。
 こうしたことをしっかりとわかりやすく丁寧に、そのためにこそ必要な法整備であるということを、これから審議を通じて説明をしていきたいと思います。
 また、先般の米国の上下両院の合同会議の演説において、「平和安全法制の成立をこの夏までに」ということを申し上げました。
 しかし、これは平成24年の総選挙以来、私は総裁として、また我が党として、この平和安全法制を整備していくことを公約として掲げています。一貫して我々は公約として掲げてきたということであります。
 特に、先の総選挙においては、昨年7月1日の閣議決定に基づいて、平和安全法制を速やかに整備することを明確に公約として掲げ、国民の審判を受けました。
 ですから、選挙で全く公約もせず何も述べずにいきなり何かを政策として政権をとって実行するということとは全く違うということは、御理解いただけるのではないかと思います。
 3回の選挙戦で私たちはお約束をしてきて、そして昨年の7月1日の閣議決定を受けて、そして総選挙において速やかに法整備を行うと言いました。そして、12月24日総選挙の結果を受けて発足した第3次安倍内閣の組閣に当たっての記者会見において、皆様も覚えておられると思いますが、平和安全法制は通常国会において成立を図る旨、はっきりと申し上げております。国民の皆様にはっきりと申し上げたはずであります。
 さらに、本年2月の衆議院の本会議において質問をされまして、その質問に対しまして二度にわたり、この国会において、本国会において成立を図るということを申し上げているわけでございますから、当然これは今まで申し上げてきたことを、米国議会における演説で更に繰り返し述べたということでございます。
 そこで、私どもが提出をするこの法案につきましては、与党において25回にわたって協議をしたものであります。それまで長きにわたって有識者の皆様に御議論をいただいたものでございますから、私たちとしてはベストなものであるとこう考えております。しかし、国会審議はこれからでありまして、国会にかかわる事項、事がらにつきましては、政府として申し上げることは差し控えたいとこのように思いますが、政府としては、国会審議を通じて、この平和安全法制が必要だということを各議員の皆様に御理解をいただくべく、努力をしていきたいとこう思っております。

(内閣広報官)
 それでは、幹事社の方、もう一社、どうぞ。

(記者)
 テレビ朝日の足立と申します。
 総理は、今もありましたけれども、今国会中の法案成立を目指しておられますが、成立後、直ちに自衛隊の参加を検討している活動は具体的に念頭にあるのでしょうか。
 例えばで例を挙げさせていただきますと、世界各地のPKOで、法改正に基づいた活動の拡大を行うことは考えておられるのか。また、アメリカが南シナ海で中国が基地の建設を一方的に進めている島、ここの周辺に艦船や偵察機の派遣を検討していますけれども、この活動を日米共同で行うようなことは考えておられるのでしょうか。
 もう一つ具体例なのですが、ISIL、イスラム国の掃討作戦がアメリカを含む有志連合によって行われていますが、これの後方支援を行うようなことは考えておられるのでしょうか。よろしくお願いします。

(安倍総理)
 先ほど説明いたしましたように、今回の法案については、例えば紛争があった国から逃れてくる日本人、その日本人を米艦が運んでいる。その艦艇が攻撃を受けても、その艦艇を日本は守ることができない。これを変えていくものでもあります。
 そして、現在の安全保障状況というのは、テロにしろそして核やミサイルにしろ、国境を容易に超えてくるわけでありまして、もはや一国のみで自国を守ることができないそういう時代であります。その中において、国際社会そして同盟国の米国と協力をしながら日本自身、そして地域の平和と安定を守るのは、当然これは日本人の命と平和な暮らしを守っていくことにつながっていくと、こう確信をしています。
 PKO活動におきましても、万が一ともに活動している他国の部隊が襲われて救助を頼まれたときに、今まではその救助の要請に応えることができなかったり、あるいは日本人を輸送しに派遣された自衛隊が、万が一その救出・輸送しようとする対象の日本人がテロリストに襲われようとしているときにも、全く救出することができない。そうしたことを変えていく法案であります。
 正にそういう意味におきまして、日本人の命や平和な暮らしを守るための法案でありまして、そうしたことが起こったときのために備えていくものであって、この法案が整備されたからどこに行くかというものではないということは、まず申し上げておきたいと思います。
 例えば、今例として挙げられましたPKOです。PKOについては、必要な活動をより効率的に行うことができるようにする。例えばPKO活動を自衛隊がしていて、近傍にNGOの方々がいて、そのNGOの方々は日本人である可能性も高いのですが、そういう方々からいわば救出を要請された場合にも、救出活動ができるということになってくるわけであります。いわば機能が、日本人の命やあるいはPKO活動として役割を果たす上において、向上していくものなのだということを御理解いただきたい。新たな活動を広げていくという、新たな拡大を行っていくということではない。よりこれは確かなもの、日本人の命を例えば守っていく上においては確かなものとなっていくものであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 例えば南シナ海における件におきましては、これは全く私も承知しておりませんので、コメントのしようがないわけであります。
 そしてまた、例えばISILに関しましては、我々がここで後方支援をするということはありません。これははっきり申し上げておきたいと思います。今まで行っている難民や避難民に対する食料支援や医療支援等、大変いま感謝されています。こうした非軍事的な活動を引き続き行っていくことになるのだろうと、このように思います。

(内閣広報官)
 それでは、幹事社以外の皆様からの質問をお受けしますので、御希望の方は挙手をお願いいたします。
 では、西垣さん。

(記者)
 フジテレビの西垣と申します。お疲れさまです。
 この機会なので、まだ、これから法制が始まる、国民の不安、懸念などについて説明を伺いたいと思います。
 先ほど、総理は、戦後日本が平和国家の道を歩む、そういうことに胸を張るというお話と、自衛隊の方々の活動の平和に貢献というのがありました。
 これまで、自衛隊発足後、紛争に巻き込まれて自衛隊の方が亡くなるようなことはなく、また、戦闘で実弾を使ったりすることがないことが、日本人の国内の支持であったり、国際的な支持というのも日本の平和にあったかと思います。
 今回、その平和安全法制が成立した暁に、こういった自衛隊の活動が重要事態に行くとか、あとは任務遂行型の武器使用になるとかいうことで、すごく危険だとか、リスクな方に振れるのではないかというような懸念があるかと思われるのですけれども、そういったことに対する総理の御説明をお願いいたします。

(安倍総理)
 先ほど申し上げましたように、例えばPKOについて、駆けつけ警護ができるということは、近傍で活動している地域の、例えば子供たちの健康のために、医療活動のために従事している日本のNGOの人たちがいて、その人たちに危険が迫って、自衛隊員の皆さんに救援に来てもらいたいと頼まれて、しっかりとした装備をしている自衛隊員の皆さんが救助に行けなくていいのでしょうか。そういう訓練をしている、まさに自衛隊員の皆さんは、日ごろから日本人の命、幸せな暮らしを守る、この任務のために苦しい訓練も積んでいるわけであります。まさにそういう任務をしっかりと、これからも同じように果たしていくものだということであります。
 そして、今までも自衛隊の皆さんは危険な任務を担ってきているのです。まるで自衛隊員の方々が、今まで殉職した方がおられないかのような思いを持っておられる方がいらっしゃるかもしれませんが、自衛隊発足以来、今までにも1,800名の自衛隊員の方々が、様々な任務等で殉職をされておられます。私も総理として慰霊祭に出席をし、御遺族の皆様ともお目にかかっております。こうした殉職者が全く出ない状況を何とか実現したいと思いますし、一人でも少ないほうがいいと思いますが、災害においても危険な任務が伴うのだということは、もっと理解をしていただきたいと、このように思います。
 しかし、もとより、今、申し上げましたように、自衛隊が活動する際には、隊員の安全を確保すべきことは当然のことであります。今回の法制においても、例えば後方支援を行う場合には、部隊の安全が確保できない場所で活動を行うことはなく、万が一危険が生じた場合には業務を中止し、あるいは退避すべきことなど、明確な仕組みを設けています。
 また、自衛隊員は自ら志願し、危険を顧みず、職務を完遂することを宣誓したプロフェッショナルとして誇りを持って仕事に当たっています。日々高度の専門知識を養い、そして、厳しい訓練を繰り返して行うことで、危険な任務遂行のリスクを可能な限り軽減してまいりました。それは今後も変わることがないのだということを申し上げておきたいと思います。

(内閣広報官)
 それでは、次の御質問、はい、どうぞ。

(記者)
 読売新聞の中島です。
 総理は、安全保障法制を整備する必要性について、常々日本を取り巻く国際情勢が厳しさを増しており、万全の備えをする必要があるということをおっしゃっているかと思います。厳しさを増す国際情勢というのは、具体的にどのような点なのでしょうか。そして、なぜ、今、万全の備えをとる必要があるとお考えなのでしょうか。
 また、本日閣議決定された法案には、将来にわたって万全の備えをとるために必要な点が全て盛り込まれたとお考えでしょうか。

(安倍総理)
 先ほど申し上げましたように、日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。
 例えば北朝鮮の弾道ミサイルは、日本の大半を射程に入れております。そして、なかなか北朝鮮の行動については予測するのが難しいというのが、これが実態だろうと思います。そして、また、残念ながら何人もの日本人の方々がテロの犠牲となったわけであります。
 今や脅威は国境を簡単に越えてくるという状況の中においては、切れ目のない対応が必要になってくるわけであります。そして、その切れ目のない対応をしっかりと整えていくこと。そして、日本は米国と日米安保条約で同盟によって結ばれています。この同盟関係がしっかりとしているということは、抑止力、いわば事前に事態が起こることを防ぐことにつながっていくことは間違いがないわけであります。同盟に隙があると思えば、日米間においていわば連携が十分にできない、日米同盟は機能があまりスムーズにしないのではないか、1足す1が2になっていないのではないか、このように思われることによって、むしろこれは攻撃を受ける危険性というのは増していく。いわば地域の不安定な要素となっていく可能性もあるわけであります。そうした可能性をあらかじめしっかりと潰しておく必要があるわけでありまして、これは正に国民の命と幸せな暮らしを守るためであります。
 そのような意味におきまして、今回の法整備において、集団的自衛権の一部行使を限定的に認めていくことからグレーゾーンに至るまで、しっかりとした整備を行っていかなければならない。そのことによって、結果として、いわば全くそうした紛争に巻き込まれることも、日本が攻撃を受けることも、日本人の命が危うくなることも、リスクとしてはより減少していくというふうに考えています。

(内閣広報官)
 予定をしておりました時間が過ぎております。
 では、最後にもう一問だけ。
 では、宮崎さん。

(記者)
 テレビ東京の宮﨑といいます。
 防衛関連の費用についてお伺いします。
 今回の安全保障体制の変更により、安倍政権の中では防衛関連費は年々増加をしているのですけれども、今回の変更により、今後の防衛費の推移を総理はどのようにお考えでしょうか。また同時に、財政再建をかなえていかなければいけない中、こちらに対する対応をどのように考えておられるのかお伺いしたいと思います。

(安倍総理)
 約11年近くにわたって日本はずっと防衛費を減少してきました。その中で、安全保障環境は逆に厳しさを増しているわけであります。何のための防衛費か。それは、正に日本人の命や幸せな暮らしを守るための防衛費であり、先ほど申し上げましたように、しっかりと備えをしている国に対して攻撃をしようという国はあるいは人々は、少なくなっていくわけであります。
 そこで安倍政権においては、ずっと減らしてきた防衛費を11年ぶりに増やしました。増やしたといっても、これは消費税が上がった分のものもあります。それを除けば0.8%であります。既に防衛計画の大綱及び、これは一昨年末でありますが、中期防衛力整備計画を閣議決定をしておりますが、この中において、中期防衛力整備計画において5か年の防衛費の総額を既に明示をし、閣議決定をしているわけでございまして、いわばこの法制によって防衛費自体が増えていく、あるいは減っていくということはないということは申し上げておきたいと思います。
 これは、防衛費について詳しい方はよく御存じのことでありますが、いわば中期防衛力整備計画において5年間の総枠を決めますから、その中で防衛力をあるいは整備をしていくということになっている。これは変わりがないということであります。それはもう既に一昨年決まっているということであります。
 例えば、かつて第1次安倍政権時代に防衛庁を防衛省に昇格させました。そのときも同じ質問を受けたのです。防衛省に昇格させると防衛費が増えますねと。結果はどうだったか。その後ずっと防衛費は減少してきたということでありますから、いわばそれと同じように、関わりなくやっていかなければいけないとこう考えています。

(内閣広報官)
 それでは、予定をしておりました時刻を過ぎましたので、以上をもちまして、安倍総理の記者会見を終わらせていただきます。
 皆様、御協力どうもありがとうございました。






安倍首相は29日午前(日本時間30日未明)、米議会の上下両院合同会議で演説した。米議会で首相が演説するのは吉田茂(1954年)、岸信介(57年)、池田勇人(61年)に次いで4人目で、上下両院合同会議では安倍首相が初めて。首相は「希望の同盟へ」と題して英語で演説した。

(心中 得意満面であったろう と推察するが、成立具備されてもいない安保法制に纏わる関係演説は 短慮に過ぎたのではないか? と愚考する)

その 英文演説と日本語演説の全文を 後日の憂いに備えるため 以下に掲載することにした。


Full text of Prime Minister Abe's speech to U.S. Congress

The following is the full text of Prime Minister Shinzo Abe's speech to a joint session of the United States Congress on April 29.

* * *

Toward an Alliance of Hope

Address to a Joint Meeting of the U.S. Congress

Shinzo Abe, Prime Minister of Japan

April 29, 2015

---

Mr. Speaker, Mr. Vice President, distinguished members of the Senate and the House, distinguished guests, ladies and gentlemen,

Back in June, 1957, Nobusuke Kishi, my grandfather, standing right here, as Prime Minister of Japan, began his address, by saying, and I quote,

"It is because of our strong belief in democratic principles and ideals that Japan associates herself with the free nations of the world."

58 years have passed. Today, I am honored to stand here as the first Japanese Prime Minister ever to address your joint meeting. I extend my heartfelt gratitude to you for inviting me.

I have lots of things to tell you. But I am here with no ability, nor the intention, ....to filibuster.

As I stand in front of you today, the names of your distinguished colleagues that Japan welcomed as your ambassadors come back to me: the honorable Mike Mansfield, Walter Mondale, Tom Foley, and Howard Baker.

On behalf of the Japanese people, thank you so very much for sending us such shining champions of democracy.

Ambassador Caroline Kennedy also embodies the tradition of American democracy. Thank you so much, Ambassador Kennedy, for all the dynamic work you have done for all of us.

We all miss Senator Daniel Inouye, who symbolized the honor and achievements of Japanese-Americans.

-- America and I --

Ladies and gentlemen, my first encounter with America goes back to my days as a student, when I spent a spell in California.

A lady named Catherine Del Francia let me live in her house.

She was a widow, and always spoke of her late husband saying, "You know, he was much more handsome than Gary Cooper." She meant it. She really did.

In the gallery, you see, my wife, Akie, is there. I don't dare ask what she says about me.

Mrs. Del Francia's Italian cooking was simply out of this world. She was cheerful, and so kind, as to let lots and lots of people stop by at her house.

They were so diverse. I was amazed and said to myself, "America is an awesome country."

Later, I took a job at a steelmaker, and I was given the chance to work in New York.

Here in the U.S. rank and hierarchy are neither here nor there. People advance based on merit. When you discuss things you don't pay much attention to who is junior or senior. You just choose the best idea, no matter who the idea was from.

This culture intoxicated me.

So much so, after I got elected as a member of the House, some of the old guard in my party would say, "hey, you're so cheeky, Abe."

-- American Democracy and Japan --

As for my family name, it is not "Eighb."

Some Americans do call me that every now and then, but I don't take offense.

That's because, ladies and gentlemen, the Japanese, ever since they started modernization, have seen the very foundation for democracy in that famous line in the Gettysburg Address.

The son of a farmer-carpenter can become the President... The fact that such a country existed woke up the Japanese of the late 19th century to democracy.

For Japan, our encounter with America was also our encounter with democracy. And that was more than 150 years ago, giving us a mature history together.

-- World War II Memorial --

Before coming over here, I was at the World War II Memorial. It was a place of peace and calm that struck me as a sanctuary. The air was filled with the sound of water breaking in the fountains.

In one corner stands the Freedom Wall. More than 4,000 gold stars shine on the wall.

I gasped with surprise to hear that each star represents the lives of 100 fallen soldiers.

I believe those gold stars are a proud symbol of the sacrifices in defending freedom. But in those gold stars, we also find the pain, sorrow, and love for family of young Americans who otherwise would have lived happy lives.

Pearl Harbor, Bataan Corregidor, Coral Sea.... The battles engraved at the Memorial crossed my mind, and I reflected upon the lost dreams and lost futures of those young Americans.

History is harsh. What is done cannot be undone.

With deep repentance in my heart, I stood there in silent prayers for some time.

My dear friends, on behalf of Japan and the Japanese people, I offer with profound respect my eternal condolences to the souls of all American people that were lost during World War II.

-- Late Enemy, Present Friend --

Ladies and gentlemen, in the gallery today is Lt. Gen. Lawrence Snowden.

Seventy years ago in February, he landed on Ioto, or the island of Iwo Jima, as a captain in command of a company.

In recent years, General Snowden has often participated in the memorial services held jointly by Japan and the U.S. on Ioto.

He said, and I quote, "We didn't and don't go to Iwo Jima to celebrate victory, but for the solemn purpose to pay tribute to and honor those who lost their lives on both sides."

Next to General. Snowden sits Diet Member Yoshitaka Shindo, who is a former member of my Cabinet. His grandfather, General Tadamichi Kuribayashi, whose valor we remember even today, was the commander of the Japanese garrison during the Battle of Iwo Jima.

What should we call this, if not a miracle of history?

Enemies that had fought each other so fiercely have become friends bonded in spirit.

To General Snowden, I say that I pay tribute to your efforts for reconciliation. Thank you so very much.

-- America and Post-War Japan --

Post war, we started out on our path bearing in mind feelings of deep remorse over the war. Our actions brought suffering to the peoples in Asian countries. We must not avert our eyes from that. I will uphold the views expressed by the previous prime ministers in this regard.

We must all the more contribute in every respect to the development of Asia. We must spare no effort in working for the peace and prosperity of the region.

Reminding ourselves of all that, we have come all this way. I am proud of this path we have taken.

70 years ago, Japan had been reduced to ashes.

Then came each and every month from the citizens of the United States gifts to Japan like milk for our children and warm sweaters, and even goats. Yes, from America, 2,036 goats came to Japan.

And it was Japan that received the biggest benefit from the very beginning by the post-war economic system that the U.S. had fostered by opening up its own market and calling for a liberal world economy.

Later on, from the 1980's, we saw the rise of the Republic of Korea, Taiwan, the ASEAN countries, and before long, China as well.

This time, Japan too devotedly poured in capital and technologies to support their growths.

Meanwhile in the U.S., Japan created more employment than any other foreign nation but one, coming second only to the U.K.

-- TPP --

In this way, prosperity was fostered first by the U.S., and second by Japan. And prosperity is nothing less than the seedbed for peace.

Involving countries in Asia-Pacific whose backgrounds vary, the U.S. and Japan must take the lead. We must take the lead to build a market that is fair, dynamic, sustainable, and is also free from the arbitrary intentions of any nation.

In the Pacific market, we cannot overlook sweat shops or burdens on the environment. Nor can we simply allow free riders on intellectual property.

No. Instead, we can spread our shared values around the world and have them take root: the rule of law, democracy, and freedom.

That is exactly what the TPP is all about.

Furthermore, the TPP goes far beyond just economic benefits. It is also about our security. Long-term, its strategic value is awesome. We should never forget that.

The TPP covers an area that accounts for 40 per cent of the world economy, and one third of global trade. We must turn the area into a region for lasting peace and prosperity.

That is for the sake of our children and our children's children.

As for U.S. - Japan negotiations, the goal is near. Let us bring the TPP to a successful conclusion through our joint leadership.

-- Reforms for a Stronger Japan --

As a matter of fact, I have something I can tell you now.

It was about 20 years ago. The GATT negotiations for agriculture were going on.

I was much younger, and like a ball of fire, and opposed to opening Japan's agricultural market. I even joined farmers' representatives in a rally in front of the Parliament.

However, Japan's agriculture has gone into decline over these last 20 years. The average age of our farmers has gone up by 10 years and is now more than 66 years old.

Japan's agriculture is at a crossroads. In order for it to survive, it has to change now.

We are bringing great reforms toward the agriculture policy that's been in place for decades. We are also bringing sweeping reforms to our agricultural cooperatives that have not changed in 60 long years.

Corporate governance in Japan is now fully in line with global standards, because we made it stronger.

Rock-solid regulations are being broken in such sectors as medicine and energy. And I am the spearhead.

To turn around our depopulation, I am determined to do whatever it takes. We are changing some of our old habits to empower women so they can get more actively engaged in all walks of life.

In short, Japan is right in the middle of a quantum leap.

My dear members of the Congress, please do come and see the new Japan, where we have regained our spirit of reform and our sense of speed.

Japan will not run away from any reforms. We keep our eyes only on the road ahead and push forward with structural reforms.

That's TINA: There Is No Alternative. And there is no doubt about it whatsoever.

-- Post War Peace and Japan's Choice --

My dear colleagues, the peace and security of the post-war world was not possible without American leadership.

Looking back, it makes me happy all the time that Japan of years past made the right decision.

As I told you at the outset, citing my grandfather, that decision was to choose a path.

That's the path for Japan to ally itself with the U.S., and to go forward as a member of the Western world.

In the end, together with the U.S. and other like-minded democracies, we won the Cold War.

That's the path that made Japan grow and prosper. And even today, there is no alternative.

-- The Alliance: its Mission for the Region --

My dear colleagues, we support the "rebalancing" by the U.S. in order to enhance the peace and security of the Asia-Pacific region.

And I will state clearly. We will support the U.S. effort first, last, and throughout.

Japan has deepened its strategic relations with Australia and India. We are enhancing our cooperation across many fields with the countries of ASEAN and the Republic of Korea.

Adding those partners to the central pillar that is the U.S.-Japan alliance, our region will get stable remarkably more.

Now, Japan will provide up to 2.8 billion dollars in assistance to help improve U.S. bases in Guam, which will gain strategic significance even more in the future.

As regards the state of Asian waters, let me underscore here my three principles.

First, states shall make their claims based on international law.

Second, they shall not use force or coercion to drive their claims.

And third, to settle disputes, any disputes, they shall do so by peaceful means.

We must make the vast seas stretching from the Pacific to the Indian Oceans seas of peace and freedom, where all follow the rule of law.

For that very reason we must fortify the U.S.-Japan alliance. That is our responsibility.

Now, let me tell you.

In Japan we are working hard to enhance the legislative foundations for our security.

Once in place, Japan will be much more able to provide a seamless response for all levels of crisis.

These enhanced legislative foundations should make the cooperation between the U.S. military and Japan's Self Defense Forces even stronger, and the alliance still more solid, providing credible deterrence for the peace in the region.

This reform is the first of its kind and a sweeping one in our post-war history. We will achieve this by this coming summer.

Now, I have something to share with you.

The day before yesterday Secretaries Kerry and Carter met our Foreign Minister Kishida and Defense Minister Nakatani for consultations.

As a result, we now have a new framework. A framework to better put together the forces of the U.S. and Japan.

A framework that is in line with the legislative attempts going on in Japan.

That is what's necessary to build peace, more reliable peace in the region. And that is namely the new Defense Cooperation Guidelines.

Yesterday, President Obama and I fully agreed on the significance of these Guidelines.

Ladies and gentlemen, we agreed on a document that is historic.

-- Japan's New Banner --

In the early 1990s, in the Persian Gulf Japan's Self-Defense Forces swept away sea mines.

For 10 years in the Indian Ocean, Japanese Self-Defense Forces supported your operation to stop the flow of terrorists and arms.

Meanwhile in Cambodia, the Golan Heights, Iraq, Haiti, and South Sudan, members of our Self-Defense Forces provided humanitarian support and peace keeping operations. Their number amounts to 50,000.

Based on this track record, we are resolved to take yet more responsibility for the peace and stability in the world.

It is for that purpose we are determined to enact all necessary bills by this coming summer. And we will do exactly that.

We must make sure human security will be preserved in addition to national security. That's our belief, firm and solid.

We must do our best so that every individual gets education, medical support, and an opportunity to rise to be self-reliant.

Armed conflicts have always made women suffer the most. In our age, we must realize the kind of world where finally women are free from human rights abuses.

Our servicemen and women have made substantial accomplishments. So have our aid workers who have worked so steadily.

Their combined sum has given us a new self-identity.

That's why we now hold up high a new banner that is "proactive contribution to peace based on the principle of international cooperation."

Let me repeat. "Proactive contribution to peace based on the principle of international cooperation" should lead Japan along its road for the future.

Problems we face include terrorism, infectious diseases, natural disasters and climate change.

The time has come for the U.S.-Japan alliance to face up to and jointly tackle those challenges that are new.

After all our alliance has lasted more than a quarter of the entire history of the United States.

It is an alliance that is sturdy, bound in trust and friendship, deep between us.

No new concept should ever be necessary for the alliance that connects us, the biggest and the second biggest democratic powers in the free world, in working together.

Always, it is an alliance that cherishes our shared values of the rule of law, respect for human rights and freedom.

-- Hope for the future --

When I was young in high school and listened to the radio, there was a song that flew out and shook my heart.

It was a song by Carol King.

"When you're down and troubled, ...close your eyes and think of me, and I'll be there to brighten up even your darkest night."

And that day, March 11, 2011, a big quake, a tsunami, and a nuclear accident hit the northeastern part of Japan.

The darkest night fell upon Japan.

But it was then we saw the U.S. armed forces rushing to Japan to the rescue at a scale never seen or heard before.

Lots and lots of people from all corners of the U.S. extended the hand of assistance to the children in the disaster areas.

Yes, we've got a friend in you.

Together with the victims you shed tears. You gave us something, something very, very precious.

That was hope, hope for the future.

Ladies and gentlemen, the finest asset the U.S. has to give to the world was hope, is hope, will be, and must always be hope.

Distinguished representatives of the citizens of the United States, let us call the U.S.-Japan alliance, an alliance of hope.

Let the two of us, America and Japan, join our hands together and do our best to make the world a better, a much better, place to live.

Alliance of hope.... Together, we can make a difference.

Thank you so much.




安倍首相:米議会演説全文

議長、副大統領、上院議員、下院議員の皆様、ゲストと、すべての皆様、1957年6月、日本の総理大臣としてこの演台に立った私の祖父、岸信介は、次のように述べて演説を始めました。

 「日本が、世界の自由主義国と提携しているのも、民主主義の原則と理想を確信しているからであります」

 以来58年、このたびは上下両院合同会議に日本国総理として初めてお話しする機会を与えられましたことを、光栄に存じます。お招きに、感謝申し上げます。

 申し上げたいことはたくさんあります。でも、「フィリバスター(議事妨害)」をする意図、能力ともに、ありません。

 皆様を前にして胸中を去来しますのは、日本が大使としてお迎えした偉大な議会人のお名前です。

 マイク・マンスフィールド、ウォルター・モンデール、トーマス・フォーリー、そしてハワード・ベーカー。

 民主主義の輝くチャンピオンを大使として送ってくださいましたことを、日本国民を代表して、感謝申し上げます。

 キャロライン・ケネディ大使も、米国民主主義の伝統を体現する方です。大使の活躍に、感謝申し上げます。

 私ども、残念に思いますのは、ダニエル・イノウエ上院議員がこの場においでにならないことです。日系アメリカ人の栄誉とその達成を、一身に象徴された方でした。

 ◇アメリカと私

 私個人とアメリカとの出会いは、カリフォルニアで過ごした学生時代にさかのぼります。

 家に住まわせてくれたのは、キャサリン・デルフランシア夫人。寡婦でした。亡くした夫のことを、いつもこう言いました、「ゲーリー・クーパーより男前だったのよ」と。心から信じていたようです。

 ギャラリーに、私の妻、昭恵がいます。彼女が日ごろ、私のことをどう言っているのかはあえて聞かないことにします。

 デルフランシア夫人のイタリア料理は、世界一。彼女の明るさと親切は、たくさんの人をひきつけました。その人たちがなんと多様なこと。「アメリカは、すごい国だ」。驚いたものです。

 のち、鉄鋼メーカーに就職した私は、ニューヨーク勤務の機会を与えられました。

 上下関係にとらわれない実力主義。地位や長幼の差に関わりなく意見を戦わせ、正しい見方ならちゅうちょなく採用する。

 −−この文化に毒されたのか、やがて政治家になったら、先輩大物議員たちに、アベは生意気だと随分言われました。

 ◇アメリカ民主主義と日本

 私の名字ですが、「エイブ」ではありません。アメリカの方に時たまそう呼ばれると、悪い気はしません。民主政治の基礎を、日本人は、近代化を始めてこのかた、ゲティズバーグ演説の有名な一節に求めてきたからです。

 農民・大工の息子が大統領になれる−−そういう国があることは、19世紀後半の日本を、民主主義に開眼させました。

 日本にとって、アメリカとの出会いとは、すなわち民主主義との遭遇でした。出会いは150年以上前にさかのぼり、年季を経ています。

 ◇第二次大戦メモリアル

 先刻私は、第二次大戦メモリアルを訪れました。神殿を思わせる、静謐(せいひつ)な場所でした。耳朶(じだ)を打つのは、噴水の、水の砕ける音ばかり。

 一角にフリーダム・ウオールというものがあって、壁面には金色の、4000個を超す星が埋め込まれている。

 その星一つ、ひとつが、たおれた兵士100人分の命を表すと聞いたとき、私を戦慄(せんりつ)が襲いました。

 金色(こんじき)の星は、自由を守った代償として、誇りのシンボルに違いありません。しかしそこには、さもなければ幸福な人生を送っただろうアメリカの若者の、痛み、悲しみが宿っている。家族への愛も。

 真珠湾、バターン・コレヒドール、サンゴ海……、メモリアルに刻まれた戦場の名が心をよぎり、私はアメリカの若者の、失われた夢、未来を思いました。

 歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。私は深い悔悟を胸に、しばしその場に立って、黙とうをささげました。親愛なる、友人の皆さん、日本国と、日本国民を代表し、先の戦争にたおれた米国の人々の魂に、深い一礼をささげます。とこしえの、哀悼をささげます。

 ◇かつての敵、今日の友

 皆様、いまギャラリーに、ローレンス・スノーデン海兵隊中将がお座りです。70年前の2月、23歳の海兵隊大尉として中隊を率い、硫黄島に上陸した方です。

 近年、中将は、硫黄島で開く日米合同の慰霊祭にしばしば参加してこられました。こう、おっしゃっています。

 「硫黄島には、勝利を祝うため行ったのではない、行っているのでもない。その厳かなる目的は、双方の戦死者を追悼し、栄誉をたたえることだ」

 もうおひとかた、中将の隣にいるのは、新藤義孝国会議員。かつて私の内閣で閣僚を務めた方ですが、この方のおじいさんこそ、勇猛がいまに伝わる栗林忠道大将・硫黄島守備隊司令官でした。

 これを歴史の奇跡と呼ばずして、何をそう呼ぶべきでしょう。

 熾烈(しれつ)に戦い合った敵は、心の紐帯(ちゅうたい)が結ぶ友になりました。スノーデン中将、和解の努力を尊く思います。ほんとうに、ありがとうございました。

 ◇アメリカと戦後日本

 戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではありません。

 アジアの発展にどこまでも寄与し、地域の平和と、繁栄のため、力を惜しんではならない。自らに言い聞かせ、歩んできました。この歩みを、私は、誇りに思います。

 焦土と化した日本に、子供たちの飲むミルク、身につけるセーターが、毎月毎月、米国の市民から届きました。ヤギも、2036頭、やってきました。

 米国が自らの市場を開け放ち、世界経済に自由を求めて育てた戦後経済システムによって、最も早くから、最大の便益を得たのは、日本です。

 下って1980年代以降、韓国が、台湾が、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国が、やがて中国が勃興します。今度は日本も、資本と、技術を献身的に注ぎ、彼らの成長を支えました。一方米国で、日本は外国勢として2位、英国に次ぐ数の雇用を作り出しました。

 ◇TPP

 こうして米国が、次いで日本が育てたものは、繁栄です。そして繁栄こそは、平和の苗床です。

 日本と米国がリードし、生い立ちの異なるアジア太平洋諸国に、いかなる国の恣意(しい)的な思惑にも左右されない、フェアで、ダイナミックで、持続可能な市場をつくりあげなければなりません。

 太平洋の市場では、知的財産がフリーライド(ただ乗り)されてはなりません。過酷な労働や、環境への負荷も見逃すわけにはいかない。

 許さずしてこそ、自由、民主主義、法の支配、私たちが奉じる共通の価値を、世界に広め、根づかせていくことができます。

 その営為こそが、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)にほかなりません。

 しかもTPPには、単なる経済的利益を超えた、長期的な、安全保障上の大きな意義があることを、忘れてはなりません。

 経済規模で、世界の4割、貿易量で、世界の3分の1を占める一円に、私たちの子や、孫のために、永続的な「平和と繁栄の地域」をつくりあげていかなければなりません。

 日米間の交渉は、出口がすぐそこに見えています。米国と、日本のリーダーシップで、TPPを一緒に成し遂げましょう。

 ◇強い日本へ、改革あるのみ

 実は……いまだから言えることがあります。

 20年以上前、GATT(関税貿易一般協定)農業分野交渉の頃です。血気盛んな若手議員だった私は、農業の開放に反対の立場をとり、農家の代表と一緒に、国会前で抗議活動をしました。

 ところがこの20年、日本の農業は衰えました。農民の平均年齢は10歳上がり、いまや66歳を超えました。

 日本の農業は、岐路にある。生き残るには、いま、変わらなければなりません。

 私たちは、長年続いた農業政策の大改革に立ち向かっています。60年も変わらずにきた農業協同組合の仕組みを、抜本的に改めます。

 世界標準にのっとって、コーポレートガバナンスを強めました。医療・エネルギーなどの分野で、岩盤のように固い規制を、私自身がやりの穂先となりこじあけてきました。

 人口減少を反転させるには、何でもやるつもりです。女性に力をつけ、もっと活躍してもらうため、古くからの慣習を改めようとしています。

 日本はいま、「クオンタム・リープ(量子的飛躍)」のさなかにあります。

 親愛なる、上院、下院議員の皆様、どうぞ、日本へ来て、改革の精神と速度を取り戻した新しい日本を見てください。

 日本は、どんな改革からも逃げません。ただ前だけを見て構造改革を進める。この道のほか、道なし。確信しています。

 ◇戦後世界の平和と、日本の選択

 親愛なる、同僚の皆様、戦後世界の平和と安全は、アメリカのリーダーシップなくして、ありえませんでした。

 かえりみて私が心から良かったと思うのは、かつての日本が、明確な道を選んだことです。その道こそは、冒頭、祖父の言葉にあったとおり、米国と組み、西側世界の一員となる選択にほかなりませんでした。

 日本は、米国、そして志を共にする民主主義諸国とともに、最後には冷戦に勝利しました。

 この道が、日本を成長させ、繁栄させました。そして今も、この道しかありません。

 ◇地域における同盟のミッション

 私たちは、アジア太平洋地域の平和と安全のため、米国の「リバランス」を支持します。徹頭徹尾支持するということを、ここに明言します。

 日本は豪州、インドと、戦略的な関係を深めました。ASEANの国々や韓国と、多面にわたる協力を深めていきます。

 日米同盟を基軸とし、これらの仲間が加わると、私たちの地域は格段に安定します。

 日本は、将来における戦略的拠点の一つとして期待されるグアム基地整備事業に、28億ドルまで資金協力を実施します。

 アジアの海について、私がいう三つの原則をここで強調させてください。

 第一に、国家が何か主張をするときは、国際法にもとづいてなすこと。第二に、武力や威嚇は、自己の主張のため用いないこと。そして第三に、紛争の解決は、あくまで平和的手段によること。

 太平洋から、インド洋にかけての広い海を、自由で、法の支配が貫徹する平和の海にしなければなりません。

 そのためにこそ、日米同盟を強くしなくてはなりません。私たちには、その責任があります。

 日本はいま、安保法制の充実に取り組んでいます。実現のあかつき、日本は、危機の程度に応じ、切れ目のない対応が、はるかによくできるようになります。

 この法整備によって、自衛隊と米軍の協力関係は強化され、日米同盟は、より一層堅固になります。それは地域の平和のため、確かな抑止力をもたらすでしょう。

 戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます。

 ここで皆様にご報告したいことがあります。一昨日、ケリー国務長官、カーター国防長官は、私たちの岸田(文雄)外相、中谷(元)防衛相と会って、協議をしました。

 いま申し上げた法整備を前提として、日米がそのもてる力をよく合わせられるようにする仕組みができました。一層確実な平和を築くのに必要な枠組みです。

 それこそが、日米防衛協力の新しいガイドラインにほかなりません。昨日、オバマ大統領と私は、その意義について、互いに認め合いました。皆様、私たちは、真に歴史的な文書に、合意をしたのです。

 ◇日本が掲げる新しい旗

 1990年代初め、日本の自衛隊は、ペルシャ湾で機雷の掃海に当たりました。後、インド洋では、テロリストや武器の流れを断つ洋上作戦を、10年にわたって支援しました。

 その間、5万人にのぼる自衛隊員が、人道支援や平和維持活動に従事しました。カンボジア、ゴラン高原、イラク、ハイチや南スーダンといった国や、地域においてです。

 これら実績をもとに、日本は、世界の平和と安定のため、これまで以上に責任を果たしていく。そう決意しています。そのために必要な法案の成立を、この夏までに、必ず実現します。

 国家安全保障に加え、人間の安全保障を確かにしなくてはならないというのが、日本の不動の信念です。

 人間一人ひとりに、教育の機会を保障し、医療を提供し、自立する機会を与えなければなりません。紛争下、常に傷ついたのは、女性でした。わたしたちの時代にこそ、女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはいけません。

 自衛隊員が積み重ねてきた実績と、援助関係者たちがたゆまず続けた努力と、その両方の蓄積は、いまやわたしたちに、新しい自己像を与えてくれました。

 いまや私たちが掲げるバナーは、「国際協調主義にもとづく、積極的平和主義」という旗です。

 繰り返しましょう、「国際協調主義にもとづく、積極的平和主義」こそは、日本の将来を導く旗印となります。

 テロリズム、感染症、自然災害や、気候変動−−。日米同盟は、これら新たな問題に対し、ともに立ち向かう時代を迎えました。

 日米同盟は、米国史全体の、4分の1以上に及ぶ期間続いた堅牢(けんろう)さを備え、深い信頼と、友情に結ばれた同盟です。

 自由世界第一、第二の民主主義大国を結ぶ同盟に、この先とも、新たな理由付けは全く無用です。それは常に、法の支配、人権、そして自由を尊ぶ、価値観を共にする結びつきです。

 ◇未来への希望

 まだ高校生だったとき、ラジオから流れてきたキャロル・キングの曲に、私は心を揺さぶられました。

 「落ち込んだ時、困った時……目を閉じて、私を思って。私は行く。あなたのもとに。たとえそれが、あなたにとっていちばん暗い、そんな夜でも、明るくするために」

 2011年3月11日、日本に、いちばん暗い夜がきました。日本の東北地方を、地震と津波、原発の事故が襲ったのです。

 そして、そのときでした。米軍は、未曽有の規模で救難作戦を展開してくれました。本当にたくさんの米国人の皆さんが、東北の子供たちに、支援の手を差し伸べてくれました。

 私たちには、トモダチがいました。

 被災した人々と、一緒に涙を流してくれた。そしてなにものにもかえられない、大切なものを与えてくれた。

 −−希望、です。

 米国が世界に与える最良の資産、それは、昔も、今も、将来も、希望であった、希望である、希望でなくてはなりません。

 米国国民を代表する皆様。私たちの同盟を、「希望の同盟」と呼びましょう。アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。

 希望の同盟−−。一緒でなら、きっとできます。

 ありがとうございました。




経済財政諮問会議
(更新 2015.04.01 近頃、安部首相の動向に穏当でない疑念にかられ、不安を感じている。①安保法制 ②行政・経済・財政の閉塞 ③原子力・エネルギー政策の迷走 ④巨大政党としての数の驕り 等々。安部首相の弁舌を聞くにつけ、この国はどこへ行こうとしているのか?との 懸念がますます強まる。 来たる統一地方選挙において、民意は奈辺に存するのか注目するところだ。)


東日本大震災に関連してこの国はどこへ行こうとしているのかについて興味深い読み物が2つあったので紹介します。


特集ワイド:この国はどこへ行こうとしているのか 震災4年の重み 民俗学者・赤坂憲雄さん
毎日新聞 2015年03月11日 東京夕刊


 ◇「何か」が瓦解しつつある−−赤坂憲雄さん(61)

 江戸時代にかえったんだよ−−そんな言葉を土地の人から聞いて、思った。「東日本大震災で突きつけられたのは、人と自然との境界線をどのように引き直すのかということではなかったか」と。

 冬の寒さが戻ってきた日、膨大な数の書籍が並んだ研究室で、「東北学」を提唱する民俗学者、赤坂憲雄さん(61)は声を絞り出すように語り始めた。

 津波の被害を受けた被災地では今、巨大な防潮堤や土地のかさ上げの工事が進む。土砂を運ぶダンプや巨大なベルトコンベヤーは、しばしば進展する復興の象徴として映し出される。しかし、東北の生活文化や歴史について研究するため現地を歩いてきた赤坂さんには、そうは映らない。

 「とても厳しい被害を受けた土地で『ここはかつて海だったんです』と何度となく聞きました。この国は1億3000万人弱の人口を抱え、かれらを生かすために、自然の懐深くに入り込んで海岸線を引いてきた。それが、大津波によって突破された」

 悲しみと嘆き−−そして4年が過ぎた。「例えば、気仙沼のある地域では、失われていた干潟環境が津波によって復活し、そこでアサリが大繁殖を始めました。南相馬では絶滅危惧種のミズアオイの種子が一斉に芽吹き、各地に水鳥が飛来している。津波が人間のテリトリーを侵したわけですが、そこに思いがけず自然が復元・再生を始めている。ならば、自然が示した境界線を受け入れるシナリオがあってもいい、潟に還してやる選択があってもいい、と思うようになりました」

 ところが、と表情が曇った。「日本全体で人口減や高齢化が進み、被災地では若い世代が流出している。その状況の下で、将来どんな地域社会を作るのかとイメージするとき、『復旧』はもはやリアリティーがない。にもかかわらず、巨大な防潮堤によってその海岸線を復旧させることが善であり、正しいことであるかのように動いている。しかもベクトルは復旧でも、実際にそれが転がり出したとたん、沿岸での漁に影響が出たり、海が見えなくなり観光が痛手を受けたりするといった大きな変化が地域社会に起ころうとしている。この復興には正解とされるモデルがないのです」

 建設が進む巨大防潮堤に思う。「人と自然との関係において、ここまで人間が自然を傷つけ、人間の側にひきずり寄せるような形で変えてしまうことは許されるのだろうか。畏れにも似た感覚を持たざるを得ないのです」

 震災はまた、生者と死者の境界線を揺るがせた。

 赤坂さんがタブレット端末を取り出し、一枚の写真を見せてくれた。震災直後、火葬が間に合わず、犠牲者が一時的に埋葬されていた場所を訪れた。「ただ、手を合わせて歩いていました。この写真は最後に一枚だけ撮影させていただいたもの。何気なく撮ったもので、あとから見て衝撃を受けました」。詳細は伏すが、埋葬された犠牲者と自分との“共通点”がいくつも写り込んでいた。「とても不思議な体験でした」

 「遠野物語」には、明治の三陸大津波で亡くなった妻の幽霊と出会った話がある。赤坂さんは被災地でも「幽霊に出会った」話をよく耳にした。自分自身が「不思議な体験」をしたことで、そうした話について深く考えるようになったという。

 津波は一瞬にして、生者と死者を引き離した。「誰も心の準備なんかできないし、一瞬にしてある人は助かり、ある人は津波に流されてしまう。その人がいい人か悪い人かとか、生前に徳を積んでいたとか、そんなことは何も関係がなくて、残酷な偶然によって断ち切られる。生き残った人は、なぜ自分が生き残ってしまったのかと、自分を責める。最後の言葉を交わすこともできずに断ち切られた関係を、幽霊に出会ったとか、気配を感じたとか、そういう形で取り戻したいということなのかもしれません。亡くなった人たちと何とか和解したい、という気持ちの表れなのだろうと思いますね」

 行方不明者はいまだ2500人以上。「遺体があればまだ納得できるかもしれませんが、そうでない犠牲者の家族はずっと苦しんでいます。鎮魂や供養が心の深いところで求められている」。被災地では、各地で鹿(しし)踊りなどの民俗芸能が早い段階から再興された。赤坂さんは「鎮魂の芸能が必要とされる状況があったからでしょう。生き残った人たちの心の癒やしは、まだ始まったばかりです」と話す。

 この4年間で日本社会はどう変わったか。そう尋ねると赤坂さんは「想像していなかった方向に、日本社会が大きく変わろうとしていることにぼうぜんとしています」と危機感をあらわにした。

 「東京電力福島第1原発の事故はいまだに収束の方向性すら見えませんが、放射線の被ばくによる危険や対処法の問題はほとんど議論されなくなり、除染によって何がどう変わったかも曖昧。帰還ありきでなし崩しに動いている。これだけの巨大な爆発事故を起こし、途方もない汚染状況をつくりながら誰一人として責任を取ろうとしない。東電の企業責任が問われない。原発を国策としてきた政治の総括もなされない。どこにも事故の収束のためのシナリオが示されず、事態がコントロールされているなど誰も信じていない。いつの間にか原発が『安くて安全で、安心だ』とは言われなくなり、それでいて国は原発の再稼働に向けて動いている。この事態は幻惑的ですね。最初に、何かを隠し、そのためにさらに隠蔽(いんぺい)と欺まんを重ねざるを得なくなる。あらゆる責任が曖昧にされ、なかったことにされる。日本社会では今、そんな大きなモラルハザードが起こっているのではないでしょうか」

 「境界線」の揺らぎは、原発や被災地にとどまらないということなのか。

 「『何か』が瓦解(がかい)しつつある。冷静な議論を経て、国民の将来や国益を守るための選択がなされているとは思えない。我々が戦後何とか守り育ててきた自由や平和や生存の権利といったものを、まともな議論もなく突き崩していくことが何を意味するのか。関東大震災(1923年)を起点に戦争の時代へと突き進んだ日本社会の瓦解と重なってしまいます」

 揺らいだ震災後の社会で、我々はどんな「境界線」を引くべきなのか。帰り道、赤坂さんが最後に「震災から4年という記念日には、何の意味もない」とつぶやいた声が頭を離れない。突き刺すような冷たい雨が、ポツリ、ポツリと降り始めた。【樋口淳也】

  ◇   ◇   ◇

 東日本大震災から4年。この国は何が変わり、変わらないのか。識者と考えた。

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 ■人物略歴

 ◇あかさか・のりお

 東京都生まれ。学習院大教授、福島県立博物館長、遠野文化研究センター所長。著書に「震災考」「司馬遼太郎 東北をゆく」など。




時代の風:動き始めた原発政策=京都大教授・中西寛
毎日新聞 2015年03月29日 東京朝刊

 ◇世論に向き合った議論を 中西寛(ひろし)

 東日本大震災から4年が過ぎ、東京電力福島第1原発事故後に停止されていた原発に関して動きが見え始めている。一部の原発について原子力規制委員会は安全性を認める見通しとなっているし、また、他の一部の原発については廃炉の申請がなされた。

 しかしこれらの動きは、ソ連時代のチェルノブイリ事故に比肩しうる巨大な原発事故を総括し、国民の間に一定のコンセンサスが作られた上で起きているわけではなく、時がたち、事故の記憶が薄れる中で、俗な言葉で言えば、ほとぼりが冷めるのを待って進められているのが実態であろう。現状は、日本人の弱点の一つ、抽象的かつ相反する利害が絡んだ局面で合理的な判断を下すこと、言い換えれば戦略的意思決定を行う能力の弱さを示している点で残念と言わざるを得ない。

 ここで「日本人」という言葉を使ったが、この問題について最も冷静な判断を下してきたのは一般国民である。世論調査は、質問のされ方である程度差はあるものの、原発事故直後からほぼ一貫して、原発再稼働反対の意見が賛成の意見を20ポイントほど上回る状況が続いている。他方で、これまでの国政ないし地方選挙で原発廃止を掲げた候補者は、東京都知事選での細川護熙元首相を代表として、ほとんど当選していない。総体として世論は、原発を放棄する政策に対しては消極的でありつつも、原発再稼働に対する疑念を示し続けているのである。

 私は、こうした国民の「迷い」は原発の現状をかなり正確に捉えていると思う。問題は原発政策の選択に具体的な関わりを持つ人々、原発推進派と反対派双方の政治家や利害関係者、専門家がこうした世論に示された問題に正面から向き合わず、自分に都合のよい議論のみを語り、相手の非合理性を非難することを繰り返している点にある。

 原発推進派はエネルギー安全保障や温暖化対策の点から原発の必要性を説き、原発反対派は事故対策の不十分さや核廃棄物処理の問題を挙げて原発の廃止を説く。しかし相手の議論には共に小声でしか答えない。これでは双方の主張に耳を傾ける誠意ある国民は戸惑い続けるばかりである。

 原発反対派は地球温暖化問題に適応したエネルギー供給の問題に十分答えていない。自然再生エネルギーによる代替を訴えてきたが、その可能性を楽観しすぎてきたことは否定できない。太陽光発電を偏重した固定価格買い取り制度は見直しを迫られている。風力発電も技術的な壁を乗り越えられていない。また、原発を止めることで生じる放射性廃棄物の処理問題についても答えようとしない。原発を直ちに廃止するなら廃棄物の処理費用を誰がどう捻出するかは即時に答えを出さねばならない。原発反対派はこの問題の解決策を提示しなければ支持を広げることはできないだろう。

 原発推進派の問題は更に大きい。事故後に東電、政府、国会、民間でそれぞれ事故調査報告が出されたが、東電のものを除いて、津波に対する想定不足だけでなく、従来の安全管理体制に重大な欠陥があったことを指摘した。しかしこの指摘に対してこれまでとられた具体的対策として国民の目に見えるのは、原子力規制委員会を発足させたことにとどまる。その原子力規制委員会が行う安全審査に対しても、電力会社と政府の姿勢は不明瞭である。電力会社は安全審査を急ぐよう要求するばかりで、トップが会社の命運を懸けて原発の安全を守ると宣言するのを聞いたことがない。政府は事故時の避難計画に責任を負わねばならないが、福島事故のような状況に対し十分な放射線防護服を自衛隊や警察が準備しているかすら明らかでない。

 事故対応と並んで重要なのはいわゆる核燃料サイクルの再検討である。国民の中で原発への不信がぬぐい去れないのは、どう見ても抜本的な見直しが必要な核燃料サイクル政策に関係者が固執していることが大きいであろう。サイクルの出口と期待された「もんじゅ」で不祥事が止まらないのは、現場の職員が自らの仕事の意義を信じることができない士気低下が根本にあるのではないだろうか。

 不幸な事故を経験した日本人には世界に恥じない議論をした上で原発の未来を決める責任があると思う。





戦後70年続いた平和 と その表裏一体の 不戦の誓い を いとも簡単に  放擲して良い筈はない。 




経済財政諮問会議
(更新 2015.02.28 前回更新以降、経済財政諮問会議は2回開催された。2014.01.26 通常国会が召集され、衆参本会議で代表質問・予算委で審議も始まった。安部首相の答弁を聞くにつけ、この国はどこへ行こうとしているのか?と 強い疑念が更に強まり、本稿 更新することと致しました。)

平成27年経済財政諮問会議 会議情報一覧

平成 27 年第1回経済財政諮問会議 議事要旨

平成 27 年第2回経済財政諮問会議 議事要旨


第百八十九回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説

 まず冒頭、シリアにおける邦人殺害テロ事件について、一言、申し上げます。
 事件発生以来、政府はあらゆる手段を尽くしてまいりましたが、日本人がテロの犠牲となったことは、痛恨の極みであります。衷心より哀悼の誠を捧げるとともに、御家族に心からお悔やみを申し上げます。
 非道かつ卑劣極まりないテロ行為を、断固非難します。
 日本がテロに屈することは決してありません。水際対策の強化など、国内外の日本人の安全確保に、万全を期してまいります。そして食糧、医療などの人道支援。テロと闘う国際社会において、日本としての責任を、毅然として、果たしてまいります。



一 戦後以来の大改革

 「日本を取り戻す」
 そのためには、「この道しかない」
 こう訴え続け、私たちは、二年間、全力で走り続けてまいりました。
 先般の総選挙の結果、衆参両院の指名を得て、引き続き、内閣総理大臣の重責を担うこととなりました。
 「安定した政治の下で、この道を、更に力強く、前進せよ。」
 これが総選挙で示された国民の意思であります。全身全霊を傾け、その負託に応えていくことを、この議場にいる自由民主党及び公明党の連立与党の諸君と共に、国民の皆様にお約束いたします。
 経済再生、復興、社会保障改革、教育再生、地方創生、女性活躍、そして外交・安全保障の立て直し。
 いずれも困難な道のり。「戦後以来の大改革」であります。しかし、私たちは、日本の将来をしっかりと見定めながら、ひるむことなく、改革を進めなければならない。逃れることはできません。
 明治国家の礎を築いた岩倉具視は、近代化が進んだ欧米列強の姿を目の当たりにした後、このように述べています。
 「日本は小さい国かもしれないが、国民みんなが心を一つにして、国力を盛んにするならば、世界で活躍する国になることも決して困難ではない。」
 明治の日本人に出来て、今の日本人に出来ない訳はありません。今こそ、国民と共に、この道を、前に向かって、再び歩み出す時です。皆さん、「戦後以来の大改革」に、力強く踏み出そうではありませんか。

二 改革断行

(農家の視点に立った農政改革)
 戦後一千六百万人を超えていた農業人口は、現在、二百万人。この七十年で八分の一まで減り、平均年齢は六十六歳を超えました。もはや、農政の大改革は、待ったなしであります。
 何のための改革なのか。強い農業を創るための改革。農家の所得を増やすための改革を進めるのであります。
 六十年ぶりの農協改革を断行します。農協法に基づく現行の中央会制度を廃止し、全国中央会は一般社団法人に移行します。農協にも会計士による監査を義務付けます。意欲ある担い手と地域農協とが力を合わせ、ブランド化や海外展開など農業の未来を切り拓く。そう。これからは、農家の皆さん、そして地域農協の皆さんが主役です。
 農業委員会制度の抜本改革にも、初めて、踏み込みます。地域で頑張る担い手がリードする制度へと改め、耕作放棄地の解消、農地の集積を一層加速いたします。
 農業生産法人の要件緩和を進め、多様な担い手による農業への参入を促します。いわゆる「減反」の廃止に向けた歩みを更に進め、需要ある作物を振興し、農地のフル活用を図ります。市場を意識した競争力ある農業へと、構造改革を進めてまいります。
 「変化こそ唯一の永遠である。」
 明治時代、日本画の伝統に新風を持ち込み、改革に挑んだ岡倉天心の言葉です。
 伝統の名の下に、変化を恐れてはなりません。
 農業は、日本の美しい故郷を守ってきた、「国の基(もとい)」であります。だからこそ、今、「変化」を起こさねばならない。必ずや改革を成し遂げ、若者が自らの情熱で新たな地平を切り拓くことができる、新しい日本農業の姿を描いてまいります。
 目指すは世界のマーケット。林業、水産業にも、大きな可能性があります。昨年、農林水産物の輸出は六千億円を超え、過去最高を更新いたしました。しかし、まだまだ少ない。世界には三百四十兆円規模の食市場が広がっています。内外一体の改革を進め、安全で、おいしい日本の農水産物を世界に展開してまいります。

(オープンな世界を見据えた改革)
 オープンな世界へと果敢に踏み出す。日本の国益を確保し、成長を確かなものとしてまいります。
 最終局面のTPP交渉は、いよいよ出口が見えてまいりました。米国と共に交渉をリードし、早期の交渉妥結を目指します。欧州とのEPAについても、本年中の大筋合意を目指し、交渉を更に加速してまいります。
 経済のグローバル化は一層進み、国際競争に打ち勝つことができなければ、企業は生き残ることはできない。政府もまた然(しか)り。オープンな世界を見据えた改革から逃れることはできません。
 全ての上場企業が、世界標準に則った新たな「コーポレートガバナンス・コード」に従うか、従わない場合はその理由を説明する。その義務を負うことになります。
 法人実効税率を二・五%引き下げます。三十五%近い現行税率を数年で二十%台まで引き下げ、国際的に遜色のない水準へと法人税改革を進めてまいります。

(患者本位の医療改革)
 患者本位の新たな療養制度を創設します。世界最先端の医療を日本で受けられるようにする。困難な病気と闘う患者の皆さんの思いに応え、その申出に基づいて、最先端医療と保険診療との併用を可能とします。更に、安全性、有効性が確立すれば、国民皆保険の下で保険適用としてまいります。
 医療法人制度の改革も実施します。外部監査を導入するなど、経営の透明化を進めます。更に、異なる機能を持つ複数の医療法人の連携を促す新たな仕組みを創設し、地域医療の充実に努めます。

(エネルギー市場改革)
 電力システム改革も、いよいよ最終段階に入ります。電力市場の基盤インフラである送配電ネットワークを、発電、小売から分離し、誰もが公平にアクセスできるようにします。ガス事業でも小売を全面自由化し、あらゆる参入障壁を取り除いてまいります。競争的で、ダイナミックなエネルギー市場を創り上げてまいります。
 低廉で、安定した電力供給は、日本経済の生命線であります。責任あるエネルギー政策を進めます。
 燃料輸入の著しい増大による電気料金の上昇は、国民生活や中小・小規模事業の皆さんに大きな負担となっています。原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた原発は、その科学的・技術的な判断を尊重し、再稼働を進めます。国が支援して、しっかりとした避難計画の整備を進めます。立地自治体を始め関係者の理解を得るよう、丁寧な説明を行ってまいります。
 長期的に原発依存度を低減させていくとの方針は変わりません。あらゆる施策を総動員して、徹底した省エネルギーと、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めてまいります。
 安倍内閣の規制改革によって、昨年、夢の水素社会への幕が開きました。全国に水素ステーションを整備し、燃料電池自動車の普及を加速させます。大規模な建築物に省エネ基準への適合義務を課すなど、省エネ対策を抜本的に強化してまいります。
 安全性、安定供給、効率性、そして環境への適合。これらを十分に検証し、エネルギーのベストミックスを創り上げます。そして世界の温暖化対策をリードする。COP二十一に向け、温室効果ガスの排出について、新しい削減目標と具体的な行動計画を、できるだけ早期に策定いたします。

(改革推進のための行政改革)
 各般の改革を進めるため、行政改革を、併せ、断行いたします。
 歴代内閣で肥大化の一途を辿(たど)ってきた、内閣官房・内閣府の事務の一部を各省に移管し、重要政策における内閣の総合調整機能が機動的に発揮できるような体制を整えます。
 十七の独立行政法人を七法人へと統合します。私たちが進める改革は、単なる数合わせではありません。攻めの農業を始め諸改革を強力に進めていくための統合であります。金融庁検査の導入など、法人毎の業務の特性に応じたガバナンス体制を整備し、独立行政法人の政策実施機能を強化してまいります。
 四月から日本医療研究開発機構が始動します。革新的ながん治療薬の開発やiPS細胞の臨床応用などに取り組み、日本から、医療の世界にイノベーションを起こします。
 日本を「世界で最もイノベーションに適した国」にする。世界中から超一流の研究者を集めるため、世界最高の環境を備えた新たな研究開発法人制度を創ります。ITやロボット、海洋や宇宙、バイオなど、経済社会を一変させる挑戦的な研究を大胆に支援してまいります。

(改革断行国会)
 「知と行は二つにして一つ」
 何よりも実践を重んじ、明治維新の原動力となる志士たちを育てた、吉田松陰先生の言葉であります。
 成長戦略の実行。大胆な規制改革によって、生産性を押し上げ、国際競争力を高めていく。オープンな世界に踏み出し、世界の成長力を取り込んでいく。為すべきことは明らかです。要は、やるか、やらないか。
 この国会に求められていることは、単なる批判の応酬ではありません。「行動」です。「改革の断行」であります。日本の将来を見据えながら、大胆な改革を、皆さん、実行しようではありませんか。

三 経済再生と社会保障改革

(経済の好循環)
 この二年間、全力で射込んできた「三本の矢」の経済政策は、確実に成果を挙げています。
 中小・小規模事業者の倒産件数は、昨年、二十四年ぶりの低い水準となりました。就職内定を得て新年を迎えた新卒予定者は、八割を超えました。大卒で六年ぶり、高卒で二十一年ぶりに高い内定率です。有効求人倍率は、一年以上にわたって、一倍を超え、仕事を探す人よりも、人を求める仕事の数が多くなっています。正社員においても、十年前の調査開始以来、最高の水準となりました。
 この機を活かし、正規雇用を望む派遣労働者の皆さんに、そのチャンスを広げます。派遣先企業への直接雇用の依頼など正社員化への取組を派遣元に義務付けます。派遣先の労働者との均衡待遇の確保にも取り組み、一人ひとりの選択が実現できる環境を整えてまいります。
 昨年、過去十五年間で最高の賃上げが実現しました。そしてこの春も、企業収益の拡大を賃金の上昇につなげる。更には、中小・小規模事業の皆さんが原材料コストを価格に転嫁しやすくし、経済の好循環を継続させていく。その認識で、政労使が一致いたしました。
 デフレ脱却を確かなものとするため、消費税率十%への引上げを十八か月延期し、平成二十九年四月から実施します。そして賃上げの流れを来年の春、再来年の春と続け、景気回復の温かい風を全国津々浦々にまで届けていく。そのことによって、経済再生と財政再建、社会保障改革の三つを、同時に達成してまいります。
 来年度予算は、新規の国債発行額が六年ぶりに四十兆円を下回り、基礎的財政収支の赤字半減目標を達成する予算としました。二〇二〇年度の財政健全化目標についても堅持し、夏までに、その達成に向けた具体的な計画を策定いたします。

(社会保障の充実)
 消費増税が延期された中にあっても、アベノミクスの果実も活かし、社会保障を充実してまいります。
 難病の皆さんへの医療費助成を大幅に広げます。先月から、小児慢性特定疾病について、新たに百七疾病を助成対象としました。難病についても、この七月を目指し、三百疾病へと広げてまいります。先月から高額療養費制度を見直しました。所得の低い方々の医療費負担を軽減いたします。
 認知症対策を推進します。早期の診断と対応に加え、認知症の皆さんが、できる限り住み慣れた地域で暮らしていけるよう、環境を整えてまいります。国民健康保険への財政支援を拡充することと併せ、その財政運営を市町村から都道府県に移行することにより、国民皆保険の基盤を強化してまいります。
 所得の低い高齢者世帯の皆さんの介護保険料を軽減いたします。介護職員の皆さんに月額一万二千円相当の処遇改善を行い、サービスの充実にも取り組みます。他方で、利用者の負担を軽減し、保険料の伸びを抑えるため、増え続ける介護費用全体を抑制します。社会福祉法人について、経営組織の見直しや内部留保の明確化を進め、地域に貢献する福祉サービスの担い手へと改革してまいります。
 子育て世帯の皆さんを応援します。子ども・子育て支援新制度は、予定通り、四月から実施いたします。引き続き「待機児童ゼロ」の実現に全力投球してまいります。幼児教育や保育に携わる皆さんに三%相当の処遇改善を行い、小学校の教室を利用した放課後児童クラブの拡大や、休日・夜間保育、病児保育の充実など、多様な保育ニーズにもしっかりと応えてまいります。

四 誰にでもチャンスに満ち溢れた日本

(女性が輝く社会)
 その担い手として、これまで子育てに専念してきた女性の皆さんの力にも、大いに期待しています。「子育て支援員」制度がスタートします。子育ても一つのキャリア。そのかけがえのない、素晴らしい経験を活かしてほしいと思います。
 私は、女性の力を、強く信じます。家庭で、地域社会で、職場で、それぞれの場で活躍している全ての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、輝くことができる社会を創り上げてまいります。
 「女性活躍推進法案」を再び提出し、早期の成立を目指します。国、地方、企業などが一体となって、女性が活躍しやすい環境を整える。社会全体の意識改革を進めてまいります。
 本年採用の国家公務員から、女性の比率が三割を超えます。二〇二〇年には、あらゆる分野で指導的地位の三割以上が女性となる社会を目指し、女性役員などの情報の開示、育児休業中の職業訓練支援など、女性登用に積極的な企業を応援してまいります。

(柔軟かつ多様な働き方)
 高齢者の皆さんに、多様な就業機会を提供する。シルバー人材センターには、更にその機能を発揮してもらいます。障害や難病、重い病気を抱える皆さんにも、きめ細かな支援を行い、就労のチャンスを拡大してまいります。
 あらゆる人が、生きがいを持って、社会で活躍できる。そうすれば、少子高齢社会においても、日本は力強く成長できるはずです。
 そのためには、労働時間に画一的な枠をはめる、従来の労働制度、社会の発想を、大きく改めていかなければなりません。子育て、介護など働く方々の事情に応じた、柔軟かつ多様な働き方が可能となるよう、選択肢の幅を広げてまいります。
 昼が長い夏は、朝早くから働き、夕方からは家族や友人との時間を楽しむ。夏の生活スタイルを変革する新たな国民運動を展開します。
 夏休みの前に働いた分、子どもに合わせて長い休みを取る。そんな働き方も、フレックスタイム制度を拡充して、可能とします。専門性の高い仕事では、時間ではなく成果で評価する新たな労働制度を選択できるようにします。
 時間外労働への割増賃金の引上げなどにより、長時間労働を抑制します。更に、年次有給休暇を確実に取得できるようにする仕組みを創り、働き過ぎを防ぎ、ワーク・ライフ・バランスが確保できる社会を創ってまいります。

(若者の活躍)
 日本の未来を創るのは、若者です。若者たちには、社会で、その能力を思う存分発揮し、大いに活躍してもらいたいと願います。
 若者への雇用対策を抜本的に強化します。三割を超える若者が早期離職する現実を踏まえ、新卒者を募集する企業には、残業、研修、離職などの情報提供を求めます。若者の使い捨てが疑われる企業からは、ハローワークで新卒求人を受理しないようにいたします。
 非正規雇用の若者たちには、キャリアアップ助成金を活用して正規雇用化を応援します。魅力ある中小企業がたくさんある。そのことを若者たちに知ってもらうための仕組みを強化します。

(子どもたちのための教育再生)
 「娘は今、就職に向けて前向きに頑張っております。」
 二十歳の娘さんを持つお母さんから、手紙を頂きました。娘さんは、幼い頃から学習困難があり、友達と違う自分に悩んできたといいます。
 「娘はだんだん自己嫌悪がひどくなり『死んでしまいたい』と泣くこともありました・・・学校に行くたびに輝きが失せていく・・・しかし、娘は世の中に置いて行かれまいと、学校に通いました。」
 中学一年生の時、不登校になりました。しかし、フリースクールとの出会いによって、自信を取り戻し、再び学ぶことができました。大きな勇気を得て、社会の偏見に悩みながらも、今は就職活動にもチャレンジしているそうです。その手紙は、こう結ばれていました。
 「子どもは大人の鏡です。大人の価値観が変わらない限りいじめは起こり、無くなることはないでしょう。・・・多様な人、多様な学び、多様な生き方を受け入れ、認め合う社会を目指す日本であってほしいと切に願っております。ちっぽけな母親の願いです。」と。
 否(いや)、当然の願いであります。子どもたちの誰もが、自信を持って、学び、成長できる環境を創る。これは、私たち大人の責任です。
 フリースクールなどでの多様な学びを、国として支援してまいります。義務教育における「六・三」の画一的な学制を改革します。小中一貫校の設立も含め、九年間の中で、学年の壁などにとらわれない、多様な教育を可能とします。
 「できないことへの諦め」ではなく「できることへの喜び」を与える。地域の人たちの協力を得ながら、中学校で放課後などを利用して無償の学習支援を行う取組を、全国二千か所に拡大します。
 子どもたちの未来が、家庭の経済事情によって左右されるようなことがあってはなりません。子どもの貧困は、頑張れば報われるという真っ当な社会の根幹に関わる深刻な問題です。
 所得の低い世帯の幼児教育にかかる負担を軽減し、無償化の実現に向け、一歩一歩進んでまいります。希望すれば、高校にも、専修学校、大学にも進学できる環境を整えます。高校生に対する奨学給付金を拡充します。大学生への奨学金も、有利子から無利子への流れを加速し、将来的に、必要とする全ての学生が、無利子奨学金を受けられるようにしてまいります。
 誰にでもチャンスがある、そしてみんなが夢に向かって進んでいける。そうした社会を、皆さん、共に創り上げようではありませんか。

五 地方創生

(地方にこそチャンス)
 地方で就職する学生には、奨学金の返済を免除する新たな仕組みを創ります。東京に住む十代・二十代の若者に尋ねると、その半分近くが、地方への移住を望んでいる。大変勇気づけられる数字です。
 地方にこそチャンスがある。
 若者たちの挑戦を力強く後押しします。一度失敗すると全てを失う、「個人保証」偏重の慣行を断ち切ります。全国の金融機関、中小・小規模事業の皆さんへの徹底を図ります。政府調達では、創業から十年未満の企業を優先するための枠組みを創り、新たなビジネスに挑む中小・小規模事業の皆さんのチャンスを広げてまいります。
 地方にチャンスを見出す企業も応援します。本社などの拠点を地方に移し、投資や雇用を拡大する企業を、税制により支援してまいります。地域ならではの資源を活かした、新たな「ふるさと名物」の商品化、販路開拓も応援し、地方の「しごとづくり」を進めてまいります。
 地方こそ成長の主役です。
 外国人観光客は、この二年間で五百万人増加し、過去最高、一千三百万人を超えました。ビザ緩和などに戦略的に取り組み、更なる高みを目指します。
 日本を訪れる皆さんに、北から南まで、豊かな自然、文化や歴史、食など、地方の個性あふれる観光資源を満喫していただきたい。国内の税関や検疫、出入国管理の体制を拡充いたします。全国各地と結ぶ玄関口、羽田空港の機能強化を進めます。地元の理解を得て飛行経路を見直し、国際線の発着枠を二〇二〇年までに年四万回増やします。成田空港でも、管制機能を高度化し、同様に年四万回、発着枠を拡大します。アジアとのハブである沖縄では、那覇空港第二滑走路の建設を進めます。二〇二一年度まで毎年三千億円台の予算を確保するとした沖縄との約束を重んじ、その実施に最大限努めてまいります。

(地方目線の行財政改革)
 熱意ある地方の創意工夫を全力で応援する。それこそが、安倍内閣の地方創生であります。
 地方の努力が報われる、地方目線の行財政改革を進めます。それぞれの地方が、特色を活かしながら、全国にファンを増やし、財源を確保する。ふるさと納税を拡大してまいります。手続も簡素化し、より多くの皆さんに、地方の応援団になってほしいと思います。
 地方分権でも、霞が関が主導する従来のスタイルを根本から改め、地方の発意による、地方のための改革を進めてまいります。地方からの積極的な提案を採用し、農地転用などの権限を移譲します。更に、国家戦略特区制度を進化させ、地方の情熱に応えて規制改革を進める「地方創生特区」を設けてまいります。

(安心なまちづくり)
 伝統ある美しい日本を支えてきたのは、中山間地や離島にお住まいの皆さんです。医療や福祉、教育、買物といった生活に必要なサービスを、一定のエリアに集め、周辺の集落と公共交通を使って結ぶことで、小さくても便利な「まちづくり」を進めてまいります。
 安全で安心な暮らしは、何よりも重要です。ストーカー、高齢者に対する詐欺など、弱い立場の人たちを狙った犯罪への対策を強化してまいります。児童虐待から子どもたちを守るため、SOSの声を「いち・はや・く」キャッチする。児童相談所への全国共通ダイヤル「一八九」を、この七月から運用開始いたします。
 御嶽山の噴火を教訓に、地元と一体となって、観光客や登山者の警戒避難体制を充実するなど、火山防災対策を強化してまいります。近年増加するゲリラ豪雨による水害や土砂災害などに対して、インフラの整備に加え、避難計画の策定や訓練の実施など、事前防災・減災対策に取り組み、国土強靱化を進めてまいります。
 昨年は各地で自然災害が相次ぎました。その度に、自衛隊、警察、消防などの諸君が、昼夜を分かたず、また危険も顧みず、懸命の救助活動に当たってくれました。
 「たくさん雪が降っていて、とっても、こわかったです。」
 昨年十二月の大雪では、徳島県でいくつもの集落が孤立しました。災害派遣された自衛隊員に、地元の中学校の子どもたちが手紙をくれました。
 「そんなとき、自衛隊のみなさんが、来てくれて、助けてくれて、かんしゃの気持ちでいっぱいです。・・・わたしたちも、みなさんに何かしなくては!と思い、手紙を書きました。」
 私たちもまた、彼らの高い使命感と責任感に対し、今この場から、改めて、感謝の意を表したいと思います。

六 外交・安全保障の立て直し

(平和国家としての歩み)
 昨年十月、海上自衛隊の練習艦隊が、五か月間の遠洋航海から帰国しました。
 「国のために戦った方は、国籍を超えて、敬意を表さなければならない。」
 ソロモン諸島リロ首相の心温まる御協力を頂き、今回の航海では、先の大戦の激戦地ガダルカナル島で収容された百三十七柱の御遺骨に、祖国へと御帰還いただく任務にあたりました。
 今も異国の地に眠るたくさんの御遺骨に、一日も早く、祖国へと御帰還いただきたい。それは、今を生きる私たちの責務であります。硫黄島でも、一万二千柱もの御遺骨の早期帰還に向け、来年度中に滑走路下百か所の掘削を完了し、取組を加速してまいります。
 祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、お亡くなりになった、こうした尊い犠牲の上に、私たちの現在の平和があります。
 平和国家としての歩みは、これからも決して変わることはありません。国際情勢が激変する中で、その歩みを更に力強いものとする。国民の命と幸せな暮らしは、断固として守り抜く。そのために、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする安全保障法制の整備を進めてまいります。

(戦後七十年の「積極的平和主義」)
 本年は、戦後七十年の節目の年にあたります。
 我が国は、先の大戦の深い反省と共に、ひたすらに自由で民主的な国を創り上げ、世界の平和と繁栄に貢献してまいりました。その誇りを胸に、私たちは、これまで以上に世界の平和と安定に貢献する国とならなければなりません。次なる八十年、九十年、そして百年に向けて、その強い意志を世界に向けて発信してまいります。
 幾多の災害から得た教訓や経験を世界と共有する。三月、仙台で国連防災世界会議を開きます。「島国ならでは」の課題に共に立ち向かう。五月、いわきで太平洋・島サミットを開催します。二十一世紀こそ、女性への人権侵害が無い世紀とする。女性が輝く世界に向けて、昨年に引き続き、秋口には、世界中から活躍している女性の皆さんに、日本にお集まりいただきたいと考えています。
 本年はまた、被爆七十年の節目でもあります。唯一の戦争被爆国として、日本が、世界の核軍縮、不拡散をリードしてまいります。
 国連創設から七十年にあたる本年、日本は、安全保障理事会・非常任理事国に立候補いたします。そして、国連を二十一世紀にふさわしい姿へと改革する。その大きな役割を果たす決意であります。
 本年こそ、「積極的平和主義」の旗を一層高く掲げ、日本が世界から信頼される国となる。戦後七十年にふさわしい一年としていきたい。そう考えております。

(地球儀を俯瞰する外交)
 今後も、豪州、ASEAN諸国、インド、欧州諸国など、自由や民主主義、基本的人権や法の支配といった基本的価値を共有する国々と連携しながら、地球儀を俯瞰する視点で、積極的な外交を展開してまいります。
 その基軸は日米同盟であります。この二年間で、日米同盟の絆は復活し、揺るぎないものとなりました。日米ガイドラインの見直しを進め、その抑止力を一層高めてまいります。
 現行の日米合意に従って、在日米軍再編を進めてまいります。三月末には、西普天間住宅地区の返還が実現いたします。学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間飛行場の返還を、必ずや実現する。そのために、引き続き沖縄の方々の理解を得る努力を続けながら、名護市辺野古沖への移設を進めてまいります。今後も、日米両国の強固な信頼関係の下に、裏付けのない「言葉」ではなく実際の「行動」で、沖縄の基地負担の軽減に取り組んでまいります。
 日本と中国は、地域の平和と繁栄に大きな責任を持つ、切っても切れない関係です。昨年十一月、習近平国家主席と首脳会談を行って、「戦略的互恵関係」の原則を確認し、関係改善に向けて大きな一歩を踏み出しました。今後、様々なレベルで対話を深めながら、大局的な観点から、安定的な友好関係を発展させ、国際社会の期待に応えてまいります。
 韓国は、最も重要な隣国です。日韓国交正常化五十周年を迎え、関係改善に向けて話合いを積み重ねてまいります。対話のドアは、常にオープンであります。
 ロシアとは、戦後七十年経った現在も、いまだ平和条約が締結できていない現実があります。プーチン大統領とは、これまで十回にわたる首脳会談を行ってまいりました。大統領の訪日を、本年の適切な時期に実現したいと考えております。これまでの首脳会談の積み重ねを基礎に、経済、文化など幅広い分野で協力を深めながら、平和条約の締結に向けて、粘り強く交渉を続けてまいります。
 北朝鮮には、拉致、核、ミサイルの諸懸案の包括的な解決を求めます。最重要課題である拉致問題について、北朝鮮は、迅速な調査を行い、一刻も早く、全ての結果を正直に通報すべきであります。今後とも、「対話と圧力」、「行動対行動」の原則を貫き、拉致問題の解決に全力を尽くしてまいります。

七 二〇二〇年の日本

(東日本大震災からの復興)
 昨年末、日本を飛び立った「はやぶさ2」。宇宙での挑戦を続けています。小惑星にクレーターを作ってサンプルを採取する。そのミッションを可能とした核心技術は、福島で生まれました。東日本大震災で一時は休業を強いられながらも、技術者の皆さんの熱意が、被災地から「世界初」の技術を生み出しました。
 福島を、世界最先端の研究、新産業が生まれる地へと再生する。原発事故によって被害を受けた浜通り地域に、ロボット関連産業などの集積を進めてまいります。
 中間貯蔵施設の建設を進め、除染を更に加速します。東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策に、国も前面に立ち、全力で取り組みます。福島復興再生特別措置法を改正し、避難指示の解除に向けて、復興拠点が円滑に整備できるようにします。財政面での支援も拡充し、故郷に帰還する皆さんの生活再建を力強く後押ししてまいります。
 三月には、東北の被災地を貫く常磐自動車道が、いよいよ全線開通いたします。多くの観光客に東北を訪れていただきたい。被災地復興の起爆剤となることを期待しています。
 高台移転は九割、災害公営住宅は八割の事業がスタートしています。住まいの再建を続けると同時に、孤立しがちな被災者への見守りなどの「心」の復興、農林水産業や中小企業など「生業(なりわい)」の復興にも、全力を挙げてまいります。
 「はやぶさ2」は、福島生まれの技術がもたらした小惑星のサンプルと共に、二〇二〇年、日本に帰ってきます。その時には、東北の姿は一変しているに違いありません。いや、一変させなければなりません。「新たな可能性と創造」の地としての東北を、皆さん、共に創り上げようではありませんか。

(オリンピック・パラリンピック)
 その同じ年に、私たちは、オリンピック・パラリンピックを開催いたします。
 必ずや成功させる。その決意で、専任の担当大臣の下、インフラ整備からテロ対策まで、多岐にわたる準備を本格化してまいります。
 スポーツ庁を新たに設置し、日本から世界へと、スポーツの価値を広げます。子どもも、お年寄りも、そして障害や難病のある方も、誰もがスポーツをもっと楽しむことができる環境を整えてまいります。

(日本は変えられる)
 私たち日本人に、「二〇二〇年」という共通の目標ができました。
 昨年、日本海では、世界に先駆けて、表層型メタンハイドレート、いわゆる「燃える氷」の本格的なサンプル採取に成功しました。「日本は資源に乏しい国である」。そんな「常識」は、二〇二〇年には、もはや「非常識」になっているかもしれません。
 「日本は変えられる」。全ては、私たちの意志と行動にかかっています。
 十五年近く続いたデフレ。その最大の問題は、日本人から自信を奪い去ったことではないでしょうか。しかし、悲観して立ち止まっていても、何も変わらない。批判だけを繰り返していても、何も生まれません。
 「日本国民よ、自信を持て」
 戦後復興の礎を築いた吉田茂元総理の言葉であります。
 昭和の日本人に出来て、今の日本人に出来ない訳はありません。私は、この議場にいる全ての国会議員の皆さんに、再度、呼び掛けたいと思います。
 全ては国民のため、党派の違いを超えて、選挙制度改革、定数削減を実現させようではありませんか。憲法改正に向けた国民的な議論を深めていこうではありませんか。
 そして、日本の未来を切り拓く。そのために、「戦後以来の大改革」を、この国会で必ずや成し遂げようではありませんか。
 今や、日本は、私たちの努力で、再び成長することができる。世界の真ん中で輝くことができる。その「自信」を取り戻しつつあります。
 さあ皆さん、今ここから、新たなスタートを切って、芽生えた「自信」を「確信」へと変えていこうではありませんか。
 御清聴ありがとうございました。




社説 :施政方針演説 首相こそ合意の努力を
毎日新聞 2015年02月13日 02時40分

 安倍晋三首相が施政方針演説を行った。首相は農業などの諸改革を「戦後以来の大改革」と位置づけ、進める決意を示した。

 衆院選を乗り切り、第3次内閣を発足させた自信と自負が感じられる演説だった。首相は与党が3分の2以上の多数を制したさきの選挙結果について、政権が掲げる「この道」を「さらに力強く前進せよ」という国民の負託だと強調した。

 農業改革に関し「伝統の名の下に変化を恐れてはならない」と言い切るなど、変化志向を前面に出したことが目立つ。「日本は変えられる」と説き、悲願とする憲法改正については演説の末尾で国民的議論を呼びかけ、「変化」の集大成とする意欲をにじませた。「2020年の日本」の一節を設け、東京五輪開催の同年を改革実現の目安としたのも、長期政権を念頭に置いた表れだろう。

 吉田松陰、吉田茂らの言葉を盛り込み、明治維新や戦後になぞらえて日本の「自信回復」を訴える首相には一種の高揚感があるのかもしれない。だが、変化の方向は首相や与党だけが決めるものではない。

 首相は国会に批判の応酬の自制を求め、経済政策をめぐり「批判だけを繰り返していても何も生まれない」と主張した。揚げ足取りのような議論は別にして、野党はそれぞれの立場から政策を主張している。選挙で自民党が掲げた政策に有権者が全て賛成し、野党による主張を全て否定したわけでもない。

 「変化」の中身も問われる。後半国会の焦点となる安全保障法制に関しては「あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする」と述べるにとどめた。国会での幅広い合意形成を図るのであれば、少なくとも論点と基本的な見解を提示すべきだ。戦後70年にあたり首相が公表する新談話についても目的と趣旨をより踏み込んで説明してほしかった。

 イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)の人質殺害事件を踏まえ首相は「テロと戦う国際社会において日本としての責任を毅然(きぜん)として果たす」と述べ、人道支援の継続を強調した。日本が果たす役割を今後どう考えていくのか、国の針路に関わる問題である。

 首相の足元には急を要する課題が山積している。肝心の経済成長は黄信号がともり、格差の拡大も懸念されている。巨額の国の債務を抱え、急速な人口減少を迎える厳しい状況も現実だ。首相が言う20年には首都圏の超高齢化問題が深刻化し始める。税や社会保障で広範な国民合意を形成していくこともリーダーの重要な役割のはずだ。

 政権運営で見直すべき点は見直し、首相こそ批判に耳を傾け、着実な合意形成に努めるべきだ。




この国はどこへ行こうとしているのか 巨大与党の下で 経済学者・伊東光晴さん
毎日新聞 2015年01月07日 東京夕刊

 ◇「戦後の自由」を諦めない−−伊東光晴さん(87)

 「心拍数が40程度で、成人男性の正常値の半分程度しかない。主治医からは『いつ倒れてもおかしくない』と言われているのです」

 87歳の経済学者はこう語りながら、ゆっくりと肘掛け椅子に腰を下ろした。自宅2階の書斎。窓から冬の陽光が差し込んでいる。2012年2月、心筋梗塞(こうそく)で倒れて約1カ月、東京医科歯科大病院に入院。長時間の手術に耐えて生還した。今は体調を気遣いながら「人生最後の論文を執筆している」という。

 「安倍晋三首相は強い経済を取り戻すというが、まだほとんど何もやっていませんよ」。A4のメモを左手に持ちながら話を続ける。論点をまとめてくれていたようだ。「経済学者は現実に弱く、エコノミストは経済理論に弱い。だから誤った政策を批判することができない」。そして一段と語気を強めた。「日本経済は二つの大きな病にかかっている」

 二つの病とは何か。

 一つは国民が税負担を重いと感じていることだという。租税の負担感の国際比較を示した表をテーブルに置いた。日本の国民所得に対する税の割合は、先進国では低い。だが「高所得者は軽いと思う人が多いが、中所得者、低所得者は税負担が『重い』と感じている。つまり国民は税を負担してもそれなりの報いがないと受け止めているのです」。

 この意識が影響して、減税を訴える政治家は当選し、税負担を主張する政治家は落選する。安倍首相も消費増税の延期を訴え、昨年の衆院選で勝利した。「日本は財政再建が必要なのにもかかわらず、安倍政権は人気取りのために法人税減税を実行しようとしている。財政が好転しなければ、アベノミクスの『第二の矢』である公共投資は続けられるわけがない」

 第二の病は、非正規社員が増加し続けている点だと指摘する。「高度成長期に問題になったのは二重構造、つまり近代的な大企業と古いタイプの中小企業との賃金格差などでした。現在は非正規社員が増え、大企業内部にも格差が生じている。これでは生活が改善するはずがない。安倍政権は雇用が増えたと言っていますが、非正規が増え、正規が減っているのに格差を埋める政策を考えていません」

 さらに「一定給与以上の正規社員については労働時間が長くなっても残業手当を支払わなくていい労働市場を目指している」と批判する。「これほど働く者のことを考えない政策を推進する内閣は戦後にありましたか?」。目を覚ませ、と言わんばかりの強い口調で語り続ける。

 二つの病への処方箋も考えず、アベノミクスが成功しているかのように振る舞う政治家に怒りを感じている。

 “治療薬”はあるのか?

 「国民が抱く税の負担感を軽減させるとともに、国債発行に頼らずに予算編成ができるようにしなければならない。それには脱税と租税回避を減らし、年金受給者を含め皆に税金を納めてもらい、皆が恩恵を受ける普遍的な社会制度を構築する必要がある。所得税は事実上、サラリーマン税になっており公平さを欠いている。納税者の誰もが老後や、教育、医療などの分野で恩恵を受けられるようにすれば、税の負担感は軽くなります」。参考になる国は例えばスウェーデン。税負担と社会制度の両輪がうまく回る国を目指さないと日本は立ち行かなくなると力説する。

 安倍政権は盛んに株高を強調する。確かに日本株は民主党政権下よりも上昇。日経平均株価は12年11月中旬(8600円台)から上昇に転じ、昨年12月30日は1万7450円と2倍になった。

 「株高は外国人投資家が、分散投資の観点から買い越しに転じたのが理由。自民への政権交代やアベノミクスとは関係がない。安倍首相は『成功している』と繰り返すが、うそは繰り返されると、みんな本当だと信じてしまう。もうそろそろ安倍政権が宣伝する幻想から私たちは解放されなければならない」。昨年7月に出版した「アベノミクス批判 四本の矢を折る」(岩波書店)は、現在は第7刷となった。国民もおかしいと思い始めている証左なのか。

 最も懸念するのは三本の矢ではない。「戦後の政治体制を改変することが安倍首相の真の目的。これが隠された『第四の矢』です。私は戦前の社会を見ているからこそ危険性が分かるのです」

 安倍内閣は特定秘密保護法を成立・施行させ、閣議決定で集団的自衛権の行使を容認した。今年は安全保障関連の法整備を進める。一連の政策には「戦争ができる国への転換」との批判が根強い。13年12月には首相自らA級戦犯が合祀(ごうし)された靖国神社を参拝した。

 「安倍首相は祖父の岸信介元首相は正しかったと信じ切っている。そして岸氏の盟友、東条英機元首相ら戦前の指導者の名誉を回復させたいと願っている。『戦後レジームからの脱却』を唱え、憲法を改正し、国家間の紛争解決のため武力を使う戦前のような日本を再び築きたいと考えている。なぜか? 要は歴史を学んでいないからです」

 自身は17歳で終戦を迎えた。「国民は家の中で『ばかな戦争』と批判しても、表立って戦争反対と訴えた人は少なかった。今の自民党内の現状と似ています」

 電気事業審議会委員や国民生活審議会委員を長く務め、東日本大震災前に福島第1原発も歩いた。研究室からは見えない「現場」で、現実と切り結んできた自負がある。

 「安倍首相の誤った政策に対して誰も何も言わない、怒らない。私のような批判的な意見を掲載する新聞社も減った。この国は行き着くところまで行かないと正常に戻らない。愚かな戦争も表向きは国民が賛成し、協力した。国にブレーキを掛けるのはとてつもなく難しい」。ブレーキが掛からない様は原発再稼働問題にも見える。「再稼働させれば放射性廃棄物がたまり過ぎて必ず対応できなくなる。その時、初めて原発の愚かさに目覚める」

 日差しが傾き始めた。「ではこの先は戦前のような暗い社会になる、と」と尋ねると意外な答えが返ってきた。「実は好機でもあるのです」

 「政権が明確に右傾化を進めようとすれば、引き戻せるギリギリのところで抵抗する人々がきっと立ち上がる。例えば谷垣禎一幹事長は心の底から本当に安倍首相に賛成しているのだろうか。国民全員が戦前の社会を望んでいるわけではない。戦前回帰の動きと戦後の自由な社会を守る動きが対立し、はじめて社会は正常に戻る。私は諦めていません」。真っすぐこちらを向いた丸顔は赤みを帯びていた。

 暮れ始めた冬空は雲が一つもない快晴。「諦めない」と言い切った老学者の生き方のように。【瀬尾忠義】

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 ■人物略歴

 ◇いとう・みつはる

 東京都生まれ。東京商科大(現一橋大)卒。京都大名誉教授。理論経済学、経済政策専攻。著書に「現代に生きるケインズ」「日本の伏流」など多数。




(更新 2014.12..30 予期した通りの12月衆院解散総選挙の結果について、その民意の有り様について考えてみたいと思うので、本稿 更新することと致しました。)

民意の表出について典型を紹介します。

憂楽帳:民意
毎日新聞 2014年12月17日 中部夕刊

 民意は時に底知れない姿を見せる。1983年12月の衆院選旧新潟3区には、ロッキード事件で実刑判決を受けみそぎを狙う田中角栄元首相に対抗し作家の野坂昭如氏が出馬した。大学2年生の私は注目の選挙に触れてみたく、友人と2人で野坂陣営のボランティアとしてポスター貼りをした。

 大宮駅から上越新幹線に飛び乗り選挙事務所に着くと全国から同じような若者が集まっていた。毎日新聞は「ボランティアの若者も六十人に増え、駆け込み出馬で出足の遅れた態勢も公示前夜のギリギリになって整った」と伝えた。車に分乗し1メートルを超える深い雪に苦戦しながらも割り当て地域の掲示板を探し2日間ポスターを貼った。

 野坂氏の善戦も期待されたが、実際には田中氏が22万余の票を獲得、19万票余もの差をつけた。驚がくさせられたが、紛れもない民意だった。

 戦後最低の投票率となった14日の衆院選では約半数が投票せず、結果的に「1強」を追認した形だ。多様で十分な論議の後退が強く懸念されるが、これも民意である。【小出禎樹】



ここまで強烈ではないが、今回の選挙の群馬5区おいて、同様な追体験したと私たちは「政治とカネ」問題を前にして言えるのではないか?。 少し長くなるが、毎日新聞朝刊の 記者の目(12月18日)を紹介します。


記者の目:衆院選群馬5区、小渕優子氏圧勝=角田直哉(前橋支局渋川駐在)

◇「みそぎ」はこれからだ

 衆院選の群馬5区で自民の小渕優子氏(41)が6回目の当選を果たした。政治資金問題で10月に経済産業相を辞任したが、得票率は7割を超え、過去5回と同様の圧勝だった。「政治とカネ」を巡る疑惑が浮上した他の閣僚、元閣僚も全員当選した。だが、有権者の大半は「政治とカネ」について審判を下すべきテーマとは考えていなかった。小渕氏を含め、どの当選者も「みそぎ」は済んでいない。

 ◇疑惑説明なく「心配と迷惑」

 「多大なるご心配、ご迷惑をおかけしたことを心からおわびします。日本のため、ふるさと群馬のために働かせていただきたい。私にも、もうこの道しかない」

 小渕氏の選挙戦は涙で始まった。公示日の2日、群馬県渋川市内の神社で開かれた出陣式で約200人を前に第一声を上げ、疑惑発覚後、初めて有権者と向き合った。涙ぐんで深々と頭を下げる小渕氏に対し、「大丈夫」「頑張れ」と泣きながら叫ぶ人もいた。異様な熱気だった。

 小渕氏は9月の内閣改造で経産相に就任したが、後援会の観劇ツアーの支出と収入のずれなど不明朗な会計が発覚、10月20日辞任した。「小渕優子」のラベルを貼ったワインを有権者に配っていたことも明らかになった。

 選挙運動では、ひたすら頭を下げた。前回2012年の衆院選では応援弁士として全国を駆け回り、地元入りしたのは7時間のみ。今回は一転して選挙区内をくまなく回り、「どぶ板選挙」に徹した。多い日には40カ所以上で街頭演説し「心配と迷惑」への謝罪と、もう一度出直したいという「私の思い」を繰り返した。

 ◇「政治とカネ」判断材料3%

 小渕氏が選挙戦を通じて有権者に訴えたことは何だったのか。肝心の不明朗会計の中身については説明も謝罪もなかった。おわびの対象はあくまでも「心配と迷惑」をかけたことだけだった。一日に何度も涙を見せ「情」に訴える戦術に見えた。小渕氏と握手した女性がつぶやいた。「優子ちゃんの元気な姿が見られただけでよかった」

 小渕氏の政治資金問題発覚と同時期には、法相だった松島みどり氏が選挙区で「うちわ」を配布したことが公職選挙法違反ではないかと指摘され、小渕氏と同時のダブル辞任になった。さらに西川公也農相は、代表を務める自民党支部から親族企業への政治資金の流れが問題視された。望月義夫環境相の収支報告書の事実と異なる記載、江渡聡徳防衛相の資金管理団体の会計処理問題など、政治とカネの疑惑が次々に噴出した。今回の衆院選では、比例復活の西川氏を含め全員が当選した。「みそぎが済んだ」と考えている人もいるだろう。

 私は少なくとも群馬5区では「政治とカネ」が争点の一つになると考えていた。小渕氏自身、不明朗会計について第三者による調査を約束し「政治家としての説明責任を果たす」と明言していた。しかし、説明できないまま衆院選に突入し、有権者には判断材料がなかった。これでは、「許し」を請う選挙にはならない。選挙戦中盤の毎日新聞の世論調査でも、県内で「政治とカネ」を最重視する有権者は3%にとどまった。

 狭いエリアで地域代表を選ぶ小選挙区制では、人間関係や利害得失が投票行動に影響しやすい。よほど悪質な犯罪行為でもない限り、有権者は「政治とカネ」問題では投票判断を変えないのではないか。小渕氏の長年の支援者という50代の自営業女性が、私を諭すように話したのが象徴的だ。「政治とカネの問題で私たちは良いか悪いかの判断なんて下せない。これまで支えてきた優子ちゃんが、もう一度頑張りたいと言っているのを全力で後押しするだけ」

 選挙の結果と、法的・政治的・道義的責任とは無関係なのである。そうである以上、「当選すればみそぎが済む」という考え自体が無意味な幻想ではないか。

 今回の総選挙は、消費増税先送りや安倍政権の経済政策「アベノミクス」の是非を問うとされた。いずれも日本の将来を左右する重要な「カネ」の問題である。しかし、身の回りのカネの問題で国民の政治不信をかき立てるような政治家に、私たち国民の「財布」を負託することには大きな抵抗感がある。

 小渕氏は14日夜、当選を確実にした後の取材で、政治資金問題について「(東京地検特捜部の)捜査にしっかり協力して第三者による調査を進めたい。必ず皆様の疑念を払拭(ふっしょく)する」と語った。忘れないでほしい。有権者は、政治とカネの問題について許しを与えたわけではない。今後、どのように説明責任を果たし、私たちのカネを動かす国政に臨んでいくのか。みそぎとは、その先にあるものだと思う。



しかし 少なくとも有権者にしてみれば カネの 説明責任を果たさないことへの免責 を与えた覚えはないことに留意したい。




今後の経済財政動向等についての点検会合 概要報告 内閣府

第5回「今後の経済財政動向等についての点検会合」議事要旨

このなかで特に本田 悦朗氏と吉川 洋 氏の真逆の立論に興味を覚えたので、発表資料を掲載しておきます。
今後の経済財政動向等についての点検会合 本田 悦朗
今後の経済財政動向等 についての集中点検会合 吉川 洋

平成 26 年第 19 回経済財政諮問会議 議事要旨

なお 総選挙結果を踏まえて民意の有り様については、項を改めたい。



永田町:解散風にざわつく 想定3シナリオ
毎日新聞 2014年11月07日 23時56分(最終更新 11月08日 09時35分)

 年末年始の衆院解散・総選挙をめぐる臆測で永田町がざわめいている。安倍晋三首相は7日、BSフジ番組で「解散について首相に聞けば『考えていない』というのが決まりなんです。実際に考えていない」とけむに巻いたが、解散に踏み切るとしたら、どんな可能性があるのか。シナリオを探った。【影山哲也】


 ◇ケース1 増税先送り月内

 政府・与党内でささやかれる最も早い解散・総選挙のシナリオが「11月中の解散、12月21日投開票」を軸とした日程だ。背景には、首相が年内に消費税再増税の是非を決めるという、重い選択を迫られている事情がある。

 首相は9日から北京に出発し、一連の国際会議から帰国する17日には、消費税率10%への引き上げの判断材料となる7〜9月期国内総生産(GDP)の速報値が発表される。速報値が市場の予測を大幅に下回った場合、予定通りの消費税率引き上げは難しくなる。

 首相がこの数字を踏まえ引き上げの延期を決めれば、景気の足を引っ張る要因は小さくできるが、消費増税で社会保障財源の確保を目指した2012年夏の民主、自民、公明の3党合意はほごになる。11月解散説が浮上するのは、景気回復を優先させたことへの信任を得ることが大義名分になるとの見方があるためだ。

 ◇ケース2 年またぎ総選挙

 年内に衆院を解散、総選挙は年明け−−というシナリオも可能性はある。

 菅義偉官房長官は12月8日のGDP改定値発表を待ったうえで首相が判断すると説明してきた。各種の経済統計が出そろったうえで消費増税の是非を判断し、解散に踏み切る場合、解散は年内になるものの、選挙は年明けにずれ込む。与党は、デフレからの脱却を確実にするための経済政策を掲げる選挙となりそうだ。選挙時期はケース(1)より遅くなるが、4月の統一地方選までまだ時間もあり、自民、公明両党とも厚い地方組織を活用しやすい。

 11月30日に今国会は閉会するため、会期の延長がない場合、解散するため短期の臨時国会を再び開く必要が出てくる。

 ◇ケース3 1月補正予算後

 ただ、解散と総選挙が年末年始をまたぐケースは近年例がなく、正月をはさんだ選挙運動は世論の批判を浴びかねない。このため、より有力なのは通常国会を召集したうえでの「1月解散」だ。

 過去には通常国会の冒頭で解散した例もあるが、自民党内には「通常国会で景気対策のための補正予算を成立させた後で解散に踏み切った方が選挙では有利」との声がある。とりわけ、消費税を予定通り引き上げる判断をした後の解散・総選挙では、景気対策の実績がより重みを増すことになる。

 自民党は12年衆院選で294議席を獲得。次回の衆院選で議席を維持するのは容易ではないと見られており、野党から「早く解散してもらえればありがたい」(民主党の枝野幸男幹事長)との声も上がる。自民党内には「首相が解散の選択肢を持っておくことが大事だ」(派閥領袖<りょうしゅう>)と、早期解散論が浮上する背景には首相の求心力を高める意図があるとの見方もある。

第17回経済財政諮問会議 会議資料
第 17 回経済財政諮問会議 議事要旨

第18回経済財政諮問会議 会議資料
第 18 回経済財政諮問会議 議事要旨
民間議員の新浪剛史氏の提案 特に ITインフラに関しては傾聴に値するものであると思った。

読み物を2本掲載しておきます。

毎日21世紀フォーラム 第135回例会 アベノミクス持続の条件
大阪夕刊 2014年09月22日

 ◇成長戦略へ軸足を 法人税引き下げがカギ--内閣官房参与・経済学者、浜田宏一氏

 異業種交流組織「毎日21世紀フォーラム」の第135回例会が5日、大阪市中央区のホテルニューオータニ大阪であり、安倍晋三首相の経済ブレーンで内閣官房参与の浜田宏一氏が約240人を前に「アベノミクス持続の条件」と題して講演した。大胆な金融緩和で有効求人倍率などの経済指標が改善したことに触れ、「需要が上がった今、これからは供給政策をしっかりやるべきだ」と提言。「金融政策から成長戦略へ軸足を移す時期が来た」と話した。【まとめ・塩路佳子、撮影・加古信志】
 ■金融緩和で需要増
 この講演で申し上げることに、これから安倍首相に進言することは入っていますが、第2次安倍内閣の考えからは独立しています。私の個人的意見として話したいと思います。
 安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、政権が誕生した2012年末にスタートしました。(この約2年間で)有効求人倍率の改善や、日本経済が実際にどれくらい成長したかを表す「実質国内総生産(GDP)」と(労働力や企業の設備投資など)経済のあらゆる資源を活用した時に日本経済がどれくらい無理なく伸びていくかを表す「潜在GDP」の差、すなわちGDPギャップが縮まったことを見ると、アベノミクスが掲げる第一の矢、大胆な金融緩和は効果が出ているといえます。
 有効求人倍率は12年当時、0・8倍で少し低迷していました。就職希望者が100人いるとしたら、職は80しかないという状況ですね。それが今は、1・1から1・2倍に近づこうとしています。労働市場が回復しているという意味で、景気はだんだん良くなっているといえます。
 ただし、高水準が長く続くと、今度は賃上げ圧力が加わって、日本全体が(急激な)インフレになるかもしれません。(物の値段が上がると、実質的なお金の価値が下がるため)我々が持っている資産が自動的に目減りするような社会になってしまいます。例えば1・2倍が半年も続けば、かなりのインフレになる可能性があります。
 実質GDPと潜在GDPの差はどうでしょう。08~09年は、リーマン・ショックの影響で日本の実質GDPは大きく下がりました。欧米各国が金融緩和に動いたのに対し、日本は緩めず、強烈な円高が来てしまった。12年、就任前の安倍首相は「これからは金融政策を使って経済を回復する」と訴えました。アベノミクスが始まり、ようやく金融緩和が効いてきたわけです。需要は回復し、実質GDPは上がっていきました。
 金融緩和がなぜ効くのか。それは、お金を投入すれば人々の懐が豊かになるからです。株式市場にそのお金が投入されれば株価が上がってさらに懐が豊かになり、お金を使うようになります。長い間、日本経済がデフレ状態だったのは、人々がお金を抱え込んでいたからです。デフレ状態だと、(物の値段は下がり、実質的なお金の価値は上がるため)抱え込むお金はどんどん増えていきます。でも、人々がわずかでもインフレ期待を持てば、人々はお金を使い始めるというのが、(インフレ率2%を目指す)日本銀行の考え方です。
 ■潜在成長率上げる
 ここまでのアベノミクスはうまくいっていると言えます。ただ、現実の経済成長が潜在経済成長に近づくと金融政策の雇用や所得に対する影響力は弱まり、金融政策が効かなくなる時期が来ます。第一の矢が成功したからこそ、その効果の限界が見えつつあるのです。需要がやっと上がってきた今、これからは供給力をつける構造改革をしっかりやっていかなければいけません。第一の矢の金融政策から、第三の矢の成長戦略に軸足を移す時期に来ています。
 第一の矢は、政府が政策を変えればいいわけですから、すぐにできます。しかし、第三の矢を進めるには、さまざまな規制に関わっているお役人の鎧(よろい)を脱がせる必要があります。そのため、第三の矢は非常に難しいといえます。私のアベノミクスに対する評価は第一の矢がA、(機動的な財政政策の)第二の矢がB。第三の矢は冗談交じりですが、努力(effort)のEといっています。
 第三の矢はいかに規制緩和をするかがポイントです。第三の矢の目標は、潜在成長率を上げること。一番効果的なのは、(労働力となる)人口を増やすことですが、少子化対策をしても子供が生まれて働くまでは時間がかかります。だから、移民や外国人労働力の活用が、目標に対する手段としては一番良いとされています。ただ、移民政策は文化や税制、安全の面でもリスクがあり、簡単でありません。
 農業について言いますと、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)による自由化で確かに零細農家には負担がかかります。しかし、日本の農業には輸出力があるというのが専門家の意見です。例えば、今は日本食ブーム。どこに行っても良い食材が必要で、日本の野菜、そして花も国際競争力があるのです。
 ■国際競争力を強化
 消費税率の引き上げについては、安倍首相が言うように10、11月に出る指標を見て決めるのが妥当だと思います。ただ、日本経済を活性化させ、産業の空洞化を防ぐためには法人税を大幅に下げることの方が重要です。
 これからは国際競争力を強化していかなければいけません。日本の法人税の実効税率は35%台で、世界一高いといえます。中国(25・0%)、韓国(24・2%)、イギリス(24・0%)、シンガポール(17・0%、数字はいずれも13年1月時点)と比べると、とても太刀打ちできません。今のままでは日本の投資は外に出てしまうし、他の国の投資は入らず、日本経済はどんどん空洞化してしまいます。
 政府は15年度から数年で税率を20%台に引き下げるとしています。29%ではなく25%くらいまで、税率を大幅に下げれば、(外国の投資を呼び込み)どっと資本が入ってくる可能性があると考えています。
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 ■人物略歴
 ◇はまだ・こういち
 1936年、東京生まれ。東京大法学部、経済学部卒業後、米国エール大で経済学博士取得。東大、エール大の経済学部教授、内閣府経済社会総合研究所長などを歴任する。2012年12月、第2次安倍内閣で内閣官房参与に就任し、「アベノミクス」の指南役に。デフレを解消して経済を復活させようと考える「リフレ派」の重鎮として知られる。

安倍政権:第2章/上 「地方創生」見えぬ中身 事務局、半数が他省庁と兼務
毎日新聞 2014年09月05日 東京朝刊

 「地方が衰退すればやがて東京も衰退し、日本の消滅につながる。この危機感を共有しなければならない」

 石破茂地方創生担当相は3日夜の記者会見でこう強調した。石破氏の政府入りは、2008年に農相として麻生内閣で入閣して以来。自民党幹事長の交代を巡っては、安倍晋三首相との確執をうかがわせたが、政権の目玉政策を担う意気込みをのぞかせた。

 安倍内閣が地方対策に傾斜したきっかけは、増田寛也元総務相ら有識者グループが行った5月の提言。東京一極集中と少子化が続けば、全国1800市区町村の半数に「消滅の可能性」があると指摘した。増田氏は「地方分権と少子化を結びつけた対策が避けられない」と警鐘を鳴らした。

 こうした状況を受け、首相は今回の内閣改造で「地方」と「女性」を重点政策に据えた。3日の記者会見では、「最大の課題の一つが元気で豊かな地方の創生だ。人口減少や超高齢化など構造的な課題に真正面から取り組む」と強調。アベノミクスで株価は好調を維持しているものの、消費増税もあり個人の実質賃金はマイナスだ。特に地方に、恩恵は広がっていない。首相が人口問題をキーワードに経済から地方対策にかじを切ったのは、統一地方選を前に地方重視をアピールする意味合いもある。

 ただ、3日に閣僚の担当分野が決まってからは、首相の真意をいぶかる声が政府内で早くも上がった。肝心の人口対策に直結する少子化や男女共同参画は、石破氏でなく有村治子女性活躍担当相の担務になっていたためだ。政府関係者は「地方創生で何をやるかが明確でない証拠だ」と指摘した。

 一方で、各省庁は予算獲得の好機とみて、8月末の概算要求では、地方創生を含む「特別枠」に3・8兆円の要求が積み上がった。自民党も今月中に地方活性化に向けた議員連盟を発足させる予定だ。政策の明確な方向性が定まらないまま主導権争いが起きれば、目玉政策もばらまきに終わる懸念がある。

 政府は「50年後に人口1億人程度の安定した人口構造」を築くことを目標に掲げる。石破氏はその実現のために、今後5年の総合戦略を年内に策定すると同時に、年末の予算編成に向けて各省庁の類似した事業の統合・整理などの業務に取り組むことになる。

 石破氏は4日、大臣室で記者団に、「縦割り、縄張り争い、既得権を打破していく」と意欲を示した。ただ、手勢となる事務局は70人で、現状では半数以上が他省庁との兼務。各省庁に対してどれだけ影響力を発揮できるかは未知数だ。首相官邸と共同歩調を取れるかも課題となる。

 女性政策では、首相は「女性活躍担当相」を新たに置き、過去最多と同数の5人の女性閣僚を起用した。ただ、伝統的な家族観の尊重を唱える保守系女性閣僚が少なくない。ワーク・ライフ・バランスに詳しい東京大社会科学研究所の皆川満寿美特任研究員は「高学歴女性の就業継続支援だけでなく、シングルマザーの貧困率を下げる数値目標を掲げるなど、日本の働き方の仕組みを根本的に変える本気度を見せてほしい」と注文をつけた。【竹島一登】

    ◇

 第2次安倍改造内閣が4日、本格スタートした。首相は新体制で統一地方選や衆院解散・総選挙に向け足場固めを目指すが、政策テーマは長年解決策が見いだせなかった難題でもある。「自民1強」に甘んじてきた野党はどう対応するのか。行方を占った。

安倍政権:第2章/中 次の改造、解散視野 長期政権戦略を左右
毎日新聞 2014年09月06日 東京朝刊

 内閣改造当日の3日、国会内の公明党控室で自民党の谷垣禎一幹事長ら新四役を出迎えた山口那津男代表は満面の笑みだった。

 自公両党が野党だった2012年、当時総裁だった谷垣氏は山口氏とともに、消費増税で民主党との3党合意を実現させた。2人は弁護士出身で、リベラルな主張も共通する。「今さら感がありますが……」と照れ笑いする谷垣氏を、山口氏は「安定感がいっそう増しましたよ」と激励した。

 公明党は「安倍晋三首相よりよっぽど馬が合う」と歓迎ムードに包まれる。今回の自民党役員人事は、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更を巡ってぎくしゃくした両党の関係を修復したいという首相からのメッセージ--。公明党側はそう受け止めている。

 首相は「公約」通りに女性閣僚を5人に増やし、知名度の高い石破茂前幹事長を地方創生担当相に起用した。自民党内では「野党はまだバラバラだ。年内の衆院解散・総選挙でも勝てる」(谷垣グループ議員)との声すら上がる。

 しかし、来年4月の統一地方選に専念したい公明党は早期解散に反対している。首相は後任幹事長に総裁経験者の谷垣氏を充てるなど各派閥の均衡に努めた。サプライズよりも安定感と与党の協調を重視した布陣に、「首相は早期解散を考えていない」という見方が広がっている。

 では首相の戦略は何か。

 衆院議員の任期は16年末まで。同年夏には参院選があり、政権基盤を盤石にするため首相は「衆参ダブル選挙」を狙っているのではないかという観測がある。しかし、ダブル選は大きなかけだ。その時点で政権に逆風が吹いていたら解散を先送りせざるを得ず、任期切れが迫るにつれ「追い込まれ解散」の恐れが強まる。麻生政権はこれで失敗し、自民党は09年衆院選で惨敗して野党に転落した。

 そこで自民党内に浮上してきたのが、時間的に余裕のある来年のうちに首相が解散のタイミングを探るべきだという意見。今回入閣を逃した「待機組」のある議員は「次の改造の顔ぶれは選挙向けになる」と話す。次期衆院選前に再改造があるという見立てだ。

 とはいえ来年も解散の時機は悩ましい。与党は来年の通常国会で3月末までに15年度予算案を成立させた後、統一選を経て、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案の審議に臨む。早期成立なら解散に関する首相の選択肢は広がるが、法案への世論の批判が高まり、審議が紛糾すれば「解散どころではなく、大幅な会期延長が必要になる」(自民党国対関係者)のは必至だ。

 一方、来年9月の総裁選で再選された後の解散・総選挙は、消費税率の10%への引き上げ(10月1日)時期と重なり、苦戦も予想される。自民党中堅議員は「年内に首相が再増税を決断したら、来秋の衆院選はつらい」と漏らす。逆に引き上げ慎重派は「財政再建派の象徴である谷垣氏を執行部に取り込み、再増税を見送っても反対できないよう封じ込めた」と語り、今回の人事は再増税見送りの布石とにらむ。

 長期政権を狙う首相の戦略の成否は、解散への道筋をどうつけるかにかかっている。【松尾良】

安倍政権:第2章/下 野党多弱、いつまで 主導権争い、選挙協力難航
毎日新聞 2014年09月07日 東京朝刊

 「新味がないな。これで次期衆院選は、少なくとも年内はないだろう」

 民主党幹部は内閣改造・自民党役員人事が発表された翌4日、こう感想を漏らした。重要閣僚が軒並み留任した上、注目の党幹事長には谷垣禎一前総裁を登用し、総じて派閥のバランスに配慮した陣容。幹事長に若手起用が取りざたされ、「年内解散か」ともみられていただけに、幹部の表情には安堵(あんど)感が漂っていた。

 「多弱」と呼ばれて久しい野党は分裂を繰り返し、9党になった。次期衆院選で自民党「1強」を打ち破るには、野党候補の共倒れを防ぐ選挙区調整が欠かせない。

 民主党の海江田万里代表は先月、テレビ番組で「共通の政策を掲げ、選挙協力をやる」と述べ、調整の必要性を指摘。岡田克也前副総理も「今すぐ調整を始めるべきだ」と主張した。しかし、同党幹部は「実情は全く進んでいない」と打ち明ける。

 衆院295小選挙区のうち、民主、日本維新の会、みんなの党、結いの党など野党7党の候補予定者が競合している選挙区は50選挙区以上あるうえ、約3分の1は空白区のまま。民主党は131選挙区で公認候補を決めているが、例えば鹿児島1区の川内博史前衆院議員については「日本維新の会と連携を模索する」として未定。党内で「なぜ公認しないのか」と疑問の声が公然とあがる。安倍晋三首相は来年中の解散を模索しているとされ、調整に残された時間は「ギリギリ」との見方が大勢だ。

 民主と維新の選挙区調整が進まない背景には、野党再編を巡る主導権争いがある。民主党内には維新や結い、みんななどの「第三極」は「放っておけば勝手に失速する」とみて選挙区調整自体に消極的な意見も根強い。

 一方、維新内には「民主党との選挙区調整なんてあり得ない。民主党抜きの野党で組めばいい」(若手議員)との声が出ている。みんなは統一地方選で民主や維新との選挙区調整を始めているが、衆院選の協力については見通しは立っていない。

 さらに各党それぞれの党内事情も複雑だ。民主党では最近、「選挙の顔」を求める代表選前倒し論が広がった。海江田氏は代表続投で乗り切り党役員人事を進めるが、解散時期の観測次第では、いったん収まった「海江田降ろし」の再燃も予想される。

 こうした事情が党の政策決定にも反映している。消費税率10%への引き上げについては政府の出方をうかがい態度を決めかね、集団的自衛権を巡っても「行使一般を容認する憲法解釈変更を許さない」との「玉虫色」の党見解に対し、党内の賛成派・反対派双方から不満がくすぶる。

 維新と結いも統一会派を結成、新党結党に向け合流協議を続けているが、いまだに政策の最終合意には至っていない。こちらも、ネックとなっているのは▽消費税率10%への引き上げ▽集団的自衛権の行使容認▽原発再稼働など、いずれも秋の臨時国会で重要な論点になるとみられるテーマだ。

 今回の人事で長期政権に向けて歩を進めた安倍政権に対し、野党は依然として「多弱」から抜け出す方策を見いだせずにいる。【仙石恭】




経済財政諮問会議
第16回経済財政諮問会議 会議資料
第16回甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨
注視すべき質疑応答があったので掲載しておきます。黒田日銀総裁の頑迷さが際立っている。

民間議員から、
あるエコノミストは現状の景気は風邪を引いている状況であると表現している。体質は改善しているが、天候と実質所得が目減りをして体力が落ちている。肺炎にしてしまわない手だてが必要。カンフル剤を打てばいいのか、賃上げ等体質改善の施策を優先するのか、政策の選択肢を考えないといけない。天候の一時的な要因だからと安心するのは危険。日銀総裁から短観の見方を教えてほしい。」

黒田日銀総裁から、
「今朝、短観を発表したが、予想していたものより良かった。比較的高水準を維持した。収益も改善傾向が続き、設備投資も増加している。企業の姿勢は前向きである。家計の方は賃金・所得はいいし、失業率は3.5%に低下したが、消費が弱めの数字である。企業の方はあまり悲観しておらず、好循環が続くだろうとみている。企業規模、業種によって反動減からの回復が遅れていたり、天候により弱い部分があり、それがある程度企業の業績に反映されている状態である。」

続いて官房長官から、
「これだけの円安にもかかわらず、輸出が動いていない。企業は先行きに対しての見通しが立っていないためではないのか。」

黒田日銀総裁から、
「要因としては、アジアなどの輸出マーケットがもたついていることや、リーマンショック後に自動車産業などが海外移転を進めたことが原因ではないかと思われる。一方で、海外での利益は為替レートが修正されると円建てでの利益が増えるし、輸出についても、その分だけ利益が増える。大企業、製造業の収益状況は日銀短観でも良くなっている。」

官房長官から、
「80円前後で円高が続いていたので、それに対応できる体質になっている。しかし、円安になっても設備投資は上がっていないし、日本に企業が戻ってこないという状況はどうしたものか。」

黒田日銀総裁から、
「海外に出た企業が戻ってくるということはなかなか難しいと思われる。しかし、設備投資は日銀短観でみるとかなり強い。特に大企業の設備投資意欲は久方ぶりに強い。国内での設備投資を増やすという傾向はあるが、タイムラグの問題がある。」

安倍総理から、
「今後国内に生産を戻すなど、これがどれくらいのスパンで起きるのかということをある程度調査することが必要ではないか。」

この議論のベースになっている内閣府データを掲載しておきます。議論の余地がないほど、日本は肺炎寸前の風邪引き状態であるのを確認願いたい。
景気の現状について 内閣府資料

第 16 回経済財政諮問会議の 議事要旨がUPされたのでリンクしておきます。、議論の顛末を確認願えれば幸いです。
第 16 回経済財政諮問会議 議事要旨

秋の夜長の 読み物を掲載しておきます。

平成26年9月29日 第百八十七回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説

一 災害に強い国づくり

 先般の「平成二十六年八月豪雨」により、広島での大規模な土砂災害を始め、全国各地で甚大な被害が発生いたしました。

 亡くなられた方々の御冥福を謹んでお祈りするとともに、被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。一日も早い生活再建に、全力を尽くしてまいります。

 土砂災害警戒区域にまだ指定されていない全国の危険箇所について徹底的な調査を行い、併せて、警戒区域の指定や国民への情報提供が、より万全な体制で行えるよう、制度の見直しを進めてまいります。

 今年の大雪災害では、放置された車両などによって、救助活動に支障を来しました。災害時にそうした車両を移動できるよう、災害対策基本法を改正いたします。インフラの整備だけではなく、避難計画の作成や周知、訓練の実施など、国土強靱(きょうじん)化を、更に推し進めてまいります。

 災害対応には、与党も野党もありません。国民の暮らしを守るため、災害に強い国づくりを、皆さん、共に進めていこうではありませんか。

二 復興の加速化

 福島は、今、実りの秋を迎えています。先日訪れた広野町(ひろのまち)では、復興を成し遂げた水田に、黄金色の稲穂が輝いていました。

 来月一日には、田村市に続き、川内村(かわうちむら)への避難指示を解除します。故郷(ふるさと)に帰還する皆さんが、安心できる暮らしを取り戻すことができるよう、健康や仕事などの不安を一つひとつ解消してまいります。

 中間貯蔵施設の建設も、福島の皆さんの御理解を得て、大きな一歩を踏み出すことができました。これを機に、除染を更に加速し、一日も早い福島の再生を成し遂げてまいります。

 岩手と宮城における高台移転や災害公営住宅の建設は、八割を超える事業が既に始まっています。

 被災者の皆さんの「心」の復興にも、大きく力を入れてまいります。仮設住宅への保健師の巡回訪問、子供たちが安心して遊べる居場所づくりなど、被災者の方々の心に寄り添いながら、きめ細かく、丁寧な取組を進めます。

 七月に宮城の東松島で出会った安部俊郎(としろう)さんは、地域の人たちと共に、地域に根づいた農業を進めています。農地の集積、多角化、六次産業化。それによって、農業者の所得を増やし、地域のにぎわいを創出する。私たちが目指す「攻めの農業」の姿が、ここにあります。震災で壊滅的な被害を受けた大地から、最先端の農業が花開こうとしています。

 今後も、暮らしを支える「生業(なりわい)」の復興を、力強く支援してまいります。

 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックは、何としても「復興五輪」としたい。日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけとしなければなりません。開催に向けた準備を本格化します。六年後には、見事に復興を成し遂げた東北の街並みを背に、三陸海岸から仙台湾を通り、福島の浜通りへと、聖火ランナーが走る姿を、皆さん、世界に向けて発信しようではありませんか。

三 地方創生

(観光立国)
 「桃源郷のような別世界」

 東洋文化の研究家であるアレックス・カーさんは、徳島の祖谷(いや)に広がる日本の原風景をこう表現しました。鳴門のうず潮など、風光明媚(ふうこうめいび)な徳島県では、今年の前半、外国人宿泊者が、前の年から四割増えています。

 外国人観光客は半年間で六百万人を超え、過去最高のペースです。今年四月には、旅行収支が、大阪万博以来、四十四年ぶりの黒字となりました。

 更なる高みを目指し、ビザの緩和、免税店の拡大などに戦略的に取り組んでまいります。外国語を駆使しながら名所旧跡の案内ができる人材を、自治体の努力で育成できるよう、特区制度を活用して規制を緩和します。

 昨年度、沖縄を訪れた外国人観光客は過去最高となりました。「アジアの架け橋」たる沖縄の振興に全力で取り組み、この勢いを更に発展させてまいります。

 それぞれの地域が、豊かな自然、文化や歴史など、特色ある観光資源を活用できるよう、応援してまいります。

(個性を活かす)
 鳥取・大山(だいせん)の水の恵みを活かした地ビールは、全国にリピーターを広げ、売り上げを伸ばしています。

 「ふるさと納税が、ご縁となった」

 ふるさと納税してくれた人たちに、地元が誇る名産品をプレゼントする。自治体の工夫を凝らした努力が、「ふるさと名物」を全国の人に知ってもらう大きなきっかけとなりました。

 「ふるさと名物」を、全国区の人気商品へと押し上げる支援を、更に強化いたします。地域ならではの資源を活かした、新たな「ふるさと名物」の商品化、販路開拓の努力を後押ししてまいります。

 「ないものはない」

 隠岐の海に浮かぶ島根県海士町(あまちょう)では、この言葉がロゴマークになっています。都会のような便利さは無い。しかし、海士町(あまちょう)の未来のために大事なものは、全てここにある、というメッセージです。「この島にしかない」ものを活かすことで、大きな成功を収めています。

 大きな都市を真似るのではなく、その個性を最大限に活かしていく。発想の転換が必要です。それぞれの町が、「本物はここにしかない」という気概を持てば、景色は一変するに違いありません。

(地方創生国会)
 島のさざえカレーを、年間二万食も売れる商品へと変えたのは、島にやってきた若者です。若者たちのアイデアが、次々とヒット商品につながり、人口二千四百人ほどの島には、十年間で四百人を超える若者たちがIターンでやってきています。

 やれば、できる。

 人口減少や超高齢化など、地方が直面する構造的な課題は深刻です。しかし、若者が、将来に夢や希望を抱き、その場所でチャレンジしたいと願う。そうした「若者」こそが、危機に歯止めをかける鍵であると、私は確信しています。

 若者にとって魅力ある、町づくり、人づくり、仕事づくりを進めます。「まち・ひと・しごと創生本部」を創設し、政府として、これまでとは次元の異なる大胆な政策を取りまとめ、実行してまいります。

 若者がチャレンジしやすい環境を整えます。一度失敗すると全てを失う、「個人保証」偏重の慣行を断ち切ります。政策金融公庫と商工中金だけで、この半年間で、二万件を超える融資が個人保証なしで実行されています。更に政府調達では、創業から十年未満の企業を優先するための枠組みを新たに創り、新事業にチャレンジする皆さんの販路拡大を、政府一丸となって応援していきます。

 伝統ある故郷(ふるさと)を守り、美しい日本を支えているのは、中山間地や離島を始め、地方にお住まいの皆さんです。そうした故郷(ふるさと)を、消滅させてはならない。もはや時間の猶予はありません。

 この国会に求められているのは、若者が将来に夢や希望を持てる地方の創生に向けて、力強いスタートを切ることです。皆さん、一緒にやろうではありませんか。

四 地球儀を俯瞰する外交

 今が旬のサンマは、ベトナムではトマト煮が大人気。北海道の根室から輸出されています。

 地元の漁協や商工会議所の皆さんによる一体となった売り込みが、「根室のサンマ」を世界ブランドへと発展させました。「北海道の根室」から「日本の根室」へ。更には「世界の根室」へと。地方も、オープンな世界に目を向けるべき時です。

 世界に、自由で、大きな経済圏を創り上げる。引き続き、TPP交渉や、EU、東アジアとのEPA交渉など、経済連携を戦略的に推し進めてまいります。豪州とのEPAについて、早期の発効を実現し、経済的な絆を一層深めてまいります。

 「地域と世界の平和と安定に貢献する日本の取組を支持する。」

 就任後、主要国で最初に、日本を訪問してくださった、インドのモディ首相から、我が国が掲げる「積極的平和主義」について、強い支持を得ることができました。

 我が国は、米国を始め、自由や民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有する国々と手を携えながら、世界の平和と安定にこれまで以上に貢献してまいります。

 その上で、いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしは守り抜く。その決意の下、切れ目のない安全保障法制の整備に向けた準備を進めてまいります。

 在日米軍再編については、現行の日米合意に従い、抑止力を維持しつつ、基地負担の軽減に向けて、全力で取り組みます。

 かつて、裏付けのない「言葉」だけの政治が、沖縄の皆さんを翻弄しました。学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にある、普天間飛行場の現実は、あの三年三か月間、一ミリたりとも変わることはありませんでした。こんな無責任な政治を、二度と繰り返してはなりません。

 安倍内閣は、「言葉」ではなく、実際の「行動」で、負担軽減に取り組んでまいります。先月、普天間配備のKC―一三〇空中給油機十五機全機について、山口県岩国基地への移駐が完了しました。今後も、沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、沖縄県外における努力を十二分に行ってまいります。

 さて、総理就任以来、四十九か国を訪問し、延べ二百回以上の首脳会談を行いました。「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を、更に積極的に展開し、日本の立場を国際的に発信してまいります。

 基本的な価値や利益を共有し、最も重要な隣国である、韓国との関係改善に向け、一歩一歩努力を重ねてまいります。

 日本と中国は、切っても切れない関係であり、中国の平和的な発展は、我が国にとって大きなチャンスです。地域の平和と繁栄に大きな責任を持つ、日中両国が、安定的な友好関係を築いていくために、首脳会談を早期に実現し、対話を通じて「戦略的互恵関係」を更に発展させていきたいと考えます。

 ウクライナの安定確保のため、G7を始め国際社会と一致団結し、我が国としてできる限りの支援を行います。ロシアには、責任ある国家として、国際社会の諸問題に建設的に関与してもらうよう、対話を通じて働きかけてまいります。ロシアとの平和条約締結に向けて、粘り強く交渉を続けてまいります。

 北朝鮮が、拉致被害者を含む全ての日本人に関する包括的、全面的調査を開始しました。全ての拉致被害者の御家族が、御自身の手で肉親を抱きしめるその日まで、私たちの使命は終わりません。今回の調査が、全ての拉致被害者の帰国という具体的な成果につながっていくよう、「対話と圧力」、「行動対行動」の原則を貫き、全力を尽くしてまいります。

五 成長戦略の実行

(女性が輝く社会)
 先週ニューヨークで、ヒラリー・クリントン前国務長官と再会を果たしました。

 「前進あるのみ!」

 「女性が輝く社会」を目指す、安倍内閣の挑戦に、昨年、ヒラリーさんが、力強いエールを送ってくれました。

 日本から、世界を変えていく。今月、日本で初めての、女性をテーマとした国際会議を開催し、世界から、活躍している女性の皆さんにお集まりいただきました。日本社会が本当に変わるのか。今や、世界が注目しています。

 「待機児童ゼロ」は、確実に前進しています。この目標を掲げて以来二年間、従来の二倍のスピードで、保育の受け皿の整備が進んでいます。小学校の教室も一層活用して、放課後子ども総合プランを更に加速し、いわゆる「小一のカベ」も突き破ります。

 子育ても、一つのキャリアです。保育サービスに携わる「子育て支援員」という新しい制度を設け、家庭に専念してきた皆さんも、その経験を活かすことができる社会づくりを進めます。

 真に変革すべきは、社会の意識そのものです。上場企業では、女性役員の数について情報公開を義務付けます。国、地方、企業などが一体となって、女性が活躍しやすい社会を目指します。

 先日訪問した大阪の中小企業では、女性ならではのきめ細かな営業活動が、海外展開のチャンスを広げています。女性の活躍は、社会の閉塞感を打ち破る大きな原動力となる。その認識を共有し、国民運動を展開してまいります。

(岩盤規制改革)
 原子力規制委員会により求められる安全性が確認された原発は、その科学的・技術的な判断を尊重し再稼働を進めます。立地自治体を始め関係者の理解を得るよう、丁寧な説明、避難計画の充実支援などに取り組みます。徹底した省エネルギーと再生可能エネルギーの最大限の導入により、できる限り原発依存度を低減させてまいります。

 二酸化炭素を排出しない、未来のエネルギー。水素の活用を阻んできた、様々な省庁にまたがるがんじがらめの規制を、昨年、一挙に改革しました。

 「規制緩和のおかげです。」

水素ステーションがいよいよ商業化され、福岡の北九州を始め全国各地で、夢だった水素社会が、現実に幕を開けようとしています。日本の自動車メーカーは、世界に先駆けて、燃料電池自動車の販売に踏み切りました。

 民間のダイナミックなイノベーションの中から、多様性あふれる新たなビジネスが生まれる。大胆な規制改革なくして、成長戦略の成功はありません。農業・雇用・医療・エネルギーなど、岩盤のように固い規制に、これからも果敢に挑戦してまいります。

 その突破口が、国家戦略特区です。今月、本格スタートしたばかりですが、更に改革メニューを充実します。創業や家事支援に携わる、能力あふれる外国人の皆さんに、日本で活躍してもらえる環境を整備します。公立学校の運営を民間に開放し、グローバル人材の育成や、個性に応じた教育など、多様な価値に対応した公教育を可能にしてまいります。

 安倍内閣の規制改革に、終わりはありません。

 この二年間で、あらゆる岩盤規制を打ち抜いていく。その決意を新たに、次の国会も、更にその次も、今後、国会が開かれるたびに、特区制度の更なる拡充を、矢継ぎ早に提案させていただきたいと考えております。

(全国津々浦々に届ける)
 内閣発足から六百日余り。

 有効求人倍率は、二十二年ぶりの高水準となり、就業地別では、三十五の都府県で、仕事の数が求職者の数を上回っています。


 この春、多くの企業で、賃金がアップしました。連合の調査で、平均二%を超える賃上げは過去十五年間で最高です。中小企業・小規模事業者でも、一万社余りの調査において、六十五%で賃上げが実施されています。

 頑張れば、報われる。日本は、その自信を取り戻そうとしています。

 しかし、その効果は、まだ日本の隅々にまで行き渡っているとは言えません。消費税率引上げや、燃料価格の高騰、この夏の天候不順などによる景気への影響にも、慎重に目配りしていくことが必要です。

 私たちの改革は、いまだ道半ばです。社会保障改革、教育の再生、行政の徹底的な効率化など、各般の改革を、新内閣の総力を挙げて、更に前に進めてまいります。

 成長戦略を確実に実行し、経済再生と財政再建を両立させながら、「経済の好循環」を確かなものとする。そして、景気回復の実感を、全国津々浦々にまで届けることが、安倍内閣の大きな使命であります。

 引き続き、デフレ脱却を目指し、「経済最優先」で政権運営に当たっていく決意であります。

六 おわりに

 「天は、なぜ、自分を、すり鉢のような谷間に生まれさせたのだ?」

 三河の稲橋村(いなはしむら)に生まれた、明治時代の農業指導者、古橋源六郎暉皃(てるのり)は、貧しい村に生まれた境遇を、こう嘆いていたと言います。しかし、ある時、峠の上から、周囲の山々や平野を見渡しながら、一つの確信に至りました。

 「天は、水郷には魚や塩、平野には穀物や野菜、山村にはたくさんの樹木を、それぞれ与えているのだ。」

 そう確信した彼は、植林、養蚕、茶の栽培など、土地に合った産業を新たに興し、稲橋村(いなはしむら)を豊かな村へと発展させることに成功しました。

 今、「日本はもう成長できない」、「人口減少は避けられない」といった悲観的な意見があります。

 しかし、「地方」の豊かな個性を活かす。あらゆる「女性」に活躍の舞台を用意する。日本の中に眠る、ありとあらゆる可能性を開花させることで、まだまだ成長できる。日本の未来は、今、何を為(な)すか、にかかっています。

 悲観して立ち止まるのではなく、可能性を信じて、前に進もうではありませんか。

 厳しい現実に立ちすくむのではなく、輝ける未来を目指して、皆さん、共に、立ち向かおうではありませんか。

 御清聴ありがとうございました。




アベノミクス 謎な噂話 2014.09.07(日) 瓢一郎の 手すさび事項

経済財政諮問会議
平成26年度経済財政諮問会議一覧
2014年1月以降の経済財政諮問会議の動きのすべてが ここに網羅されています。この間、ともに4月になされた愚かな政策が2つ。景気を冷やす消費税増税と 日本の不幸ともいうべきエネルギー基本計画。なんとも 悔しく 哀しい。

経済財政諮問会議の今後の検討課題・取組について
2014年下期以降の課題が甘利大臣により纏められています。

以下 文藝春秋9月号所収の『アベノミクス第二章 起動宣言』と毎日新聞 風知草 :これ以上、何を買う?を 掲載しておきます。

安倍晋三 『アベノミクス第二章 起動宣言』
経済に興味を失うことはありえません。景気回復の実感がすべての国民に行き渡るまで手を打ち続けます。

日本を取り戻すー 政権に復帰して1年8カ月、そのことに全力をつくしてきました。経済でも、外交でも、その成果は確実に生まれつつありますが、まだまだ道半ばです。
昨年の参院選で勝利し、日本を長らく停滞させてきた「ねじれ」を解消することもできましたが、今や、国民の厳しい目線は、ひとえに自民党に向けられています。

「政治は国民のもの」という立党の精神を忘れ、あるいは、改革から逃げるような「古い自民党」に逆戻りすれば、直ちに国民の信頼は失われてしまうでしょう。
こう思うとき、決まって頭をよぎる言葉があります。
「自民党は変わったのか」1年8カ月前の総選挙の時にいただいた、国民の皆さんの疑問の声です。
今もなお、私は、自分自身にこの問いかけを続けながら、常に緊張感を持ち、気を引き締めて、国家国民のための政治を進めていく。そう決意しています。

<経済力こそ自信の源泉>
1年8カ月前の日本を覆っていた最大の危機。それは、日本人が自信を失っていたことではないでしょうか。長く続いたデフレと民主党政権の3年間で日本人の自信喪失は最悪の状態までいきました。
この自信を取り戻すという作業はたいへん困難でしたが、安倍政権になってからの20カ月でかなりのところまで回復できたと思っています。
先日、イギリスの経済誌「エコノミスト」の表紙を、私が武者姿で弓を構えているイラストが飾りました。
その特集記事では、もちろん批判的なことも書いてありますが、日本政府が現在進めている経済政策はうまくいくのではないかと紹介されていました。

これは極めて異例のことです。今年1月には、世界の政治や経済のリーダーたちが集まるダボス会議で、オープニングの基調講演に初めて、日本の総理大臣が招待されました。
いまだ道半ばではありますが、「日本は成長できる」、「国際社会の中で発言権を持てる国である」、「国際的に活躍できる」
こういった自信を日本人は取り戻しつつあるようです。将来、確かに人口が減少し、高齢化が進んでいく状況ではあります。
しかし、日本の中を見渡せば、人材は豊富だし、世界に誇るべき企業もたくさんある。そして何より、戦後数十年かけて築き上げた老舗としての“暖簾”があります。
つまり「日本」といえば、世界水準の人材、企業がひしめく国として世界に認知されている。
こうした価値を最大限に活用できれば、さまざまな課題を乗り越えていくことができるのではないか。
そうした実感を1年8カ月の政権運営を通じて持てるようになって来ました。
いろんな方から「日本もまだやれると思えるようになった」という話をうかがうたびに、私は確かな手応えを感じています。
もちろん楽観は禁物です。ただ、日本が採るべき道としては、「経済を成長させる」、そして「財政を健全化する」という2つの大きな課題を同時に達成する一本道しかありません。


私は「アベノミクス」と名付けられたこの道を突き進むと強い決意を固めています。
「最近の安倍さんは経済を忘れているのではないか」という意見があることは承知しています。
私はここで改めて、経済成長こそが安倍政権の最優先課題であることを明言しておきます。社会にとって活力の源になるのが経済です。
先ほど申し上げた自信の源泉と言いかえることもできます。ですから、経済に興味を失うことは、政治の世界ではありえない。
ただ、私は決して「金儲けが大切だ」という価値観を強調したいわけではありません。経済は、自分たちが新しい富を生み出すことができる創造性の証明であるからこそ大切だと考えるのです。

例えば、将来の人材を育成するにもお金は必要ですし、日本という国の安全を保障して平和な環境を維持するためにも予算はいる。
社会保障も同様で、経済力を背景にした税収が裏付けになければ成立しない。
「寄付します」という空手形だけならいくらでも書けますが、その財源は実際にどうすれば確保できるかと言えば、国家の経済力の他にないのです。

<岸信介は経済官僚出身>
いろいろな批判の中で「安倍さんは安全保障ばっかりやっている」という声も聞こえてきます。

そもそも政治で「こればっかりやる」というのもありえない話ですが、安全保障と経済は決して別次元の話ではなく、現実には、きわめて密接であり裏腹な関係にあると言っていいのです。
7月1日、私は新しい安全保障法制のための基本方針を閣議決定しました。
「稚速だ」との批判もあります。 しかし、これは第1次安倍政権から足かけ7年、計2年半にわたって与党内で積み重ねてきた議論を踏まえた結果なのです。
私がなぜ安全保障にこだわるのか。それは自国の平和と主権が脅かされているような環境で、国の発展など望むべくもないからです。
日本とアジアの平和を維持することが、安定した経済発展の大前提だという事実を軽視すべきではありません。 加えて、我が国が世界平和にどう貢献できるかという姿勢も 責任国家として問われてきます。
私の祖父、岸信介は1960年の安保改定時の首相として知られていますが、実はもともと戦前の商工省の経済官僚であり、高度成長を準備した指導者であったと私は認識しています。

1956年、私の父、安倍晋太郎は勤めていた新聞社を退職し、岸のもとで秘書官に就きました
翌年、岸内閣が発足すると、総理大臣秘書官を務めて祖父を補佐しています。
数年後には、我が国の戦後体制において大きな節目となる 日米安全保障条約の改定を控えていました。
この時、父は岸に対して「得意な経済で勝負しましょう」と強く進言したそうです。
実際、岸内閣ではその後の経済成長の礎となる重要な社会保障制度を次々と実現しています。
具体的には、国民皆年金制度(59年)や最低賃金法(同)、国民皆保険制度(61年)など、その後の日本社会の安定に不可欠となった制度ばかりです。
祖父は就任会見で、「汚職、貧乏、暴力の三悪を追放したい」と抱負を述べていました。

しかし、父の進言に対して祖父は こう答えたそうです。
「確かに経済政策は重要だ。しかし、同時に安全保障は国の基本である。
それはまさに戦争を体験している自分だからこそ、今やり遂げなければならない。 政治家以外には、誰もチャレンジできないのだから」
この社会保障制度の整備と日米安保という土台作りの上に、その後の池田勇人、佐藤栄作政権における高度成長があったことを忘れてはならないと思います。
岸内閣の安保改定から54年が経ちました。日米の絆を確立したことで、その後の平和と繁栄が実現したのです。
新しい安全保障法制のための基本方針もまた、日米関係をより一層強固にするものです。

<内閣総理大臣の責任>
その目的は、ただ一つ。いかなる事態においても、国民の命と平和な暮らしは守り抜いていく。内閣総理大臣である私には、その大きな責任があります。

日本を取り巻く安全保障環境は、一層厳しさを増しています。 北朝鮮のミサイルは、日本のほぼ全土を射程に入れている。
「今回の閣議決定によって日本の平和が脅かされる」と批判する人たちがいますが、では逆に、何もしなければ平和が守られるというのでしょうか。
私たちの平和は、平和国家という言葉を口で唱えるだけで実現するわけではありません。他人から与えられるものでもない。私たち自身で築き上げるほかに道はないのです。
そのために、現行憲法のもとで何をなすべきか。 それが、今回の閣議決定です。
「解釈で憲法改正してよいのか」といった誤った批判がありますが、自衛の措置をとる場合でも、それは、他に手段がないときに限られ、かつ 必要最低限でなければなりません。

現在の憲法解釈の基本的な考え方は、今回の閣議決定でも 何ら変わることはありません。
海外派兵は一般に許されないという従来からの原則も、まったく変わりません。 自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません。明確に申し上げておきたいと思います。
「日本が戦争に巻き込まれる」、果ては「徴兵制につながる」といった根拠のない不安を煽るような言説は、60年安保改定のときにも声高に叫ばれました。
しかし日米同盟の存在が、抑止力として日本と東アジアの平和に大きく寄与してきたことは、その後の歴史が証明しています。
今回の閣議決定もまた、歴史の評価に十分に堪えるものであると確信しています。
54年前と同じ不毛なレッテル貼りには意味はありません。実態に即した丁寧な説明を、国民の皆さんのさらなる理解が得られるよう、これからも続けていきたいと考えています。

<頑張れば報われる>
アベノミクスに対する理解も、当初は十分ではありませんでした。

「第一の矢」と名付けた徹底した金融緩和政策は、日本の伝統的なマクロ経済政策とは異なるため、ほぼすべてのメインストリームの経済学者から「できるわけがない」と猛反発を受けました。
否定的な声は日銀などからも聞こえてきました。 金融緩和によってデフレから脱却することはあり得ない、という主張が大勢を占めたのです。
人口減少の国はデフレから脱却できない、という趣旨の本が数年前にベストセラーになったこともあります。
これは要するに「諦めろ」と言ってるに等しい。 その後、「成長しなくてもいいじゃないか」という考え方まで出てきました。
デフレ経済が続くと、持っている現金の価値が上がります。そうなると資産は手もとに置いておくのが一番いい。
つまり、企業レベルでいえば内部留保、個人レベルでは預金、あるいはタンスに眠らせているという人がずいぶん出てくるわけです。
この状態ではお金は循環しませんから、経済も一向に活性化しない。この停滞を打破するためには、まずデフレ経済から脱却し、資産を貯めこむよりも投資したほうが得であるという状況に導く必要がありました。そのための緩和だったのです。

企業には、この日本に どんどん投資してもらわなければなりません。
だからこそ、私は 三本目の矢の中でも、法人税率の引き下げにこだわっています。 こうした経済政策には、「企業寄り」という批判がありますが、働く場所をつくり、賃金を払っているのは企業なのです。
アベノミクスが始まって以来、有効求人倍率は 19ヵ月連続で上昇し、バブル崩壊後で最も高い水準になりました。
この春、多くの企業で給料がアップしています。 連合の調査では、平均2%を超える賃上げがあり 15年ぶりの高い水準です。
嬉しかったのは、中小企業でも6割が給料アップしたとの調査もあったことでした。 アベノミクスによって生まれた企業の利益は、確実に 人への投資に振り向けられようとしています。
「頑張れば報われる」― そうした自信を日本経済全体が、少しずつですが取り戻しつつあると感じています。

「安倍さん、そんな景気のいい話は 自分のところには届いていないよ」という声も頂戴します。
景気回復の風は、いまだ日本の隅々にまで行き渡っているとはいえません。 アベノミクスは大企業だけのものではありません。
すべての国民に行き渡るまで手を打ち続けます。ひとつの施策で足りなければ、更なる施策を打ち出します。
いまだ景気回復の実感を待っている国民の声に応えることこそが、これからのアベノミクスの真骨頂なのです。
とはいえ、20年近くも続いたデフレから脱却することは、そう簡単に実現できることではありません。
経営者は非常に慎重です。政治や行政と経営者が うまく共同作業を行わなければ、あっという間にデフレ脱却の機運は萎んでしまう。

私は、政府、経済団体、労働組合の代表者が一堂に会する「経済の好循環実現に向けた政労使会議」を立ち上げ、賃上げ要請を行いました。
最初は「そんなことやったって給料を上げる企業はない」と言われました。 ローソン社長(当時)の新浪剛史さんだけは政労使会議の前に賃上げ要請に応じてくれましたが、国会では「たった1社じゃないか」とずいぶんと野次られたものです。
これからの目標としては、賃金が毎年しっかりと増えていく状況を実現したいと考えています。
私たちは2%のインフレ目標を掲げていますし、消費税を引き上げたので、実質賃金という意味では、まだその賃金の上昇を実感しずらい状況であることも事実です。
消費税増税は 伸びていく社会保障費を国民全体で負担するためですが、賃金アップが今年一回限りではなく 継続して上がっていく状況になり、消費の力強さが増税を乗り越えていけば、経済の好循環は 一段と力強いものになっていくと確信しています。

<故郷を守っておくれよ>
小規模事業者の皆さんや地方への波及が、これからの最大の課題です。そこに光が届いていかない限り、いかにGDPが成長しても、アベノミクスは成功とは言えない。

20年以上も前ですが、最初の選挙に出たとき、私が通りかかると ひとりのおじいさんが農作業の手を休めて、私のところに駆け寄ってきて こう言いました。

「安倍さん、どうか故郷を守っておくれよ」
この言葉は、今でも私の胸に刻み込まれています。こうした農山村や離島に住んでいる皆さんが、森を守り、水を守り そして美しい国土を守ってきたことは間違いありません。
これからは地方が成長する活力を取り戻していく正念場を迎えます。 そのため私は「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げ、新たに担当の大臣を置くことを決めました。
「成長、成長」と呪文のように唱えていても物事は動きません。確かな結果が出るまで相当大がかりなことを断固として、継続的に実行していくつもりです。
金太郎飴のような町を創っても しょうがありません。 「中・東京」や「小・大阪」は、もはや要りません。
「本物のおらが町は、ここにしかない」。若者たちが、そう感じて 将来に夢や希望を持つことができる、魅力あふれる地方を創生する決意です。
そして、その鍵は 美味しくて安全な日本の食を支えている農業であり、地域に根をはって頑張る小規模事業者の皆さんだと思います。

これは 先日、従業員9人のメッキ工場を訪問したときにも実感したことです。
この会社の若社長は、リーマンショック後の厳しい状況にあっても「従業員を大切にしろ」という父親の遺訓に従って 従業員を首切りせず 自分の給料を減らし、歯を食いしばって雇用を守りました。
そして、中卒で入ってきた従業員を夜間高校に通わせ、彼らをきちんと卒業させた。
おそらく、そういったことが工場の雰囲気を変えたのでしょう。従業員の創意工夫から生産性が飛躍的に向上したそうです。
この企業は高度な技術を持つ人材の力で、大手企業も真似できないような極薄のメッキを作っています。
若社長は、「もともと独自の技術があるから、生産性を高めただけで従業員に給料をドンと出すことができた」と誇らしげに語ってくれました。
このように頑張る小規模事業者の皆さんが、日本経済の屋台骨であり、日本の底力そのものだと考えます。
政府も、頑張る皆さんがもっと元気になることができるよう、ものづくり補助金を使って 新商品の開発や設備投資を応援していきます。
本年度からは、商業やサービス業の皆さんにも使っていただけるようにしました。 どんどん新しいことにもチャレンジしてほしいと思います。

<父が好んだ吉田松蔭の言葉>
農業分野では、「農業・農村全体の所得を倍増しよう」と目標を掲げています。そのためには農産物の輸出を拡大し、輸入品に負けないように、これまで以上に国内でも買ってもらえるようにする努力が必要不可欠です。

今まではそもそも農水産品を輸出しよう、というマインド自体がありませんでした。 あるいは付加価値を高めて農産品をブランド化しようという意識も薄かった。
やるべきことはたくさんあります。 どうやったら農産物を輸出できるようになるのか、消費者のニーズはどこにあるのか、どうしたらより高く売れるのか、ブランド化するために必要なプロセスは何か…
若い人たちが自分の情熱や努力で 農業の新しい地平を開いていけるように、農業を変えていきたいと考えています。
そのために、40年以上続いた いわゆる減反政策の廃止に加え、60年ぶりに農協の抜本改革に手をつけました。
これにより、今までの形の全中(全国農業共同組合)のあり方は廃止していくことになります。
「踏み込みが不十分ではないか」との批判も耳にします。 しかし、過去には踏み込むどころか、そもそも立ち入ったこともなかった。口にすることすら憚られました。
私たちは農業が大切だと思うからこそ、農業分野の改革に踏み込んだのです。安倍内閣の改革には、タブーも聖域もありません。

亡き父 晋太郎は、「志定まれば、気盛んなり」という吉田松蔭先生の言葉を好んで使っていましたが、私も、従来は「聖域」と呼ばれ、既得権が確立した世界にも、必要と考えれば、躊躇なく切り込んでいく覚悟です。
農業については、それ以外の産業と比べて GDPに占める比率が1、2%しかないのに 残りの98、8%を犠牲にしていいのかという議論がたびたび繰り返されます。
これはまったく間違った認識です。世界の先進国を見渡せば、どの国も農業を手厚く保護している。農業は国の基であるという認識は万国共通なのです。
しかし ただ守るというだけでは、20年後 30年後の農業の未来を最終的に描くことはできないでしょう。
青森県津軽地方の黄色いりんご「トキ」や 大分県の「日田梨」など、すでに海外で人気のブランド作物はあります。
こういった商品を育て、海外に市場を開拓していく「攻め」の農業に転じていくことが必要です。

漁業では新しい動きが出てきました。 いま、ベトナムで北海道 根室産のサンマが大人気なのをご存じでしょうか。
日本では これからサンマの旬を迎え塩焼きが楽しみな季節ですが、ベトナムでは もっぱらトマト煮だそうです。
地元の漁協や商工会議所が一丸となった売り込みの成果が、成長産業として世界に羽ばたこうとしています。
地方も 日本の中にとどまることなく、世界に飛び出していくべき時代がやってきたのではないでしょうか。
地域の名産品、ブランド品にはいいものがたくさんありますが、まず知ってもらわなければなりません。 国としても、全国のみならず 世界に知らしめていく過程でお手伝いしたいと思っています。

<アベノミクスは第二章へ>
アベノミクスは単なる景気対策に留まるものではありません。デフレからの脱却が確実に視野に入ってきた今こそ、少子高齢化といった構造的な課題にも真正面から向き合い、
10年、20年先を見据えながら、日本の社会の有り様 あらゆる制度や慣習を作り替えていく。
アベノミクスは、いよいよ第二章へと移るときです。

もはや日本は人口減少の問題から逃げることはできません。
ではいかに克服するか。政府内にも様々な異論・反論がありましたが、「人口1億人を切らないようにする」という目標を明確に掲げることにしました。
人口の目標を設定すべきではないという意見には一理あるものの、もうそんなに悠長なことを言っていられる状況ではない。
人口減にともなう日本経済の地盤沈下は、現実性を帯びてきているのです。
しかし、絶望する必要はありません。 夫婦に対する調査では、子供は現実には平均1、7人しかいませんが、理想の子供の数は2、4人です。
様々な障害を取り除き、それぞれの夫婦が理想を実現できるようにすれば、人口減少の問題も克服できる。
第3子以降に特化して重点的に支援していくことも考えるべき時代がやってきたと思います。これまでとは次元の異なる大胆な政策を、しっかりと肉付けしていきます。

とりわけ重視しているのは、子供の目線です。 児童虐待の悲しいニュースが相次いでいるようでは、人口減少の克服など絵にかいた餅です。
すべての子供たちが 笑顔で暮らせるような日本を取り戻さなければならないと考えています。そのためにも、家庭や地域の絆を再生していかなければならない。
かつては、どんな地域にも町内会のふれあいがありました。家庭も3世代同居が当たり前。
子供たちは 地域の大人達や祖父母の愛情を受けながら、成長していくことができました。核家族化が進んだ現代では、並大抵のことではありません。
7年前に「放課後子どもプラン」をスタートしました。これは地域の人達と共に子供達の居場所をつくる、地域子育てのモデルです。こうした動きを全国で展開していきたいと考えています。

大家族で支えあう価値を、社会全体で改めて確認することも必要でしょう。
社会保障をはじめ、あらゆる社会システムにおいて、例えばその負担を軽減するなど大家族を評価するような制度改革を議論していきたい。
最近では、二世帯住宅でも入口から別になっている独立型のものも出てきています。こういったものを政策的に応援することも一つのアイデアです。
3世代の近居や同居を促しながら、現代版の家族の絆の再生を進めていきたいと考えています。
子供たちには無限の可能性が眠っています。 その努力次第で、プロサッカー選手にも、お医者さんにも、デザイナーにも、もちろん政治家にもなれる。
6・3・3・4制の単線的な教育制度では、多様な価値に対応できません。複線的な教育制度へと改めていかなければなりません。
いじめや発達障害など様々な事情で 学校に通えない子供たちがいます。
不登校の子供たちがいるという現実から目を背けることはできません。そうした子供たちが、フリースクールなど多様な場で、自信を持って学んでいけるような環境を整えていきたいと考えています。
子供たちの輝かしい未来が、本人の努力以前に、家庭の経済事情によって失われてしまうようなこともあってはならない。
子供の貧困は、頑張れば報われるという真っ当な社会の根幹にかかわる深刻な問題です。誰もが、希望すれば高校に進学し、大学にも進学できる。給付型や返還免除型の奨学金を充実していくことも必要でしょう。
学校で放課後や土曜日に学習支援を行うような取り組みも、全国に広げていきたいと考えています。
「できないことへの諦め」ではなく、「できることへの喜び」を与える。そのためにも、教育の再生はこれからも力強く進めていきます。

<誰にでもチャンスあふれる日本>
誰にでもチャンスがあふれる日本を創る。成長戦略において 私がもっとも重視しているのは、この点です。
経験豊富で元気な高齢者の皆さんもいらっしゃいます。一度失敗したけれども、その教訓を活かして再チャレンジしたいと願う人たちもいます。

誰もが思う存分活躍できる社会が実現すれば、しばらくは人口減少が続いたとしても、日本経済が活力を失うことはないでしょう。
そのために私たちが強力に推進しているのが、女性が輝く社会の実現です。
保守政治家の安倍晋三が「女性が輝く社会」と言うと違和感を持つ方がいらっしゃるかもしれませんが、従来のように社会政策としてではなく、私は経済政策の重要な柱のひとつと位置づけています。
これまで人材資源として十分に活かされていなかった女性の皆さんは、言ってみれば“宝の山”です。
女性が企業の役員といった指導的な地位にも立つことで、組織にダイバーシティ(多様性)が生まれる。様々なバックグラウンドを持つ人材が、互いにいい刺激を与えあうことで 企業はより強靭になり、クリエイティブになっていきます。
ですから、女性が働きやすい環境を創ることは 安倍内閣の最大のチャレンジだと言ってもいいでしょう。
「小1のカベ」も含めて、この国から「待機児童」という言葉をなくしていくことを目標に、すでに動き始めています。

安倍政権が発足してからの1年間に53万人の女性が 新たに仕事を始めているという統計があります。これまでの水準と比較すると、この数値自体も画期的なことです。
政府においても、来年度から 公務員採用の3割以上を女性にすることを決定しました。 能力ある女性の皆さんに、どんどん日本を引っ張っていってもらいたいと思います。
出産などを機に仕事を辞めて、家庭に専念してきた女性もたくさんいらっしゃいます。
子育ても ひとつの立派なキャリアだと、私はかねがね申し上げてきました。ぜひともその経験を社会で活かしてほしい。
「子育て支援員」という新たな資格をつくり、子育て経験豊富な女性の皆さんに、保育の分野で活躍してもらいたいと考えています。

<この道しかない>
1昨年の総理就任後、私は実に47ヵ国を訪問しました。各国で実感するのは、日本経済に対する関心の高さです。

米国でも欧州各国でも、我々の経済政策について様々な質問を受けます。
少子高齢化、デフレ脱却、どの政策課題も先進各国が頭を悩ませている共通の問題ですから関心が高い。しかも財政再建まで同時に達成することが求められている。
ですから、日本人がいま 歩みつつある過程を世界が注目しているのです。
大きく報じられないことも多いですが、いま海外の首脳や米上院議員など、日本を訪れる要人の数は飛躍的に増えています。
ときには週2回も首脳会談や晩餐会のスケジュールが入ることもある。これは歴代の首相を振り返ってもあまりないことです。
世界中の人々が、国際社会に日本がカムバックしたと 認めている証左でしょう。
安全保障の法的基盤の再構築についても、国際社会に対して丁寧に説明することに力を入れました。
これまで安全保障に関しては、どちらかといえば「あまり話題にされないようにしよう」というのが日本政府の姿勢でしたが、我々がやろうとしていることの意味については、誤解を招きやすいことでもあり積極的に説明をしました。
その国々の言葉に訳したペーパーをお渡しするなど、各国を訪問するたびに、こちらの意図を理解、支持していただく努力を重ねてきたのです。

7月、オーストラリアを訪問した際に 忘れられない出来事がありました。
オーストラリア議会にて、私はかつて 第二次世界大戦中に命を失ったオーストラリアの若者たちに心から哀悼の意を表し、痛切な反省をもとに 日本が平和で民主的な国家を築きあげたことを申し上げました。
その上で、基本的価値観を共有する日豪両国が、歴史の試練に耐えた信頼関係を経済、安全保障といったあらゆる分野で「特別な関係」に進化させるべきであると訴えました。
私が演説を行なった後、アボット首相が大勢のメディアを前にこう語ってくれました。

「日本はフェアに扱われるべきだ。70年前の行動ではなく、今日の行動で評価されるべきだ。
日本は戦後ずっと 世界において第一級の市民として貢献し、法の支配のもとで行動をしてきた。
私たちは、過去ではなく、この今の日本を評価すべきだ」
この言葉に 私は本当に胸が熱くなりました。

2020年には東京でオリンピックが開催されます。
2回目の開催となる6年後は、何を目標にすべきでしょうか。
「黄昏を迎えているとまでいわれた日本」から再生し、自信を取り戻しつつある私たちは、2020年、世界の平和と繁栄のために貢献していく強い意思を持つ国の姿を、世界に示していかなければなりません。
私たちの誇りと豊かさを取り戻すことができるのは、他の誰でもありません。私たち自身です。これまでの1年8ヵ月の努力は、確実に成果を生み出しています。

この道しかありません。 これからもこの道を、国民の皆さんと共に歩んでいきたい。
私も気を引き締めて、初心を忘れずに「日本を取り戻す」ための歩みを進めたいと考えています。
(文藝春秋9月号)



風知草:これ以上、何を買う?=山田孝男
毎日新聞 2014年08月18日 東京朝刊

 エコノミストは、消費社会を揺るがす新しい底流を見落としている。

 消費税が上がったので消費が減り、国内総生産(GDP)が落ちた。

 消費減退が一時的なものか、長引くか、議論が続くが、「人間、カネがあればモノを買う」という前提を疑う者は少ない。

 だが、それは、発展途上の時代の固定観念にすぎない。成熟経済の下では、人々はカネがあるからモノを買うとは限らない。モノの過剰は幸福どころか、苦痛をもたらす--という理解が広がっている。

    ◇

 先週土曜日、東京・渋谷から上映が始まったフィンランド映画「365日のシンプルライフ」は、この問題を扱っている。

 原題 Tavarataivas を日本語に直訳すれば「モノ天国」。物欲盛んな若い主人公が、モノを買い集めたはいいが、狭いアパートにモノがあふれる。

 失恋後のヤケクソ買いの反省に立ち、「最低限、何と何があれば幸福か」と自問、ただちに確かめた方法が独創的である。

 下着から冷蔵庫に至る約2万点の全所持品を貸倉庫に移し、文字通り、裸一貫になる。切実に必要だと思うものを毎日、1点持ち帰る。1年続け、その間、何も買わない--。

 監督・脚本・主演とも映像作家のペトリ・ルーッカイネン(30)。失恋と再起の日々を自前のビデオで撮影。それを編集して軽妙な映画に仕上げた。

 体当たりで到達した結論がすがすがしい--。

 「生活に必要なモノは約100個。生活を楽しむために必要なモノが別に約100個。所有とは責任であり、モノは重荷になる。どんな重荷を背負うかは自分で決める。人生は、モノでできてはいない」

 ちなみにルーッカイネンは、私生活上、携帯電話が必要と感じたことはなかったと言っている。

    ◇

 日本公開の仕掛け人・森下詩(うた)子(こ)(41)によれば、この映画の魅力は「社会に対して物申すのではなく、自分でできることは何かを考え、自ら動いてやりぬいたところにある」。

 森下は映画の配給会社勤務を経て独立した。「マスコミ受けはしないが、見たい人は多いという自信があった」そうだが、フタを開けてみるとマスコミの反応も上々。劇場公開(1館のみ)初日は毎回、満員札止めの盛況だった。

    ◇

 経済の好循環を実現するカギは「賃金アップと消費の力強さ」だと安倍晋三首相が言っている(文芸春秋9月号「アベノミクス第二章起動宣言」)。

 当節、これは特異な見方でないどころか、内外の専門家の主流の意見だ。首相の確信と映画の評判のギャップをどう見るか。

 昨年、86歳で他界した堤清二(元セゾングループ代表、作家)は、かねて消費社会の根源的な質の変化を予言した。新しい波はまず芸術家が感じ取り、経済人に理解されるまでには時間がかかる--と見た(1996年、岩波書店「消費社会批判」)。

 映像作家が時代の先端を読み、実務家の対応が遅れているのである。

 ルーッカイネンはこうも言っている。「モノはエネルギーを消耗する」「原発か再生可能エネルギーかと論争する前に、いまのエネルギーの使い方や目的に焦点を合わせるべきでは」(本紙東京版1日朝刊)

 消費は美徳、エネルギー需要は右肩上がりという思い込みから、改めなければならない。(敬称略)



経済財政諮問会議
平成26年第1回 経済財政諮問会議議事要旨 

平成26年1月20日 平成26年第1回となる経済財政諮問会議が開催されました。安倍総理は議論を踏まえ、あいさつで次のように述べました。

 「昨年、デフレ脱却・経済再生への好循環が回り始めました。今年は好循環実現の正念場であります。経済再生と財政健全化の両立を目指してまいります。
産業競争力会議との連携も強化し、もう一歩踏み込んだ改革強化に向けて検討をお願いしたいと思います。
 地域活性化に向けた政府横断的取組については、1月中に関係閣僚会合を開催し、民間議員の提案を含め、取組を大きく加速させたいと思います。また、行政サービスの質の向上と、大幅なコストダウンの実現のため、行政のIT化と業務改革を、同時・一体的に進めなければなりません。
新藤大臣には、関係大臣等と連携して、具体的な方策や進め方を取りまとめ、諮問会議に報告していただきたいと思います。
 「選択する未来」委員会においては、日本経済の中長期的な発展に向けて、マクロ的観点からの定量的な分析に基づき、大胆な政策提言をお願いしたいと思います。随時、諮問会議にインプットしていただきたいと思います。
 対内直接投資については、その残高を倍増するという目標を達成するため、甘利大臣及び関係大臣において、連携して取組を進めていただきたいと思います。
あわせて、甘利大臣のもとで、外国企業の意見も聴きつつ、対日投資促進に向けた課題を整理し、諮問会議に報告していただきたいと思います。」

第1回経済財政諮問会議会議資料
第1回経済財政諮問会議 甘利内閣府特命担当大臣 記者会見要旨


成長戦略 進化のための今後の 検討方針の概要
成長戦略進化のための今後の検討方針(産業競争力会議) 
ちなみに 成長戦略の検討方針をとりまとめた産業競争力会議のエネルギー分野の施策は何も無い無残なまとめですね。時間の空費を文字にしただけで、腹立たしい。

ここで、この国の不幸、エネルギー基本計画を報じた3本の記事を紹介しておきます。

1.安倍首相:エネルギー基本計画、閣議決定急がず
毎日新聞 2014年01月14日 21時24分

 エチオピアを訪問中の安倍晋三首相は14日(日本時間同)、首都アディスアベバで記者会見し、中長期的なエネルギー政策の指針となる新しい「エネルギー基本計画」について「責任あるエネルギー政策を策定するため、国民や与党の意見も踏まえながらしっかりと議論を進めていきたい」と述べ、閣議決定を急がない考えを表明した。【アディスアベバ吉永康朗】

2.エネルギー計画:閣議決定を先送りへ 都知事選も影響
毎日新聞 2014年01月11日 07時50分(最終更新 01月11日 09時20分)

 政府は、国の中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の閣議決定を2月以降に先送りする方針を固めた。原発を「エネルギー需給の安定性を支える基盤となる重要なベース電源」と明記した同計画の素案に対しては自民、公明両党内にも異論があり、政府・与党の調整が進んでいない。さらに、2月9日投開票の東京都知事選に細川護熙元首相が出馬する方向となり、「脱原発」が争点化する可能性も出てきたため、慎重姿勢に傾いた。
 菅義偉官房長官は10日の記者会見で、素案に関するパブリックコメントに約1万9000件の意見が寄せられたことを挙げ、「責任あるエネルギー政策を策定するには徹底した議論が必要だ」と指摘。甘利明経済再生担当相も会見で「新しい知見のもとに今後10年、20年を見通したしっかりしたものにしてほしい。時間がかかるのはやむを得ない」と述べた。
 政府は当初、パブリックコメントを経て今月中の閣議決定を目指していた。しかし、自民党の河野太郎副幹事長ら有志議員は、「早期に原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す」という同党の2012年衆院選公約との整合性がとれないとして、近く素案の抜本的な見直しを提言する予定。党内で原発推進派と慎重派が対立しかねない状況に、高市早苗政調会長は7日の政府・与党連絡会議で、政府側に慎重な対応を要請した。将来的な「原発ゼロ」を掲げる公明党にも「基本計画は党の方針と全然違う」と不満が根強い。菅氏は会見で、都知事選との関連を否定したが、閣議決定は都知事選後になる見通しだ。【念佛明奈】


3.エネルギー基本計画:立案過程を批判--原子力委
毎日新聞 2014年01月10日 東京朝刊

 国の中長期的なエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」素案について、内閣府原子力委員会は9日、「国民に丁寧に説明すべきだ」などとする見解を出し、経済産業省の不透明な立案過程を批判した。素案では、原発依存度を可能な限り低減させるとする一方で、「重要なベース電源として引き続き活用していく」と矛盾した内容になっていることを踏まえた。

 見解では、東京電力福島第1原発事故を受け、原発の全廃を求める国民の意見が多くある状況を、政府が「正面から真摯(しんし)に受け止めるべきだ」と指摘。また、小売り自由化など電力各社の経営環境の変化で「従来の原発の運営体制は、重要な電源として維持・活用していく観点から最適といえない」と見直すよう求めた。【山田大輔】




月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料(平成26年1月17日内閣府) 

基礎的財政収支:20年度も残る赤字 政府の中長期試算
毎日新聞 2014年01月18日 07時00分

 政府が20日に公表する「中長期の経済財政に関する試算」の概要が17日わかった。国・地方が借金を除く税収など正味の収入で政策にかかる経費をどれだけ賄えているかを示す基礎的財政収支(PB)の赤字が、2015年度には対国内総生産(GDP)比で3.2%に縮小、10年度(6.6%)からPB赤字を半減する政府の財政健全化目標を達成できるとの見通しを示している。ただ、20年度も対GDP比で1.9%の赤字が残り、同年度にPBを黒字化する最終目標実現は見込めない。試算は「引き続き更なる収支改善努力が必要」と指摘している。

 内閣府は20日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で中長期経済財政に関する試算を提出する。試算は現行制度や政策を前提として国と地方の中長期経済財政を展望するもので、政策運営の重要資料となる。

 内閣府は今回、14年度予算案などを織り込んだ最新の試算を策定。それによると、国と地方の財政の健全度を測る代表的指標のPBの15年度の赤字(対GDP比)は、景気回復に伴う税収増加を背景に昨年8月時点の試算(3.3%)から0.1ポイント改善。景気が大きく悪化しないことを前提に、20年度のPBも赤字(同)が従来見込み(2.0%)から0.1ポイント改善する見通しだが、PB黒字化には至らず、借金頼みの財政運営が続く。

 先進国中で最悪の財政状況にある日本は、国と地方のPB赤字(同)を、20年度に黒字化する目標を国際公約としている。試算は、消費増税やアベノミクスによる景気回復を織り込んでも達成には力不足であることを示している。【田口雅士】


素案をまとめた審議会の委員は原発推進・維持派が大多数を占めていました。
「原発維持」の結論ありきだったとさえ思えます。
幅広い国民の意見を聞かず、審議会のみに議論を委ねる方式の欠陥を露呈したといえます。


          *******更新の履歴******

(2016.12.01 前回更新後 経済財政諮問会議が11月08日、11月25日と2回開催され、議事要旨もアップされたので、本稿更新することにしました。  この国はどこへ行こうとしているのか?)
(2016.11.03 経済財政諮問会議が政治日程の都合で9月30日、10月14日、10月21日と3回開催され、議事要旨もアップされたので、更新します。  この国はどこへ行こうとしているのか?)
(2016.10.04 前回更新以降 8月8日の第14回経済財政諮問会議開催以降 経済財政諮問会議は 政治日程の都合から 開催されていない。 アベノミクスはすでに破綻しているのに である。もはや 惰性の経済財政のかじ取りである。安倍首相の内外施策を見聞きするにつけ この国はどこへ行こうとしているのか?と 不安に思う。)
(更新2016.08.20 前回更新以降 8月8日に第14回経済財政諮問会議が開催され議事要旨も公開されているので、アップを行うことにします。
最近の安倍首相の内外施策を見聞きするにつけ この国はどこへ行こうとしているのか?と思う。)
(更新2016.08.16 前回更新以降 6月28日、7月13日、7月26日と3回 経済財政諮問会議(第11回~第13回)が開催され議事要旨も公開されているので、これらのアップを行うことにします。また参院選の結果は 安倍政権に明確な軌道修正をさせるまでの圧力の醸成には到らなかったと思います。メディア見出しに出た 「改憲勢力が3分の2を上回った」は 加憲志向の公明党の議席を加えてのものであり 注意を要する。英国のEU離脱問題は中期的にフォローが必要と思う。
最近の安倍首相の言動を仄聞するにつけ この国はどこへ行こうとしているのか?と思う。)
(更新2016.07.08 参院選後に更新する予定でいましたが、参院選の盛り上がりが今ひとつな状況なので、投票前に更新することにしました。 英国の EU 残留・離脱を問う国民投票の結果を受けた市場動向は為替レートの過度な変動や無秩序な動きから、経済及び金融の安定に対して悪影響を与えたので、急遽6月28日に第11回経済財政諮問会議を開催しているが、これのアップは参院選の結果を見届けた後に行います。 この国はどこへ行こうとしているのか? 私たちは、2016年7月10日投票の参院選で、安倍政権に明確な軌道修正をさせる 開票結果に導きたい と希求しています。 次回の更新は 予定通り、参院選の結果と英国EU離脱の影響を踏まえて行います。
(更新2016.06.24  経済財政諮問会議は5月11日(第8回) 5月18日(第9回) 伊勢志摩サミット・消費増税再延期声明後の6月2日(第10回) に開催されていますので、それぞれ会議資料・大臣記者会見要旨及び議事要旨をアップします。記者会見要旨や議事要旨を追っていけば判然することですが、伊勢志摩サミット・消費増税再延期声明まで、付け加えれば舛添都知事辞任まで、裏で 精緻に組み上げた一連の政治劇の演出家の存在に行きつきます。 この国はどこへ行こうとしているのか? 私たちは、2016年7月10日投票の参院選で、安倍政権に明確な軌道修正をさせる 開票結果に導きたい と希求しています。 次回の更新は 参院選の結果と英国EU離脱の影響拡散 を踏まえて 行います。
(更新2016.05.31  経済財政諮問会議は5月11日と5月18日 に平成28年第8回および第9回が開催され、会議資料・大臣記者会見要旨及び議事要旨もすでに公開されていますが、これのアップは次回に予定している伊勢志摩サミット・消費増税再延期のトピックスとあわせて更新することにし、今回は オバマ大統領の広島と岩国演説 および 安部首相の広島所感の波紋を取り上げます。頂く国のリーダーとしての 資質と格の違い を痛感しました。この国はどこへ行こうとしているのか? 私たちは、来たるべき参院選の結果で、安倍政権に 明確な軌道修正をさせたい と願ってます。)
(更新2016.05.09  4月18日と4月25日 に開催された平成28年第6回および第7回の経済財政諮問会議の会議資料・大臣記者会見要旨及び議事要旨が公開さていますので、これをアップして、あわせて本稿も更新することにします。日銀のマイナス金利導入以降、アベノミクスへの期待感が下がったばかりか、経済の先行きに不安が広がっている中で、アベノミクスの失敗を確認するに至ったと思います。待機児童問題関係の彌縫やTPP審議の先送りは腹立たしくも哀しい。熊本地震に加え阿蘇山や桜島の大噴火に脅える原発エネルギー政策も愚の極みです。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保関連法案により、既に現実のものとなっています。 私たちは、来たるべき参院選の結果で、安倍政権に 明確な軌道修正をさせたい と願ってます。 )
(更新2016.04.10  3月24日と4月4日 に開催された平成28年第4回および第5回の経済財政諮問会議の会議資料・大臣記者会見要旨及び議事要旨が公開されましたので、これをアップし、本稿を追更新することにしました。日銀のマイナス金利導入以降、アベノミクスへの期待感が下がったばかりか、経済の先行きに不安が広がっている中で、アベノミクスの失敗を認識するに至ったと思います。安倍晋三首相が夏の参院選に向けて憲法改正に前のめりになっていることに 私たち国民は 優先順位の違いを感じています。待機児童問題関係の彌縫策は腹立たしくも哀しい。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保関連法案により、現実のものとなっています。 私たちは、参院選の結果で、安倍政権に その政治の軌道修正を させたい と願ってます。 )
(更新2016.03.19 3月11日 に開催された平成28年第3回経済財政諮問会議の会議資料・大臣記者会見要旨及び議事要旨が公開されましたので、アップすることにしました。日銀のマイナス金利導入以降、アベノミクスへの期待感が下がり、経済の先行きに不安が広がっている中で、安倍晋三首相が夏の参院選に向けて憲法改正に前のめりになっていることに 私たち国民は 優先順位の違いを感じているのだと思います。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保関連法案により、現実のものとなっています。 私たちは、参院選の結果で、安倍政権に その政治の軌道修正をさせたい と希求しています )
(更新2016.03.07 2月18日、甘利氏の置き土産の範囲で開催された平成28年第2回経済財政諮問会議の会議資料・大臣記者会見要旨及び議事要旨が公開されたので、アップしました。経済財政諮問会議の司会は当然 甘利氏から石原氏に替わりました。このところ メディア各社発表の世論調査で、安部内閣の支持率が低下しています。
日銀のマイナス金利導入以降、アベノミクスへの期待感が下がり、経済の先行きに不安が広がっている中で、安倍晋三首相が夏の参院選に向けて憲法改正に前のめりになっていることに 私たち国民は優先順位の違いを感じているのだと思います。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保関連法案により、現実のものとなっています。
 私たちは、参院選の結果で、安倍政権にその政治姿勢の軌道修正をさせたい と希求しています )
(更新2016.02.07 1月21日に開催された平成28年第1回経済財政諮問会議の会議資料・大臣記者会見要旨及び議事要旨をアップしました。これまで経済財政諮問会議の司会をしていた甘利氏は1月28日経済再生担当大臣の職を辞し閣外に去った。 日銀は1月29日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策を導入することを賛成多数で決め、金融政策に新しい手法を加えた。追加的な金融緩和は2014年10月以来。市場に流すお金の「量」を重視してきたこれまでの方針を大胆に変えるもので、黒田東彦総裁の金融政策は新しい局面に入った。2月7日北朝鮮は「人工衛星打ち上げ」名目での長距離弾道ミサイル発射実験を行った。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保関連法案により、現実のものとなった。 私たちは、参院選の結果で安倍政権に、その政治姿勢の軌道修正をさせたい )
更新 2016.01.09  第21回・第22回経済財政諮問会議の会議資料及び議事要旨をアップしました。本年4日から 予算編成審査の為、通常国会が召集され、予算委員会で審議されている。また北朝鮮は、「1月6日午前10時(日本時間10時30分)、朝鮮で初の水素爆弾実験を成功させた」と発表した。1月8日の東京株式市場は、中国の景気減速や原油安に対する警戒感から5日連続で下落した。世界経済は中国リスクだけでなく、北朝鮮の核実験やイラン・サウジアラビアの対立といった地政学リスクに直面している。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保関連法案により、現実のものとなった。 私たちは、参院選の結果で安倍政権に、政治姿勢の軌道修正をさせたい )
(更新 2015.12.14  第17回・第18回経済財政諮問会議(第18回は 第1回経済財政諮問会議・産業競争力会議課題別会合合同会議を併催し「TPP政策大綱の柱立てについて」議論した)の会議資料及び議事要旨をアップしました。併せて 予算編成を睨んで第19回・第20回経済財政諮問会議も開催されましたので、これもアップしました。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保関連法案により、現実のものとなった。 私たちは、参院選で 安倍政権の軌道修正を果したい と思う )
更新 2015.11.14  第17回・第18回経済財政諮問会議(第18回は 第1回経済財政諮問会議・産業競争力会議課題別会合合同会議を併催し「TPP政策大綱の柱立てについて」議論した)が開催されました。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保法案により、現実のものとなった。もはや世論は安倍政権に与しない。
 私たちは 参院選で 民意の発現として アベノミクスの緩やかな終焉を選択する に違いない。 )
(更新 2015.10.28  第16回経済財政諮問会議が開催されました。この国はどこへ行こうとしているのか?この強い疑念は、安保法案により、現実のものとなった。もはや世論は安倍政権に与しない。私たちは 近未来に 政治状況の大きな揺り戻しを経て、 民意の発現として アベノミクスの緩やかな終焉を選択することだろう。)
(更新 2015.09.13  第15回経済財政諮問会議が開催されました。この国はどこへ行こうとしているのか? この強い疑念は、安保法案により、現実化する。もはや世論は安倍政権に与しない。
私たちは 近未来に 政治状況の大きな揺り戻しを経て、 民意の発現としてアベノミクスの緩やかな終焉を選択するだろう。
更新 2015.10.12 第15回 経済財政諮問会議 平成27年9月11日議事要旨UP のついでに 短い読み物ですが、腑臓を抉るコラムを2本掲載することにしました。   )
(更新 2015.09.13  第15回経済財政諮問会議が開催されました。この国はどこへ行こうとしているのか? この強い疑念は、来週中にも成立する安保法案により、現実化します。もはや世論は安倍政権に与しない。私たちは 近未来に 政治状況の大きな揺り戻しを実現させ、アベノミクスの緩やかな終焉への路を 民意の発現として 選択する筈です。 )
(更新 2015.07.26  前回更新以降1ヵ月の間に、経済財政諮問会議は4回開催されました。この国はどこへ行こうとしているのか? この強い疑念は、安保法制の衆院強行採決から、現実のものへと 変容しました。もはや世論は自民党に与してないと思います。私たちは この先 1~2年程度の近未来に 政治状況の大きな揺り戻しとあわせ、アベノミクスの ゆるやかな終焉 を目撃するのではないか?
更新 2015.08.14 第13・14回経済財政諮問会議 議事要旨UP 上野千鶴子氏の 是非にも読んで頂きたい 読書日記1編UP )
(更新 2015.06.26  本年5月末更新以降、経済財政諮問会議は3本目の矢をめぐって、3回開催されました。安保論議を聞くにつけこの国はどこへ行こうとしているのか?との 強い疑念は、95日間の国会会期延長の仕儀から更に深まりました。ともすれば 喧しい安保論議の裏面に隠れがちのアベノミクス下の行財政のあゆみをフォローするのも、無意味ではないと思いました。 )
(更新 2015.05.30  本年2月末更新以降、経済財政諮問会議は3本目の矢をめぐって、5回開催されました。この国はどこへ行こうとしているのか?との 強い疑念から、 安保法制の国会審議の最中、ここで、我が国のアベノミクス下の行財政のあゆみをフォローしておきたいと思いました。 )
(更新 2015.05.01 ①安保法制 ②行政・経済・財政の閉塞 ③原子力・エネルギー政策の迷走 ④巨大政党としての数の驕り 等々この国はどこへ行こうとしているのか?との 官民への疑念は 日々強まる。 )
(更新 2015.04.01 近頃、安部首相の動向に穏当でない疑念にかられ、不安を感じている。①安保法制 ②行政・経済・財政の閉塞 ③原子力・エネルギー政策の迷走 ④巨大政党としての数の驕り 等々。安部首相の弁舌を聞くにつけ、この国はどこへ行こうとしているのか?との 懸念がますます強まる。 来たる統一地方選挙において、民意は奈辺に存するのか注目するところだ。)
(更新 2015.02.28 前回更新以降、経済財政諮問会議は2回開催された。2014.01.26 通常国会が召集され、衆参本会議で代表質問・予算委で審議も始まった。安部首相の答弁を聞くにつけ、この国はどこへ行こうとしているのか?と 強い疑念が更に強まり、本稿 更新することと致しました。)
(更新 2015.01.29 前回更新以降、経済財政諮問会議は昨年末までに2回開催された。2014.01.26 通常国会が召集され、衆参本会議で代表質問・予算委で審議も始まった。安部首相の年頭所感や年頭記者会見を読むにつけ、この国はどこへ行こうとしているのか?と 強い疑念が去来したので、本稿 更新することと致しました。)
(更新 2014.12..30 予期した通りの12月衆院解散総選挙の結果について、その民意の有り様について考えてみたいと思うので、本稿 更新することと致しました。)
(更新 2014.12..09 前回の更新から早くも1ヵ月閲した。予定調和の安倍政権運営の展開のため、予期した12月衆院解散総選挙となった。この間 「今後の経済財政動向等についての点検会合」が5回、それを受ける形で、経済財政諮問会議が1回開催されて、消費税増税が17年4月まで延期閣議決定に至っているので、本稿 更新することと致しました。)
(更新 2014.11.09 前回の更新から1ヵ月を閲した。安部内閣は近頃、しきりに解散風を吹かせている。この間 経済財政諮問会議は2回開催されているので、本稿 更新することと致しました。)
(更新 2014.10.06 平成27年度の予算編成に向けて、国会が召集されたこの時、本稿 更新することと致しました。)
(更新 2014.09.07 改造内閣船出のこの時、本稿 更新すること致しました。)
タイトル 
(今 この時 アベノミクス 「危ない経済実験(毎日新聞社説)」下で 安倍長期政権を画策してる場合ですか? )
(今 この時 アベノミクス 「危ない経済実験(毎日新聞社説)」下で エネルギー分野の成長戦略に必須の【エネルギー基本計画】を先送りしてる場合ですか?) 
(更新 2014.01.24 平成26年第1回経済財政諮問会議議事要旨が公開されましたので、本稿更新いたしました。)

指原莉乃(兼任 HKT48劇場支配人・プロデューサー)の 新たなステージ vol 4

 (更新2014.08.27   7月24日発売の「週刊文春」(文藝春秋/7月31日号)の報じるところでは、本年6月末で、AKB48Gの運営会社である株式会社AKS社長 窪田康志氏の退任が明らかになった。AKB48選抜総選挙6/7の開票発表後、その舞台裏で 窪田社長からプロデューサー就任要請があったことを明らかにしていた指原莉乃さんは、すでに株式会社AKS正社員でもある事もインタビューで明らかにし、 今後の去就がますます注目される。vol 4)

指原莉乃 謎な噂話 2014.08.27(月) ちあき の 手すさび 


 同時に AKSの株主である京楽産業の関係子会社社長でもある吉成夏子氏の 株式会社AKS 社長就任が明らかになった。一方 窪田康志氏は一プロデューサーとして、株式会社AKS に留まるという。


ネットニュース から

篠田麻里子ブランド倒産、原因は元愛人AKB運営元社長失脚による資金援助切れ?

7月24日発売の「週刊文春」(文藝春秋/7月31日号)は、AKB48の運営会社AKS社長、
窪田康志氏の突然の退任が関係していると報じている。かねてより、AKS内では窪田氏の
放漫経営が問題となっており、業を煮やしたAKSの親会社であるパチンコメーカー京楽が、
窪田氏の持つAKSの株を買取り、社長退任を決定したという。窪田氏の問題経営には
不透明な資金の流れも含まれ、そのひとつとして、AKSからリゴレへの巨額な貸し付けが
あったというのが、「文春」の見立てだ。
さらに、窪田氏が篠田のブランドに大金を注ぎ込んだ理由として、
かつて同誌が報じたように、2人が愛人関係にあったからとの見方もあるようだ。

篠田麻里子ブランド「ricori」の倒産は元愛人AKB運営元社長の失脚が原因か

文春記事の篠田の店(約5億円融資)以外の件を整理すると

1 AKSは約24億の営業損失を出している
  →窪田社長はメンバーのAKSからの独立慰留工作を主な理由として京楽から融資をうける

   京楽は度重なる融資支援を疑問視し、14年4月頃から交渉して社長交代・窪田前社長保有株買取(これは全株式の20%にあたり、この買い取りで京楽産業の株保有は80%となり、AKSを京楽産業の連結子会社にした)   

2 AKS→前社長への融資額 約36億円 
  それとは別に年24億円で 具体例のひとつとして篠田の店への金の流れが認められる。

3. 窪田社長退任から京楽産業が持ち株全部買い取り→京楽産業から新しい人材を派遣
が決まるまでの流れが異常に早いことから、昨日今日発覚した訳ではない。

麻里子さまが店に関わってないことになってたり、
ちょっと前からメンバーも展示会とかに参加してなかったのも怪しい。

あらかじめ裏で その後の処置まで考えた上での決め打ちスピード処分の模様。
窪田社長追い出し計画はかなり前から動いていたと思われる(すくなくとも13年頭あたりから)

----- 真偽は定かでないが ネットにこんな書き込みを見つけた。

今般の秋元の発言や表面化した行動を見れば、あきらかにAKBグループから離れたいという意思が感じられる。
新公演をぶちあげておきながらスルーなのは不協和音の一つと考えられる。
松村のソロデビューも指原への教育やネタだという人間がいるが、実際は反運営への、のろしと取る事も出来る。
戸賀崎支配人のあからさまな失脚劇で、いままでくすぶっていた色々な部分がぶちまけられ一気に内部抗争が露呈されることになった。
今現在も一部のオタの間で、絶賛?公開中。

指原のスキャンダルもそう考えると、秋元・太田派閥への攻撃と考えられるわけで
秋元は素早く博多に指原を温存させるために逃がしたともとれる。

全てがだんだん繋がってくる・・・

業界の人間というのは、実は非常に人脈というものを重視する。それは電通という企業でもそうだ。
電通としても、ポット出の金満家が、実権を握ろうとするのは気に食わない。
そうであれば、なおのこと 新しい金主と秋元と誰かを つれて新勢力で勝負したいと思ったのだろう。

これが指原の乱による実験番組へと繋がった。

今後の流れとしては、秋元・太田・指原による新勢力がAKBから袂をわけ合い、ライバル的に
動きだす日もそう遠くないと考えられる。それは指原卒業の一つのキーポイントとなる。

太田入り確実といわれていた川栄がいまだに太田に入っていないのはこの問題の為に棚上げになっている可能性が高い。
新公演は殆ど出来ている。新しい新勢力で使う為に。

指原の最大の友である北原はヘビの生殺し状態から脱皮のため、新天地を求めて、そろそろ卒業しそうだ、たぶん指原の新勢力に加担するのだろう。

このような動きを察知した運営は、中西・谷を強奪し、さらに若手を兼任させて弱体化を狙った。

真偽が解らないのだが、秋元も指原もこれには打つ手が無いのか、これがさらに新勢力を早く立ち上げないといけないという流れになっている ように思える。

HKTは見放されたと感じるかもしれないが、指原が何か打つ手を考えているはずだ。
新勢力は電通もバックについて間違いなく成功するだろう。しかし指原のHKTへの執着・未練が一抹の不安材料でもある。

                裏面情報は なかなか表面化しませんので この項一旦 完 。



指原莉乃 謎な噂話 2014.07.05(土) ちあき の 手すさび 

AKB48 運営内で秋元康氏の実質引退で起きた地殻変動の結果 指原さんの役割に変化があった模様で、従来の指原さんの立ち位置(実質 AKB48G スポークスマン)が 変わったようです。
AKB48 Aチームキャプテン(AKB48G 総監督兼任)の 高橋みなみさんが 映画『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』上映や AKB48握手会再開の宣伝を 運営の意を体して 行っているからです。

ファンサイトの投稿 から-----

彼女の立位置って、不思議な感じがします。
評価されかつ忌避されてしまう何か。

私は単なる趣味のことで、AKBの映画を観たことないし、観る予定もありません。
AKBが過剰に物語性を欲することは従来からの前提ですが、ついていけてないです。

なんかまだ、指原の進む形が見えなくて、暗い気持ちが、と愚痴らせていただきました。

 握手会再開と映画の話題 ニュースサイトから ----

警備会社“監修”超厳戒態勢で…AKB握手会5日再開

akb握手会再開関連 入山杏奈20140701
AKB48劇場に復帰した入山杏奈
ギプスで固定された右手をピンクの布で覆いながらAKB48劇場に復帰した入山杏奈(中)、右は高橋みなみ(C)AKS
Photo By 提供写真

 AKB48が今月5日、東京ビッグサイト(江東区有明)で、メンバーが切りつけられた事件後初めての握手会を開催する。主催するキングレコードが発表した。41日ぶりの再開にあたり、金属探知機を導入し、物販ブースなど握手以外のエリアをすべて中止する超厳戒態勢が敷かれる。また、事件で負傷した入山杏奈(18)はこの日、本拠地秋葉原の専用劇場で事件後初めてファンの前に姿をみせた。

 今回の握手会は「大握手会」と呼ばれ、基本的にはAKB48グループのほぼ全メンバーが参加する。ただ、事件で右手を切りつけられた川栄李奈(19)と入山は、ケガの影響で欠席するのが確実。ほかのメンバーについては精神状態をみながら、運営側が出欠を判断するとみられる。

 キングレコードによると、再発防止のため警備会社の監修のもとで警備態勢を大幅に変更した。主な変更点は(1)手荷物検査の実施(2)荷物の持ち込み制限(3)金属探知機による検査(4)入場時に持ち込み飲料の試飲、の4点。

 検査に時間が掛かることを見越して、開場時間は当初の予定より30分早い午前8時に変更された。荷物の持ち込みは原則1個で、3辺の合計90センチ以内が目安。その大きさを超えた場合や2つ以上の手荷物がある場合は入場できず、クロークなども設けない。金属探知機はゲート式、ハンディー式のいずれかを使用し検査を実施。持ち込み飲料の試飲は開封、未開封にかかわらずスタッフの前で行う。

 物販コーナーや交流スペースなどこれまでファンの“社交場”として親しまれてきたエリアは「セキュリティー強化」を理由に設置されない。今後の開催については「検討中」としている。

 一方、この日は本拠地秋葉原の専用劇場のチームA公演前に入山が登場し、ファンの前であいさつ。ギプスで固定された右手を肘付近までピンクの布で覆う痛々しい姿だったものの「ずっと1人でおうちにいる時とかも皆さんの声が私の支えでした」と笑顔で呼びかけた。近況についてメンバーから聞かれると「テレビばかり見ています」と明かした。同じく握手会で襲撃された川栄はすでに仕事復帰しているが、劇場公演には出演できていない。

 ≪姉妹も活発化≫グループの“長女”であるAKBが握手会を再開することで、握手会を自粛していた姉妹グループの動きも活発化する。この日は、SKE、NMB、HKTの各担当者とも「未定」を強調したが、延期されていた握手会の開催情報が順次、発表されていくことになりそうだ。
[ 2014年7月1日 05:30


怒涛の1年半を振り返った高橋みなみ 

高橋みなみ20140703
怒涛の1年半を振り返った高橋みなみ (C)ORICON NewS inc.

 AKB48の高橋みなみらが3日、東京・六本木で行われたドキュメンタリー映画シリーズ最新作『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』(4日全国公開、高橋栄樹監督)の前夜祭舞台あいさつに登壇した。

【写真】まゆゆ・ゆきりん・こじはるも! 人気メンバーがミニスカで勢揃い

 AKBの活動の1年半に密着した本作は、昨年大みそかの大島優子卒業発表から先月行われた卒業公演までを中心に、5月25日の握手会襲撃事件、2月の大組閣、先月7日に行われたばかりの総選挙の舞台裏に密着し、メンバーの苦悩や葛藤、涙を赤裸々に映し出す。

 高橋は「この1年半はAKB48にとって楽しいというより、悲しかったり、つらいなと思うことのほうが多かった」と本音を漏らし「事件についても触れていますが、ドキュメンタリー映画である以上、避けては通れない出来事でした」と説明。

 「つらかったり、葛藤だったり、目の前に何も見えなくなったりとか、生きているといろんなことがある。つまずいて、転んで、立ち上がりたくても立ち上がれないとき、近くにいてくれたのはメンバーであり、皆さんでした」とファンに感謝した。

 舞台あいさつには高橋のほか、渡辺麻友、柏木由紀、島崎遥香、小嶋陽菜、横山由依、北原里英、木崎ゆりあ、加藤玲奈、岡田奈々、倉持明日香、西野未姫、向井地美音の計13人のメンバーと高橋監督が出席。イベントの模様は全国69スクリーンで生中継された




渡辺麻友、指原莉乃の2連覇を阻止! 今年のAKB48総選挙も"まさか"の連続

【第6回AKB総選挙】さしこ、まさかの2位! 史上初の連覇ならず

陥落さしこ「すごくすごくすごく悔しい」


指原莉乃さん の 4つの課題 が 明らかになってきました。

1.第7回 選抜総選挙 1位奪還  

2..HKT48のNHK紅白への単独出場

3.HKT48 チームHメンバー"卒業"へむけての 自己プランニング
  
4.AKB48G 総合プロデューサー補 就任
(開票後、舞台裏でのコメントによれば 就任要請が(AKS?)社長からあった。処遇・肩書等は不詳 )
 





指原さん敗因の分析がいくつかネットに上がってます。

今回の選挙曲ラブラドールに大島優子さんの卒業曲が入ったことで、優子ファンが結果的に
大量の選抜選挙投票券(10万票に近いと推定される)を持つことになった。

更に2本柱の会投票権も卒業コンサートの延期から、チケット購入の都合上、解約せずにそのまま持ち続けた
と 考えられる。

また 通常、夏コンサート卒業ならば、辞退しない限り、選抜選挙資格を持ったまま、6月の投票日を迎える事になるが、
大組閣スケジュールの関係上、”立候補資格を3月22日までに卒業表明したものを除く” としたため、
卒業表明が無ければ大島優子さんに投票されたであろう票が浮動票化する ことになり、(この中に いわゆる中華票35千票も含む)、その過半が 渡辺麻友さんに投じられた と 考えられる。

AKB運営は 大組閣後のメンバーに対する総選挙プランニング段階で、結果生じる票動向を事前に読み切り、
恐らくは 指原さん連覇 によって失われる組織維持のデメリットと
連覇阻止 で生じる組織維持のメリットを 比較勘案の上で、後者を選択した と 考えられる。

ここに云う組織維持とは

勿論、総合P秋元康氏の実質引退に伴い
なかば 既定路線の指原莉乃さん起用に伴う 指原物理時間確保

の謂いである。

他方、HKT箱推しでない指原さん推しのファンの中にも、
速報1位独走の安心感から、HKT箱推し化した指単推しファンがいたこともファンサイトの書き込みから判明している。

勿論 これが今回のHKT48メンバーの大躍進・大量ランクインの推進力になったのはいうまでもない。
この票は前年の指原浮動票からの逃げも含め、最低に見積もっても 2万票程度はあった と推定できます。

AKB48 第6回選抜総選挙開票結果(総選挙分析ライター)

AKB48 第6回選抜総選挙分析「前年との比較1 」(総選挙分析ライター)

AKB48 第6回選抜総選挙分析「前年との比較2」(総選挙分析ライター)

AKB48 第6回選抜総選挙 「所属別分析2」と選抜総選挙に関する所感(総選挙分析ライター)

他方 「リノガワ」という名の指原莉乃ファン集合体である 【一指団結】旗印のグループは 個々が自らの票を上乗せし、結果的に 前年差約9千票減の 14万2千票まで 積み増ししたのですが, 
AKB48 劇場支配人・運営が 本来個人戦である総選挙の則を大幅に逸脱してまで強力に支援した渡辺麻友さんの獲得票16万票には ついに届かなかったもの と考えます。

で、国際選抜総選挙2年目(第7回)も 

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20万票目標で行きましょう!
one for Rino, all for Rino

本日天気晴天なれども波高し。一指団結。
指国の興廃 此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ。


                    (ファンサイトの書き込み より)
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大島優子卒業akb劇場20140609

大島優子卒業公演 AKB48劇場 20140609 



大島優子さんが2013年度の紅白で AKB48Gからの卒業を発表しました。そのため、当初予定されていた、2014リクアワ200最終日(4/6)ではなくて、2014年1月26日(従来通りのカウントダウン形式で200曲目から101曲まで1月23日から、1日あたり25曲づつ披露するTOKYO DOME CITY HALLでの最終日4日目)に サプライズ人事発表の可能性が 極めて高いと予測していましたが、当日のサプライズ発表ではなく、2月24日 AKB48G大組閣祭り開催決定 の告知がありました。
メンバー・運営の体制がはっきりしないことには、AKB48G 第3章が開幕できないですからね。
これに関連して、総合P秋元氏の悪趣味の発露でしょうが、AKB紅白で指原莉乃さんが、48G支配人を従えて”サシハラブ”披露をしたのは 近々実現する筈のAKB48G体制の象徴のようだなと、思わず 妄想 してしまいました。
そんな中で、やっと運営から「AKB48グループ 大組閣祭り」について 詳細発表がありました。

「AKB48グループ 大組閣祭り」開催決定のお知らせ、チケット先行発売のご案内

AKBグループすべてのメンバーの新しい可能性を探るために、新しいチームを組閣することを目的

日陰の花の魅力に気づいてもらうための 鉢植えの並び替え 兼任
違う色の花を咲かせる狙いで、違う性質の土に植え替える  移籍 

と読み替えると、グループ全メンバーを対象とする最良の布陣追求の大規模組閣であることが読み取れます。

全員が前を向いて進める組閣
すべてのメンバーの夢の実現にとってプラスになる組閣
この2項は 組閣結果 に対する 運営の願望 だろうと思います。
しかし、大組閣によって惹き起されるだろう化学変化の結果は、政治経済情勢に大きく左右される事情もあり、必ずしも運営の願望通りになるとは限らない との見通しもあります。

さらにこの 目的 に 激しい違和感  が あります。
大島チームKキャプテンの 大島優子AKB48卒業にともなう組閣であるとしたなら、大規模すぎる印象があることです。

目的について、ファンサイトに妄想レベルの憶測が いろいろ書き込まれていましたが、妥当と思えるものがありましたので、以下に ご紹介します。(組閣前の証言として記録しておきます。)



ーーーーーーーーーーーーーーー(目的について)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これから悲願wの単独国立(優子卒業)だって時に
チームトヨタタ(チーム8)だの 大組閣だの 不安要素を相次いでブっ込むのが 既に正気の沙汰じゃない。
なんか目的が必ずあるはずで 最近のキモチ悪いほどの指原上げを見たら
その目的は指原にあると 考えるのが当然

指原も悪目立ちしたくて、HKT絡みで色々吹いてきたから、引くには引けない
だから運営が泥をかぶってでも東京に戻すお膳立てをする
それだけのこと


組閣を急いだのもドラフトが見切り発車でドラフト生の引っ越しで
問題が生じる
のが判ったからだろうな。
それならKと8の問題も一緒に片付けたいから実際の中身の大小に関係なく
わざわざ「大」組閣と言ってしまおうみたいなw

平たく言えば全部指原のため
あとはすべてついで

前田敦子のトヨタ自動車部の時と一緒ってこと

付けくわえたら
大組閣は指原をAKBに戻すための方便
チームトヨタ(チーム8)のオーデは指原の手持ちの駒をあつめるためのオーデション


博多で支配人やってますって言うより
東京でチームトヨタのキャプテンをやってますって言う方が箔がつくし格が上



ーーーーーーーーーーー(組閣 骨子)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

もう本店は魅力ねぇから立て直しだろ。

SKEから、JR、ゆりあ、あかりん、花音、綾巴
NMBから さやみる、矢倉、みるるん、凪咲、須藤
HKTから、児玉、さくら、めるみお
このメンを本店移籍させて、支店を兼任。

指原は 総監督兼AKBグループ支配人、たかみなはAKBグループ総監督。
こじはるはSKE、ぱるるはNMB、ゆきりんはHKTと兼任にすることで
いつ卒業しても影響ないようにしておく(たまに支店公演に出演する事で支店公演の申し込み倍率も保てる)

本店干され組志願すれば支店兼任もしくは移籍。支店の本店への移籍志願メンも了承。
こうすれば、支店の公演枠も空いてアンダーも少なくなる(本店支店共に大量の卒業するメンもいると予想)

移籍メンは本店に移籍するけど支店の公演にも時々出演するから支店ヲタから文句もでない。

ちなみに
横山Aにまゆゆは残留、みるるん、ゆりあ、児玉(残留)、矢倉(残留)、
さや姉Kにさくら、あかりん、J、川栄(Aから移籍)、須藤(Nから強奪)
れなBにみるきー、花音、

こじまこ4にめるみお、凪咲、綾巴、

梅田彩佳はチームHキャプ
りぽぽがチームNキャプ(運営が謎推しだから)
菜々がチームMキャプ
古畑がチームEキャプ

現研究生は全員昇格。
これで誰も泣かない。

まあこれぐらいド派手にAKBに強メン持って来ないとダメだろ?

小嶋陽菜は総選挙発表から紅白で卒業、高橋みなみは10周年で卒業が内定してる

最近の動きからは、宮澤佐江の卒業はチームK立直し後、さや姉へバトンタッチしてからと思える。島田へは無いな。




噂話の域を出るものではありませんが、「副総合P 副総監督 支配人 エース兼センターを指原にしてもらいたい。HKT兼任で握手免除で」と秋元氏が 云ったとか、云わないとかの話が 持ち上がって 報道されています。

さしこ、組閣で狙うは「総支配人」 AKB復帰「ないと思う」

指原、ポスト大島否定「私はかませ犬」

これに関連する噂話(指原さんの 私はかませ犬 発言を裏付けています)を 紹介しておきます。

秋元の考えは、指原を主役にすることではなく、指原を媒体にすることだから、
もちろん彼女の能力と実績は評価してるが、そこで終わってもらっちゃ困るのが秋元の本音。

それは指原も共有してるはずで、要するに本人には本人に合った役割があるわけで
それを超えることはできない。本当の後継者は当然別にいて、後継者と指原は両立する存在だから、
指原が媒体となって、そういう人材を世に出せば、グループ全体にとっても好都合ってわけね。

全体を見てると指原が主役みたいな報道がされがちな現状は必ずしも肯定してないでしょ。
指原自体が何かを生み出すのではなく、指原を広告塔にいろんな情報を発信する。
そういう媒体として大きな役割をもつ。それが、莉乃ってことだと思うよ。秋元的には

ただ、指原はその先を狙ってるようにも見えるんだけど
それは僕たちには分かりません



(楽屋ハナシ)大島優子×秋元康 「売れる」って何だ

実際廻るかどうかに関係なく、おそらくHKT劇場支配人兼任の肩書は、HKT48の紅白単独出場を達成するまでは そのままにしておくのでしょう。

AKB48グループのメンバーを 燃え尽き症候群にさせないために、秋元康氏は 2013年度レコード大賞受賞を逃す という レコード大賞関係者のほぼ既定のシナリオを受け入れたのかも知れません。

(レコード大賞関係者は 上戸彩さんを 2013年度司会者に起用し 夫唱婦随を演出するという場を 設けました。 )

で、指原莉乃さんの 21歳の課題 が 生れ出た と勝手に 思っています。




AKBグループ大組閣祭り20140224

以下は 大組閣祭り組閣結果に関する項目の記事 です。

秋元康一般公開で共有しました - 2012/04/15

人の意見を聞くというのは難しいことだ。でも、人の意見を聞かないと限界が来る。

自分の能力が100とすれば、どんなに頑張っても100を超えることはない。
誰かの知恵を借りるから、100が120になったり150になったりするんだ。

“騙されたと思ってやってごらんよ”
というのが好きだ。
自分では絶対にやらないことを、騙されたと思ってやった時に、限界を超えて新しい自分に出会える。

だから、みんなの話を聞きたい。
乃木坂もそうだったが、NMB48の「純情U-19」の“鉄のパンツ”も、2通りの歌詞を書いた。
迷いとも違う。
もちろん、責任逃れをしたいのでもない。

「秋元さん、これやるしかないでしょう?」
という強い意見に乗ってみたいんだ。
僕には全くわからなかったんだけど、こいつが絶対それがいいって言うから………。

そんな感じで成功した時、自分の能力以上の120が出ているのです。

だから、聞く耳を持とうとするのだが、なかなか上手くいかないね。そりゃあ、30数年、この仕事をしているんだ。たいていのことは想像がついてしまうさ。

でも、僕は待っている。
騙されたと思ってやってくださいと言われることを…………。
そして、それが120の力になることを。

みんなも人の話は聞いた方がいい。
時にはそれに乗ってみよう。


AKB48グループ 大組閣祭りスタッフ人事

大組閣祭り 各48G メンバー表


宝島 4月号 指原莉乃独占インタビュー「もし私が秋元康だったらやってみたいこと」


HKTに関する部分の要約

■HKT48のプロデューサー的な立場ですけど?

「移籍の経緯から『今は自分の事よりHKTの事を考えて頑張りなさい』との無言のメッセージがあった
「HKTメンバーも戸惑いを超えて受け入れてくれたので押し上げてあげたい」


■AKBとHKTの違いは
「AKBは面白い。HKTはまだ子供なので面白さはないけど癒される」

■怒ることもある?
「ある。すごく怒る。最初はあまり言わなかったけど、今は怒るようにしてる」
「逆に頼れる場面もある。本村碧唯は指原ポジを全部覚えていて教えてくれる」
「むしろ頼ったほうが向こうもこっちの事を頼ってくれると思うから」

■自分が秋元康だったら?
「小さめのホールでライブをもっとやる」
「お客さんと一緒に小さな会場から大きな会場へ進むべき」


■ライブについて
「ライブは後方席から盛り上げていかないとダメ」
「後ろの盛り上がりがどんどん前へ伝わって来るのが良い」

「大き過ぎる会場だと後ろが遠過ぎてどこから盛り上げて良いかわからない」
「若手はいきなり日産やドームでやらされたので訳がわかってない」

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今回の組閣に関して、ファン掲示板に 以下抜粋の 運営の不可解な組閣についての
納得の書き込み
 がありましたので ご紹介しておきます。
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なこみく昇格なんて青天の霹靂
おでかけでは、まおは基礎レッスンからと明言、しかしドラフトは即戦力正規の建前こえられず
ちよりと特に谷は兼任じゃないかとは、みなが思ったこと

指原は人事にかかわらずセトリや演出にのみ関わってる
あと、尾崎に意見ができる建て前上の 兼任支配人の地位

指原はともかく尾崎も抵抗はしただろな、詳細わからんが
現場レベルの裁量では明らかにチャンス平等
でも結果は不平等 一応年功序列

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指原は電話1本で秋元康を呼び付けられる数少ないメンバー
しかも秋元自ら「あいつは怒らせると怖い」と言っているw

支配人どころか運営をも全て飛び越えた采配も不可能ではない
生歌レッスンを独自でやったり(つんくPの了解のもとにハロプロ曲の)ピースやったり
既得権益ばかりの現運営じゃ無理


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秋元の「今回はスタッフの上げてきたものをそのまま~」ってコメントは、指原への言い訳だったんだなと気付いた

やすすも55歳だからな
60までに引退してそう
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大組閣も終ったし 指原チルドレンの各店配置

AKB 兒玉 宮脇 中西 SKE谷 田中 NMB村重 HKT全員も終ったし

このタイミングで宝島インタビュー記事 総合P就任はAKB10周年頃かな

 以上 大組閣に関する項目の記事でした。奇しくも、東京モノレールCM 指原プロデューサー編2本がアップされたのも何かの因縁かな と妙に 納得してます。

東京モノレールTVCM 「HKT48モノレール派宣言!」(風景篇) / HKT48[公式]     
東京モノレールTVCM 「HKT48モノレール派宣言!」(利便性篇) / HKT48[公式]




伝えられている処では、現在 指原さんは秋元氏のもとで断続的に外部に発表できない裏方仕事に従事しているらしいが、総選挙結果(連覇)を見越しての指原自身の今年末までのプロモート立案だったりして。-----


印象でいえば 「指原の乱」指原莉乃さんの 帝王学(AKB48G 総合プロデューサー育成プロジェクト) 習得実践の場である感じが #4辺りから 極めて色濃くなって来ました。
5年間の後継者養成プロジェクトの模様です。(番組内の福田監督と指原莉乃さんとの番組継続に関する会話---但し#13で 指原さんの発言から 裏方移行はもっと早まる可能性が高い と思われます。処遇 次第ですが。 )

秋元康、後継者問題に言及!引退を考えたこともあると告白


ここでひとつ 多分 核心を衝いていると思える後継者問題に関する、ファンサイトへの書き込みがありましたので、”一つの仮説”としてご紹介することにします。

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AKSと太田プロのハナシですが…

武道館で“春の人事異動”がありましたよね。
あの時私は、北原さんと横山さんの支店グループ解任がどうにも納得いかなかった。
それぞれの兼任先で地元ファンにも受け入れられ、言ってみれば「兼任大成功」の状態でした。

絶対に何かあると睨みいろいろ考えを廻らせた結果、1つの仮説に辿り着きました。
この2人の共通項は“太田プロ”。
そして同じ太田プロの莉乃ちゃんがあのタイミングで支配人。
副総監督ではなく支配人(=運営サイド)というところがポイントです。

多分、AKSと太田プロは取り引きをしたのだと思います。
つまり、移動に時間を取られ稼働率の下がっている2人を東京に引き揚げる代わりに、将来的に指原莉乃をAKSによこせ、と。

この2社間で計算違いだったのは、莉乃ちゃんが総選挙で1位になってしまったこと。
しかしながら遅かれ早かれ、秋Pは莉乃ちゃんを自分のコントロール下に置くべく算段をしていると思います。
秋Pは自らの限界も見えてきてるようだし、多分必死です!www

リクアワの企画変更が明らかに変ですよね。
最終日のSSAで何のサプライズ発表があるのか恐ろしい。

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(注)株式会社AKS = 主要取引先 株式会社秋元康事務所 株式会社電通 エキサイト株式会社 
                   キングレコード株式会社 株式会社講談社 株式会社光文社 ETC
(注)AKS = 女性アイドルグループAKB48・SKE48・HKT48の運営管理会社 
(注)リクアワの企画変更 = 2013年は100曲。2013.1.24-2013.1.27 の 4日間   
(注)最終日のSSA = 2014.4.6 さいたまスーパーアリーナ

「AKB48リクエストアワー セットリストベスト200 2014」の公式発表 

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ここで指原莉乃さんの非凡な裏方能力と秋元Pの指原莉乃さんへの評価と信頼を示すエピソードを紹介します。

秋元Pはリクアワ2013 2日目(2013.01.25)の内容について、運営スタッフに対し、1日目の問題点を指摘し、それを踏まえ、練り直しを命じる 以下のような業務連絡を行いました。

(そして恐らくは、表面には出てませんが、2日目の構成練り直しを指原莉乃さんに委ねる決定を行い、高橋みなみさん・峰岸みなみさん等主要メンバーと運営スタッフ(戸賀崎総支配人等に伝えると同時に、指原莉乃さんに手直しを直接命じたものと思われます。)

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秋元康
一般公開で共有しました - 2013/01/25

今日のリクエストアワーで流す告知映像が届いた。
最低のクオリティーだ。
開いた口が塞がらない

昨日のMCコーナーも中途半端だったなあ。

強運を持つメンバーを探すビリビリペンも、
ヒモを引いたら粉が落ちてくる企画も、
びっくりした。

しかも、ヒモを引いた川栄に落ちて来たのは、
バラエティーの定番の白い粉ではなく、
発泡スチロールの玉のようなもの。

おそらく、その後も歌わなければいけないので、
メイクが崩れないようにしたのだろう。
いや、川栄だけ真っ白のまま歌っても、可愛かったと思うよ。

あの両手両足に万歩計をつけて、
制限時間の中で、
手足をバタバタさせながら一番カウントを稼いだメンバーの勝ちって、いつの時代の企画だろうか?
(あれ、今日もやるのかなあ)

COWCOWと大家のあたりまえ体操は面白かったけど、
COWCOWに「次は第○位です」って言ってもらわないと…。
何のためのゲストかわからない。


そう言えば、オープニングの映像とダンスのシンクロも
ショボかった
なあ。

AKB48の楽曲の総選挙なんだから、
楽曲をちゃんと観せることが一番大切だ。
衣装替えの時間を稼ぎたいんだろうけど、
つまらないバラエティー企画をやるくらいなら、
メンバーのぐだぐだトークの方がいい。


業務連絡。
あの告知映像は何とかしろよ

失笑を買うぞ。

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以下のリンクは 指原莉乃さんの裏方仕事(構成変更の奮闘ぶり)を伝えています。

2013リクエストアワー2日目 MC変更の舞台裏【HKT48指原莉乃】 | 48love


この時、HKT48のメンバーである宮脇咲良さんは”リクアワ100 2013”に出演していましたが、次のような目撃者証言を残しています。

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宮脇咲良
一般公開で共有しました - 2013/01/25

こんばんは♪
宮脇咲良です!

今日は、リクエストアワーセットリストベスト100 2013に出演させて頂きました\(^^)/

私が、歌わせて頂いたのは57位にランクインした「ドレミファ音痴」です!

すっごくビックリしたと共に、嬉しかったです♪

この歌は、私がネクストガールズに選ばれてHKT以外の先輩方と初めて歌うことになった曲♬

この歌を今日、あのステージで歌わせて頂いたのは、投票して下さった皆さん、応援して下さった皆さんのお陰です(><)

本当にありがとうございます♡♡


実は...
今日、すごいなと思った事があるんです。

今日本番直前、MCの内容が大幅に変更されました。

そんなピンチの瞬間、ほとんどのMCを任せられたのはさっしーでした。


しかも、さっしーはどんなメンバーとMCをしても、上手に回していくんです。

大きな責任を自分で背負い、切り抜けていく姿。

とってもかっこよかったです!


私も、MCに参加させて頂き、さっしーに手助けしてもらいました!

さっしー、やっぱりすごいな...。

また今日は、支配人の交代という大きな発表がありました!

佐藤支配人には、オーディションに合格した時から色んな細かい所までサポートして頂いたので、発表を楽屋裏で聞いた時は、ビックリしました(゜д゜)

HKT48の新支配人さんは、尾崎充さん
という方です!
まだ決定ではないのですが...。

これまで以上に、支配人さん、スタッフさん、メンバー、そして皆さんと力を合わせてHKTを盛り上げていけるように頑張ります♪

よろしくお願いします\(^^)/

Ps:写真は、尾崎さんにご挨拶に行った時に、撮った写真です!

とっても、優しい方でしたよっ♬

それでは、
明日も一日
がんばらっちでぐっどらっち。

さくら咲け(συσ)/*★.。
折りたたむ

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リクアワ2013_com_2nd


AKB48 リクエストアワーベスト100 2013 二日目セットリスト

影アナ:大島優子

75位 ウィンブルドンに連れて行って / 木崎・矢神・須田
74位 正義の味方じゃないヒーロー / 梅田B

MC01 板野・高橋・大場・田名部・峯岸・横山・仁藤・島田・仲俣・柏木(・指原)
「指原:1日目のMC不評報告」 → 指原掃けて大場・田名部・峯岸追加 → 新成人(7名)撮影・抱負


73位 キスだって左利き / SKE選抜 (センター:松井珠・松井玲)
72位 嵐の夜には / 宮崎・小森・鈴木ま・川栄
71位 アイシテラブル! / SKE選抜 (センター:松井珠・松井玲)

MC02 指原・須田・渡辺美・山内・峯岸「釣り師あるある」

70位 TWO ROSES / キネクト(松井珠・松井玲)
69位 エンドロール / 梅田・大島・松原・倉持

MC03 桑原・小谷・小笠原・指原(仕切り)「3人で面白いNo.1を決める」
発表順:小谷・桑原・小笠原・大家(飛入り) → 桑原優勝


68位 彼女になれますか? / 秋元K

MC04 北原・峯岸・指原・(遅れて)宮崎「SECRET BASE~君がくれたもの~ / SONE」

67位 なんてボヘミアン / アンダーガールズ(センター:高城)

MC05 大島K 「キング様ゲーム」
王様1:板野「2人で5秒カップル演じる」 → 王様2:島田「7人で2段ピラミッド変顔・キス顔」

66位 お待たせセットリスト / KⅡ

MC06 島崎・川栄・山本・松井珠・市川+ゲスト:武井壮「先輩の倒し方伝授」

65位 クロス / 高柳・松本・井口
64位 桜の花びらたち / 1期+2・3・9期以降非選抜(センター:高橋)
フロント5人=1期+篠田
63位 Only Today / 4~7期中心(センター:藤江・高城)指原含む
62位 キャンディ / 河西・佐藤亜・市川

MC07 鈴木ま・小森・宮崎・高柳・松本・山本

61位 夕陽を見ているか? / 板野(セリフ)小嶋・篠田・高橋・峯岸・大島・渡辺麻・柏木
60位 恋を語る詩人になれなくて / S 北原含む
59位 フィンランド・ミラクル / 向田・赤枝・矢方
58位 残念少女 / 渡辺麻・内田・中塚
57位 ドレミファ音痴 / ネクストガールズ(センター:岩佐)
56位 君のc/w / 渡辺麻・島崎・高城
55位 MARIA / 横山・河西・梅田
54位 フライングゲット / 選抜(センター:柏木)

MC08 板野・大島・小嶋「板野が甘える方法」+石田安・松井珠・前田亜・(飛入り)高橋

53位 Choose me ! / YJ

MC09 指原・宮脇・入山・加藤・川栄・島崎・木崎・菅・須田・松村「推されの悩み相談室」(飛入り)高橋「遊びな遊びな」

52位 逆転王子様 / 峯岸・内田・中塚
51位 Show fight ! / フューチャーガールズ(センター:武藤)

MC10 松井玲・渡辺麻・高橋・フューチャーガールズ
戸賀崎支配人登場「お蔵入り映像:赤ふんどし姿の支配人」 → 人事異動

EN1 Ruby / 篠田A
EN2 ショートケーキ / 柏木
EN3 チョコの奴隷 / SKE選抜

MC11 全員

EN4 ヘビーローテーション / 全員

【MC】リクアワー2日目 指原莉乃が登場した5度のMCの全て 130125

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思えば、HKT48へ移籍以降 指原莉乃さんが HKT48で果たした役割と積み上げた成果を勘案し追認する形でAKB48運営(秋元P)は チームHメンバー兼任HKT劇場支配人に任命する人事発表を行なったのは 13.4.28 AKB48グループ臨時総会 白黒つけようじゃないか!最終日でした。

それから半年 

余人には10年にも匹敵するだろう超濃縮のAKB48時間経過の中で、選抜総選挙1位となったことを奇貨として、
一位曲「恋するフォーチュンクッキー」のプロモーションを 選抜メンバーと共に 極めてハードなスケジュールながらも、やり遂げ、結果として グループメンバーを強力に牽引し、国内一般層での「恋するフォーチュンクッキー」の楽曲認知度アップと世界規模の「恋チュンダンス」ブームの呼び水となったとの印象が 強烈に残ります。 


HKT劇場支配人兼任から1年 2014.2.24 

今 長期ビジョン不在のまま迷走しているように見えるAKB48G運営のテコ入れ必須事項に思えます。

しかしHKTメンバーが泣き出してしまうようなサプライズ人事は願い下げです。
願わくば、指原莉乃さんの笑顔がこぼれ落ちるような、しかし5年後を見据えた今後の指原莉乃さんに益するサプライズ人事であらんことを。

このところ,指原総合P待望論の高揚とともに 睡眠不足で 疲れが顔に残ってる(目の下のクマなど)弱冠21歳のメンバーにしてHKT劇場支配人兼任P。我がことのように胸が痛みます。

 
----ことによると、AKB48の時間経過は超濃縮だから、2014年 リクアワ200の 2014.1.26東京ドームシティホール でなんらかの発表有りか?過去の秋元Pの遣り口からすると。---





2013年10月5日からBSプレミアムで始まった「AKB48SHOW」石原真Pの遣りたい放題実践の神番組。
 
一方 「指原の乱」で やはり 遣りたい放題の極みを実践して、
今や HKT劇場支配人兼任P にして「法王」(「一言一句で大騒ぎ 指原はローマ法王かよw」・・読み人知らず(2ch書き込みより)の 異名をも併せ持つ AKBセンターの 博多の女帝こと指原莉乃さん との
 遣りたい放題実践の 接点

総選挙1位曲「恋するフォーチュンクッキー」の 「MJ」(石原真 制作統括)での NHK初披露に際し、
観客への 「恋チュンダンス」の協力依頼(振付指導を含む)のために、
東日本大震災被災地訪問活動などを通して、兼ねて知己を得ていた石原真Pとともにその舞台に立ったこと でした。
自らのセンター曲「恋するフォーチュンクッキー」の観客への周知(売込み)ためには、 裏方仕事をも 厭わない AKB48グループの広告塔の姿 を そこに鮮烈に見ました。 

AKB48 - 恋するフォーチュンクッキー【MJ】2013-7-11 放送



(更新 2013.11.2 )

恋チュン福岡MV

第5回AKB48選抜総選挙1位 指原莉乃さんのセンター曲「恋するフォーチュンクッキー」は 2013年を代表する曲になる可能性が高いです。

CDは先週末(10月27日)で累計売上枚数 1,456,262枚(2013.8.21発売 初日売上枚数1,095,894枚)の ロングセラーとなっています。

最近のAKB48の曲は、ヲタと呼ばれる熱狂的な固定ファンの方々の購入により、ミリオンセラーにはなるのですが、一般層に流行るわけではありませんでした。しかし、この曲「恋するフォーチュンクッキー」はCDの売れ方からみて そうではありません。着実に一般層へ浸透していっている ようですから。

次のシングル曲「ハートエレキ」の発売は10月30日でしたが、「恋するフォーチュンクッキー」の150万枚超え は 売行きからは 少なくとも確実であろうと思われます。

「恋するフォーチュンクッキー」が一般層にも好評なことは、カラオケランキングにおいて絶好調なことからわかります。3つのランキング(joysound、DAM、オリコン)の全てにおいて、9月9日の週から先週(10月20日 - 10月27日)まで、7週間連続でトップです。

更に AKB48グループの劇場スタッフ等が「恋チュン」ダンスを踊ってYoutubeにアップしたところ、
これなら踊れる と評判になり、
企業・自治体・サークル等が、AKB48公式登録を目指してMVとしてアップするようになって、
2013.10.31現在、AKB48公式チャンネル(Youtube)に登録されている(AKB48メンバー本人が登場しない)「恋するフォーチュンクッキー」MV(ミュージックビデオ)の数は 23。

ここのところ、(AKB48メンバー本人が登場しない)AKB公式の「恋チュン」MVは1日当り約50万回再生ぐらいの勢いで増加していっており、10月31日には2800万回超えの累計再生数となりました。

非公式のMVの数再生回数の実数は捉え切れません。毎日増えていってますから。10月31日現在で
800万回位の累計再生回数は 確実にあります。

メンバーが踊っているMVは 公式・非公式合わせ、JKT48を含めて2200万回程度の累計再生数となっています。

当初は 48秒の「指原莉乃 ダンス教則MV」 と 「恋するフォーチュンクッキー ダイジェストMV 」で お勧めとしていた節がありますが、長い時間のMVを求める流れには抗えず、今は 非公式MVを黙認するとともに、指原センターでないA・K・Bチーム版も公式で提供しています。

この 一般層への浸透の流れは まだまだ 続きそうです。

「恋するフォーチュンクッキーAKBドラフト会議メンバーVER」が10月24にアップされました。また 10月25日には、「恋チュン」センターの指原莉乃さんが観光大使を務めている大分市Verもアップされたように、企業や自治体の公式アップは これからも年末に向けて 続いて行くことでしょう。当然、非公式の 個人やサークルのアップも続くと思われます。 

4000人のファンが参加して踊って、過去のMVとは次元が違う 流麗な映像詩的な仕上がり に成った「恋するフォーチュンクッキー フルバージョンMV」 ( 8月21日の発売以来、CDにDVDとして付属頒布されていましたが、  次のシングル「ハートエレキ」の発売に合わせ、10月30日夕方からはAKB48公式化され YouTubeにUPされました。)の公式化が 今後、年末へ向けての決定的な AKB48運営の切り札 に 成って行く ように思います。




(更新 2013.08.02 
「世の中のスタンダードにいずれなる人は絶対アナーキーストとして出て来る」とは
 AKB映像センターのMC リリー・フランキー氏の名言ですが、

・・・その後スタンダードになるどのアイドルも、誕生時はアナーキーな存在だった。
固定的なアイドル定義なんてものは存在しないし、。時代の変遷と共に更新され続ける ものなのだとすれば、
指原莉乃さんの1位は「新しいアイドル像」を見せることができたからだ と 言えますね。


恋するフォーチュンクッキー MJ1


幸か不幸か、皮肉なことに、アイドルではない部分を評価され1位になったら、逆に アイドルな面が 日に日に表に出てきているように見受けられます。(youtubeのコメント や 主な 指原莉乃応援ブログのコラムやコメントを見ても ほぼ同意見に見受けました。勿論、コアなアンチヲタの異論もあるにはありますが。-----
  
アイドル界に挑戦状を叩きつけ勝負してきた子が、いざ頂点に立つと誰よりもアイドルしている。
この姿を見て私たちは思った。この子は”正当派”でも十分勝負が出来ると。それだけのアイドルポテンシャルを隠し持っていた と。

否 実は 私たちが 見落していた のだ。

この激動の1年の印象が 余りに強烈過ぎたから、それ以前の彼女の My Way を 勝手に 棚上げしてしまっていたのだ と。




6月29日以降、秋元康氏から 指原莉乃さんをイメージした1位曲(”恋するフォーチュンクッキー”)が提供され、プロモートの一環でTV番組公開されています。


恋するフォーチュンクッキー MJ2


指原莉乃さんをイメージした1位曲(”恋するフォーチュンクッキー”)のプロデュースに、彼女がどの程度関与しているのか、定かではありませんが、少なくとも、立ち位置0のAKB48センターアイドルとしての チャーミングな見せ方・見られ方は 指原莉乃さんにとっては、自家薬籠中の物でしょう。1位曲CD発売日は 8月21日とのこと。総選挙後の1位囲み取材でとても心配していたミリオン継続はクリアしそう との観測がネットで流れてました。

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 評論家の宇野常寛 氏(横山さん推し)がダ・ヴィンチ八月号で、指原莉乃さんについて 熱く語っています。
その全文が早くもWEB上に公開されたので、ご紹介いたします。



宇野常寛 評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。 著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)。『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)。 共著に濱野智史との対談『希望論』(NHK出版)。 企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)など。
外部サイトのURL
http://wakusei2nd.com/



さしこのくせに生意気だ
「AKB48 32 ndシングル選抜総選挙 夢は一人じゃ見られない」

宇野常寛
THE SHOW MUST GO ON 16



しかし、まさかこんなことになるとは思っていなかった。
順位を上げるとは思っていたけれど、
まさか速報からぶっちぎりの1位を独走するとは、
思ってもみなかったのだ。



第5回総選挙結果発表を待つ指原-5 20130608
(”総選挙で HKT48 宮脇咲良”と呼ばれた時の莉乃ちゃんの表情 菩薩様 そのものですね。”とファンサイトで山口百恵さんを連想させるコメントがあった。)


 たぶん本人は覚えていないだろうけれど、指原莉乃には一度だけ会ったことがある。3年ほど前に僕の主宰する雑誌のグラビアに出てもらったのだ。それも彼女ひとりではなく、彼女を含むAKB48の若手期待株のグループのひとり、として出てもらった。その記事にはグラビアに加え、彼女たちのかんたんな座談会のようなものを加えた。当時の僕はまだAKB48に興味を持ち始めたばかりで、それほど彼女たちについては詳しくなく、インタビュアーは僕のアイドルオタクの友人が務めた。聞き手がプロではないので、もしかしたら話が弾まないこともあるかもなと編集長として心配していたりもしたのだけれどそれは杞憂だった。メンバーの中にひとりやたらと察しがよくて機転の利く娘がいて、彼女がこちらの意図をほどなくつかんでその方向で会話を盛り上げてくれたのだ。その「やたらと察しがよくて機転の利く娘」が指原莉乃だった。(同行したその友人は、取材後すっかり彼女に「推し変」していた。)

 あれから二年余り、指原はその才覚を生かしてどんどん人気者になっていった。最初はブログの個性的な投稿で、やがてその「へたれ」でネガティブシンキングでビビりなキャラクターをテレビ番組でいじられることで愛されていった。この間に秋元康以下の運営サイドも彼女の魅力を評価し、強烈にプッシュしていった。僕が取材したころ指原は選抜総選挙で19位の中堅メンバーだったが、その後二年の間に9位、4位と順位を上げていった。気が付けば「へたれ」のいじられキャラだけではなく、かゆいところに手が届く有能なMCとしての側面も広く知られるようになっていた。指原が当時週刊誌のグラビアを飾ったとき、「さしこのくせに生意気だ!」という見出しが躍った。当時の指原の愛されかたを実によく捉えたコピーだと思った。指原の小賢しさは愛される小賢しさだった。絶世の美少女でもなければ、とりわけ歌やダンスが上手いわけでもない。そんな指原の武器は自らがかつて熱心なアイドルオタクとして、現場に通い詰めた経験とそこで得たノウハウだ。(大分県出身の指原は、当時全身に好きなアイドルの写真を貼り付けて九州各地のコンサートや握手会の会場に出没する有名なオタクだったという。)指原は、他のどのメンバーよりもアイドルオタクの心理を理解していた。そしてファンの目線から考えて自分を演出し、そして周囲のメンバーの個性を引き出していった。それが時にはユニークなブログ投稿やテレビでのコメントとして、時には劇場で他のメンバーをいじるMCとして発揮されていった。

 そのころ僕はすっかりAKB48にハマって握手会にも通うようになっていて、漫画家の小林よしのり氏や、コラムニストの中森明夫氏と一緒に社会現象としてのAKB48を真剣に語る仕事をはじめていた。指原が総選挙で4位になったとき僕は運営の「ゴリ押し」に少し飽きてきたと苦言を呈するその一方で、指原のようなメンバーが上位に食い込むのがアイドルの既成概念を壊し続けてきたAKB48らしいのではないか、と発言した記憶がある。そして小林さんを中心に本を出そうかという話が盛り上がったころに、あのスキャンダルがあった。

 指原が「神7」と呼ばれる初期AKB48を支えた上位メンバーに食い込んで4位になった総選挙の直後、週刊文春は指原の過去の男性ファンとの交際を報じた。その週末、秋元康は指原を連れて深夜ラジオ(AKB48のメンバーが週替わりでパーソナリティを務めるニッポン放送『AKB48のオールナイトニッポン』)に生出演した。涙ながらにファンに謝罪する指原に秋元は福岡の姉妹グループHKT48への移籍を命じた。このとき、自宅でラジオを聴きながら原稿を書いていた僕は、言葉を失った。そしてすぐに、これは「神の一手」だと思った。総選挙で第4位に食い込んだ指原の過去のスキャンダルを、選挙直後のこのタイミングで出す──週刊文春の計算は完璧だった。しかし秋元康はこの完璧な一手を完全に逆手に取った。地元・福岡でこそ盛り上がっていたと言われるものの、いま一つその存在感が全国区になれないでいたHKT48の活性剤として、指原は「左遷」というかたちで送り込まれたのだ。こうなってしまうと、ファンもメディアも指原とHKT48に注目せざるを得ない。災い転じて福となす──まさに「神の一手」だった。

 その直後に、僕たち(小林よしのり、中森明夫、濱野智史の各位と僕の4人)はAKB48についての本(『AKB48白熱論争』〈幻冬舎新書〉)を作り上げるために集まった。そこでの話題はほとんど指原についてのものだった。思えばこのときから、僕たちは指原のペースに巻き込まれていたのかもしれない。そこで僕たちは──今読み返すとびっくりするのだが──指原がその能力を駆使してHKTのプロデューサーとして、秋元康に次ぐ第二のプロデューサーとして有効に機能する可能性について言及している。


濱野 ただ、秋元康は別の面でもさっしーを評価してますよね。「おまえ、アイドルには向いてないから放送作家になれよ」とか言うじゃないですか。たしかに、彼女にはそういう能力があるんですよ。

中森 だとしたら、秋元康の後継者なんだ!? すげーな。そう考えると、秋元さんが恋愛禁止のタブーを破って高井麻巳子と結婚したのは象徴的だよね。そもそもAKBという宗教は、少女アイドルに手をつけてしまったプロデューサーが作り、そこに恋愛禁止という戒律を科した。しかもその秋元康が、さしこを後継者として選ぶかもという。

宇野 実際、さっしーはいろんなところでアイドルオタクとして他のメンバーの魅力を語ってますよね。それも実際に一緒に活動しているからこそわかるポイントを、たぶん適度に盛りながらピックアップしている。器用だな、と思います。

中森 プロデューサーの資質があるんだね。

小林 じゃあ、HKTも彼女が仕切っていくのかな。

濱野 派遣プロデューサーみたいな感じになるかもしれませんね。さっしーがブログにHKTメンバーのことを書き、秋元康がそれを見て「なるほど」と作詞の参考にする。そういうことがやりたくて、さっしーを送り込んだような気もします。

宇野 そうだとしたら、ますますあのHKT左遷は「神の一手」だなぁ。

 そして、あれから一年、実際に起ったことは「それ以上」だった。

 指原は僕たちの予想をはるかに超えるレベルで、HKT48第二のプロデューサーとして機能した。年長メンバーとしてHKT48の精神的支柱の一つとなるだけでなく、劇場で、バラエティ番組で、指原はその高い司会力で未成熟な若いHKT48のメンバーの個性を引き出していった。
(とくに冠番組『博多百貨店』のクオリティの高さはHKT48の躍進に大きく貢献したように思える。そして同番組は指原の司会力と、若手メンバーに対する細やかなケア=いじりなくしては成立しなかった。)

またHKT48以外でも指原は移籍直後にももいろクローバーZやSUPER☆GiRLSなどの競合関係にある他グループを巻き込んだコンサート(『指原莉乃プロデュース 第一回ゆび祭り?アイドル臨時総会?』)を総合プロデューサーとして企画し、話題を集めた。秋元康のプロデュースが常に(いい意味で)ファンを裏切り続けるスリリングな面白さを追求するタイプのものなら、アイドルファン出身の指原のそれはオタク心を知りつくし、そこを巧妙に突いてくるタイプのものだった。

この新しい面白さに、多くのファンが魅了されたのは間違いない。
 そして2013年4月、AKB48グループ全体が参加した日本武道館でのコンサート会場で、指原はHKT48のメンバー兼「劇場支配人」に任命された。そう、今の指原は選手兼監督、物書き兼編集者、ポケモン兼ポケモンマスターのようなものなのだ。秋元康の「神の一手」によって博多に向かった指原は、その後は実力で逆境をチャンスに変え、そして成果を残したのだ。


そう、指原のセンター以降、これまでと同じように
恋愛禁止条例が機能するとは考えられないだろう。
ポケモン兼ポケモンマスターであるメタ・プレイヤーは
ゲームのルールを、システムを更新し得るのだ。




第5回総選挙結果発表を待つ指原-4 20130608
第5回総選挙結果発表を待つ指原莉乃さん( 2013.06.08)



 だから今年の総選挙が近づいてきたとき、僕は指原は去年より順位を上げるだろうと予測した。アイドルとしての指原の限界は4位かもしれないが、そこにプロデューサーとしての評価が加わりベスト3に入るだろう、と僕は語った。テレビの番組に出演して今回の注目メンバーを尋ねられたときも、彼女の名前を挙げた。しかし、まさかこんなことになるとは思っていなかった。順位を上げるとは思っていたけれど、まさか速報からぶっちぎりの1位を独走するとは、思ってもみなかったのだ。

 そう、今回の総選挙はご存知の通り指原の圧勝に終わった。誰もがこの結果に驚いていた。(ただひとり、濱野智史だけはこのことを正確に予測していた。)

 特にあの日、会場で小林よしのり氏は激怒していた。でも誤解しないでほしい。氏は誰よりも指原の才能を買っている。買っているからこそ、指原がその実力でセンターを勝ち取ったことに不満を覚えたのだ。
小林氏がアイドルに必要不可欠だと考える恋愛禁止条例が、指原の勝利によって事実上無効化されてしまった、というのだ。けれど僕は、こうやってファンの民意でアイドルの、芸能の在り方を更新していくのがAKB48だと思う。
 もちろん、今回の指原のセンター獲得にまったく不安を覚えないわけではない。たとえば、指原は1位を獲得後のスピーチを、彼女がレギュラーで出演するバラエティ番組『笑っていいとも!』に由来するギャグで〆た。些細なことかもしれないけれど、僕はこの一言を耳にしたとき、AKB48がテレビのものになってしまうのではないかという不安を覚えた。
ある時期までマスメディアとは距離を置き、独自のシステムと文化を育んできたのがAKB48ではなかったか。その象徴である総選挙の、それも1位を取った人間のスピーチがテレビネタで〆られるというのは僕には少し寂しく感じることだった。指原が、テレビバラエティの世界に器用に順応する力をもっていることを知っているからこそ、少し不安になったのは間違いない。

 あるいは大島優子が2位として名前を呼ばれたとき──つまり指原の1位が確定したときに、今回の選挙は「面白い」「笑える」ものとして受け取っていいのではという旨の発言をしたが、このとき僕はこの結果を「笑おう」という空気が指原の正当な評価を覆い隠してしまうのではないか、と思った。もちろん、優子はむしろある種の気遣いとしてこうした発言をしたことは間違いない。しかし結果としてそれが今回の選挙を「マジ」なものとして受け取るべきではない、という文脈ができるのはよくないと思った。

 だから僕は、自分の言葉で指原の1位を分析して、彼女に与えられた正当な評価について触れなければいけないと思った。指原はテレビのゴリ押し「だけ」で1位になったわけでもないし、この選挙結果は単に「面白い」だけじゃない。「マジ」な側面がちゃんとあったのだ、ということを訴える必要があるように思えたのだ。

 そう、僕もあの日、あの場所にいた。今年の総選挙の開票イベントは全国でテレビ中継されていて、僕は解説役として現地の日産スタジアムの放送席からその経過を見守っていた。そして、放送終了間際に一瞬だけ、生中継で指原本人と話す機会があった。
僕は指原にこの結果を順当なものだと思う、と言った。この一年、もっとも強い物語を生きたメンバーは間違いなく指原だ。躍進とその後の転落があり、そして流された新天地で成果を上げる。それも自分だけではなく、若い博多のメンバーを見出し、引っ張ることで成果を上げたのだ。ファンはそんな彼女の一年を、素直に評価したのだ、と。短い時間だったけれど、ある程度は全国の視聴者に伝わったのではないかと思う。

 あれから半月が経って、総選挙の結果についても語り尽くしたような気がしている。
今思うと、大島優子のような(あの前田敦子に唯一対抗し得た)超人を倒すには、単にアイドルをやっているだけではダメだったのではないか、とも思う。たしかに渡辺麻友は素晴らしいアイドルだ。限りなく完璧に近い。僕も大好きだ。しかし、今のまゆゆはアイドルというものの定義を更新しない。しかし、指原には(結果的にだが)それができる。あの優子を倒すには、言ってみれば裏道から入ることが、(いみじくも優子自身が述べたように)優子という絶大な壁を突破するには横からすり抜けていくしかなかったようにも思う。

 しかし、それが特別なことだとは僕は思わない。そもそも現代の情報社会に生きる僕たちは──なんて書くと大仰だが、すっかりメディアを扱うこと、自ら発信することに慣れてしまった僕たちは──多かれ少なかれ誰もが消費者であるだけでなく発信者としての視点をもっている。観客としてだけではなく作家や演出家としての目をもっている。だから、「キャラ」なんて奇妙な和製英語が定着して、「私って?なキャラだから」とか「〇○さんは?なキャラだよね」といったメタ言説が、まるで作家や演出家が劇中の登場人物を扱うかのような言説が、日常的な会話として成立している。

僕たちは多かれ少なかれ、指原と同じ選手兼監督でありアイドル兼プロデューサーのメタ・プレイヤーなのだ。
そして、AKB48が「会いに行けるアイドル」として、どこにでもいる、普通の女の子の魅力でファンを引き付ける装置だという原点に戻るのなら、絶世の美少女でもなければ歌や踊りが得意なわけでもない指原莉乃が、そのメタ・プレイヤーとしての資質で評価される(人気者になる)という現象は、まさにAKB48がこれまで目指してきたことそのものだ、という見方もできるはずだ。
 そして、ついでに言うとこれまでさんざん、頭の固い大人たちは高度資本主義を楽しく生きる僕たちをシステムの奴隷になっている愚民だと罵ってきた。
選手は監督の、物書きは編集者のコマであり、そしてポケモンはポケモンマスターの奴隷であるというのだ。しかし誰もがメタ・プレイヤーである僕たちの代表でもある指原莉乃はアイドル兼プロデューサーとして民意を武器に、(本人の意図とは別に、結果として)恋愛禁止条例が象徴する既存のアイドル観とそれを支えるシステムを変えてしまった。(少なくとも大きな一石を投じたことは間違いない。)そう、指原のセンター以降、これまでと同じように恋愛禁止条例が機能するとは考えられないだろう。(だからこそ、小林さんは指原の1位に激怒したのだ。)ポケモン兼ポケモンマスターであるメタ・プレイヤーはゲームのルールを、システムを更新し得るのだ。

 気が付けばまた(特に推しメンでもない)指原について語ってしまった。さしこのくせに生意気な、と思う反面、さすが指原だ、いつのまにかペースに乗せられているな、と痛感する。
しかしついでに言うと、僕は指原のようなメタ・プレイヤーが勝ったことが個人的に少し嬉しかったのかもしれないな、とも思う。なぜならば僕自身が物書き兼編集者、選手兼監督、ポケモン兼ポケモンマスターのメタ・プレイヤー(の端くれ)だからだ。

そう考えると、僕は指原の100分の1も世界を、システムを変えていない。だからいつか、指原に匹敵する、いや凌駕する選手兼監督、ポケモン兼ポケモンマスターになって世の中を変えてみたいと思う。そしていつかまた指原と話す機会があれば、思いっきりドヤ顔で言ってみたいと思う。「さしこのくせに生意気だ」と、ありったけの敬意をこめて。

(初出:「ダ・ヴィンチ」2013年8月号) )





(更新 2013.06.26 人気アイドルグループ「AKB48」の32枚目のシングル(8月発売予定)を歌うメン­バーを選ぶ「第5回AKB48選抜総選挙」の開票イベントが6月8日、日産スタジアム(横浜市港北区)で行われ、AKB48の大島­優子さんが2位に入り、前回4位の指原莉乃さんが初の1位を獲得した。

「AKB48選抜総選挙」は09年から行われており、5回目となる今回は初めて立候補­制をとり、前回1位の大島優子さんら選抜常連組をはじめ、次世代を担う若手メンバーや姉妹グループ、卒業メンバーら史上­最多の246人が参加した。


開票発表を待つ指原莉乃
開票発表を待つ指原莉乃さん

そんな指原莉乃さんの高揚していたであろう祝勝気分を吹き飛ばしてしまう事態が発生した。

せっかく1位になったのに、憧れのシート(椅子)にも座れず、花束もなく、ライブ後とはいえ、他のメンバーは早々に撤収。唯一 選抜の集合写真だけがそれらしい光景とは!

開票イベント終了後 囲み取材で記者団から ”センター(1位)の椅子”に座ってない事を指摘された彼女は
”あっ!本当だ忘れてた。誰も案内してくれなかったんです。座ってほしくなかったんだと思います。”と 答えた。

過去4回 2人(前田敦子さんと大島優子さんが毎年交互に1位に選出されていた)しか 座ってない”センターの椅子”は 今回も開票会場 に当然持ち込まれており、今回は1位の祝砲ともいうべき打ち上げ花火(TV瞬間最高視聴率 32.7%の瞬間でもあった)とウイニングランともいうべきフロートでの会場周回があったとは云え、ファンはフロート周回後、当然”センター(1位)の椅子”に座るものと思っていた。

開票運営者側の イベント構成上の 単純な初歩的ミスであったのか、なんらかの事情から 意図的に座らせないようにしたのか は定かでありませんが、少なくとも当初は”センター(1位)の椅子”への着席セレモニーが企画されていたのは、”センター(1位)の椅子”が、今回も持ち込まれてることから 明らかです。

今回、フロート周回をおこなったので、1位の女王を”センターの椅子”に座らせるセレモニーの省略を意図したのか、あるいは開票イベント運営上の時間制約上の要請から、割愛せざるを得なかったか?定かではありません。(勿論 そんな変更の事前・事後アナウンスは ありませんでした。) 

フロートに乗る指原莉乃
フロートに乗る指原莉乃さん


更に加えて 痛恨の極みですが、開票イベント運営者側は 選抜メンバー64名や非選抜メンバー200名弱を 新女王のフロート周回を待たず、集合写真撮影等のため バックヤードへ退場させてしまうという 取り返しの効かないミス運営をしてしまいました。
観客とともに 新女王 指原莉乃さんの 祝福されてしかるべき、苦楽を共にしたであろうメンバーとの共有空間をも 消滅させてしまったのですから。ことの真相は謎と云うほかありませんが、新女王の指原さんが、その門出に、こういう仕打ちを受けたままでいいはずはありません。
 


翌9日 指原莉乃さんがレギュラー出演する”AKB映像センター"のメンバー・スタッフ と 翌々10日  ”いいとも”メンバー・スタッフが 花束 や くす玉 と”センターの椅子(本物)”を それぞれ用意し AKB開票運営スタッフの 構想力と配慮不足から発生した非常識な対応を繕って補ぎない、指原莉乃さんの頑張りに報いる場を創ってくれたのは、なんとも ほっこりなごみました。そこにはそれぞれの番組MCの リリー・フランキーとタモリ 両氏の暖かい配慮の 大人の仕切り が はっきりと窺えました。

2013年6月8日から10日にかけて惹起した 第5回AKB総選挙に関わるこれらの出来事は 彼女の波乱の My Way に 良くも悪くも新たなページとして しっかりと刻まれたに違いない と思います。)





(更新2013.05.31 今 二人の女性の My Way に強く心を寄せています。ひとりは26歳で服毒自死した童謡詩人

 もうひとりは 弱冠20歳で劇場支配人の肩書を持ち、アイドルヲタのエンターテイナーにして秋元氏主宰グループでアイドルプロデューサーの相貌をも 併せ持つ、云うところのプレイングマネージャー
。いずれの日にか、本稿に書きとめられたら いいな と思っています。)




AKBグループ臨時総会(2013.04.28 武道館)
AKB48グループ臨時総会 ~白黒つけようじゃないか!最終日(2013.04.28 武道館)
 

(更新2013.05.30 そのグループ臨時総会の華やかな光景がYouTubeで世界に向けて無料配信された 4月28日以降 秋元康 氏も参画している”クールジャパン”の具現世界に どっぷり浸ってました。

多分、自らの生の来歴に重ね合わせて感情移入し、ふいに嗚咽すら余儀なくさせてしまう、ひとつとして同じではない いくつもの My Wayが 生の証として豊饒に繰り広げられている のを 知ってしまった今は

この世界から 容易なことでは抜け出せない と覚醒しました。 )

-----------------------------(更新履歴)--------------------------------------------------
 (更新2014.07.28   7月24日発売の「週刊文春」(文藝春秋/7月31日号)の報じるところでは、本年6月末で、AKB48Gの運営会社である株式会社AKS社長 窪田康志氏の退任が明らかになった。AKB48選抜総選挙6/7の開票発表後、その舞台裏で 窪田社長からプロデューサー就任要請があったことを明らかにしていた指原莉乃さんの 今後の去就が注目される。vol 3)
(更新2014.07.05   AKB48選抜総選挙6/7の開票発表で 速報1位の指原莉乃さんは 連覇が確実視されていたが AKB48チームBの渡辺麻友さんに逆転され、まさかの2位となった。1位奪還へむけての 新たな挑戦が 始まった。  vol 2)
(更新2014.06.09   AKB48選抜総選挙6/7の開票発表で 速報1位の指原莉乃さんは 連覇が確実視されていたが AKB48チームBの渡辺麻友さんに逆転され、まさかの2位となった。1位奪還へむけての 新たな挑戦が 始まった。 )
(更新2014.06.06 AKB48選抜国際総選挙元年は 選抜総選挙曲ラブラドール・レトリバー序列3位・選挙ガイドブック序列2位の指原莉乃から すべてはスタートした  )
(更新2014.05.21 AKB48選抜国際総選挙元年は 選抜総選挙曲ラブラドール・レトリバー序列3位・選挙ガイドブック序列2位の指原莉乃から スタートした・・UP )
(更新2014.05.16 AKB48選抜国際総選挙元年は 選抜総選挙曲ラブラドール・レトリバー序列3位・選挙ガイドブック序列2位の指原莉乃 から始まった・・UP )
(更新2014.05.07 AKB48選抜国際総選挙元年は 選抜総選挙曲ラブラドール・レトリバー序列3位の指原莉乃から始まった・・UP )
(更新 2014.4.24 AKB48選抜国際総選挙元年選抜総選挙曲ラブラドールレトリバー序列3位の指原莉乃から始まる・UP )
(更新 2014.4.16 AKB48選抜総選挙関連 秋元康、すべてのスタートは指原莉乃から・・ UP )
(更新 2014.4.16 AKB48選抜総選挙関連 秋元康、すべてのスタートは指原莉乃から・・らしい UP)
(更新 2014.03.27 指原の乱#24 一旦放映打ち切り 及び 今秋か今冬の再開予定の告知 編 UP)
(更新 2014.03.20 指原の乱#23 選抜総選挙1位様 引っ越し先候補物件ツアー續編 UP )
(更新 2014.03.13 指原の乱#22 1位様 引っ越し先候補物件ツアー編 UP )
(更新 2014.03.06 大組閣祭り組閣決定,指原の乱#21 ユルキャラビジネス炎上ちゃん・消化くん商品化編 UP )
(更新 2014.02.27 大組閣祭り,指原の乱#20 ユルキャラ調査編 ユルキャラ開発編 UPしました。)
(更新 2014.02.22 大組閣祭り,指原の乱#19さしはラーメン完結編 ユルキャラ導入部UPしました。)
(更新 2014.02.14 大組閣祭りについて,指原の乱#18 福田代役 面接編UPしました。)
(更新 2014.02.11 AKBグループ大組閣祭りについて )
(更新 2014.02.07 指原の乱 #17 UPしました。共演者ピック面接編 )
(更新 2014.01.31 指原の乱 #15 #16 UPしました。東京ナイトスポットツアー編)
(更新 2014.01.17 指原の乱 #14 UPしました。さしはらーめん計画編 さしはらーめん提供企画編)
(更新 2014.01.10 指原の乱 #13 UPしました。指乱の今後ー5年?編 さしはらーめん企画編)
(更新 2014.01.06 指原の乱 #12 UPしました。指乱大忘年会こじはるみるきー編ラーメン企画編)
(更新 2013.12.20 指原の乱 #11 UPしました。競馬4戦全敗ヘコみるきー編 指乱大忘年会こじはる編)
(更新 2013.12.12 指原の乱 #10UPしました。競馬初挑戦編 競馬挑戦編2導入部)
(更新 2013.12.05 指原の乱 #9 UPしました。焼肉 みるきー登場篇 競馬導入部)
(更新 2013.11.28 指原の乱 #8 UPしました。HKT48映画は断念。焼肉へこみるきー反省篇 導入部)
(更新 2013.11.26 指原莉乃さんの生誕祭(11月21日)記念もどきで、これまでのUP分を集約しました。)

この企画ができて AKB48SHOWを 始めてよかった!  石原 真(制作統括 EP) エグゼクティブプロデューサー

(更新 2014.01.12 AKB48 SHOW #13(紅白歌合戦 大島優子卒業発表の波紋を含む 舞台表裏編) の リンクを追加しました。BACKUP版 1・2 も掲載してます)

(指原莉乃さんの記事が長くなったので、石原Pの記事を新しく項立てしました。 尚 石原Pの経歴・信条等は 本稿 最下段に掲載しておりますので乞う!ご参照)



akb48 show akb劇場8周年の瞬間

2014年10月5日からBSプレミアムで始まった「AKB48SHOW」石原真Pの遣りたい放題実践の神番組です。
 
一方 「指原の乱」で やはり 遣りたい放題の極みを実践して、
今や HKT劇場支配人兼任P にして「法王」(「一言一句で大騒ぎ 指原はローマ法王かよw」・・読み人知らず(2ch書き込みより)の 異名をも併せ持つ AKBセンターの 博多の女帝こと指原莉乃さん との
 遣りたい放題実践の 接点

総選挙1位曲「恋するフォーチュンクッキー」の 「MJ」(石原真 制作統括)での NHK初披露に際し、
観客への 「恋チュンダンス」の協力依頼(振付指導を含む)のために、
東日本大震災被災地訪問活動などを通して、兼ねて知己を得ていた石原真Pとともにその舞台に立ったこと でした。それは、まさしく
自らのセンター曲「恋するフォーチュンクッキー」の観客への周知(売込み)ためには、 裏方仕事をも厭わない AKB48グループの広告塔の姿を ,優しく見守る石原真Pの眼差しのさきにあるその姿を、そこに鮮烈に確認した瞬間でもありました。 


AKB48 - 恋するフォーチュンクッキー【MJ】2013-7-11 放送

石原真P

*************AKB48SHOWブログ掲載の 石原P #E13 番組解説************


2014年01月09日 (木)

新年1回目は「紅白舞台裏」です。大島優子さんの卒業発表直後の様子も。

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

2014年もAKB48SHOWよろしくお願いします。
2013紅白 恋するフォーチュンクッキー


さて、新年1回目の放送は「完全密着!紅白の舞台裏」です。

紅白には、いわゆるオフィシャルの記録映像としての撮影もあるのですが、

それとは別にAKB48SHOWで、48グループ用のメイキングカメラを入れて

取材をおこないました。

AKB48SHOW#1320140111_01

リハーサルの様子から本番ステージまでをご紹介します。

3つのグループの本番の映像もあらためて放送します。

AKB48SHOW#13 大島優子卒業発表直後20140111_07

そして、大島優子さんの卒業発表。

この直前と直後の大島さんとメンバーの姿もご覧いただけます。

リアルな映像です。

次回のAKB48SHOWでは、卒業発表後初めての

大島優子さんのロングインタビューをお届けする予定です。
 
AKB48SHOW #13

AKB48SHOW #13(BACKUP 1)
AKB48SHOW #13(BACKUP 2)


*****************MJブログ掲載の 石原P 竹内美宥「初日」解説*****************


2013年10月11日 (金) 竹内美宥さんの「初日」


竹内美宥 初日 akb48show 20131012_01

 
今週のAKB48SHOWでは、竹内美宥さんが「初日」という曲をピアノで弾き語りをしてくれます。
これを是非みなさんに聞いていただきたいです。

この曲はAKB48のチームBの「パジャマドライブ」という公演の中に入っている公演曲で、
AKBファンにとても愛されている曲です。

竹内さんは弾き語りが趣味ということで、
自分でアレンジした曲を動画サイトに投稿しています。

この「初日」もそうでした。

竹内さんの同期の島田さんに会った時
「美宥の初日がとてもいいから、聞いてみてくださいよ」と言われたのがきっかけでした。

とてもよかったので、すぐ竹内さんに連絡を取り、
AKBの新しい音楽番組を始めるから、そこでやってみませんかと持ちかけました。

即答で「やらせてください」でした。

ただ、動画サイトのバージョンは、自宅で録音したいわゆる「宅録」であり、
楽器もエレピを使っていましたので、「生ピアノで弾き語りできますか」と再度確認をしました。

もうひとつは、ハモがかぶせてあったので、
これはどうしますかと聞いたところ
「このハモにも自信があるので、ここもやらせてください」という返事でした。

そのようなやり取りがあり、AKB48SHOWで収録したバージョンは、
まず竹内さんの生ピアノの弾き語りをそのまま、いわゆる「一発録り」でおこない。
すぐにその演奏を再生して、自分でハモのパートを重ねたものになっています。

アレンジも竹内さん自身がおこなっているので、
原曲とかコードが違う部分があったり、
転調の仕方も違っていますが、これこそ「竹内美宥の初日」です。

この曲をご存知ない方でも何か感じるものがあるバージョンだと思います。

是非聞いていただきたいです。


AKB48 竹内美宥 「初日(弾き語りver.)」 2013.10.12




**********MJブログ掲載の 石原P NMB48 「太宰治を読んだか?」解説*********


2013年10月18日 (金)
太宰治を読んだか?  AKB48SHOW 第3回  姉妹グループ特集


AKB48SHOW 太宰治を読んだか?



今回のレア曲のコーナーに登場するのは「太宰治を読んだか?」です。

NMB48のアルバムのオリジナル曲で、
山本さん、山田さん、横山さんの3人によるユニット曲です。

この曲はもともとダンスの振りがついている曲なのですが、
3人によるアコーステュックバージョンが、
今年の夏のAKB48のドームツアーの中、
大阪京セラドームの2日間だけ披露されました。

そのバージョンがあまりに素晴らしかったので、今回AKBSHOWでも収録しました。

山本さんのギター、山田さんのタンバリン、横山さんのハーモニカ、
それに3人の歌声とハーモニー。


とてもいいバージョンなので、是非聞いてみてください。

横山さんのNMB兼任が解かれた今となっては、レアなバージョンになってます。

ドームで見られなかった方は是非この機会に、見た方はあの感動をもう一度。

ちなみに、衣装はNHKホールのコンサートで着用したものになってます。


131019 AKB48SHOW! 太宰治を読んだか? 山本・山田・横山 アコーステュックVer

NMB48 1st Album[OPV]太宰治を読んだか?(フルVer) 人生とは何か語れる友が出来た--- 

太宰治を読んだか?(NHKホールでの ダンスVer



******AKB48SHOW ブログ掲載の 石原P HKT48「回遊魚のキャパシティ」解説******


2013年10月25日 (金) AKB48SHOW 第4回

第4回は、AKB48新曲「ハート・エレキ」 ゆきりん「Birthday wedding」 そして「キャパ、キャパ、キャパ、キャパ、キャシティ!」


「回遊魚のキャパシティ」

チームK4th「最終ベルが鳴る」公演の中のチーム曲です。名曲です。

HKT48 回遊魚のキャパシティ


劇場公演ではこの曲のサビの部分に特徴的なコールが入ります。

歌詞で言うと「一人しか愛せない(キャパ、キャパ、キャパ、キャパ、キャパシティ!)わー」という感じです。

昔の公演曲には、その曲独特のコールが自然発生的に生まれてきたものがあるんですが、
最近はミックスばかりになってしまって少々寂しいです。

今回はHKT48によるスタジオでのパフォーマンスなので、観客のコールはありませんが、皆さんテレビの前でコールお願いします。

この曲はHKTの「レジェンド公演」で歌われています。

もちろん指原さんがチョイスした曲です。


【Full HD】 HKT48 回遊魚のキャパシティ (2013.10.26)

HKT48 - 回遊魚のキャパシティ (Live) (2013) BACKUP版

AKB48 K4 回遊魚のキャパシティ


   ******AKB48SHOW ブログ掲載の 石原P 「純愛のクレッシェンド」解説******

2013年10月30日 (水)  AKB48SHOW 第5回

AKB48SHOWの第5回目には「純愛のクレッシェンド」という曲が登場します。

歌うのは、小嶋陽菜、高橋みなみ、峯岸みなみの3人で、この曲のオリジナルメンバーです。

純愛のクレッシェンド 小嶋陽菜、高橋みなみ、峯岸みなみ AKB48SHOW第5回目


「純愛のクレッシェンド」はチームA4th「ただいま恋愛中」公演の中の公演曲です。

当時、同じ1期生でチームAの仲間だった小嶋、高橋、峯岸の3人のユニット曲で、まだノースリーブス結成より前でした。

この公演を見た事務所の社長が、この曲を見て、3人を事務所に誘い、やがてノースリーブスを結成することになったエピソードが有名です。

前回放送した「回遊魚のキャパシティ」も曲中のコールが独特なものですが、この「純愛のクレッシェンド」も独特のコールがついている曲です。

特にAメロの部分ですが「みなみなみなみな、みなみー!」とか「はるはるはるはる、はるなー!」というコールが劇場公演では起こっていました。

コールはいつの間にか始まって、定着するものと廃れるものがありますね。

さて、AKB48のオリジナル劇場公演は、チームAが6、チームKが5、チームBが3つ。

そして、ひまわり組が2つの計16公演です。

他にSDNに1つ、SKEに3つあり、現在グループ全体では20のオリジナル公演があります。

その16あるAKBの公演の中のユニット曲で、今でもオリジナルメンバーでパフォーマンスできることができる曲もほとんどなくなってきました。

この「純愛のクレッシェンド」を含めて6曲しかないと思います。

他には「恋愛禁止条例」「炎上路線」「心の端のソファー」「愛しきナターシャ」

そして「Bye Bye Bye」これもノースリーブスの3人の曲ですね。


131102 AKB48 SHOW「 純愛のクレッシェンド」

純愛のクレッシェンド AKB48 TeamA 4th 2008年(当時 峰岸みなみは中三15歳だった)


  ******AKB48SHOW ブログ掲載の 石原P 「君だけに Chu! Chu! Chu!」解説******


2013年11月08日 (金)  AKB48SHOW 第6回

話題のユニット「てんとうむChu!」も初登場です。

ユニット「てんとうむChu!」

結成当時は全員研究生でしたが、AKBの3人岡田、小嶋、西野はチーム4へ昇格、

他の4人は各グループの研究生として活躍中です。

てんとうむChu!7人が出演のドラマも始まり、ますます目が離せないユニットです。

ただし、メンバーが4つのグループにまたがっているため、全員が集まるのが大変です。

レアなパフォーマンスに注目です。

         --------------------------------------------------

公開日: 2013/11/09
2013.11.09 ON AIR / Full HD (1920x1080p), 59.94fps
【出演】 <てんとうむChu>
岡田奈々 (AKB48)/小嶋真子 (AKB48)/西野未姫 (AKB48)/北川綾巴 (SKE48)/渋谷凪咲 (NMB48)/田島芽瑠 (HKT48)/朝長美桜 (HKT48)

てんとうむChu!自己PR『君だけにChu!Chu!Chu!』AKB48SHOW(2013.11.09)


   ******AKB48SHOW ブログ掲載の 石原P AKB48SHOW#7解説******


2013年11月14日 (木)

7回目の放送になりました。


まずチーム4の新公演から「手をつなぎながら」

AKBが初めて秋葉原の劇場でおこなうSKE公演の表題曲です。

これまでの他のチームとはまた違った、フレッシュで自由なパフォーマンスです。

チーム4の衣装はHKTが使っていたバージョンです

akb show #7tチーム4-手をつなぎながら20131114

出演者
相笠萌 岩立沙穂 内山奈月 梅田綾乃 岡田彩花 岡田奈々 北澤早紀 小嶋真子 篠崎彩奈  
髙島祐利奈 西野未姫 橋本耀 前田美月 峯岸みなみ 村山彩希 茂木忍

131116 AKB48 SHOW! ep07(全編--”手をつなぎながら” は 冒頭コントの後) 

HKT48 手をつなぎながら(AKB紅白歌合戦(AKB紅白歌合戦Ver 2012) 



HKT48は「Seventeen」

AKB最初のアルバムのオリジナル曲です。

今年の東京ドームでHKTがやったこの曲を久々聞いて、

いい曲なので、番組で紹介したいな と思いました。

akb48show #7 hkt48 seventeen 20131114_07

出演者
穴井千尋 多田愛佳 兒玉遥 指原莉乃 松岡菜摘 宮脇咲良 村重杏奈 本村碧唯 森保まどか 
秋吉優花 岡田栞奈 岡本尚子 田島芽瑠 谷真理佳 朝長美桜 渕上舞

【Full HD】 HKT48 Seventeen (2013.11.16)

HKT48-Seventeen AKB48 SHOW! 131116 (BACKUP URL)
AKB48 Seventeen (フルVer 2011 サプライズありません版) 



 ******AKB48SHOW ブログ掲載の 石原P AKB48SHOW#8 解説******


2013年11月21日 (木)
#8みどころ 楽曲編


AKB48 SHOW! #8"


「鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら 僕たちの関係はどう変わってしまうのか、 僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの」(AKB48SHOW FULL Ver 2013.11.23) 


松井珠理奈さんセンターの、じゃんけん選抜16人による最新シングルです。

鈴懸なんちゃら (略呼称) 選抜メンバー
松井珠理奈 鵜野みずき 田野優花 古畑奈和 阿部マリア 北原里英 土保瑞希 平田梨奈
上枝恵美加 藤江れいな 菊地あやか 佐々木優佳里 名取稚菜 湯本亜美 大場美奈 大家志津香

鈴懸なんちゃら 20131123_01



タイトルの長さや、その略称をどうするのかなどが話題になっていますが、

曲の方は織田哲郎さん作曲によるポップチューンで、

ライブでも盛り上がる曲になりそうです。

コール&レスポンスもできます。

主人公の僕は「君の微笑みを夢に見る」ということを

(タイトルの中では)まだ君に言ってないんですが、

さて本編の方では言ってしまうのでしょうか。

これまでの関係を崩すリスクを背負ってまで告白をするのかどうか。

AKB48SHOWではフルサイズでお届けするので、歌詞もお楽しみください。



元気が出る歌が登場します。

だーすー&つーまーの「ここで一発」です。

SKE48新曲の表題曲「賛成カワイイ!」よりカップリング曲の方が先にオンエアです。
(「賛成カワイイ!」は来週です。お楽しみに!)

だーすー&つーまーの「ここで一発」20131123_02

須田亜香里さんと松村香織さんの二人のユニット曲です。


ファンの方なら、この二人の経歴やキャクターをご存知なので、

「ここで一発」の歌詞は二人のことを歌った曲だとお分かりのことと思います。

MVも楽しかったですが、AKB48SHOWもとても楽しいバージョンです。

聞いていると楽しくて、生きる希望が湧いてきます。

だーすーとかおたんに言われちゃしょうがないな。

頑張ろうかって気になりますよ。


そして「LOVE修行」 AKB48SHOW! 動画 20131123 19人Ver

LOVE修行20131123_04


「LOVE修行」が収録できたのは、運が味方したという出来事がありました。


この日の収録は、大森美優さんと佐々木優佳里さんによる「わがままな流れ星」が先に決まってました。

後日チーム4が揃うということになり「清純フィロソフィー」が決まりました。

じゃ、新公演から「手をつなぎながら」もやって、もう一曲できるなということで

「パジャマドライブ」の中から一曲やりますかと打ち合わせをしていました。

「あれ!?この日は大森さんと佐々木さんもAKBSHOWに来ているぞ」となりまして、

平田梨奈さんが来られるなら19人揃うぞということに気がつきました。

そこでマネージメントに至急確認したら「ひらりーはその日公演なので、劇場入り時間までなら大丈夫です」という返事がありました。

曲の撮り順を変えれば「LOVE修行」やれるということが分かり、

19人揃っての収録が実現できました。




 ******AKB48SHOW ブログ掲載の 石原P AKB48SHOW#9 解説******

AKB48-SHOW! #9

#9みどころ 楽曲編 
「賛成カワイイ!」フルサイズ! 
しゅうみるの「となりのバナナ」 
そして、アズマリオンとなおちゃんの「枯葉のステーション」は
アイドルの特技という枠を超えた胸に染みる生演奏です。


SKE48の新曲「賛成カワイイ!」をフルサイズでお届けします。

まるで夏シングルのように飛び跳ねる曲です。

UKギターポップのようなアレンジがほどこしてあるのも、

アイドルソングとしては新鮮に響きます。

賛成カワイイ SKE48




NMB48期待の二人に可愛いユニット曲をお願いしました。

白間美瑠さんと藪下柊さんによる「となりのバナナ」です

年齢的には逆のポジションなのですが、この方がいいかなと思いこうしました。

NMBの秘密兵器登場!って感じです。

となりのバナナみるしゅう

まずNMBからは、チームNの白間美瑠さんとチームBⅡの藪下柊さんが登場。

二人に番組がお願いしたのは「となりのバナナ」です。

今週の「となりのバナナ」もセリフ付きの曲で、

これで「わがままな流れ星」「ここで一発!」「となりのバナナ」と

3週連続でセリフ付きの曲になりました。まったくの偶然です。



白間&藪下の曲中のセリフは、本人たちにまかせたので、

ちょっとシュールなことになってます。

みなさん「あれ?」と思うかもしれませんが、

そこは一度スルーしていただいて最後までお楽しみください。

一応最後にはオチというか、一定の落とし前はついていますが(笑)

でも、可愛いですよ。


この曲は、ひまわり組2nd「夢を死なせるわけにいかない」公演の中の二人ユニット曲で、

オリジナルメンバーは小野恵令奈と河西智美。

「夢死」公演は、まったくお下がりをしたことがない公演だと思いますが、

その中で「となりのバナナ」と「初めてのジェリービーンズ」は、

よくAKBのコンサートでも披露されている人気曲です。

作曲は前山田健一、ヒャダインです。



48Gの二人ユニット曲と言えば

「てもでもの涙」「わがままな流れ星」「となりのバナナ」「狼とプライド」「君と僕の関係」

「眼差しサヨナラ」「炎上路線」「アボガドじゃねーし」「TWO ROSES」

など数々の人気曲があります。

例えばこの中で、後半の4曲は今でもオリジナルメンバーでのパフォーマンスが可能ですが、前半の曲は無理です。

となると別のメンバーによるパフォーマンスがマストということになります。

今回「となりのバナナ」を収録するにあたって、どのチームのどのメンバーにお願いしようかと考えて、

NMBの白間・藪下の二人、みるるん&しゅうちゃんに決めました。

年齢的にはみるの方が一つ上なんですが、キャラクターイメージで、

小野→白間、河西→藪下というポジションにしました。


このように番組オリジナルでのチーム曲やユニット曲の場合、

事前に振り入れやレッスン、衣装のフィッティングなどがあり、

AKB48SHOWの収録はかなり手間がかかっています。

この二人の「となりのバナナ」

天使が二人(天使は人?)状態なのでお見逃しなく。

今後のNMBでも中心になってゆく二人だと思いますよ。

みるしゅう立像




そして、今回是非見て聞いていただきたいのが、

番組の最後にお届けするこの一曲。

SKE48の東李苑さんのピアノと古畑奈和さんのサックスによる

「枯葉のステーション」
「枯葉のステーション」 東李苑 ピアノ&古畑奈和 サックスの生演奏バーョン(BACKUP版)

枯葉のステーション二人並んで

東李苑さんがピアノで、古畑奈和さんがサックスという二人での演奏、

48グループでは珍しいインストルメンタル曲の収録です。

実現までに数ヶ月を要しました。


始まりは、今年のドームツアー前。

演出スタッフと「グループ内でピアノの上手なメンバーは誰かなあ」と話をしていた時に

AKBなら、既にピアノアルバムもリリースしている松井咲子さん、

HKTは森保まどかさんがかなり弾けるなどということになり、

じゃ、SKEは?で、名前があがったのがアズマリオンでした。


ドームコンサートの演出にピアノを加える演出があったのは

皆さん御存知の通りです。

「ポニーテールとシュシュ」のイントロには毎回入っていました。

その中で、観客の度肝を抜いたのが、名古屋ドームでのアズマリオンでした。

そう「雨のピアニスト」のコラボレーションです。

これが素晴らしくよかったので、アズマリオンには「いつか番組でピアノ披露したいね」ということを話しました。


本当のきっかけは9月。じゃんけん大会終了後です。

メンバーが思い思いの仮装をしたり、特技をアピールしたりする中で、

なおちゃんはサックスを吹いての入場でした。

短いフレーズでしたが、かなりいい音がしていたように感じました。

見事じゃんけん選抜に入り、記者会見までの待ち時間になおちゃんとサックス談義をして、

これまた、何か機会があったら番組で紹介したいですねということで終わりました。


石原真P 全身


同時にもう一曲 企画を進めたのが、SKEの東、古畑二人のピアノとサックスで何かやれないかというものです。

二人と話し合って、曲を決めました。

アレンジをAKBではお馴染みの野中“まさ“雄一さんにお願いし、

デモ音源を作り、スコアも作り、二人に渡して自主練習を始めてもらいました。

野中さん曰く

「結構難しいけど、ピアノとサックスのどちらにも聞かせどころのあるアレンジにしました。後半で転調するので、ここも難しいですね。でも決まればかっこいいと思います」

ということでした。


メンバーは、日々の公演や撮影、収録、握手会など忙しい日々を送っています。

SKEはアリーナコンサートもあったので、そのレッスンもありました。

そのため練習時間を取り、11月に収録ということになりました。

枯葉のステーション演奏

さて、その演奏の方ですが。

僕が言うのも手前味噌になるかもしれませんが、

相当クオリティの高い演奏を収録することができたと思います。

是非みなさんに聞いていただきたい演奏です。

びっくりすると思います。

二人とも基礎ができているので、練習を重ねて収録に望んだ結果、

素晴らしい演奏を収録することができました。

アイドルの特技披露というレベルを超えています。

この企画ができてAKB48SHOWを始めてよかったと思いました。


枯葉のステーション(AKB48SHOW Ver+松井玲奈 ソロVER)


東李苑さん、17歳のお誕生日おめでとうございます。
枯葉のステーション立像



青木宏行
一般公開で共有しました - 11:15

昨日のAKB48SHOW、めっちゃ良かったですね!

アズマリオンのピアノと古畑奈和ちゃんのサックスの枯葉のステーション、痺れました!
2人ともかっこ良かったですね。
アレンジがまた素晴らしくて、胸にグッと来ました

しゅうちゃんとみるちゃんの、隣りのバナナもまた可愛すぎましたね。
駅のホームで外国の新聞を読んでいる始まりがいいですよね。
みるちゃんは、きっと新聞のこと、新聞さんって呼んでるんでしょうね笑


こじまこちゃん、奈々ちゃん、みきちゃんの三銃士とみいちゃんと山崎樹範さんの
ハンバーガーショップのシチュエーションコメディもサイコーでした。
面白かったですね、シリーズにして欲しいくらいです笑

毎回、コントのセットが開いて曲に繋がるオープニングがすごくいいですよね。
今回のオープニングコントは、みなるんとゆりあ。
みなるんはかなりコント慣れしてますよね。安定感が出てきました。

さやねぇ、ゆいはん涙の、
NMBの紅白発表サプライズは、最高のドキュメンタリー映像でした。
号泣だったさやねぇ、笑顔だったみるきー。2人の表情が対照的なだったのも面白かったです。

全編見どころ!
AKBGファンにはたまらない夢のような番組ですね

ps
これ、番宣じゃないですよ笑
僕の素直な番組の感想です。
あまりにもいい番組だったので
石原Pにも頼まれてません笑




 ******AKB48SHOW ブログ掲載の 石原P AKB48SHOW#10 解説******


2013年12月06日 (金)
明日は生放送! AKB劇場からお届けします。

東京秋葉原のAKB48劇場がオープンしたのは2005年12月8日。

まもなく8周年を迎えます。

AKB劇場


そこで、前夜のAKB48SHOWは丸ごと劇場からの生放送です。

劇場のロビー、劇場内部、ステージ、楽屋などを丸ごとお見せします。

メンバーも続々登場する予定です。


放送時間は5分延長して、0時4分まで。

満8歳のカウントダウンも放送の中でおこないます。

お楽しみに。



内容の一部を紹介します。

(*生放送なので変更の可能性もあります。ご了承ください)

○オープニングに登場するのは「あの二人」です

○劇場の舞台設備見せます

○禁断の楽屋に潜入ルポ

○ステージでの生パフォーマンスも

○記念日恒例の行事を生放送


動画:AKB48 SHOW!  #10

AKB48 SHOW! #10BACKUP版1

131207 AKB48SHOW「#10」BACKUP版2


放送日が12月7日だったので、放送時間をちょっと延ばせば、

AKBの記念日が生放送でカウントダウンできるなあ・・・と思ったのがきっかけでした。



NHKのスタジオからの生放送も考えたのですが、

ここはやはり秋葉原の劇場からが良いと思い、

劇場スタッフとミーティングを重ね、実現にこぎつけました。



当日の12月7日はチームB公演が昼と夜の2回おこなわれるため、

夜公演のハイタッチお見送りが終了した8時半から

中継用の機材の搬入をおこなってからのセッティングだったので時間はタイトでした。



夜の生放送なので、メンバーは高校卒業をしたメンバー36人の出演です。

チームBのメンバーはそのまま出演。

レコーディング終わりのメンバー、AKB紅白のリハ終わりのメンバー、

撮影終わりのメンバーなどが、続々集まってきます。

若いメンバーの多いチーム4からは峯岸さんと岩立さんしか出演できません。

最後に劇場に到着したのは高橋みなみさん。

夜10時半までNHKで別の番組の生放送に出演しており、

番組終了後すぐ秋葉原への移動です。


AKBの記念日と同じ誕生日のメンバーは48Gの中に3人います。

横山由依さん、山内鈴蘭さん、そしてHKT48の多田愛佳さんです。

このうち横山さんと山内さんが当日出演メンバーだったので

オープニングをお願いしました。

akb48show #10 オープニング 横山山内


当日行われていたチームB公演では、田名部生来さんの生誕祭も行われました.

ここからは生放送の通りなので、こぼれ話をいくつか。

劇場の楽屋は、みなさんもドキュメンタリーなどで見たことがあると思います。

僕も、前田さんの卒業公演とか、成人式の時などに撮影に入ったことがあります。

いつもはもうちょっとアレなんですが、この日は生中継で楽屋を紹介するとあって、

メンバー、マネージャー総出で大掃除をしていました。

もうちょっとリアルな雰囲気の楽屋でもよかったのですが、

放送前にはピカピカにされてました。

広報の西山さんは「ついでに大掃除ができてよかった」と。


生中継で紹介された楽屋。レポーターは川栄李奈さん

akb48show#10 川栄李奈


トークの部分は、テーマだけを決めてあっただけで完全なるフリートークです。

リハーサルも、ネタ合わせもやってません。カンペも出していません。

12時1分前になったらカウウントダウンするということだけが決めてありました。

akb48 show akb劇場8周年の瞬間


進行はたかみなに任せました。さすがの仕切りです。

生放送の完全フリートークをお楽しみいただけましたでしょうか。

akb48 show#10 記念フリートーク


カウントダウンしてからの、8本目のピンクのテープ貼りです。

ここもたかみなが職人芸を見せてくれました。

ぴったりに貼ってありますので、劇場に行く機会があったら見てください。

下手側のステージ向きの柱のテープです。

akb48 show たかみな 柱「のテープ貼り


生放送終了後の様子は、今週のAKB48SHOWでご紹介します。

ステージ上で少し感想を話してから、

ゆいちゃんと鈴蘭のサプライズ誕生日お祝いがおこなわれました。

akb48show サプライズ誕生祝い 横山・山内


おかげさまで番組も好評でした。

akb48 show akb劇場8周年の瞬間


生放送のノウハウもできたので、

また機会があればAKB48劇場からの生放送にチャレンジしたいと思います。

もう少し長くてもよかったですね。次は60分ですかね。

FMでやったみたいに「AKB三昧」のようなダラダラ放送もいいかもしれません。




******AKB48SHOW ブログ掲載の 石原P AKB48SHOW#11 解説******

2013年12月12日 (木)
#11のみどころ 生放送終了後の劇場風景。横山と鈴蘭のサプライズお祝い。 8周年記念公演、各期の演目の全曲ダイジェスト 高橋みなみ×大島優子 本気の対談 渡り廊下走り隊(6)だが、(7)に挑戦!


先週の劇場からの生放送、

最後の「桜の花びらたち」が歌の途中で切れてしまい

申し訳なかったです。ある意味確信犯でした。

カウントダウンやって、

たかみながピンクのテープを張り終えてから最後の曲のイントロ。

曲はもちろん「桜の花びらたち」

これをワンハーフにすればギリギリ放送時間に入るかなと思ったのですが、

劇場8周年の記念の生放送でワンハーフというのもアレだし、

ならばフルサイズにして、いけるところまでいこう!と思って構成しました。


さて、今週のAKB48SHOWは、その生放送の続きから始まります。

劇場での感想トークがあって、そこで横山由依さんと山内鈴蘭さんの


サプライズバースデーのお祝いなどの模様も放送予定です。
akb48 show#10 記念フリートーク

特集の(1)では、

12月8日の「8周年記念公演」の模様をお届けします。

15期から1期までの各期がおこなったパフォーマンスは

ダイジェストですが全曲を紹介します。



特集の(2)は、

たかみなの説教部屋のスペシャルとして、

大島優子さんとの対談をたっぷりとお届けします。

AKBを引っ張ってきた二人の真剣な対談をお楽しみください。

akb48show #11 大島優子 説教部屋



最後に登場するのは、2月に解散することが発表になった

「渡り廊下走り隊」です。

akb48 show#11 渡り廊下走り隊7


今回の収録には、浦野さんと、平嶋さんが入った6人でおこないました。

仲川さんはJKT48の仕事があり、このタイミングでの来日は無理でした。

ということでAKB48SHOWでは、

なんとか7人バージョンをお届けできないかと努力をしています(現在進行形)

放送をお楽しみにしてください。

うまくゆかない場合もあるので、その場合はスルーでお願いします。


(*補記)
先週放送の渡り廊下走り隊「完璧ぐ~のね」について。

収録のスケジュールを組む時にJKT48の仲川遥香さんも参加できないかと相談をしたのですが、

最近インドネシアでの仕事が順調なようで、

なかなか年内に帰国のスケジュールが取れないとの返事でした。

それで6人バージョンで振りを作り直してもらいました。

「じゃ、VTRならどうですかね?」と話を持ちかけていたのが、

収録直前に「VTRなら、放送までに撮れるかもしれない」という返事が届いたので、

撮影スタジオで直しを入れ、仲川さんが入る場所を数ヶ所空けて撮影しました。

「ま、うまくゆかなかったら、はるごんの写真でも入れるか・・・」

撮影をお願いするのがJKTの現地スタッフの方なので、

今やJKT48のスター、ハルカナカガワが日本で「渡り廊下走り隊」というユニットに所属しているとか、

「完璧ぐ~のね」という曲についてもあまり知らないのではという心配がありました。

そこで、こういう画角でこのくらいのサイズで、

曲のこの部分を撮影して欲しいというリクエストを出して、撮影してもらいました。

テープ送りだと放送に間に合わないのでデータで送ってもらって

無事放送することができたというわけです。

解散までに7人全員が揃った渡り廊下走り隊を収録したいですね。
AKB48SHOW#11 仲川遙香渡り廊下走り隊完璧 ぐ~のね

動画:AKB48 SHOW!  #11

AKB48 SHOW! #11(BACKUP1)
131214 AKB48SHOW「#11」(BACKUP2)



 ******AKB48SHOW ブログ掲載の 石原P AKB48SHOW#12 解説******

2013年12月18日 (水)
#12はクリスマス特集 みどころ(楽曲編)

12月21日のAKB48SHOWはクリスマス特集。
クリスマスにちなんだ3曲をお届けします。

まず「予約したクリスマス」

2010年冬の「チャンスの順番」のカップリング曲ですが、

その頃クリスマスキャンペーンのCMで使われていたので、

耳に馴染んでいるAKBのクリスマス曲です。

今回はAKB48から16人のメンバーが登場します。

3年前の曲なんですが、元の選抜メンバーから半分近いメンバーが卒業していることと、

最近のコンサートでも披露してないので、

事前に振り入れをやってからの収録となりました。
AKB48SHOW#12 予約したクリスマス


2曲目は、クリスマスソングの変化球なのですが。

「真夏のクリスマスローズ」

この曲はチームA5th「恋愛禁止条例」の中の4人ユニット曲です。

真夏の海岸線で、去年のクリスマスイブの甘くて苦い思い出にひたる曲です。

今回はAKB48若手4人にお願いしました。

チーム4の岡田彩花さん、小嶋真子さん、

そして15期研究生の向井地美音さんと大和田南那さんです。

向井地さんと大和田さんは今回が始めてのテレビ収録でした。

みんな初々しくて爽やかなパフォーマンスです。

AKB48SHOW#12 真夏のクリスマスローズ


3曲目は、AKBのクリスマスの超定番曲。

「あなたとクリスマスイブ」です。

これは、クリスマスの劇場公演でもよくおこなわれる曲です。

リクエストアワーでの毎年お馴染みで、

今年のSKEリクアワでは1位に輝きました。

番組ではAKB9期の同期生2人、

竹内美宥さんと横山由依さんのデュエットでお届けします。

ピアノは竹内さんです。
AKB48SHOW#12 あなたとクリスマスイブ竹内美宥
AKB48SHOW#12 あなたとクリスマスイブ 横山由依

動画:AKB48 SHOW!  #12

AKB48 SHOW! #12(BACKUP1)
AKB48SHOW#12 20131221(BACKUP2)


石原真p正面

石原 真
エグゼクティブ・プロデューサー

1957年生。
1981年NHK入局。
入局以来 破天荒な企画力と行動力で数々の番組を制作。
ロックとシガーとガムを愛するナイスミドルなダンディズムである。
また、架空楽団のベーシスト&ギタリストとしても有名。
敬愛するBANDは『ムーンライダーズ』

代表番組
『Top Runnner』
『POPJAM』
『紅白歌合戦』

石原P「自分がいいと思うものを、自分のやり方で伝える。」

テレビプロデューサー石原 真さん
岡山県出身。法政大学 経済学部経済学科(1981年卒)。大学卒業後、日本放送協会に入局。ディレクターを経て、現在エグゼクティブプロデューサーとして活躍中。
座右の銘:くよくよするな

いまの仕事内容を教えてください。
僕は、32年間テレビ制作一筋でやってきました。ディレクターを15年、プロデューサーになって16年経ちますが、ここ10年間は音楽番組を担当しています。レギュラーでは、NHK総合で毎週日曜日の18:10から放送の「MUSIC JAPAN」という若者向けの番組。また、単発の企画番組も作ります。たとえば、ここ数年の音楽界ではアニメソング、いわゆる「アニソン」が熱く、それらをガッツリ特集した番組や、アーティストに密着した番組なども作ります。

さらに、もっとも気合いが入るのが、大晦日の「NHK紅白歌合戦」です。これにもプロデューサーの一人として毎年関わっていますが、だいたい夏を過ぎると紅白に向けての打ち合わせが始まります。NHKが総力をあげて作る番組ですから、気が抜けない日々が続きます。

一日はどんな流れで進むのですか?
僕の仕事に決まった流れはまったくないんですよ。毎日自分の仕事に合わせて動きます。たとえば、今日は朝11時から社内で2本打ち合わせをしたあと、外で「AKB48」のスタッフと次週のロケについての打ち合わせをして、戻ってきたところです。

外での打ち合わせというのは、レコード会社の人や事務所の人とのやりとりが中心ですね。もちろん、ロケに同席することもあります。

プロデューサーの仕事はルーティーンワークではありませんが、強いて特徴をあげるとすれば、「365日、勤務時間も仕事内容も違う仕事」ということでしょうか。ただ、その根底にあるのは、僕の場合「音楽」ということですね。

テレビの世界に入るきっかけは何だったのでしょう?
僕は、小学生の頃からメディアの仕事がしたいと思っていました。本や新聞を読むことが好きで、小学校の卒業文集には「新聞記者になりたい」と書いた記憶があります。小説家になれるような才能があるとは思っていませんでしたが、とにかくメディアの仕事がやりたくて。

また、僕が青春時代を過ごした1970年代というのは、「8mmフィルム」を使った自主制作映画が花盛りでした。いまでは当たりまえのように流し見ているテレビCMも、最新映像技術を使ったりして、ものすごいブームになっていたんですね。

僕自身も映像に夢中になりました。就職活動ではマスコミしか受けず、内定が出たのがNHKと某新聞社だったので、テレビの世界を選びました。

プロデューサーになるまでの経緯は?
NHKは、基本的に新卒局員のほとんどが地方局勤務になります。僕も大学卒業後すぐNHKに入局して、まず鳥取放送局で5年間ディレクターとして働きました。それから東京で10年働き、プロデューサーになってから福岡放送局で3年間単身赴任をしました。そして、東京に戻っていまに至ります。

いまはJ-POP一筋ですが、これまでドキュメンタリーからドラマ、バラエティー、科学番組など、ほぼ一通りのジャンルを制作しました。

メディアの中で、NHKのように全国展開をしている会社は珍しいですよね。地方勤務は嫌だという人もいるかもしれませんが、僕は仕事をしながら色々な場所で経験を積めるというのは、いまから思うととてもいいことだなと思いますね。


仕事での苦労や、やりがいについてのエピソードを教えてください。
世の中には、なかなかテレビに出てくれないアーティストが存在します。たとえば「B’z」。僕は何年も何年もアプローチを続けていました。あるとき、とりあえずNHKのカメラで密着OKとなり、結果的に僕が担当したNHKスペシャルの特番として完成しました。取材期間も半年という期間を要しましたが、実はそこにいたるまでの時間が何倍もあったという苦労エピソードです。

僕は土日も関係なく足しげくライブに通い、事務所スタッフと挨拶し、メンバーとも話し…といったことを日々繰り返しています。人脈作りは、プロデューサーに必須です。「石原さんのところになら出ます!」と言ってもらえるのは、プロデューサー冥利に尽きますね。

テレビ制作の現場はやっぱり休みがないのでしょうか?
正直に言って少ないですね(笑)。ゴールデンウィークやお盆などは関係なく動いていますし、年末年始も「紅白歌合戦」が終わって元旦の朝方に自宅に帰り、翌日にはその視聴率が発表されるので会社に行きます。

いつも週末を使ってアーティストのライブに行きますし、地方ロケが入ることも。一年のうちに丸一日休めた日は…ちょっと思い出せないくらいですね。もうずっとこんな生活ですからある意味慣れましたが、決して楽でないのはたしかです。

プロデューサーには、どんな人が向いていると思いますか?
「好き嫌いで判断しない」人ですね。もちろん、音楽でも映画でも、自分の好みはあっていいです。ただ、それが訴えようとしていることや、「なぜ、売れているのか?」といったことを複眼的に考えることが、プロデューサーに必要な視点です。

売れているものには何かしら理由があります。たとえば、「アイドルには興味がない」とバカにするのではなく、本当の意味で「どんなジャンルでも好き」と言える人が向いていると思いますね。僕も、新譜CDは聴きまくり、週刊誌は毎週全誌チェック、テレビドラマの1話目は全て録画して観る…といったことを、何年も繰り返しています。メディアに関わる身として、最低限必要なことかなと思います。

将来の夢や目標はありますか?
僕が目指しているのは、一見「何もしない」プロデューサー。そう言うと語弊がありますが、プロデューサーがうるさく指示を出さなくても現場が回る…これは、難しいことです。きちんとやれる部下を育てることや、いい環境作りするのが、僕の目指す「超一流」のプロデューサー像です。

また、この仕事で「何をもって成功とするか?」というと、「自分に達成感があるか」だと思っています。自分がいいと思うものを伝えるのが僕らの仕事。もちろん、「視聴率が低い=見られていない」ので喜ばしくはないですが、視聴者に媚びてはいけないなと。これからも、僕が伝えたいと思ったことを伝えていきます。今後、もし自分のセンスに自信がなくなったときは、僕はこの仕事を辞めます。いまのところ、まだ当分やれそうですが(笑)。

テレビプロデューサーを目指す人にメッセージをください。
僕は、メディアの基本を学ぶには本と映画をオススメします。どちらも19世紀、20世紀の文化の中心でしたし、とても高級なメディアです。しかし、ある一定量を読んだり見たりしないと自分の判断基準や感性が磨かれないので、学生のうちにこれでもかというほど量を浴びてください。映画なら、年間100本が最低ラインですね。

テレビ制作の現場は、皆さんが思っているよりもずっと忙しいです。僕もこの歳になるとクタクタ(笑)。それでも、やればやるだけのリターンは必ずある仕事ですよ。

(取材:石原 桃子)
             ----------------------更新履歴-------------------------


(更新 2013.12.22 AKB48 SHOW #12 の リンクを追加しました。リンク切れ発生にそなえて、BACKUP版1・2も 掲載してます。)
(更新 2013.12.15 AKB48 SHOW #11 の リンクを追加しました。リンク切れ発生にそなえて、BACKUP版1・2も 掲載してます。)
(更新 2013.12.08 AKB48 SHOW #10 の リンクを追加しました。リンク切れ発生にそなえて、BACKUP版1・2も 掲載してます。)
(更新 2013.12.05 AKB48 SHOW #9 の リンクを追加しました。)

金子みすゞ 26歳自死 の My Way  

(更新 2013.11.30
金子みすゞの謎の詩「林檎畑」の鑑賞文に クリハラ冉〔なみ〕さんの「見えない國の花に」(文藝別冊 金子みすゞ 増補新版 所収)と 
下掲する矢崎節夫氏のものが知られています。しかしどちらも隔靴掻痒の感じがします。
彼女の My Way は やはり 謎のまま。

金子みすゞ遺影1930年3月9日 自死前日撮影
(1930年3月9日 自死前日 自ら 写真館に出向いて 残した 金子みすゞの遺影)

ペンネーム   金子みすゞ(かねこ みすず)
誕生 1903年4月11日金子テル(かねこ テル)

山口県大津郡仙崎村(現長門市仙崎)
死没 1930年3月10日(満26歳没)
職業 詩人
最終学歴 郡立大津高等女学校(現・山口県立大津緑洋高等学校)
活動期間 - 1930年
ジャンル 童謡
代表作 『わたしと小鳥とすずと』
『大漁』
子供 娘1人

   
林檎畑

平成22年12月8日

 七つの星のそのしたの、
 誰も知らない雪国に、
 林檎ばたけがありました。

 垣もむすばず、人もいず、
 なかの古樹の大枝に、
 鐘がかかっているばかり。
    ひとつ林檎をもいだ子は、
    ひとつお鐘をならします。
    ひとつお鐘がひびくとき、
    ひとつお花がひらきます。

 七つの星のしたを行く、
 馬橇の上の旅びとは、
 とおいお鐘をききました。

 とおいその音をきくときに、
 凍ったこころはとけました、
 みんな泪になりました。

『金子みすゞ全集』(JULA出版局)


 新しい一月の前に、十二月があるっていいな、といつも思います。宗教行事としてとは別に、やさしい気持ちになれる、クリスマスがあるからでしょう。そんなやさしい気持ちになれて、新年を迎えられるのは、とってもうれしいことです。

 みすゞさんは、『林檎畑』の中で、“ひとつ林檎をもいだ子は、/ひとつお鐘をならします。//ひとつお鐘がひびくとき、/ひとつお花がひらきます。”と、うたっています。

 古樹の大枝に、鐘がかかっているとは、そのことは、太古の昔からの人としての有様、ということでしょう。そして、林檎とは、だれかからいただいた、うれしい思いということでもあるでしょう。

 たくさんの方、物、存在から、たくさんのうれしさをいただきながら、忘れがちな日々の中で、十二月になると、そうだ、鐘をならさなくてはと思います。「今年もありがとうございます」と、鐘をたくさんならします。

                       金子みすゞ記念館 矢崎節夫



(更新 2013.07.08 
金子みすゞは明治36年(1903)、山口県大津郡仙崎町(現 長門市)に生まれた。本名、テル。
高等女学校卒業(卒学年席次2位)後、下関市の親類の書店で働きながら、童謡を書き、「童話」や「赤い鳥」に投稿した。

金子みすす20123271050 
(大正12年(1923)5月3日撮影 20歳の記念写真

雑誌『童話』誌上で担当していた童謡欄で、最も異彩を放った婦人であった」(西条八十)
大正15年(1926)発行の童謡詩人会編の童謡集に、北原白秋、野口雨情、竹久夢二らと並んで選ばれた。


だが結婚運が悪く、一人娘をもうけたが、昭和5年(1930)に離婚、直後の3月10日に自殺した。二十八歳。(よみがえる幻の童謡詩人 大正時代の”若き巨星”金子みすゞ 「朝日新聞」83.12.01 (河谷史夫 記)に依る)(注 年齢表記28歳は 数え年(かぞえどし)と思われる)

金子みすゞ切手(平成15年)


2010.11.28
リベルテ マンドリン オーケストラ
久保田翠 金子みすゞの詩による歌曲集Ⅴより「林檎畑」
指揮:中川賢一 
ソプラノ:小林実佐子

Liberte Mandolin Ensemble
Midori Kubota: Songs on poems by Misuzu Kaneko
Cond. Ken'ichi Nakagawa
Soprano Misako Kobayashi

http://www.liberte-mandolin.com


「林檎畑」


七つの星のそのしたの、
誰も知らない雪国に、
林檎(りんご)ばたけがありました。

垣もむすばず、人もゐ(い)ず、
なかの古樹(ふるき)の大枝に、
鐘がかかってゐ(い)るばかり。


ひとつ林檎をもいだ子は、
ひとつお鐘をならします。

ひとつお鐘がひびくとき、
ひとつお花がひらきます。


七つの星のしたを行く
馬橇(ばそり)の上の旅びとは、
とおいお鐘をききました。

とおいその音きくときに、
凍ったこころはとけました、
みんな泪(なみだ)になりました。


-----北斗七星の下の誰も知らない林檎畑。その畑の一本の古樹に鐘がかかっている。
    子供がひとり、林檎をもいでは鐘を鳴らす。そのたび、林檎の花がひとつ咲く。
    同じ北斗七星の下を馬橇で行く旅人がいる。
    旅人はその鐘の音を遠く聞くと、凍った心を溶かされ、それが涙となる。


言葉の謂いは そうなんですが、何を云っているのか、意味が推し量れないので、難解な印象を与えます。意味不明な童謡を書く 金子みすゞ の 謎な行為 ---- 彼女の My Way  謎 です。)




(更新 2013.06.15 童謡詩人金子みすゞの My Way は、これまで4度 映像化されています。

映画「みすゞ」(紀伊國屋書店制作、監督:五十嵐匠、主演:田中美里)、2001年。
TV「こころの王国・童謡詩人金子みすゞの世界」(NHK制作、演出:今野勉、主演:小林綾子)、1995年。
  「明るいほうへ 明るいほうへ」(TBS制作、演出:清弘誠、脚本 清水 曙美 主演:松たか子)、2001年。
  「金子みすゞ物語〜みんなちがってみんないい〜」(TBS制作演 出:清弘誠、主演:上戸彩) 、2012年。

  TBS2作品は プロテューサー:石井ふく子 脚本 清水 曙美(演出 清弘誠 も)で共通ですが、
金子みすゞを演じた女優の資質の違いで、全くの別作品の印象で仕上がっていました。
  上戸彩さんはこの作品の放映後ほどなく結婚し、ドラマから縁遠くなった印象です。接点がCMだけなってしまい残念な思いでいます。

金子みすゞと上山正祐(実の姉弟)

  NHK作品ついては 金子みすゞの5百余編の中で、みすゞの個人史と童謡実作との照応作業をするうち、一つだけ意味の解り難い童謡詩「林檎畑」があることに着目し、番組の冒頭に 謎として「林檎畑」を置き、それを解く形の番組展開の構想を得た と演出の今野勉 氏が 書き残しています。(文藝別冊 金子みすゞ(増補新版 2011.4.30初版 河出書房新社) P75 「みすゞの謎」))




(更新2013.05.31 今 二人の女性の My Way に強く心を寄せています。ひとりは26歳で服毒自死した童謡詩人 もうひとりは 弱冠20歳劇場支配人の肩書を持ち、アイドルヲタのエンターテイナーにして秋元氏主宰グループでアイドルプロデューサーの相貌をも 併せ持つ、云うところのプレイングマネージャー 。いずれの日にか、本稿に書きとめられたら いいな と思っています。)

   
AKBグループ臨時総会(2013.04.28 武道館)
(更新2013.05.30 そのグループ臨時総会の華やかな光景がYouTubeで世界に向けて無料配信された 4月28日以降 秋元康 氏も参画している”クールジャパン”の具現世界に どっぷり浸ってました。
多分、自らの生の来歴に重ね合わせて感情移入し、ふいに嗚咽すら余儀なくさせてしまう、ひとつとして同じではない いくつもの My Wayが 生の証として豊饒に繰り広げられている のを 知ってしまった今は
この世界から 容易なことでは抜け出せない と覚醒しました。 )


渚のcherry など いろいろ (本稿は未完ですが、ぼつぼつ補綴していきます---この作業は 嫌じゃない!)

渚のcherry (指原莉乃 山田麻莉奈 岡田栞奈 谷真理佳)--グループ臨時総会


9期横山由依キレキレの 渚のCHERRY 黄:前田敦 青:大場・永尾・横山


渚のCHERRY (松井玲奈 竹內美宥 市川美織 武藤十夢)


渚のcherry (前田敦子 川栄李奈 島崎遙香 木崎ゆりあ)--AKB48 in TOKTO DOME ~1830mの夢~


渚のCHERRY (浦野一美 前田敦子 小野恵令奈 松井珠理奈 キレキレダンス 松井珠理奈 )--「神公演予定」


渚のCHERRY (松井珠理奈 仲谷明香 野口玲菜 早野薫)--年忘れ感謝祭


渚のCHERRY (島崎遥香 大島涼花 高島祐利奈 篠崎彩奈)--業務連絡。頼むぞ、片山部長! in さいたまスーパーアリーナ


渚のCHERRY--~会いたかった ~柱はないぜ!~(小野 奧 早野 松原)





てもでもの涙 (小嶋陽菜 篠田麻里子)--業務連絡。頼むぞ、片山部長! in さいたまスーパーアリーナ


てもでもの涙 (松井珠理奈 篠田麻里子)--AKB48 in TOKTO DOME ~1830mの夢~





となりのバナナ (渡辺麻友 多田愛佳)--まさか、このコンサートの音源は流出しないよね?


となりのバナナ (橫山由依 渡辺美優紀)--第2回AKB48紅白対抗歌合戦


となりのバナナ(秋吉優花 山尾梨奈)--AKB48グループ研究生 武道館公演「推しメン早い者勝ち」


となりのバナナ (田島芽瑠 朝長美桜)--グループ臨時総会





アボガドじゃね~し ( 指原莉乃・渡辺麻友)--AKB48 in TOKTO DOME ~1830mの夢~
この組み合わせは ふたりの雛壇芸の延長上に成立したように思います。

FULL 音声ースライド 渡辺麻友、指原莉乃 - アボガドじゃねーし


アボガドじゃね~し… (島崎遥香 渡辺美優紀)--グループ臨時総会





AKB48UZA@FULL 121028 Music Japan独占披露

UZA
(センター:大島優子、松井珠理奈)
チームA:篠田麻里子、高橋みなみ、渡辺麻友
チームK:板野友美、大島優子
チームB:柏木由紀、小嶋陽菜、島崎遥香、峯岸みなみ
AKB48 チームA / NMB48:横山由依
SKE48 チームS / AKB48 チームK:松井珠理奈
SKE48 チームS:松井玲奈
NMB48 チームN / AKB48 チームB:渡辺美優紀
NMB48 チームN:山本彩
HKT48 チームH:指原莉乃、宮脇咲良
選抜メンバーの人数は前作と同じ16名。大島優は前作「ギンガムチェック」に続き2作連続、松井珠は「大声ダイヤモンド」以来約4年ぶりのセンター。宮脇が初選抜。島崎・渡辺美・山本彩は「真夏のSounds good !」以来5か月ぶりの選抜復帰。前作で選抜メンバーだった河西智美・梅田彩佳・北原里英・[注 10]・宮澤佐江[注 10]が選抜から外れている。HKT48から2名選抜入りは過去最多。

***********************************************

AKB48 UZA MJミルキー恐るべし(総選挙分析ライター)

10月28日(日)にNHKのMUSIC JAPANで放映されたAKB48の新曲UZAは見応えがあった。

この曲は10/31に発売が予定されており、すでに9/18の第3回選抜じゃんけん大会で初めて曲が披露されたあと、9/24のHEY HEY HEY、10/5のMステ、10/23の火曜曲!、10/26のMステですでに何回か紹介されている。じゃんけん大会はフルに歌われたようだがその時の映像からは前評判の最高難度のダンスの全容はよくわからなかった。また、HEY、Mステ、火曜曲!は2分40秒前後のショートバージョンだったのでこちらからも、まあこんなものかなという印象で見ていた。

それに対して、今回放送されたMUSIC JAPANでは4分35秒間の放映時間で、筆者がすでに見た海外サイトで流れているUZAのPV(4分49秒)とほぼ同じ長さであることからフルに歌ったのではないかと思う。さらにカメラワークがさすがNHKと思わせる映しの巧みさがあり、全体のダンスの流れや個々のメンバーの動きがかなり良くわかるものだった。
121028 MJ「UZA」映像 AKB48

ひさしぶりに、見ていてワクワクしたので、放送後もVTRをすでに10回ぐらい見てしまった。筆者としては超異例のことだ。

歌も当然良いと思うのだが、全容が見えた激しいダンスに惹き付けられた。今までで最高難易度のダンスというだけあって、しっかり踊れているメンバーとなんとか踊っているメンバーのダンスのキレの差が素人目にもかなりわかる。そこが見ていて楽しい。

今回映像を見ていて、キレが良く踊れていると筆者が思ったのは松井珠理奈、大島優子、この辺は前評判どおり。また、表情豊かでダンスに余裕があり、うまいなぁと思ったのは板野友美。山本彩も切れ味鋭かった。

そして、筆者が一番驚いたのは渡辺美優紀。えらくセクシーかつリズミカルにしなやかに「輝いて」踊っていたので目が釘付けになった。渡辺美優紀はダンスがこんなにうまいんだと印象が一変してしまった。思わず釣られそうである。ミルキー恐るべし。




涙の湘南 (阿部マリア 篠田麻里子 秋元才加 宮澤佐江 前田亜美)--グループ臨時総会
秋元才加センター 
ブログに”涙の湘南”のセンターを張った事と小道具のサングラスは 篠田麻里子さんのこの曲への 様々なアドバイスのなかのひとつ であった事の披露と この時の衣装の記念写真が UPされています。
登場シーンでサングラスをはずした時、場内観客のどよめき を呼んだことを見ても、篠田麻里子さんのアドバイスの的確さが窺えます。 




嘆きのフィギュア (渡辺麻友 松井玲奈 朝長美桜 田島芽瑠)--グループ臨時総会




YYG 3rd S08 スカート、ひらり
元祖神7!! 2010年ごろのあっちゃんのキリリ感☆ この神7を越える次世代が現れるのだろうか。。。 

スカート、ひらり(小嶋真子 西野未姫 冈田奈々 田岛芽瑠 朝长美桜)--AKB48グループ研究生 武道館公演「推しメン早い者勝ち」




Bird(板野友美 指原莉乃 北原里英)--まさか、このコンサートの音源は流出しないよね?



AKB48 A4th 7時12分の初恋(前田 石田晴香 あと3名 不明)

横アリ 1st S04 7時12分の初恋(前田 多田 高城 仲川遙香 あと1名 不明)

7時12分の初恋 (川栄李奈 島崎遙香 前田敦子 向田茉夏 高橋朱里)--AKB48 in TOKTO DOME ~1830mの夢~


YYG 2nd S13 7時12分の初恋(多田 島崎 小森 あーみん らんらん)

AKB48 「7時12分の初恋 (渡辺・指原・多田・平嶋・奥)」

7時12分の初恋(田島芽瑠 篠崎彩奈 渕上舞 空美夕日 竹内彩姫)--AKB48グループ研究生 武道館公演「推しメン早い者勝ち」




YYG 2nd EN3 ひこうき雲
”ドーム初日のラストでやったけど盛り上がりハンパなかったな”





YYG 3rd EN2 Seventeen
”この曲あんま目立ってないけど 相当な神曲・・・””詞が結構切ないよね・・・”




AKB48 秋元才加卒業曲「強さと弱さの間で」130822 TD◎

AKB48の5大ドームツアー東京公演初日が22日、東京ドームで開催され、アンコールで秋元才加(25)の卒業セレモニー ... 2期生9人(秋元才加、梅田彩佳、大島優子、小林香菜、宮澤佐江、大堀恵、増田有華、野呂佳代、河西智美、松原夏海)で未発表の卒業ソング「強さと弱さの間で」(発売未定)を初披露すると、地鳴りのような歓声が沸き起こった。


130822TDのセトリ

影アナ:秋元才加
M01.RIVER
M02.Beginner 横山チームA
M03.UZA 大島チームK
M04.風は吹いている 梅田チームB
M05.フライングゲット※秋元才加センター
M06.スキ!スキ!スキップ! HKT48
M07.ピノキオ軍 SKE48
M08.HA! NMB48
M09.少女たちよ 全員
MC1.総ちゃん1周年!
M10.青春ガールズ 大島チームK
M11.最終ベルが鳴る 大島チームK
M12.ウッホウッホホ 大島チームK
M13.初日 梅田チームB
M14.正義の味方じゃないヒーロー 梅田チームB
M15.チームB推し 梅田チームB
M16.ただいま恋愛中 横山チームA
M17.ずっとずっと 横山チームA
M18.重力シンパシー 横山チームA
MC
M19.スカート、ひらり (秋元才加、梅田彩佳、大島優子、小林香菜、宮澤佐江)
M20.転がる石になれ(秋元才加、梅田彩佳、大島優子、小林香菜、宮澤佐江)
M21.僕の太陽 全員
M22.草原の奇跡 全員
MC (ゆうこ、それレバーじゃないから。冷静なさやか)
M23.LOVE修行 AKB48研究生
M24.そばかすのキス HKT48
M25.メロンジュース HKT48
M26.僕らのユリイカ NMB48
M27.オーマイガー NMB48
M28.美しい稲妻 SKE48
M29.1234ヨロシク! SKE48
M30.Blue rose (秋元才加、倉持明日香、宮澤佐江、近野莉菜)
M31.愛の意味を考えてみた UG
M32.推定マーマレード FG
M33.今度こそエクスタシー NG
MC
M34.ポニーテールとシュシュ AKB選抜 ※ピアノ前奏:松井咲子
M35.真夏のSounds good AKB選抜
M36.Everyday、カチューシャ AKB選抜
M37.大声ダイヤモンド AKB選抜+AKB正規
M38.ギンガムチェック AKB選抜+AKB正規
M39.ひこうき雲 全員
M40.会いたかった 全員
M41.ヘビーローテーション 全員
M42.さよならクロール 全員
本編終了
EN1.虫のバラード(秋元才加)
MC
EN2.強さと弱さの間で(秋元、梅田、大島優、小林香、宮澤、大堀、増田、野呂、河西、松原)
EN3.To be continued(秋元、梅田、大島優、小林香、宮澤、大堀、増田、野呂、河西、松原)
EN4.恋するフォーチュンクッキー 総選挙選抜
EN5.ファースト・ラビット 全員
EN6.AKBフェスティバル 全員
東京ドーム1日目終了 21:10終演

以下 秋元才加卒業セレモニーの様子を伝える書き込み----

あっちゃんの卒業コンに続く卒業コンサートぽいものになったと思う
卒業ソングがないとわかった時の切なさはやりきれないものがあった。

いやー!
おまえらにもあね99.9%の緑サイリウム見せたかったわ
あの才加コール聞かせたかったわ
オカロヲタGJ!

神だったな
けど支えも聴きたかった


虫のバラードでオカロ泣くかとおもってたけどなんとか耐えてたね。
そのままスッキリ泣いて欲しかったけど

あそこで泣かずに歌いきったからこそ
卒業ソングの後のトゥビコンで正規メンバー全員で作った花道を2期に見送られ歩いて
最後振り返った後の泣き顔で涙腺崩壊したわww
あれは我慢できなかった


最高によかった
緑で埋まった会場は感動の一言

ライブで泣いたのは初めてだ
緑一色の中の虫で泣き、2期OGで泣き、優子号泣で泣いた
最後のtobeもヤバかった


サプライズ卒業ソングでは耐えてたけど優子の号泣がスクリーンに
映った瞬間、涙腺が崩壊したよ

オカロもこんな神公演で送られるなんて幸せだろうな~

あの全国ツアーとかではあったけどまさか東京ドームが緑のサイ一面で染まるとは思わなかったわ
あれには素直に感動した。AKBっていいなって本気でおもった

戸賀崎智信
一般公開で共有しました - 20:32

今日のアンコールは『才加』コール。
そして、会場は秋元ファンの有志100名が配布した緑のサイリウム一色です。
泣けます。
そして
AKB48Gの根底にある、ファンとメンバーの絆を強く感じます。
本当にありがとうございます。
秋元が歩んできた道のりが正しかったことを証明してくれました。

今日の公演はもともと最初から緑率は高かった。
公式でも自前でも緑+別色って感じでもってる人が多かった。
だから中盤の草原のあとのMCでたかみながサイリウムに関してちょっと触れたのに呼応して
会場のファンがサイリウムを振ったときは既に9割以上緑だった。

それ+最後は自前でもってない人も配布された緑サイをつかってたから
あれだけ一面緑色にできた。本当に綺麗だった。

今年はTDCのK公演のときでも一面緑には程遠い感じで
空気をよんでくれないやつが結構別色ふってて残念な感じだったけど
今日は本当に素晴らしかった。
実行委員の方、お疲れさまでした。

フライングゲットのセンターをやったのは運営GJ!
プロフィール

ちあき

  • Author:ちあき
  • 白線同盟駆坂あかね様
     御賜物<KAREN>

     『 0 』 ( 2013.07.05 )

    作曲・MIDI制作 嶋 是一さん



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