金子みすゞ 26歳自死 の My Way  

(更新 2013.11.30
金子みすゞの謎の詩「林檎畑」の鑑賞文に クリハラ冉〔なみ〕さんの「見えない國の花に」(文藝別冊 金子みすゞ 増補新版 所収)と 
下掲する矢崎節夫氏のものが知られています。しかしどちらも隔靴掻痒の感じがします。
彼女の My Way は やはり 謎のまま。

金子みすゞ遺影1930年3月9日 自死前日撮影
(1930年3月9日 自死前日 自ら 写真館に出向いて 残した 金子みすゞの遺影)

ペンネーム   金子みすゞ(かねこ みすず)
誕生 1903年4月11日金子テル(かねこ テル)

山口県大津郡仙崎村(現長門市仙崎)
死没 1930年3月10日(満26歳没)
職業 詩人
最終学歴 郡立大津高等女学校(現・山口県立大津緑洋高等学校)
活動期間 - 1930年
ジャンル 童謡
代表作 『わたしと小鳥とすずと』
『大漁』
子供 娘1人

   
林檎畑

平成22年12月8日

 七つの星のそのしたの、
 誰も知らない雪国に、
 林檎ばたけがありました。

 垣もむすばず、人もいず、
 なかの古樹の大枝に、
 鐘がかかっているばかり。
    ひとつ林檎をもいだ子は、
    ひとつお鐘をならします。
    ひとつお鐘がひびくとき、
    ひとつお花がひらきます。

 七つの星のしたを行く、
 馬橇の上の旅びとは、
 とおいお鐘をききました。

 とおいその音をきくときに、
 凍ったこころはとけました、
 みんな泪になりました。

『金子みすゞ全集』(JULA出版局)


 新しい一月の前に、十二月があるっていいな、といつも思います。宗教行事としてとは別に、やさしい気持ちになれる、クリスマスがあるからでしょう。そんなやさしい気持ちになれて、新年を迎えられるのは、とってもうれしいことです。

 みすゞさんは、『林檎畑』の中で、“ひとつ林檎をもいだ子は、/ひとつお鐘をならします。//ひとつお鐘がひびくとき、/ひとつお花がひらきます。”と、うたっています。

 古樹の大枝に、鐘がかかっているとは、そのことは、太古の昔からの人としての有様、ということでしょう。そして、林檎とは、だれかからいただいた、うれしい思いということでもあるでしょう。

 たくさんの方、物、存在から、たくさんのうれしさをいただきながら、忘れがちな日々の中で、十二月になると、そうだ、鐘をならさなくてはと思います。「今年もありがとうございます」と、鐘をたくさんならします。

                       金子みすゞ記念館 矢崎節夫



(更新 2013.07.08 
金子みすゞは明治36年(1903)、山口県大津郡仙崎町(現 長門市)に生まれた。本名、テル。
高等女学校卒業(卒学年席次2位)後、下関市の親類の書店で働きながら、童謡を書き、「童話」や「赤い鳥」に投稿した。

金子みすす20123271050 
(大正12年(1923)5月3日撮影 20歳の記念写真

雑誌『童話』誌上で担当していた童謡欄で、最も異彩を放った婦人であった」(西条八十)
大正15年(1926)発行の童謡詩人会編の童謡集に、北原白秋、野口雨情、竹久夢二らと並んで選ばれた。


だが結婚運が悪く、一人娘をもうけたが、昭和5年(1930)に離婚、直後の3月10日に自殺した。二十八歳。(よみがえる幻の童謡詩人 大正時代の”若き巨星”金子みすゞ 「朝日新聞」83.12.01 (河谷史夫 記)に依る)(注 年齢表記28歳は 数え年(かぞえどし)と思われる)

金子みすゞ切手(平成15年)


2010.11.28
リベルテ マンドリン オーケストラ
久保田翠 金子みすゞの詩による歌曲集Ⅴより「林檎畑」
指揮:中川賢一 
ソプラノ:小林実佐子

Liberte Mandolin Ensemble
Midori Kubota: Songs on poems by Misuzu Kaneko
Cond. Ken'ichi Nakagawa
Soprano Misako Kobayashi

http://www.liberte-mandolin.com


「林檎畑」


七つの星のそのしたの、
誰も知らない雪国に、
林檎(りんご)ばたけがありました。

垣もむすばず、人もゐ(い)ず、
なかの古樹(ふるき)の大枝に、
鐘がかかってゐ(い)るばかり。


ひとつ林檎をもいだ子は、
ひとつお鐘をならします。

ひとつお鐘がひびくとき、
ひとつお花がひらきます。


七つの星のしたを行く
馬橇(ばそり)の上の旅びとは、
とおいお鐘をききました。

とおいその音きくときに、
凍ったこころはとけました、
みんな泪(なみだ)になりました。


-----北斗七星の下の誰も知らない林檎畑。その畑の一本の古樹に鐘がかかっている。
    子供がひとり、林檎をもいでは鐘を鳴らす。そのたび、林檎の花がひとつ咲く。
    同じ北斗七星の下を馬橇で行く旅人がいる。
    旅人はその鐘の音を遠く聞くと、凍った心を溶かされ、それが涙となる。


言葉の謂いは そうなんですが、何を云っているのか、意味が推し量れないので、難解な印象を与えます。意味不明な童謡を書く 金子みすゞ の 謎な行為 ---- 彼女の My Way  謎 です。)




(更新 2013.06.15 童謡詩人金子みすゞの My Way は、これまで4度 映像化されています。

映画「みすゞ」(紀伊國屋書店制作、監督:五十嵐匠、主演:田中美里)、2001年。
TV「こころの王国・童謡詩人金子みすゞの世界」(NHK制作、演出:今野勉、主演:小林綾子)、1995年。
  「明るいほうへ 明るいほうへ」(TBS制作、演出:清弘誠、脚本 清水 曙美 主演:松たか子)、2001年。
  「金子みすゞ物語〜みんなちがってみんないい〜」(TBS制作演 出:清弘誠、主演:上戸彩) 、2012年。

  TBS2作品は プロテューサー:石井ふく子 脚本 清水 曙美(演出 清弘誠 も)で共通ですが、
金子みすゞを演じた女優の資質の違いで、全くの別作品の印象で仕上がっていました。
  上戸彩さんはこの作品の放映後ほどなく結婚し、ドラマから縁遠くなった印象です。接点がCMだけなってしまい残念な思いでいます。

金子みすゞと上山正祐(実の姉弟)

  NHK作品ついては 金子みすゞの5百余編の中で、みすゞの個人史と童謡実作との照応作業をするうち、一つだけ意味の解り難い童謡詩「林檎畑」があることに着目し、番組の冒頭に 謎として「林檎畑」を置き、それを解く形の番組展開の構想を得た と演出の今野勉 氏が 書き残しています。(文藝別冊 金子みすゞ(増補新版 2011.4.30初版 河出書房新社) P75 「みすゞの謎」))




(更新2013.05.31 今 二人の女性の My Way に強く心を寄せています。ひとりは26歳で服毒自死した童謡詩人 もうひとりは 弱冠20歳劇場支配人の肩書を持ち、アイドルヲタのエンターテイナーにして秋元氏主宰グループでアイドルプロデューサーの相貌をも 併せ持つ、云うところのプレイングマネージャー 。いずれの日にか、本稿に書きとめられたら いいな と思っています。)

   
AKBグループ臨時総会(2013.04.28 武道館)
(更新2013.05.30 そのグループ臨時総会の華やかな光景がYouTubeで世界に向けて無料配信された 4月28日以降 秋元康 氏も参画している”クールジャパン”の具現世界に どっぷり浸ってました。
多分、自らの生の来歴に重ね合わせて感情移入し、ふいに嗚咽すら余儀なくさせてしまう、ひとつとして同じではない いくつもの My Wayが 生の証として豊饒に繰り広げられている のを 知ってしまった今は
この世界から 容易なことでは抜け出せない と覚醒しました。 )


コメントの投稿

非公開コメント

現代の出雲阿国

金子みすずさんも好きですが、さしはらさんは、歌舞伎の始祖でありプレイングマネージャーの出雲阿国の再来のような気がしています。
プロフィール

ちあき

  • Author:ちあき
  • 白線同盟駆坂あかね様
     御賜物<KAREN>

     『 0 』 ( 2013.07.05 )

    作曲・MIDI制作 嶋 是一さん



ブログ内検索
最近の記事
カテゴリー
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク
RSSフィード
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
BGM
BGM 『0』